ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!RSBP 第18話

「木松桜花は嘘をついている」

そんな疑いの目をもった梅歌と松華・・・であったが、たとえそうであったとしても、

「スクールアイドルにして活躍したい」

という思いは強かったそのためか、

「それじゃ、今日からスクールアイドルにアイドルの練習を始めます」

という部長の桜花の声に2人とも、

「「はいっ!!」」

と大きな声をだしては今から始まるスクールアイドルの練習に向けて気合を入れなおしていた。

 すると、桜花はそんな2人の前にタブレットを取り出しながら、

「さて、今から1つの動画を見せます。この動画はスクールアイドルとしての基礎を学ぶのにとても役に立つ動画です。これを見てスクールアイドルの基礎を学んでください」

と言って1つの動画を見せた。ただ、この動画を見始めた瞬間、梅歌と松華、

「ねぇ、松華、これってちまたで有名になっているあの動画だよね・・・」(梅歌)

「たしかに、ちまたで有名・・・じゃなくて、今や動画サイト急上昇ランキング1位のあの動画だよね・・・」(松華)

となにかひそひそ話をしてしまう。どうやら、2人ともよく知っている動画のようだった。

 そして、この動画の尺である10分が過ぎた。すると、梅歌、こんなことを言い始める。

「桜花ちゃん、これってあの動画だよね、「サルでもわかるスクールアイドル講座」・・・」

そう、梅歌と松華が見ていた動画は桜花もお世話になったあの動画、「サルでもわかるスクールアイドル講座」であった。これには、桜花、こう答える。

「まぁ、たしかに、梅歌の言った通り、最近人気になっている動画、「サルでもわかるスクールアイドル講座」です。この動画は私もお世話に・・・、こほん、見てとてもためになると思って2人にみせたわけです」

ただ、この桜花の言葉に、梅歌、

「(ねぇ、松華、桜花ちゃん、今さっき、「私もお世話に・・・」って言おうとしていなかった?)」

と、ボソッとツッコむと、松華、

「(まぁ、そのことはあまり追求しないでおきましょう。その方が桜花さんのプライドを傷つかなくて済みますから)」

とそれをあまり追求しないようにした。

 まぁ、そのことはおいといて、桜花は続けて、この動画、「サルでもわかる(略)」、全10回を一気にみせた。最近急上昇ランキング第1位に輝いている動画、ということもあり、梅歌、松華、ともに以前から見ていたのだが、全10回を一気に見たことはなかったためか、梅歌、松華、ともに、

(一気に見てみるとスクールアイドルとして大事な基礎部分が一通り知ることができた・・・。やっぱり、この動画、神!!)(梅歌)

(一気に見ましたが、とても面白くて、「これってギャグ動画?」、と思わせつつもポイントとなる部分はしっかりと収まっている、まさにどんな高校生でもスクールアイドルとしてやっていける、それを伝えてくれる動画です)(松華)

と、一気見することでこれまでわからなかったこの動画のよさを知ることができた。

 また、それに加えて、

「でも、ところどころに出てくるセリフ、「ハグしよ~」とか、「シャイニー」、「ガンバルビィ」に「未来ずら~」、「堕天使リリー」に「全力前進、ヨ~ソロ~」、あと、「ぶぶーですわ」、これってスクールアイドルに関係ある?」(桜花)

「え~と、それは・・・(ねぇ、松華、これってあのグループのメンバーの口癖だよね・・・。ということは、この動画って、私が憧れを抱いているあのグループが作ったもの、だと思うのだけど・・・)」(梅歌)

「(梅歌、そのグループの名前を桜花さんのまえでいうとこのあと荒れそうだからここでは黙っておこう。それに、そのグループのメンバーも、自分たちがこの動画を作ったこと、否定しているし・・・)」(松華)

「(うん、わかった)ははは・・・」(梅歌)

と、梅歌と松華、桜花にこの動画を作ったグループのことを思ったのか、笑いつつもなにかごまかそうとしていた・・・。

 

 それから10日間、梅歌と松華はこの動画、「サルでもわかる(略)」を見ながらスクールアイドルとしての基礎を学んだ。桜花もこの動画を2人と一緒に見通すことで基礎のところを再確認していた。

