こうして、一発逆転を狙って行った函館遠征でまさかの・・・というか初心者なのだから負けて当然・・・なのだが、「(Aqoursと同じくらい弱い)理亜には絶対に勝てる」、そう高をくくっていた桜花にとってまさかの大敗北・・・ということで、桜花、沼津に帰ってきてからも、
(う~、まさか負けるとは・・・。これではお父様から・・・、いや、それどころか、お姉さまからも貶される!!いや、勘当させられる!!そんなの、私、いや~!!)
と絶望していた。桜花は父である木松悪斗に対し、「あのAqoursのパフォーマンスをなら誰でもできる」「Aqoursに勝つなんてちょちょいのちょいです!!」と豪語していたのだが、そのAqoursと同じくらい弱い(と桜花は思っている)Saint Snowの理亜に圧倒的な差で負けたのである。いや、それ以上に、「負けた」という事実を「勝利こそすべて」が信条の父木松悪斗が許すわけがないのだ。なので、桜花は父木松悪斗や姉旺夏から貶されてしまう、勘当される、家から追い出される、そんなことまで考えてしまい絶望を感じていたのである。
そんな絶望に満ちた桜花の姿に、梅歌、
(なんか、桜花ちゃん、なにかに苦しんでいるみたい。これって桜花ちゃんのお父さんのせいなのかな?)
と桜花のことを心配そうに見るも、
(でも、なんで、自分の父親をそんなに恐れているの?どうして?)
と桜花がなぜ父親のせいで苦しんでいるのかいまだに考え込んでいた。。
そんな梅歌とは逆に松華はというと・・・、
(桜花さんはなにかを隠している。私たちにはいえない秘密があるのかもしれない・・・)
と桜花はなにかを隠している、そのことへの疑問が膨れ上がっていた。
そして、桜花にとって地獄ともいえる時間がついにきてしまった・・・。GWも終わった次の日、自分の家にいた桜花はある音を耳にする。
ゴトンッ
その音を聞いて桜花は自室のドアを明けて玄関のところをみるとはっとした。
(う~、お父様がかえってきた・・・。絶対になにか言われる・・・)
そう、桜花の父である木松悪斗が帰ってきたのである。木松悪斗はGW中も東京の投資グループ本部に缶詰となりニューヨーク市場などの海外市場を中心に株の売買をしていた。だが、木松悪斗、帰ってくるなり、
「ふんっ!!なんでうまくいかないんだ!!」
と家にあるものに手あたり次第怒りをぶつけていた。どうやら、GW中、本部で缶詰になりながら利益をだそうとしていたのだがあまりうまくいかなかったようだ。そのためか、桜花、
(う~、ここは静かにやり過ごそう・・・)
と物音を立てずにそっと自室のドアを閉めようとした。
だが、そのときだった。突然、
キ~~~
という音が家の中に響き渡った。これには、桜花、
(えっ、なんで、こんなときにドアを閉める音が聞こえるの!!!)
