では、なぜ、桜花はそんなことをいつも自分のことを貶している自分の父親に対してそう言ってきたのか。それはこの桜花の思いからだった。
(私が得意としている音楽でもってお父様の天敵であるAqoursを倒せばきっと私のことをお父様は認めてくれるはず・・・)
そう、桜花は自分の得意とする音楽でもって木松悪斗の天敵であるAqoursを倒すことで自分の父親である木松悪斗から認めてもらいたい、そんな桜花の思いからの行動だったのだ。桜花は音楽の才能があった。だが、それを桜花の父親、木松悪斗は認めてくれなかった。いや、完全に拒否したうえで長女の旺夏のように自分の役に立つように強要してきたのである。だが、桜花は音楽以外の才能を姉の旺夏ぐらいのところまで伸ばすことができなかった(と父の木松悪斗はそう判断した)。それによって父の木松悪斗は桜花のことを「無能」と決めつけては「役立たず」「ごく潰し」といつも桜花のことを貶し続けたのである。いや、自分の父親だけでなく姉の旺夏も父と同じことを妹の桜花に言っては貶し続けたのである。こうして桜花は自分のことを卑屈に考えるようになり、「私なんて生きる価値なんてない」「もう死にたい」と考えるようになったのだ。ただ、それでも桜花は自分の父親のことを考えては、
「いつかはお父様から認めてもらいたい・・・。そのためにもお父様の役に立たないと・・・」
と思うようになっていった。たとえ自分の父親からいつも貶されているとはいえ、これまで木松悪斗は桜花からみれば自分の父親である。なおんで、いつも貶されている状況が続いてもいつかは自分のことを父親から認めてもらえればきっとこの状況から脱却できる、そのためにも自分の父親の役に立たないといけない・・・、そんな絶望のなかにある一筋の光を必死に追い求めようとしていた・・・。
だが、自分の父親や姉から貶され初めてから、長い間、1度もその機会が訪れることはなかった。むしろ、自分の父親と姉からいつも貶された、そのたびごとに桜花は心のなかで、
(やっぱり私は「役立たず」「ごく潰し」なんだ・・・。もう生きるの、やだよ・・・)
と自分のことを卑下するだけでなくこれ以上いきるのが嫌になってしまった・・・。
そんな桜花にとって苦痛以上の日々を長い間暮らしていた矢先、ついに桜花が自分の父である木松悪斗のために役に立つ日が訪れた。それは桜花が父からの命令で姉の旺夏が通う静真に入学することが決まった3月の下旬のころだった。突然、桜花のもとにこんな情報がもたらされた。
「えっ、お父様(木松悪斗)が一女子高生に敗れた・・・」
それは桜花にとってあまりに衝撃的な情報であった。父の木松悪斗の信条は「勝利こそすべて」、その信条を守るがごとく木松悪斗はどんな手を使ってでも「勝利」を追い求めようとしていた。ところが、そんな木松悪斗がただの一女子高生に敗れた、というのだ。木松悪斗はこれでも日本有数の投資グループの代表を務めるぐらいすごい実力を有している。だが、そんな木松悪斗がただの女子高生に敗れるなんて前代未聞であった。
そんなわけで、桜花、少し気になってその情報の詳しい内容を調べることにした。そして、2時間後・・・、
(お父様を打ち負かした相手・・・、それが渡辺月静真高校生徒会長とAqours・・・)(桜花)
と、桜花、ついに父木松悪斗を打ち負かせた相手が月とAqoursであることがわかった。また、父木松悪斗と月・Aqoursとの戦いの内容についてもわかった。なんと、父の木松悪斗は論戦で戦い、静真の影の神である沼田の裁量で負けた、というのだ。これには、桜花、さらにびっくりする。
(まさか、あのお父様が論戦で負けるなんて・・・)
まぁ、班がびっくりするのも無理ではなかった。木松悪斗はどんな手でも「勝利」を追い求める。むろん、それがたとえ論戦になったとしてもだ。なので、論戦になったとき、木松悪斗はどんな相手でも威圧的な態度で噛み殺そうとする目をする。さらに威圧的な口調で相手を攻める。こうすればどんな論戦でも木松悪斗は勝つことができる、いや、これこそ木松悪斗の勝ちパターンであった。だが、今回、その勝ちパターンで勝負した父の木松悪斗が月に負けたのであればそれは木松悪斗にとって自分のプライドがずたずたに切り裂かれた、いや、木松悪斗にとって由々しき事態が起きた、ということになる。
そんな由々しき事態となった父木松悪斗のことを考えたのか桜花はこんなことを考えてしまう。
(お父様が負けるなんて・・・。もしかすると、お父様、かなりピンチではないだろうか・・・。でも、私はただの役立たず・・・。私がどう動いたとしても状況は変わらない・・・。やっぱり私は役立たずなんだ・・・)