 と、ここで、桜花、梅歌と松華の方を見てはこんなことを言いだしてきた。

「私が見た感じ、2人は基礎がしっかりとついた気がします」

そう、梅歌と松華、かなり飲み込みが早かった・・・というわけではなく、2人はこの動画がアップされてから毎日のようにこの動画を見ては自分たちもその動画にそって練習をしていたのである。なので、2人からしてみれば、桜花と同じく再確認、であったのだ。

 ただ、そんなことなんて知らず、桜花、この動画のことを2人に語りだしてしまう。

「やっぱ、この動画をアップしてくれた人たち、すごい!!まぁ、本当のところ、この私がこの動画を流行らせた、といっても過言ではないのです!!だって、この動画の「初見+初コメ」したの、私ですから!!」

まぁ、これには、梅歌、

「(うわ~、桜花ちゃん、この動画をかなり気に入っているよ~)」

と小声で松華に離すと、松華、ただたんに、

「(でも、この動画を投稿したのがあの人たちだって知ったら卒倒してしまうよ・・・。いそれは言わないでおこう)」

と小声で言っては桜花のことを気にしてそっとしておこうとしていた。知らぬが仏、とはこのことをいう・・・のだろうか・・・。

 

 こうして、桜花としては梅歌と松華はスクールアイドルとしての基礎を十分固めた、ということもあり、この日以降、自分が使っていた中・上級向けの練習本をもとに桜花も入っての3人での練習をすることにした。最初のころは初めてのことなのでぎこちなかった梅歌と松華であったが、桜花に合わせていくことで次第に上手になっていった。これには、桜花、

(なかなかいいじゃないの。2人ともこれならいけるかも?」

と淡い期待をしていた・・・。

 また、梅歌も梅歌でどんどんうまくなっていくことに対し、

(毎日が充実しているよ!!練習すればするほどレベルがあがっていくのを感じている。やっぱりスクールアイドルをしてよかった!!私、毎日毎日が楽しい!!いや、私、今、輝いている、そう思えてくるよ!!)

と自分が追い求めていた輝き、それを実感している、そう感じていた。

 だが、その一方で、桜花は悩んでいた。それは・・・、

(でも、もっとレベルアップしたい。レベルアップしてあのAqoursを完璧に潰してやりたい!!)

そう、あのAqoursを完全に潰す、それ以上のレベルを目指そうとしていたのだ。

 

 そのため、翌日、桜花と自宅にて桜花は自分の父で静真で権力を持っていた木松悪斗にあるお願いをした。

「お父様、お願いがあります。私の(スクールアイドル)部に専用のコーチをつけてください。万全の態勢であのAqoursを完膚なきまで叩き潰したいのです」

そう、自分たちのレベルアップのために桜花は父に対し自分たち専用のコーチをつけてもらうようにお願いしたのである。

 専用のコーチ・・・、ラブライブ!を知るものならラブライブ!に優勝したμ'sやAqours

は自分たち専用のコーチなしで自力で優勝した、と思うかもしれないが、μ'sやAqoursの場合、自分たち専用のコーチがいなくてもその筋のプロといえる存在が実はいたのである。たとえば、μ'sの場合、小さいときからバレエを習っていた影響でダンスにおいて実力者であった絵里、同じく、小さいときからピアノなどを習っていて音楽関連なら右にでるものがいない真姫、スクールアイドルへの意識の高さなら誰にも負けない、それでいて過去に自らスクールアイドルをしていたにこ、など、実力者ともいえる存在がいたのである。また、Aqoursにしても旧3年生組である、ダイヤ、鞠莉、果南は1年のときに初代Aqoursとして将来はラブライブ!決勝まで進出できる、それくらいの実力をもつくらいにまでなっていた。また、果南やダイヤはダンスの、鞠莉は歌唱の実力は折り紙付きであった。なので、Aqoursにとって旧3年生組であるダイヤ、鞠莉、果南は後輩の千歌、曜、梨子、ルビィ、花丸、ヨハネにとってスクールアイドルの先輩であり先生であった。あと、ラブライブ!を通じて知り合ったSaint Snowとは情報交換やラブライブ!優勝に向けての練習プログラムの作成などで互いに助け合っていた。まぁ、μ'sやAqoursがラブライブ!で優勝できたのは地道な練習の積み重ねや「学校を廃校から守りたい」「自分たちとみんなとの夢、ラブライブ!優勝を叶える」、そんなやる気がすごかったことも理由の1つになるのだが、μ's・Aqoursのメンバーのなかにプロ級のレベルをもった実力者がいたという偶然、いや、必然もあったにちがいないだろう。