と唖然となってしまう。どうやら、自室のドアを閉めるときに「キ~」という音が聞こえてしまったのだ。
と、ここで、木松悪斗、その音を効いたのか、桜花のいる2階に向かって怒鳴り声で呼ぶ。
「おい、桜花、そこにいるのか!!ちょっと出てこい!!」
すると、桜花、
(う~、逃げきれない・・・。仕方がない・・・。お父様のところにいきましょう・・・)
と覚悟を決めたのか、階段を降りて自分の父親の目の前に立つ。
すると、桜花の父である木松悪斗は娘の桜花に対しいきなり、
バシッ
と力強く平手打ちをかます。これには、桜花、
「うぅっ!!」
といううめき声とともに壁へとふきとんでしまった・・・。
そして、倒れこんでしまった桜花に対し、木松悪斗、怒声でこう言ってきた。
「お前は巻けたそうだな!!あれだけ「勝てる」と豪語していたのに蓋を開けてみれば負け戦をするとはな!!そんなもの、この木松家からすれば、ただの負け犬、いや、役立たず、だ!!」
そう、木松悪斗、は桜花が理亜たちに負けた、ということをあらかじめ知っていた。というのも、理亜たちとの戦いは観客たちのSNSを通じて生中継するなど動画として拡散されていたのである。さらに、Aqoursの公式ライバルであるSaint Snowの理亜との戦い、ということもあり、この戦いの注目度はとても高いものだった。そのため、この戦いの動画を見た木松悪斗のまわりの人たちを通じて桜花が負けたという情報は木松悪斗の耳にはいっていたのだ。こうして、桜花が負けたことに対し「勝利こそすべて」、いや、「勝ち続けることがすべて」という信条の持ち主てある木松悪斗は負けて帰ってきてしまった桜花に対し「役立たず」とののしったのである。まぁ、音楽のことを「ただのお遊び」としかみていない木松悪斗なのでまわりの声を聞いただけで、お遊びの戦いに負けた、そんな桜花を許せなかったのだろう。だって、木松悪斗からはその過程なんてふっとばして結果でしか、勝敗でしか物事を判断しないのですからね・・・。
そんなわけでして、父の逆鱗に・・・、いや、株取引の不調によるストレスのはけ口にされた桜花、すぐに反論・・・。
「でも、あともう少しで勝てたのです!!相手からすればあちら(函館)はホームであり、私たちからすれば、完全アウェイ、でありまして・・・」
だが、そんな桜花の反論は木松悪斗からすれば言い訳でしか聞こえないのか、桜花の言葉を遮るように強い口調で、
「そんな言い訳、たくさんだ!!お前は負けたんだ!!負け犬なんだ!!お前には何度も言っているだろ、この世の中は「勝つことがすべて」なんだ!!一度でも敗れたらそれは生きる価値を失った、と言ってもいいんだぞ!!何度でも言う、お前は負けたんだ!!お前に生きる価値なんてないんだ!!いや、私にとってお前はただの「ごくつぶし」であり、「役立たず」なんだ!!いや、それ以下だと証明されたのだ!!」
と桜花のことを罵倒した。これには、桜花、
「・・・」
とただ黙り込むしかなかった・・・。
ところが、それが木松悪斗の気に触ったのか、黙り込む桜花に対し、さらに、
バシッ
とまたもや平手打ちをかますとそのまま、
「なに黙っているんだ!!いいか、お前はもう生きる価値がないんだ!!負け犬のお前の顔なんて見たくない!!いや、この世の中から消えてしまえばいいんだ!!」
と、生きる価値なし、と言われてしまう。もちろん、これには、桜花、
(えっ、私に生きる価値なんてない・・・。もう死んだほうがまし・・・)
と愕然としてしまう。
そんな桜花に対し、木松悪斗、こんなことを言ってくる。
「あっ、そうだ。お前が倒すべきと言っていた小童、たしか、Aqours、だったかな、その小童が、近々、静真の校庭でライブを行う、って言っていたな!!まぁ、負け犬のお前からすれば(戦略的に)勝ったはずの小童たちが虎視眈々と逆転を狙っている、そのことを聞いてどうしようかと慌てるかもしれんな!!でも、まぁ、小童たちにしても私からすればただの負け犬でしかない、と思っているのだがな!!わははは!!」
この木松悪斗の言葉を聞いた瞬間、桜花は頭が真っ白になる。
(えっ、あのAqoursが・・・、逆転のためのライブを静真で開く・・・、っていうことは・・・、
もし、このライブが成功したら私の立場がなくなる・・・。いや、もう私には本当に生きる意味がなくなる・・・じゃない・・・)
函館遠征の失敗に続いて一度は倒したと思っていたAqoursが復活する・・・、それは桜花にとってこれまで父木松悪斗のために、父に自分を認めてもらいたいために、このための行動が不意になる、いや、それらを含めて、桜花の人生が無駄になってしまう、そんな絶望に絶望を覆い重ねた、そんな苦痛を桜花に与えることになってしまった・・・。
ただ、それでも木松悪斗の口は止まらない。頭が真っ白になった桜花に対しとどめの一撃を与える。
「まぁ、これまではお前の口車にのせられてきたのだが、よくよく考えてみれば、スクールアイドルというお遊びにお金をかけるなんてバカげていた・・・。それに、こんな負け犬、いや、「役立たず」「ごく潰し」にお金と時間を費やす、なんて、愚かなことだとようやく気づいたわ!!そんなわけで、お前たち、スクールアイドル部はさっさと潰れろ!!これ以上、私に恥をかかせるな!!貴重なお金や時間を返せ!!もう、私の目の前に現れるな!!いいな!]