そう、父の木松悪斗にとって、現在、かなりのピンチの状態である。なので、ここは自分が父のためになにかをしてあげたい、でも、自分が動いてもなにもできない、役立たず・・・、そんな卑下を桜花はいつもの通りにやってしまたのだ。
だが、そんな父の木松悪斗を打ち負かした相手である月とAqoursのことが気になったのか、桜花、
(でも、そんなお父様を打ち負かした相手、渡辺月とAqoursのことがちょっと気になる・・・。それについて調べてみよう・・・)
と考えるようになり、月とAqoursについて調べることにした。
そして、1時間後・・・、
(渡辺月についてはそこまで詳しい情報がなかった・・・)(桜花)
月についての情報はあまりなかった。月は確かに静真高校の生徒会長である。だが、社会全体で見た場合、たとえ月がそんな役職についていたとしてもただの日本にある高校の一生徒会長というだけである。そう考えれば月の情報が少なく、詳しい情報がないのも仕方のないことだった・・・。
一方、Aqoursはというと・・・、
(それに対して、Aqoursの情報があまりに多すぎる・・・。どの情報をみればいいかわからない・・・)(桜花)
そう、Aqoursの情報は逆に多すぎてどの情報をみればいいのかわからなくなったのだ、桜花からすれば・・・。Aqoursの場合、ラブライブ!に優勝したことやローマ・スペイン広場での運命のライブを大成功に収めたこともあり、日本国内だけでなく世界中にもその名が知られていた。なので、Aqoursについての情報は桜花が混乱するほど膨大であった。
そんなわけでして、桜花、Aqoursについてまとめサイトで調べてみることにした。
「え~、なんなに、Aqours・・・、スクールアイドルグループのひとつ・・・。ラブライブ!冬季大会で優勝・・・。へぇ~」
と相槌を打ちながらまとめサイトを読んでいく・・・のだが、ここである問題にぶち当たる。それは・・・、
「スクールアイドル?ラブライブ!?なにそれ?」
そう、桜花の知らない単語が出てきたのだ。というのも、桜花、父の木松悪斗によって音楽に関する情報を遮断されていたのだ。これも父である木松悪斗が桜花を自分の役に立つように育てるための処置だったのだが、それにより、音楽と関わりの深い「スクールアイドル」「ラブライブ!」という単語の意味を桜花は知らなかったのだ。
そんなわけでして、桜花、スクールアイドルとラブライブ!について調べることに。すすと、
「へぇ~、スクールアイドルって高校生なら誰れもなれるアイドル、ってことか・・・。それって素人でもなれるってことだよね・・・。それに、ラブライブ!?そのスクールアイドルの甲子園、なんだ・・・。でも、素人ばかりが集まって戦うなんてレベルが低いんだ・・・」(桜花)
なんと、桜花、「スクールアイドル」の「誰でもなれる」というところを「素人もなれる」と勝手に解釈してしまったためか、「スクールアイドル」のことを「素人の集団」、「ラブライブ!]」のことを「そんな素人集団の戦い」と理解してしまった!!まぁ、たしかに、スクールアイドルは高校生なら誰でもなれるものだが、そのレベルについては素人レベルからプロレベルと幅が広い、いや、ほとんどのスクールアイドルはそのプロのレベルになるように、たとえば、理亜たちのSaint Snowみたいにプロも真っ青になるくらいのレベルになるように日々精進しているし、そんなスクールアイドルにとって1つの目標となるのが、スクールアイドルの甲子園、ラブライブ!での優勝である。ただ、桜花は、「誰でもなれる」、ただその一言でスクールアイドルは素人の集団という認識を持ってしまった・・・。
とはいえ、桜花、スクールアイドルについてちょっと気になったらしく・・・、
(でも、スクールアイドルはアイドルを名乗っているのだから音楽に関係あるだろし、ちょっと気にある・・・)
と、「アイドル」という文言が気になるのか、それとも、アイドルつながりで自分の好きな音楽と関係あることが気になるのか、桜花、いつもなら父木松悪斗の命令で見ることが出来ない動画サイトを勝手に開いては「スクールアイドル」という単語でもって検索をかけてみることに。すると、数多くのスクールアイドルの動画がヒットした。その1つを桜花が再生してみると・・・、
「こ、これが、スクールアイドル・・・」
と桜花が驚くほど力強くパフォーマンスするスクールアイドルの姿があった・・・が、それと同時に、桜花、こんなことまで考えてしまう。
(でも、笑いながらダンスをして歌う、そんなもの、この私でもできる!!)