 そして、そのことを考えると、桜花の言うことも一理あった。桜花、梅歌、松華はスクールアイドルとしては初心者であった。では、そのほかのことで実力があるのか、というと、それも皆無であった。つまり、この3人は本当にスクールアイドル初心者、なんの実力も経験もないただのひよっこ、なのだ。そのため、桜花としては自分が本を使い自分たちの力でレベルをあげていくとともに専用のコーチをつけることでそのレベル上げを加速させたい、と思っていたのである。いや、専用のコーチをつけることでμ'sやAqoursみたいなラブライブ!で優勝できる、それくらいのレベルを短期間であげてみたい、そう桜花h思ったのかもしれない。

 dが、父の答えは意外なものだった。桜花に向かって、木松悪斗、

「うんっ、くだらない!!専用のコーチをつける?そんなものに大金をはたくのがもったいないわ!!言っておくが、スクールアイドルもそうだが、音楽とは、所詮、ただのお遊びだ!!そんなもののために大金をはたくなら旺夏みたいな実績をだしているところにお金を使った方がましだ!!」

そう、桜花の父、木松悪斗は(前述の通り)音楽をただのお遊び、としかみていなかった。なので、より効率的にお金を使うなら桜花のいるただのお遊び(と木松悪斗が勝手に思っている)のスクールアイドルより長女の旺夏のいる、そして、インターハイ優勝という実績を残している(女子サッカー部のような)部活の方がまし、というのだ。これには、桜花、

「お父様、これはお父様にとってあのにっくきAqoursを倒すための投資です!!そのことを・・・」

と言おうとするも、木松悪斗、そんな桜花の話を遮っては桜花に対しこう言い返す。

「それに、お前、以前、こう言っていたよな、「Aqoursに勝つなんてちょちょいのちょいです」ってな!!この言葉に二言はなかったよな!!」

そう、以前、桜花はスクールアイドルを始める際、父である木松悪斗に対して「Aqoursに勝つなんてちょちょいのちょいです」と言っていたのである。Aqoursに勝つことなんて簡単、その言葉は、今、桜花に対して巨大ブーメランとして戻ってきたのである。なので、その父親からの言葉に、桜花、

「た、たしかにそうですけど・・・」

と、しぶしぶそれを認めると、父木松悪斗、そんな桜花に対し、

「いいか、そんな無駄なことをお願いするな!!それよりもはやくあのにっくきAqoursを完全に叩き潰せ!!いいな!!」

と桜花の願いを完全拒否するとともにさっさとAqoursを倒すように催促してきたのだ。これには、桜花、

「・・・」

と黙るしかなかった・・・。

 

 そんな木松悪斗であったが、内心、こんなことを考えていた。

(あの役立たず(桜花)のためにお金なんて使えるか!!今はな、そんなことで使うお金の余裕なんてないんだぞ!!ただでさえ(私が率いている)投資グループが危機的状況なんだ!!いや、組織存亡の危機なんだ!!お金なんてあまりないんだぞ!!それなのにそんな余興のためにお金を使ったらこちらが破産してしまうぞ!!)

そう、このとき、木松悪斗とその投資グループは危機的状況、いや、桜花のためにまわせるお金なんてない、それくらい赤信号がともるくらいに苦境に立たされていたのである。というのも、統合問題で月・Aqoursに完全敗北を喫した木松悪斗、その問題において、月・Aqoursのバックにいる沼田・小原家より木松悪斗の投資グループが危機的状況になるくらいの大きな罪を与えたことで本当に木松悪斗の投資グループは危機的状況に陥ったこと、それを乗り切るために木松悪斗が先頭に立って切り盛りするとともに3つの施策を実施したことはまえにも話したが、そのときよりも状況が悪化していたのである。

 まず、木松悪斗の元右腕で貴重な情報源であった裏美を失脚させたことで裏美の人脈からくる裏情報が入ってこなくなったのである。そのため、木松悪斗が情報を手に入れたときにはすでにその情報をもとにした取引が終わっていた、なんてことも起きてしまった。  

