こうして、この曲最大の見せ場を成功させたRedSunはその勢いのままにパフォーマンスを行い、ライブを成功させた。これには、最初、ブーイングをみせていた観客たちからも、
ウォー
という歓声とともに、
ぱちぱち
という多大なる拍手でもって桜花たちRedSunの栄光を称える。これには、桜花、
(ふんっ、私たちだってやればできる娘なんです!!)
と威張っていた・・・、いや、それくらい誇れるくらいのRedSunのパフォーマンスであった・・・。
むろん、これには、梅歌、別の意味で感化していた。
(私は、いや、私たちは、今、輝いている・・・、スクールアイドルとして輝いている・・・。これって私が求めていた輝き、だよ!!)
そう、梅歌はこのステージで全力でやりきったことにより、自分が求めていたもの、スクールアイドルとしての輝きを得た、そう思っていたのだ。梅歌にとってスクールアイドルを始めた理由は桜花からスカウトされたからではない、新生Aqoursお披露目ライブでAqoursが輝いていた、その輝きを追い求めていたからだった。それが、今、このステージで、このライブで達成できた、そう感じたからこそ感化されていたのだ。
そして、今、梅歌は桜花に対しこう言いたそうとしていた。
(桜花ちゃん、私たち、今、輝いているよ。桜花ちゃんも、今、それを感じてくれているのかな・・・)
だが、時間は待ってくれない。RedSunのパフォーマンスのあと、ついに、あのグループが出陣する・・・。
「さて、続きましては、あのAqoursの登場だ!!あの華麗なるRedSunのパフォーマンスに対してAqoursはどう立ち向かうのか?」
まるでAqoursをあおるような司会の言葉に会場中がシーンとなる。
すると、Aqoursが登場したのか、会場中、騒ぎだす。
「あれっ、あの衣装、見たことないぞ!!」
「あれってマーメイド・・・みたいな衣装・・・だよね。私、それ、見たことない・・・」
そう、今のAqoursの衣装、それはこれまで誰も見たことがない衣装であった。それもなぜかマーメイドみたいな衣装・・・。これには関係者席あkらAqoursのライブを見ていた、今のAqoursの総合プロデューサー的役割をもつ月は、
(これこそAqoursの秘策!!あちらが「MIRACLE WAVE」で場を盛り上げることはわかっていた!!なら、ここは私たちAqoursも秘策を用いるだけ!!)
と、なぜか燃えていた。
そして、騒ぐ観客たちに対して、千歌・・・ではなく曜がマイクを持つと、あることを、秘策のことを言い始める。
「今から披露する曲は・・・私たちにとって新曲になります!!」
これには、桜花・・・だけでなく、Aqoursのことをよく知っている梅歌・松華も、
(((えっ、新曲!?)))
とびっくりしてしまう。そう、Aqoursはここにきて新曲をぶつけてきたのだ。新曲であればこれまで「MIRACLE WAVE」で圧倒的なパフォーマンスを見せつけ戦いを有利に進めていた桜花たちの活躍がかすんでしまう。だって、こちらは完全なる完コピ、なのだから・・・。完コピとオリジナル、それも新曲となれば完コピの方がかすむのは目にみえている、なので、桜花、
(く~、これはこれでやばい・・・)
と焦ってしまった・・・ものの、よく考えてみれば、いきなり新曲、であってパフォーマンスが悪ければそれこそ杞憂で終わる、と思ってか、
(でも、十分なパフォーマンスができなければなんてことはない。大丈夫・・・、大丈夫・・・)
とわずかに残った安心感を使って自分を落ち着かせようとした。
そして、ついにAqoursのターンが始まった!!