そう、桜花はスクールアイドルの動画を見て、「これなら自分にもできる」と思ってしまったのだ。まぁ、普通の人から見たら「笑いながらパフォーマンスをする」なんて誰でもできると思ってしまうものだが、1度でもスクールアイドルを志したことがある人からみたらそれができるまでにはかなりの労力を有するものだと自覚するものである。それくらい、「笑いながらパフォーマンスをする」という行為は並大抵の努力ではできない、いわゆる、スクールアイドルにとって究極のかたちの1つ、といえるのだが、これまで、スクールアイドル、いや、アイドルについて見ることも知ることも許されなかった桜花がスクールアイドルの動画を見て、「誰でもできる」、と高をくくっても仕方がないことかもしれなかった・・・。
とはいえ、父の木松悪斗は月とスクールアイドルであるAqoursに負けた、という事実は変えようがないことだったので、桜花はこの負けの事実について改めてこう考えてしまう。
(でも、お父様は月という生徒会長とAqoursという素人ばかりのスクールアイドルの集団に負けた・・・ということは・・・、お父様、この月とAqoursに対して苦しい思いを持っているはず・・・。そして、いつかは月とAqoursに対して復讐したいと思っているはず・・・)
そう、木松悪斗は、「勝利することこそすべて」、それをいつも体現しないと気が済まないたちであった。なので、一度敗れた相手がいるのなら木松悪斗はその相手から勝利をもぎ取るまで何度でも戦う、いや、負けたことが気に食わないのか、その相手に対し復讐する、それが木松悪斗であった。で、今回はたかが一高校の生徒会長である月と素人のスクールアイドル集団であるAqours(二つともこのときの桜花の評)に負けたのだから、静真のトップ、いや、日本有数の投資グループを率いている木松悪斗からすれば「自分より格段に劣っている相手に負けたことでお父様(木松悪斗)のプライドはずたずたに引き裂かれたに違いない」、と思っているに違いない、なので、いつかは月とAqours、この木松悪斗より劣っている相手に復讐したい、と桜花は考えたのである。
そして、桜花はついにこんなことまで考えるようになった。
(お父様は月とAqoursに復讐をする。それってもしかすると、私にとってお父様から認められるチャンスじゃないかしら。月についてはこの私では太刀打ちできない。だけど、Aqoursとなら、私、戦える気がする!!だって、Aqoursはスクールアイドルを名乗っている。そのスクールアイドルはアイドルの一種。さらに、アイドルは音楽にもつながっている・・・。音楽、それは私にとって唯一の才能だから・・・。それに、スクールアイドルっていうのは単なるアイドルみたいなことをするだけの素人集団。そんな素人集団となら、私、互角以上に戦えるかも!!いや、私、Aqoursに勝てるはず!!)