 また、木松悪斗の左腕であった猪波をもしものために函館に送って以降、自分たちが買収した企業の多くが経営に行き詰まり倒産する事態が多発したのである。猪波は経営の才とその経験があったので買収した企業の経営はこれまではよかたのだが、その猪波がいなくなったことで猪波と同等の経営の能力を持つスタッフがいないなかで買収した多数の企業の経営するのは無理があった。というわけで、木松悪斗の投資グループが買収した企業の多くが経営に行き詰まり倒産してしまった。また、猪波がいなくなったことで自慢のACTシステムが収集する情報に偽物、フェイクニュースが紛れ込む事態が多発、おsの偽の情報により取引した結果、大損する事態も起きてしまった。

 まぁ、そんなわけでして、これらを受けて木松悪斗の投資グループに出資している出資者たちがどんどん出資を取りやめる事態にまで進展してしまった。木松悪斗の投資グループの出資金のほとんどが木松悪斗個人のものであるがわずかだがほかの出資者から出資されたお金もあった。それを木松悪斗が企業の買収などに使いそこからでる利益の僅かをほかの出資者に分配していた。だが、その木松悪斗の投資グループが危機的状況に陥っている、それに対して木松悪斗が先頭に立って動いているにもかかわらず悪化している、いや、赤字を出すところまできている、さらに、買収した企業の多くが倒産している、などなど、木松悪斗にとって悪い情報ばかりだとさすがの出資者も出資を取りやめてもおかしくなかった。結果、多くの出資者がこのグループへの出資を取りやめてしまった。これにより木松悪斗の投資グループはお金が少ない、投資に使えるお金があまりない状況にも陥ってしまった。そのグループの出資金のほとんどが木松悪斗からのものだったが、それだけでは足りなかったのだ。また、そのグループがもっていた静香の企業などの株のほとんどを売却したことで投資に使うお金を工面したものの、そのお金もすぐに投資にまわしてなくなってしまった。なので、木松悪斗の投資グループは本当に存続そのものに赤信号がともっている、そんな状況に陥っていたのである。

 ただ、それでも木松悪斗はなんとかしようとしていた。木松悪斗がもつ資産、たとえば、自宅やお金、個人所有の株式、までには借金の抵当がつけられていなかったが、これ以上悪化すればそれすらしないといけなくなる。なので、木松悪斗は本業である投資のみにお金も時間も集中させようとしていたため、桜花にまわせるお金なんてもとからなかったのである。

 ただ、そんな木松悪斗もこんなことを考えていた。

(まぁ、静真については(自分の娘である)旺夏や私の息のかかった理事や先生たちがいるから大丈夫だろう)

と、静真の部活動に参加している生徒たちを束ねる組織、部活動連合会、その会長にしてその生徒たちを支配している自分の娘、旺夏、そして、たとえその生徒の保護者たちの人望をなくしたとはいえ、今だにその保護者たちを束ねている部活動保護者会、その会長に自分がなっていること、今なお、その保護者会、さらには、この静真の理事たちや先生の多くが木松悪斗の息がかかっていた、ということもあり、「そいつらがいれば静真の自分の天下も安泰」と簡単に、木松悪斗、考えていた・・・。

 

 だが、そんな静真においても木松悪斗の知らないところでちゃくちゃくと、月たち生徒会、沼田の反撃が進んでいた。

 まず、木松悪斗にバレないように静真の理事たちを次々と交代させていた。静真の理事たちは木松悪斗と裏美を含めて定員いっぱいの10名、うち、裏美は失脚したので現在は9名なのだが、木松悪斗を除いた理事8名に対し沼田はいろんんな理由をつけてその理事たちを辞めさせていったのだ。その理由とは、賄賂とか横領など、なかには静真への裏口入学なんてものもあった。それもこれも木松悪斗の権力を傘に実際に行われていたことだったが、それを沼田は自分の力を使って調べ上げ、理事たちに対して自ら辞めるか警察に逮捕されるか木松悪斗の知らないところで迫ってきたのである。こうして、理事たちの多くが木松悪斗に理事を辞めることを知らせずに辞めていった。その理事たちの代わりに沼田が連れてきた優秀な会社経営者や弁護士たちを静真の理事に就けたのである。