突然の廃部勧告、これには、桜花、
(や、やっぱり、私はお父様にとってみればただの「役立たず」「ごく潰し」だったんだ・・・。いや、スクールアイドル部というお遊びをしていただけ・・・、これまでのお金と時間の無駄、だったんだ・・・。やっぱり私にとって人生は無駄だったんだ・・・)
と、まるで、今から死に行くような思いになってしまった。
こうして、桜花は父親から罵倒の末、父親の元から去って自室に戻っても、
「もう私には生きる価値なんてないんだ・・・。私はずっと負け犬なんだ・・・。なにもかも無駄なんだ・・・」
とまるで死人のようにつぶやいてはただ泣くしかできなかった・・・。
そして、翌日・・・、
「桜花ちゃん、なんで顔が腫れているの!!誰かに叩かれたの!?」
と顔に平手打ちされたあとがくっきりと残っている桜花の顔を見た梅歌はびっくりするように言うも桜花は逆に、
「いや・・・、なんでもない・・・、なんでもない・・・」
と否定していた。ただ、そのあと、桜花はぶつぶつと、
「私はもう生きる価値なんてないんだ・・・。もう死んだほうがいい・・・。ただの「役立たず」「ごく潰し」なんだ・・・」
と小声で言っていた。これには、松華、
(この前のことをいい、今といい、桜花さん、なにかに苦しんでいる・・・。それって、もしかして、桜花さんのお父さんのこと・・・。でも、いったい・・・、どうして・・・)
とますます困惑してしまった。だって、このときはまだ、松華はおろか、桜花のことを心配してくれる梅歌ですら桜花がおかれている最悪な現状を知っていなかったのだから・・・。
とはいえ、顔が腫れている、さらに、絶望といえる表情をしていた桜花の姿を見て、さらに心配になったのか、梅歌、松華に対し、心配そうに、
「松華ちゃ~ん、桜花ちゃん、なんかあったのかなぁ・・・。顔が腫れていたし、元気なかったし。なにかあったのかと思うけど、私、心配だよ・・・」
と言うと、松華、梅歌に対し、
「たしかに私もそれは心配だと思う。でも、私故人の意見だけど、桜花さん、私たちになにか隠していることがある、そう思えてしまう、特にお父さんとのことで・・・」
と、今、自分のなかにある疑問を言ってみると、梅歌、こんなことを言う。
「でも、桜花ちゃんのお父さんって・・・、誰だったかな?」
えっ、梅歌、桜花のお父さんのことを知らなかったの!!という衝撃の事実を言うと松華も、
「たしかに。たしか、桜花さんの上の名前、木松、という珍しい名前だけど桜花さんの父親のことまでは気にしてなかった・・・」
と、こちらも衝撃の告白をしてしまう。まぁ、桜花にとって仲間ともいえる2人からしたらこれまで桜花の父親が誰なのか知らなかったとしても仕方のないこと・・・なのかもしれない。というのも、2人は桜花のことを大事な仲間として認識していた。なので、桜花のことをもっと詮索を・・・ということはしなかった。たしかに桜花を含め3人は大事な仲間である。だが、どちらかというと、リーダー格の桜花が、梅歌、松華を引っ張っていく、そんな父親譲りのワンマンみたいな行動を桜花はしていた。そのため、桜花と梅歌、松華はあまり雑談などすることがなかった。まぁ、桜花を大事な仲間だと思っていた梅歌と松華が桜花のことを詮索したら失礼だし桜花にだって誰にも話したくないことがあると2人が思っていたのもあるのですがね。そんなわけでして、今の今まで梅歌と松華は桜花のことをあまり知らなかったのだ。
ただ、このときは運悪く、ある静真の生徒に2人の声が聞こえていたらしく、その静真の生徒が2人に対しこんなちょっかいをかけてきた。