そう、月と戦うのは無理だけどAqoursとなら戦える、父の復讐のために戦える、そうすることでようやく父の木松悪斗から認められる、そんなチャンスが訪れた、そう桜花は考えたのである。桜花からすればAqoursはただの素人集団、ただのアイドルみたいなことをするだけの素人集団、なので、ピカイチの音楽の才能がある自分ならそんなAqoursと互角、いや、それ以上に戦える、Aqoursに勝つことができる、桜花はそう思ったのかもしれない。いや、これこそ自分にとって父親から認められる最大のチャンスであると自覚したのだろう、そう桜花は確信したのかもしれない。だが、このときの桜花は甘く見過ぎていた、スクールアイドルというのはただの素人集団ではない、むしろ、プロのアイドルですら脱帽するくらいのレベルの高いものであると、そして、スクールアイドルというのは木松悪斗の信条、「勝利こそすべて」、その対極にあるもの、「楽しむことがすべて」、その考えのもと、「楽しむ⇔好きになる」、その無限のサイクルによって無限のパワーを引き出すことができる存在であることを、その頂点に君臨しているのが桜花がただの素人集団と見下したAqoursであることを・・・。
それから数日後、桜花は1つの動画を手に入れた。それは「ラブライブ!延長戦」というタイトルがつけれらた動画だった。桜花はその動画を手に入れるとその動画の説明文のところを読んでみる。
「え~と、なになに、「この動画は「ラブライブ!延長戦を映した動画です。ラブライブ!で優勝したAqoursとAqoursと同等の力をもつSaint Snowの戦いを描いております。ぜひとも見てください」と・・・」
そう、この動画はあのラブライブ!延長戦の動画であった。実はは、この動画、沼田が静真に通う生徒全員に送った動画、それを勝手に動画サイトにアップロードしたものだった。ただ、この動画、それは私的とはいえ、ラブライブ!で優勝したAqoursとそのAqoursと動との力をもつ北の雄、Saint Snowの全力全開の、本気中の本気のバトル、それはまさに、ライブイブ!延長戦、といっても差支えない、それくらい迫力に満ちた動画となっていた。で、この動画がもとで、Aqours、そして、Saint Snow、その高レベルの戦い、「ラブライブ!決勝延長戦」、それを世間一般に広めたものとなってしまった。しまいには、ラブライブ!運営委員会が、私的な戦い、とはい、この戦いは素晴らしいものである、と認めてしまうほどだった。
ただ、桜花のAqoursに対する、いや、Aqoursを含めた「スクールアイドル」の認識は「アイドルみたいなことをする素人集団」だったので、この動画を見て、桜花、
「ふ~ん、やっぱり、スクールアイドル、いや、Aqoursってただの素人集団だね。これなら音楽の才能がある私なら一気に倒せえるね」
と、このラブライブ!延長戦の動画を見てもAqoursのことをただの素人集団としか見ていなかった、いや、見下していた。たしかに、この動画に映るAqoursのパフォーマンスは静真の生徒や保護者たちの考えががらりと変わるくらい、それくらい迫力のある、心打たれるものだった。だが、自分にはピカイチの音楽の才能がある、そんな自負のある桜花から見ればAqoursのパフォーマンスはただの素人のパフォーマンス、すごくよく映し出されているのは映像加工のせい、という認識だったのかもしれない。いや、それ以上に、
「それに、こんなパフォーマンスならこの私にもできる!!だって、笑いながらパフォーマンスするって誰でもできることだから!!」
と、このAqoursのパフォーマンスするなら自分でも簡単にできる、いや、誰でもできる、と高をくくっていた。何度も言うが、笑いながらパフォーマンスする、というのはとても簡単にできるものではない、いや、普通の人はおろか少しスクールアイドルをかじっただけではできない、いや、いくらきつい練習をして本番にそのパフォーマンスをしろと言われても本番のプレッシャーのあまりそのパフォーマンスなんてできない、それくらいとても高度なパフォーマンスなのだ。ただ、桜花からすれば、いや、、そのことをしたことがない桜花からすれば、ただ笑いながらパフォーマンスすればいい、ただそれだけのことをすればいい、そう簡単に考えたのかもしれない。なので、桜花はこんなことまで言いだしてしまう。
「誰でもできる、あのパフォーマンス、それに私の音楽の才能があれば、Aqoursみたいな素人集団、簡単にひとひねりだね!!私にだって簡単に勝てる!!簡単にAqoursに復讐を果たせる!!それに、Aqoursに勝つことでようやくお父様のお役に立つことができる!!いや、こんな私をお父様は認めてくれる!!まさに一石二鳥!!」
そう、自分の音楽の才能があればAqoursに簡単に勝てる、復讐を果たせる、それにより父の木松悪斗からようやく認めてもらえる、そう桜花は簡単に考えてしまったのだ・・・。
そして、その日の夜、自宅に帰宅した木松悪斗は玄関に待っていた桜花に対し、
「この「ごく潰し」が、私になにか用があるのか?」
と怒鳴るように桜花に尋ねると、桜花、もの落ちせずに父木松悪斗に対しこうお願いしてきた。
「お父様、私にあのにっくきAqoursを潰す大役を任せてもらえませんか」
自分の娘である、それもいつも「失敗作」として「役立たず」「ごく潰し」と言ってきた、そんな桜花からの突然のお願い、これには、木松悪斗、
「Aqoursを倒すとはな・・・」
と桜花の言葉を反芻するとともに、
(あのAqoursか・・・。たしかにあのAqoursは私にとってにっくき相手だ。こちらが再起不能にしたのに復活を果たし私に歯向かった。結果、私は負けてこちら側が危機的状況に陥るくらいの罰を食らってしまった・・・。そう考えるだけではらわたが煮えくり返るわ!!私としてもあの月とAqoursの小童集団になんとか再起不能になるまで叩き潰したいものだ!!)