 また、木松悪斗の息がかかった先生たちに対しては、全員、教員免許はく奪・・・まではせず、優秀なベテラン教員を指導につけて、木松悪斗の考えよりも素晴らしい教育指導がある、と研修を続けて木松悪斗の洗脳から解き放つことに重点をおいた。悪いことを実際にしていた理事たちとは違い、先生たちはたとえ木松悪斗によって洗脳されていたとしても静真の生徒たちに対して、熱く、それでいて、その生徒のためになる指導をしてきたのだ。そのため、静真出身の人たちの多くがかなり優秀だった。それくらい静真の先生たちは優秀、といえたので、沼田はそんな先生たちを辞めさせずに、逆に、たとえ木松悪斗が先生たちになにかしてきたとしても先生としての仕事と生活、身分は保障する、そのことを確約しては研修を何度も行うことにより木松悪斗からの洗脳を解くことにしたのだった。また、静真の部活に入っている生徒たちのために雇われているコーチ陣たちも静真の生徒たちと同様にすることでこれまで通り働くことができた。とあひえ、幾人かは木松悪斗に熱く信奉していたこともあり、また、勝利絶対至上主義を熱く信じていた、こともあり、その人たちは静真から去っていってしまった。

 こうして、月たち生徒会、沼田による反撃作戦はちゃくちゃくと行われていたのだが、木松悪斗にバレずに静かに行ったとしてもかなり大がかりな作戦だったのでいつかはどこかで木松悪斗にバレてしまう、ものなのだが、たとえそんなっ情報があっても木松悪斗はそれすら無視・・・というかそれに対処する余裕がなかった。だって、それくらい自分の本業である投資グループの運営に赤信号がともっていたのだから。

 そんなわけでして、木松悪斗の静真における権力、影響力は徐々に知らないうちに削られていったのである。

 

 一方、木松悪斗が溺愛している自分の娘、旺夏にも変化が・・・、いや、状況を一変させることが起きていた。

 女子サッカー部の練習中、もとからいた(静真本校出身の)部員に対し、旺夏、浦の星出身の部員と仲良くしていることに対し、

「おい、あんな下っ端(浦の星出身の部員)とともに練習するな!!こちらの実力が落ちるだろ!!」

と文句を言ってきた。

 だが、旺夏が文句を言ったその部員はこんなことを言いだしてきた。

「旺夏さん、たとえ浦の星の出身だったとしても同じ部員だよ。それくらいのことで目くじらを立てないでよ」

 この部員の言葉であるがそれに対し、旺夏、さらに文句を言う。

「そんなもの、関係ない!!初戦敗退続きだった浦の星出身、それだけで下っ端なんだよ!!こちらの士気がおちるだろ!!」

まぁ、旺夏からそんなことを言われたからだろう、その部員は旺夏に対し、

「はいはい、わかりましたよ、キャプテン(旺夏)」

と言ってはどっかにいってしまった・・・のもつかの間、旺夏の忠告を無視するのがごとく、別の浦の星出身の部員のもとにいっては一緒に練習を始めてしまった。これには、旺夏、

「なんで、私の言うことをきかないんだよ!!私はここ(女子サッカー部)のエースでキャプテンなんだぞ!!そんな私の言うことをきくのが当たり前だろ!!」

とぶつぶつ文句を言ってしまう・・・。

 統合問題での木松悪斗の完全敗北の影響は旺夏のいる静真の部活動にも及んでいた。

「浦の星の生徒が静真の部活動に参加すれば悪影響がでる」、そんな声が吹き飛んだことにより、浦の星出身の生徒たちも静真の部活に参加することができるようになった。とはいえ、最初のころは浦の星出身の生徒たちはその声の影響により静真本校出身の生徒たちが自分たちになにか嫌がらせや差別されるのではないか、と心配していた。だが、それは杞憂に終わった。ラブライブ!延長戦後に配信された沼田からのメールによりこれまで信じてきた、「勝利こそすべて」、勝利絶対至上主義の間違いに気づいた静真の生徒たちは新生Aqoursのお披露目ライブにて浦の星の生徒たちと一緒に汗を流してそのライブの準備運営をしたこともあり、浦の星の生徒たちと意気投合、それが静真の部活動においても発揮されたのである。そのため、今は旺夏以外の部員たちは浦の星出身の部員たちと一緒になりながら部活を楽しんではその部活を好きになる、そして、さらに一緒に楽しむ、そんな無限のサイクルを自ら行っていたのである。