「えっ、スクールアイドル部の2人は知らないの!!木松桜花の父親はあの部活動保護者会の会長で、かつて、この静真を支配していた木松悪斗だよ!!」
これを聞いた瞬間、2人とも、
「えっ、桜花ちゃん(さん)のお父さんって木松悪斗だったの!!?」
と驚いてしまう。だって・・・、
(木松悪斗ってこの静真にとって大物じゃない!!桜花ちゃん、すごい!!)(梅歌)
(うぅ、投資の天才だと言われていた木松悪斗の娘だったのね、桜花さんは・・・)(松華)
2人とも木松悪斗が大物であることは知っていたからのと、梅歌の場合、静真をかげから支配していたことを、松華の場合、最近では落ちぶれているとはいえ投資の世界で長年王者として君臨していた、そのことをそれぞれ知っていたため、2人ともその父の娘が桜花であることにびっくりしたから・・・。
だが、その生徒は続けてこんなことを言ってきた。
「でも、木松悪斗は「勝つことがすべて」をこの静真に関わるすべての人に洗脳していたんだ。それって、ある意味、悪者だよね」
そう、これまで木松悪斗は静真を支配するとともにそこに関わるすべての人に対し、自分の信条、「勝つことがすべて」、を洗脳するくらいその考えを埋め込んでいたのである。ただ、それによって静真は全国大会に出場するくらいの実力を持った部活を数多く抱える、それくらい部活動優秀校になった・・・のだが、それに比例して敗者に対して辛く当たる、それくらい、勝利絶対至上主義、という考えがはびこってしまったのだ。だが、それも静真高校生徒会長の渡辺月、静真の創立家の末裔で静真の陰の神と言われた沼田、そして、浦の星という新しい風をまとったAqoursの活躍によりその考えは一掃された。そして、今、静真を支配しているのは、「部活動とは楽しむこと、好きになることがすべて」、浦の星という新しい風によって広まった、人を大事にする考え、そして、勝利絶対至上主義をいまだに引きづっている木松悪斗とその一味に対する恨み、であった。
むろん、その恨みはときとして他人にも向けられるわけでして・・・、その生徒は2人に対しこんなことまで言ってきた。
「まぁ、あなたたちスクールアイドル部もその木松悪斗の一味に間違いないもんね!!それに、あのAqoursを倒そうとしていることだし、ここであなたたちを倒してもいいんだと思うけどね!!」
まさか、梅歌、松華、2人が木松悪斗という悪者の一味と決めつけられると・・・。というのも、実は、桜花たちスクールアイドル部は静真の生徒たちからしたら悪者である木松悪斗の一味、いや、忌み嫌われる存在としてほかの生徒から認識されていたのだ。今の静真の生徒、新しい風により「勝利こそすべて」という考えから「楽しむこと、好きになることがすべて」という考えに変わった、そんな生徒たちからすれば去年度までは静真の支配者として敬った木松悪斗とその一味が今や「勝利こそすべて」という悪しき考えを洗脳させた悪人として認識されるようになったのだ。なので、その木松悪斗の一味を排除しよう、差別しよう、という考えも広がってしまったのだ。そして、桜花たちスクールアイドル部はその一味の1つとしてほとんどの静真の生徒から認識されていた。その理由として、1つは木松悪斗の娘である桜花がスクールアイドルの部長をしていること、2つめに桜花の策略により静真に新しい風を吹き込んでくれた英雄であるAqoursを苦しめた(父木松悪斗の力によってAqoursは同好会として活動せざるをえなかったことなど)、があげられた。特に、「楽しむこと、好きになることがすべて」という新しい風を持ち込んでくれた、それくらいの偉業を達成したことで英雄視されたAqoursを苦しめたことが桜花たちスクールアイドル部を木松悪斗の一味として断罪する、そんあ風潮をはびこらせる原因の1つとなった。
