ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!RSBP 第19話

 そんなわけでして、父である木松悪斗、姉である旺夏の支援を得ることができない桜花にさらなる問題が降りかかった。それは桜花に対して静真の生徒たちから不平不満の声があがっていたのだ。それはまえの中学のときと同じく桜花の父親があの木松悪斗であることに加え、同じ学校(静真)にリトル木松悪斗といえる姉の旺夏がいること、さらに、自分の父と姉にとってにっくき相手、叩き潰したい相手であるAqoursに対し自分の父と姉のために桜花自らスクールアイドル部を創部したことでAqoursは同好会として活動せざるをえなくなったこと、そのことを桜花は「Aqoursに勝った」と言いふらしていること、それが原因だった。特にAqoursが同好会として活動していることについてかなり不評だったらしく、なかには「桜花がAqoursに対してそうしたのは自分の保身のため」「いや、父や姉に対して点数稼ぎをするためなのさ」とか事実無根のことまで尾ひれがつくかのごとく噂されるようになった。というのも、今や、静真の生徒のあいだではAqoursそのものが静真と浦の星の統合の象徴としてみられるようになっていたからだった。この静真を支配していた木松悪斗とその娘の旺夏によって1度は地獄に落とされたものの仲間たち(月など0)の助けをかりて不死鳥のごとく復活、あのラブライブ!延長戦で静真の生徒や保護者たちの目を覚まさせ、新生Aqoursお披露目ライブで静真と浦の星の生徒たちの心を1つにした、そんな劇的な物語に静真の生徒たちは心震わせた。もちろん、これは事実なのだが、この一連の流れを月は「Moon Cradle」という題名の物語として執筆しては静真の生徒たちに公開、その物語はAqoursを神聖化するくらい静真の生徒のあいだで盛り上がったのである。そこに今回の桜花によるAqoursの同好会の話が伝わったため、「自分たちにとって、いや、、静真にとって英雄であるAqoursに酷な仕打ちをするなんて許せない」といった声が生徒の大半を占める状態になってしまった。ただ、その声について、Aqoursのリーダーである千歌はというといつも、

「ううん、それは違うよ。彼女もね被害者なんだよ。だから、彼女のことを責めないでね」

と言っては桜花のことを擁護する発言を繰り返していた。

 というわけでして、桜花、静真のなかでも孤立支援の状態になろうとしていた。だが、それでも桜花は、

(う~、このままだと自分たちはレベルアップできない。私たちだtって練習などでレベルはあがってきている。だけど、それでも限界を迎えてしまう。やっぱりちゃんとしたコーチにお願いしないとこれ以上のレベルアップはできない。そのための資金をお父様から引き出さないとじり貧になってしまう・・・)

と、それでも父木松悪斗からの資金援助をなんとかしてでも引き出さないといけない、そう考えていた。それは桜花からいえば今の練習によって自分たちはレベルアップしている、だけど、3人ともまだスクールアイドル初心者、である今の状況ではいつかはじり貧になってしまう、そうならないためにも父木松悪斗から資金援助をしてもらい自分たち専用のコーチをつけてもらいたい、そんな思いからのものだった。だが、父木松悪斗は資金的にそんな余裕なんてなかった。だけど、桜花はそのことを知らずに逆に父木松悪斗からの資金援助に期待をしていたのである

 そんな桜花だからなのか、父木松悪斗からなにがなんでも資金援助を得るためになにか対策を考えた。

(う~ん、あのお父様が納得してくれる方法・・・、方法・・・)

 すると、桜花、ある妙案を思いついた。

(あっ、そうだ!!実績を造ればいいんだ!!Aqoursを打ち倒すだけの実力をもっている、そんな実績をつくればいいんだ!!)

そう、桜花が考え出した妙案とは実績作りであった。実績があれば自分たちはAqoursを倒すだけの実力がある、そうなれば、あの父木松悪斗から、スクールアイドルを含めた音楽をたたの遊びとしかみていない、あの木松悪斗から資金援助してくれる、そう桜花は思ったのである。

 そして、桜花はその実績作りのための犠牲者を誰にするか考えてみる。

(う~ん、私たちのために犠牲者になってくれる人物、Aqoursと張り合っていた相手・・・、相手・・・、あっ!!)

どうやら、桜花、自分たちの実績作りのために犠牲になってくれる人物を決めた曜だ。そのターゲットとは・・・、

(そうだ!!たしか、ラブライブ!延長戦でAqoursと戦った相手、Saint Snow、その1人、理亜をターゲットにしよう!!)