トゥトゥトゥートゥトゥ トゥトゥ トゥトゥトゥー トゥトゥトゥー トゥトゥトゥ
この曲が始まると6人のマーメイドたちが一斉に動き出す。曲の名は、「恋になりたいアクアリウム(6人ver)、物語を呼んでいる方からすれば(現実では)Aqours2ndシングル、なのだが、この物語におていはこれが初披露でった。そのためか、観客たちからは、
「まさかここでAqoursの新曲が聞けるなんて・・・」
という声が大きくなっていった。
いや、それ以上に、
「えっ、センターって曜ちゃんなの?」
とセンターが曜であることにびっくりする。そう、これまでのAqoursの曲は一部を除いてセンターが千歌であることが多かったのである。WATER BLUE NEW WORLDもしかり、ブラメロもしかり(この曲のセンターはちかりこのダブル)、なので、曜の単独センターはかなり珍しいものであった。
と、まさかの新曲&曜単独センターということもあり、観客たちはRedSun以上に盛り上がっていた。さらに、新曲とはいえ、6人のパフォーマンスも完璧・・・ということもあり、桜花、
(これってやばくないかな・・・)
と徐々に勝てるか心配になってきた。いや、それどころか、梅歌、松華、ともに、
(これがAqoursのすごさ、実力なの~)(梅歌)
(そうとしか言えません・・・)(松華)
と絶句するしかなかった・・・。
こうしてAqoursのパフォーマンスが終わった、その瞬間、
「それでは、みなさんの手に持っているスマホでどちらかがよかったのか投票してください!!「MIRACLE WAVE」であの大技を成功させたRedSunか、それとも、まさかの新曲でみなさんを魅了したAqoursか、どっちだ!!」
この言葉にスマホに表示されたRedSunとAqoursのボタンを観客たちが見る。そう、観客たちが自分のスマホを持っていた理由、それは、RedSunとAqoursの戦い、その勝者を決めるためだった。その2つのボタンのどちらかを次々押していく観客たち。
そして、ステージ上の巨大モニターにはその投票がどんどん集まってくる。演出上なのか、RedSunとAqoursの票は抜いては抜かれるかの繰り返しでそれでも一向に結果が表示されない。これには、桜花、
(勝って・・・、勝って・・・)
という熱い願いでもって勝利を望んでいた。
そして、ついに結果が・・・モニターにはある驚きのものが映し出されていた。それは、どちらのグループともに差がわからないようなグラフ・・・モニターを見る限り、どちらも同票・・・ともいえた。これには、桜花、
(も、もしかして、同点・・・、引き分け・・・)
と一瞬安堵したような仕草をする。
だが、そんな桜花の望みも司会は打ち砕いてしまった。なんと、あるタブレットをみてか、司会、衝撃な言葉を発する。
「この戦いの勝者は・・・、1025対985で・・・、Aqoursの勝利!!」
これには、桜花、
「そ、そんな・・・」
と絶望に満ちた顔になってしまう。まさかの敗北・・・、これには、「Aqoursを絶対に叩きのめす」と父の木松悪斗に豪語していた桜花にとってみれば絶望というべきことであった。
ただ、この桜花の絶望に対し、梅歌、
「でも、本当に僅差だったよね。初心者の私たちからすれば立派だと思うよ」
と桜花を励ますと松華も、
「そうです。胸を張っていきましょう」
と桜花のことを励ました。
いや、それどころか、敵であるAqoursからも、
「まさかおらたちが苦戦するとは思ってなかったずら」(花丸)
「ふっ、おぬしたち、誇っていいぞ。このAqoursに善戦したのだからな」(ヨハネ)
「って、善子ちゃん、自分の「善」と「善」をかけているのね!!」(梨子)
「って、善子って言うな!!ヨ・ハ・ネ!!」(ヨハネ)
と、まさかの善戦に桜花たちRedSunを褒め称えていた。
そして、ルビィが桜花の前に出てきてはこんなことを言ってきた。
「桜花ちゃん、まさかルビィたちがこんなに苦戦するなんて思っていなかったよ。それくらい、桜花ちゃんたちが頑張ってきた証拠だよ!!胸を張ってね、桜花ちゃん。そして、これからもスクールアイドルとして頑張ってね!!」
このルビィの激励に、桜花、なんと・・・、
「あ、ありがとうございましゅ~」
と泣きながらルビィに答えていた。だって・・・、
(人からこんなに励ましを受けたことなんてなかった・・・。いや、私にとって初めてだった・・・」(桜花)
そう、桜花からすれば人から褒められたことがこれまでなかった、これが生まれて初めて・・・というか、かなり昔、自分の母親からされたこと以来、の経験だったのだ。いつもは父と姉から蔑まれてきた。また、まわりからは、悪名高い木松悪斗の娘、ということで忌み嫌われてきた。ところが、そんなことなんて関係なく、いや、「「役立たず」「ごく潰し」、なんて言われず、逆に父と姉から自分のことを認めてもらいたい」、そんな自分の願望を叶えるために自分の手で苦しめてきた敵、Aqours、そのメンバーからこんなありがたい言葉を頂けるなんて思っていなかったのだ。だからこそ、桜花は、このとき、ルビィに対し最大限のお礼を言ったのである。
だが、それすら許さない者がいた。突然、
「ちょっと関係者以外入らないでください!!」
と司会の人が言うのも聞かずにある者とその娘がステージへとあがると桜花に対し、
「この「ごく潰し」が!!負けたとはなにか!?この私に泥を塗る気か!!」
と怒鳴るように言うとその娘からも、
「あぁ、来て損した。こんな「役立たず」の、それも負けの戦いを見られるなんて、本当に私たち家族からすればただの茶番、いや、たんなる恥だわ!!」