そんなわけでして、その生徒は、梅歌、松華に対し怒りの鉄拳を繰り出そうとしていた、「なにも恨まないでね!!」
と言いながら。
だが、ここである人の声がした。
「やめて!!」
まるでどこかの小動物のようなかわいい声がまわりにこだますうる。これには、2人を殴ろうとする生徒もやむを得ず、
「る、ルビィちゃん・・・」
と言いながらこぶしをおろす。そう、2人を殴ろうとする生徒を止めたのは、Aqoursの2年生、黒澤ルビィ、だった・・・。
で、その生徒を止めたルビィはすぐにその生徒に対し、
「殴ったってなにも変わらないよ!!それよりも、殴ったことであなたの人生がおかしくなるのって、ルビィ、とても悲しいよ!!」
このルビィの言葉にその生徒は、
「でも・・・、ここにいるスクールアイドルを部はあのにっくき木松悪斗の一味ですし・・・」
と言い訳をするも、ルビィ、その生徒に対しはっきりとこう言った。
「そんなの、関係ないよ!!たとえ、スクールアイドル部だとしても梅歌ちゃんも松華ちゃんもルビィたちと同じ静真の生徒だし同じスクールアイドルだよ!!それを忘れないで!!」
このルビィの言葉にその生徒はただ、
「でも・・・」
となにか言いたそうになる。
と、ここで、ルビィ・・・の隣にいたAqoursのマネージャー役であるあげはがそんな生徒に対しこう言った。
「たしかにあなたにとってそうかもしれませんが、ルビィちゃんたちの言っていることが正しいのです。なので、これを機にその考えからも脱却したらどうでしょうか」
これには、その生徒、
「・・・」
と無言になるとダメ押しとばかりにあげはの幼馴染でルビィたちと一緒にいた、東子、シーナからも、
「もし、これ以上暴れるなら、私たちも上(生徒会)に報告しないといけません。いや、私の隣にいるシーナがレールガンをぶっ飛ばすことになりかねません」(東子)
「って、今、しれ~と、あのレールガン娘と一緒にしたよね!!キー、そればかりは許せない!!とはいえ、あんたがしたことはそれくらい野蛮なことだ!!そんなことなんて考えないほうがいいぜ!!」(シーナ)
と言われるとその生徒はしぶしぶ、
「はい・・・、わかりました・・・」
と言ってはとぼとぼと梅歌たちから離れていった。はなまtる
そして、梅歌と松華は自分たちを殴ろうとした生徒が離れていったあと、梅歌と省はルビィたちに対し、
「ルビィさん、あげはさんたち、私たちを救ってくれてありがとうございます」
とお礼を言うも、ルビィ、そのこと・・・というよりもルビィの陰に隠れていたあの娘から、
「これで懺悔は終わったのです!!さぁ、すぐさま、私のリトルデーモンになりなさい!!」
と、なぜか、ヨハネ、2人を勧誘する。むろん、これには、2人とも、
「ははは・・・」
と唖然となるも、そのヨハネの陰からあの娘が・・・。
「善子ちゃん、やめるずら!!2人とも引いているずら!!」
とヨハネの頭を軽くチョップをかましてヨハネを止める花丸の姿があった。これには、ヨハネ、
「はい、すいません」
と梅歌と松華に謝ってしまう。
そんな、まるでお笑い集団となろうとしているルビィたちに対し、梅歌、
「でも、私たちを助けてくれてありがとうございます」
と改めてお礼を言うと、ルビィ、梅歌に対して、
「いや、それほどでもないよ。それに同じ静真の生徒だし、同じスクールアイドルだしね!!」