そう、桜花がターゲットに選んだのはSaint Snowの理亜だった。実は、桜花、SNSなどで調べて理亜の近況を知っていたのである。理亜はあの延長戦以降、姉の聖良がスクールアイドルを卒業したため、1人になってしまったが、ほどなくして新1年生が理亜の新しいパートナーとして迎え入れ、今は2人に新ユニットとして活動する予定、となっていた。そこで、桜花、こんなことを考えてしまう。

(たしか理亜はスクールアイドルとして活動していた。だけど、所詮はスクールアイドル、そこまで実力があるとは思えない。だって、あのAqoursとどっこいどっこいの勝負をしていたから。それに、新しく理亜のパートナーになった新1年生はまだ私たちと同じ初心者だ!!私たちの実績作りにはちょうどいい相手だ)

そう、桜花は理亜の実力はそこまでないと思っていた。桜花はあの延長戦の動画を見て、Aqours、そして、Saint Snowのレベルはそんなに高くない、誰でもできるレベルである、と評していた、それが今になってひょっこり現れたのである。また、新しく理亜のパートナーとなった新1年生は自分たちと同じく初心者、これなら自分たちは勝てる、と桜花はふんでいたのである。

 だが、桜花は、このとき、2つの間違いを犯していた。1つ目は理亜の実力である。理亜の実力はみなさんが知っている通り、あのラブライブ!で全体の8位、そのラブライブ!で優勝したAqoursと(ラブライブ!延長戦で)互角ともいえる戦いを繰り広げた、それくらい全国トップクラスの実力の持ち主であった。

 そして、2つ目はその理亜の新しいパートナーとなった新1年生はその理亜のによって実力を伸ばしていた、ということだった。Aqoursの千歌たちにとって旧3年生のダイヤたちがスクールアイドルの先輩であり先生であったのと同じよう理亜の新しいパートナーとなった新1年生にとって理亜はスクールアイドルの先輩であり先生であった。また、理亜たちは「Saint Snow第3のメンバー」といわれている強力なサポートメンバー、いや、マネージャーがついていた。そのマネージャーはもともと日本を代表するジュニアフィギュアスケート選手だったらしく、その経験をもとにした練習メニューを考案するくらい優秀なマネージャーであった。そんなこともあり、桜花自身、理亜たちの実力を過小評価、いや、とても低く評価していたのだ。だが、それがのちに桜花にとってある悲劇を生むことになる。

 とはいえ、そんな未来のことなんて露知らず、桜花は自分たちの実績作りのためにどう行動するか考えた。

(え~と、そうなれば、そのターゲットのいる函館に遠征することになる。そのための資金はあった。まぁ、これは私たちにとっていちかばちかの賭けになるのだけどね・・・)

えっ、桜花たちに函館遠征の資金がある!?そう、そのための資金は実はあった。それは、静真の部活なら必ず学校から支給されるお金、部活動費、だった。静真の場合、基本的な部の活動費として年に10万円、各部に支給される。その使い道は練習器具の購入や遠征費用のために使われることが多い。また、インターハイを制覇した女子サッカー部のような実績のある部にはそのための追加の資金援助もあった。ただ、年10万だと専用のコーチを雇うなんてできなかった。静真にいる部の専用コーチはその追加の資金援助からか木松悪斗の計らいで雇うことが多かった。ただ、その専用コーチを雇うにはかなりお金がかかるらしく、たった10万では1か月の給与すら出せなかった。そこで桜花はその専用のコーチを雇うための実績作りのためにいちかばちかの賭けを行うことにしたのだ。それが理亜たちを倒すための函館遠征であった。こうすることで桜花は

「函館遠征で理亜たちを倒す

Aqoursを倒すぐらいの実力があることを証明する

父である木松悪斗に対しそれを自分たちの実績として見せつけることで資金援助を確約させる

自分たち専用のコーチを雇う」

そんな皮算用をはじいたのである。ただ、逆にこの函館遠征が失敗に終わればその遠征費用はただの無駄金になる(それくらい、この函館遠征にはお金がかかっていた)、そんな意味でも桜花にとってこの函館遠征はいちかばちかの賭けであったのだ。

 そして、桜花は次にこの函館遠征のスケジュールについて考えた。

(そして、この遠征の期間だけど、今度のGWにしよう。それなら梅歌や松華もスケジュール敵に大丈夫そうだし、スクールアイドルとしての実力もこのころには様になっているはずだ!!)

GW、そのときに函館遠征することを桜花は決めた。桜花、もちろん、その期間に函館遠征する理由はちゃんとあった。スクールアイドルとしてのとはいえ桜花たちはまだ学生である。学生の本分は学業、ということもあり、桜花もその学業をおろそかにしてはいけない、そう常日頃から思っていた。また、桜花たちがやっている中級上級の練習もGWまでには形になっている、そう桜花はにらんでいた。スクールアイドル初心者であった梅歌、松華も桜花の指導もあり、だいぶ形になってきていた。なので、桜花からすれば、GW前までには自分を含めて様になっている、と思ったのである。その総仕上げこそこの函館遠征だったのだ。

 こうして、いちかばちかの函館遠征を決めたことで、桜花、こう夢見ていた。

(これでお父様も私たちの実力も絶対にみとめてくれるはず!!そのための犠牲者になってくれ、理亜!!)

絶対に理亜たちに勝つ、そんな妄想に桜花は顔をにやにさせていた・・・。いや、それ以上に、

(それに、Aqoursはまだ同好会のままだ。私たちみたいに活動するためのお金なんてないはずだ!!今頃苦しんでいるんだろうな・・・)

と、いまだに同好会扱いのために静真から活動資金がもらえない、そんなAqoursは資金不足に苦しんでいる、そう桜花は思って静かに笑っていた・・・。

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