とAqoursのことを思いだしてはなんとか再起不能になるまで叩き潰したい、そんな思いを感じていた。木松悪斗にとって月とAqoursは今度こそ再起不能にまで叩き潰したい相手であった。月とAqoursは、一度、自分たちの手で叩き潰したもののものの見事に復活、さらに、木松悪斗側を危機的状況に陥るくらいの大ダメージを食らった、それくらいの敗北を木松悪斗は喫したのだ。なので、月とAqoursのことを木松悪斗はとてもにくく感じていた。今度こそ、再起不能にまで叩き潰すつもりでいた。
ところが、ここにきて、自分の、いや、自分に対して一度も役に立ったことがない、それくらいごく潰しの娘である桜花から「そのAqoursを潰す」という言葉を聞いた瞬間、木松悪斗、
(とはいえ、この私にあの役立たずの桜花がこう言ってくるのであればなにか勝算があるかもしれないな)
と、桜花にそれ相応の勝算がある、と思ってか、桜花に対しあることを尋ねた。
「ところで、ごく潰し、なにかAqoursに勝つ勝算はあるのか?」
これには、桜花、こんなことを自信満々に答えてしまう。
「勝算ならあります!!あのAqoursのパフォーマンスなんか誰にでもできます!!もちろん、この私にもです!!それに加えて、私の音楽の才能さえあればAqoursに勝つことなんてちょちょいのちょいです!!」
この自信満々の桜花の言葉に、木松悪斗、こう考えてしまう。
(ほう、Aqoursのパフォーマンスを素人レベル、誰でもできると豪語するとはな!!それに、桜花が持つ音楽の才能、この私からすればなんの役にも立たないと思っていたが、スクールアイドルと名乗っている、音楽関連に生きる、あのAqoursと戦うのであれば役に立つかもしれないな)
そう、Aqoursのパフォーマンスを素人レベルだと桜花は評している。そのパフォーマンスなら桜花にもできる、いや、それ以上に、これまで役に立たないと思っていた桜花の音楽の才能がここにきて対Aqoursとの戦いに立つのでは、そう木松悪斗は思ったのである。
そして、ここにきて、木松悪斗、こんなことまで考えてしまう。
(それに、これから先、私は静真のところまで手がまわらないかもしれない。だが、自分としてはあの月とAqours、そして、沼田に小原家に復讐を果たしたい。なので、そのうちの1つ、Aqoursを桜花が倒してくれるのであれば私としては嬉しい限りだ)
木松悪斗からすれば自分を危機的状況に陥れた月とAqours、そして、沼田に小原家に復讐を果たしたい、だが、今は危機的状況に陥っている自分の投資グループの立て直しでせいいっぱい、静真のことまで手が回らない状況、なので、桜花の申し出は復讐したい相手の1つ、Aqours、それに対する復讐を果たすことができる、自分にとって嬉しい限りである、と考えたのだ。
そんなわけでして、木松悪斗、桜花に対してこう命令した。
「このごくつぶし、いや、桜花、お前の願い、聞き入れよう。桜花、いいか、あのにっくきAqoursを再起不能にするまで叩き潰すのだ!!」
これには、桜花、
(これでお父様からようやく認められる。それに、久しぶりに、私のこと、桜花って呼んでくれた。嬉しい!!)
と、これでようやく父木松悪斗に認められる、いや、それどころか、いつも「役立たず」「ごく潰し」と言われ続けていたのに、久しぶりに自分の名前「桜花」と呼んでくれたことに嬉しさを感じていた。そのためか、桜花、うれしそうに、
「はい、わかりました。この桜花、お父様のためにもあのにっくきAqoursを叩き潰してやります!!」
と返事をした。