と言われると、梅歌、思わず、
「私、そう言われるととてもうれしいです!!だって、ルビィちゃん、花丸ちゃん、ヨハネちゃんは私にとって憧れの存在であるAqoursの一員ですから!!」
と天にも昇る気持ちでそう言ってしまう。
だが、ここで、ルビィ、本題とばかりに梅歌に対しあるものを渡してこう言った。
「ルビィもね、そのことを言われると嬉しいの。だけど、それを裏切るようなことをしてごめんね!!」
そのルビィから渡されたもの、それを見て、梅歌、はっとする。
「これって・・・、挑戦状・・・」
そう、ルビィが梅歌に渡したもの、それは、挑戦状、であった。その挑戦状について、あげはが詳しく解説する。
「今月(5月)末、ルビィたちAqoursはここ静真の校庭で一大ライブを行います。そこで、AqoursとRedSun、どちらが静真のスクールアイドルとして相応しいのか、それを決める対決を行う予定です。梅歌さん、松華さん、桜花さん、ともにじっくり話し合って出場するかどうか決めてください」
そう、今月末、この静真の校庭でAqoursの一大ライブを行うことをAqoursは決めたのだ。そのライブの注目の1つとして静真の代表するスクールアイドルを決めるべくAqoursとRedSunの対決を計画していたのだ。
ただ、これには、梅歌、
「え~、あのAqoursと戦う・・・。なんで・・・」
とまたまた愕然となるも、花丸、そんな梅歌に対して、
「これは強制ではないずら!!いやだったら出なくていいずら。出なかったとしてもおらたちはRedSunのことを、梅歌ちゃんたちのことを見下すことはしないずら!!だって、おらたち同じスクールアイドルだから、ずら!!」
と優しく言うと、梅歌、すぐに、
「うぅ・・・、たしかにそうだけど・・・」
と苦悩してしまう。たしかにこの対決は強制ではない。だけど、この対決に逃げれば「RedSunはAqoursの力に尻尾をまいて逃げた」として後ろ指を指されるのは必至であった。でも、対決したらきっとRedSunは負けてしまう、そのこともあって梅歌は苦悩していたのである。
と、ここで、松華、梅歌に助け舟をだす。
「ルビィさん、わかりました。この挑戦状は受け取ります。ですが、出るか出ないかは私たち3人がじっくり話し合います。それでよろしいでしょうか」
松華は今後のことで悩む梅歌の代わりにその挑戦状は受け取るもその対決に出るか出ないかは3人でじっくり話す、そうすることでこの場から離れる口実を作ったのである。これには、梅歌、
(松華、ごめんね、優柔不断な私に代わってもらって・・・)
と心のなかでお礼を言うと、松華、
(いや、これが私のいつもの務めですから)
と返事をした。
こうして、ルビィから挑戦状を受け取った梅歌、それに対し、ルビィ、
「答えは2週間後に聞くね。それじゃまたね」
とヨハネたち5人を連れてどこかに行ってしまった。これには、梅歌、
「なんかすごい展開になったね・・・」
と言うと松華も、
「たしかに・・・」
と相槌を打った。2人にとってまさかのAqoursからの挑戦状。これにはさすがの2人とも唖然とするしかなかった。
だが、梅歌と松華のもとから去ったルビィは、このとき、こう思っていた。
(この対決、それはあの桜花ちゃんを救うためのものなんだよね。だからこそ、ルビィたち、絶対にRedSunに勝つからね!!)
この対決、桜花を救うためのもの、でも、AqoursとしてはRedSundに絶対に勝つ、ある種の矛盾を抱えてたようなルビィの思いであった。それって一体・・・?