 一方、旺夏からすると、今なお、「勝利こそすべて」。勝利絶対至上主義のしがらみにまだ絡まっている、いや、その考えの殻のなかに籠っているため、女子サッカー部、部活動連合会、ともに孤立、いや、まだその考えに固執している生徒数人とともに孤立していた。それはまるで、旺夏自身、裸の女王様状態、に陥っている、といえた。

 とはいえ、女子サッカー部においては、実力、統率力、ともに旺夏が一番上、ということもあり、ほとんどの試合も昔みたいに旺夏を中心に戦術を組む、なんてことも多かった。だが、昔は「勝利こそすべて」、勝利絶対至上主義という考えに部員全員が染まっていたこともあり、たとえ旺夏中心の戦術をとったとしても旺夏の命令ですべてが動く、なんてことがほとんどだった。だが、今は旺夏以外その考えを捨てたこともあり、たとえ、旺夏の命令があったとしてもそれが間違いであれば旺夏に従わずに反論する、むしろ、旺夏以外がその命令を無視してより効率的な作戦を実行する、なんてことも起きていた。そのため、旺夏からすれば、

(なんで私の言うことをきかないの!!私の言うことが絶対であり、私の言うことを聞けば絶対に勝てるんだ!!)

と怒ってしまうのもしばしばあった。それってまさに、裸の女王様、といえた。

 そんな旺夏に対しある部員が話しかけてくる。

「あの~、旺夏キャプテン、私と一緒に練習しましょう」

旺夏に話しかけてきた部員の名は瑠璃、旺夏と同じく3年生であるのと同時に浦の星では女子サッカー部のエースであった。とはいえ、浦の星では女子サッカー部とは別に陸上部も掛け持ちしていたこともあり、サッカーの実力としては浦の星一、であったとしても静真のなかでは中の下、くらいであった。だが、そんな瑠璃だったが女子サッカー部での部活動中はこんなことを考えていた。

(たとえ実力がなくても私は大丈夫!!だって、私たちはみんなと一緒に部活を、女子サッカーを楽しんでいる!!一緒に好きになっていく!!あのAqoursみたいに、私たち、今、輝いている!!)

そう、旺夏の考えとは180度違った考え、「部活動とは楽しむこと、好きになることが一番」その考えのもとで、自分自身、部員たちと一緒に部活を楽しんで好きになろう、そして、みんなと一緒に輝こう、と考えていたのである。それは、自分たち、浦の星にとてtシンボルというべきAqoursと同じ、といえた。Aqoursほど、いや、Aqoursのいた浦の星の生徒たちほどその考えが強い者はいなかった。いや、その考えを、今、静真において発揮しようとしていた。こうすることで無限のサイクルが働き、自分たちは、静真は、もっと強くなれる、そう瑠璃は言いたいのだろう、旺夏に対し・・・。

 だが、そんな瑠璃の誘いに旺夏は・・・、

「ふんっ、浦の星ではエースだったお前だが、静真ではただの下っ端なんだ!!どっかに行ってくれ!!」

と、瑠璃のことを下っ端呼ばわりしてはどっかに行くように言ってきた。これには、瑠璃、

「旺夏キャプテン・・・」

と旺夏のことを見つつも、旺夏キャプテンの命令だから、という理由で旺夏のそばから離れることにした。それでも、瑠璃

(旺夏キャプテン、なんか寂しそう・・・)

と自分のことを下っ端呼ばわりする旺夏のことを心配そうに見つめていた・・・。

 だが、これが、旺夏と瑠璃、2人の運命をわけることになった。「勝利こそすべて」、勝利絶対至上主義に固執するあまり、部においても、連合会においても、さらに、静真においても孤立化する旺夏、対して、「みんなと一緒に部活動を楽しむ」、そんな考えのもとでみんなと一緒に頑張ろう、部活を楽しもう、好きになろう、としていた瑠璃、そんな2人の運命の歯車は2人にとって対照的なものとして動き始めようとしていた・・・。

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