とまるで忌み嫌われるかのような言葉を言い放つ。これを見て、桜花、絶望に満ちた表情になってこう叫んでしまう。
「お父様・・・、お姉さま・・・」
そう、ステージに突然上がってきたのは桜花のことを貶す父娘は、桜花の父と姉、木松悪斗とその娘の旺夏だった・・・。
そんな父親から桜花に対し次々と罵声が飛ぶ。
「いいか、お前は負けたのだ。負け、すなわち、役立たずなのだ!!私からすれば、こんな負け試合、たんなる茶番、いいや、見る価値のないものだった。そんな負け試合を演じたお前なんて、本当に「役立たず」、いや、勝利のみを追い求めている私たち家族からすれば、「ごく潰し」、としかいえないのだ!!」
でも、こんなことを自分の父親から言われているにも関わらず、桜花はただ、
「・・・」
と無言になるしかなかった。いや、それ以前に・・・、
(私は負けたんだ。もう、お父様とお姉さま・・・、親父と姉上から認められることなんてない・・・、もう一生、私は「役立たず」「ごく潰し」なんだ・・・)
と、負け戦をした以上、もう父親と姉から認められない、そんな絶望感を味わっていた。人とはなにかに失敗したとき、それができなかったことに絶望を感じることがある。特に、常日頃からその人を否定することを言い続けられていれば、その絶望感は通常よりも大きく、さらに絶望しやすくなる。それは桜花にも言えた。スクールアイドルなる前は桜花は父と姉から、常日頃、「役立たず」「ごく潰し」と言われ続けていた。いや、それ以上に、父と姉は桜花の才能すら認めてもらえずにただたんに桜花のことを否定することを言ってはけなし続けてきたのだ。そのため、桜花は僅差とはいえ、負け戦を演じてしまったことに自分の父と姉に追求され、そこから桜花のことを否定するような言葉がきたものだから、いつも以上に絶望感を味わってしまったのだ。だが、これ以上に桜花のことを否定し続けたら・・・。
そんなことなんてお構いなしに父と姉から桜花への罵倒は続く・・・。
「いいか、お前は本当に、「役立たず」「ごく潰し」、いや、生きる価値なんてないんだ!「勝利こそすべて」、これができないのであれば、人にあらず、いや、ごみ以下なんだ!!もう1度言う、お前はごみ以下なんだ!!こんなやつなんてこの場から去れ!!いや、さっさと死んでしまえ!!」
知々夫派からの残酷な言葉、これにより、桜花、
(やっぱり、私はごみ以下なんだ・・・。そんな私なんて生きる価値なんてないんだ・・・。もう死ぬしかないんだ・・・)
と、ついに士を決意する、そんな危機的状況におちていた。このためか、桜花、
「わ、私・・・、もう死ぬしかないんだ・・・、死ぬしかないんだ・・・」
と、顔をこわばせながら、それも泣きながら、ふさぎ込みながらぼそっと声を出していた。桜花からすればそれくらいの絶望を感じていたのである。
ところが、そんな桜花に対し、ある人物が声をかけた。
「桜花ちゃん、私は桜花ちゃんのこと、「役立たず」、なんて思っていないよ!!」
「そうです!!私と梅歌、2人はいつもあなたの味方です!!」
その声を聞いて桜花は前を見る。すると、そこにいたのは・・・、
「梅歌・・・、松華・・・」
そう、桜花の仲間である梅歌と松華であった。
その梅歌は桜花の父親である木松悪斗に向かう、こう言いながら・・・。
「桜花ちゃんのどこが「役立たず」なのですか?それって違いますよね!!桜花ちゃんはたしかに強情なところがあるよ。うそだって言うよ。でもね、桜花ちゃんは・・・、桜花ちゃんは・・・、かなりの努力家なの!!そんなの、あなたに言われたくありません!!」
だが、そんな梅歌の言葉に、木松悪斗、反論。
「そんな努力、負けたからには無駄、というもの!!そんな無駄なものに費やしていたなんて、考えるだけでイライラするわ!!そんな努力、無駄にしかならん!!」
と、ここで松華もついに参戦!!
「負けた、負けた、というけど、たった50票差の僅差でした。こちらは初心者ばかり、対して、Aqoursはラブライブ!優勝の実力者。そんな相手に私たちは善戦した、そのことは間違いないのです!!」
たしかにたった50票差の僅差での負け、それはかなりの実力差がありながらも善戦したといえる。
さらに、梅歌、畳みかける!!
「それに、私たちは絶対に輝いていた!!あのAqoursに立ち向かうため、私たちは一緒になって立ち向かった!!それって、Aqoursみたいに輝いていた、なんていえるの!!私たちは、あのとき、心が1つになった!!それによって輝いていた!!それは間違えようのない事実なの!!」
だが、それでも、木松悪斗はくじけなかった。まだまだ、木松悪斗、応戦。
「ふんっ!!輝いていた?そんなもの、関係ない!!いいか、負けたのだから負けなのだ!!それ以上でもそれ以下でもない!!善戦した?輝いていた?そのどこが善戦したというのだ!!輝いていたというのだ!!負けたという事実は事実なのだ!!負けたという結果のみが生きる、それがこの世の中なのだ!!いいか、負けたのだから、お前は、いや、お前たちはごみ以下、生きる価値なし、なんだ!!」
あまりにも屁理屈、いや、木松悪斗からしたらこれが正論、なのだが、まわりからみたらそれはただの屁理屈、なのかもしれない。いや、それどころか、今度は梅歌や松華すらごみ呼ばわりする始末。
と、ここで、ついに木松悪斗の方にも援軍が・・・。そう、旺夏である。旺夏、桜花たち3人に対しこんなことを言いだしてきた。
「そうだ、私とお父様の権力を使ってスクールアイドル部を廃部にしましょう。いや、ここにいるAqours、スクールアイドル同好会すらも廃部にしてもう二度とスクールアイドルというくだらないお遊びなんて許さない、そんな学校にしましょう、お父様・・・」
この言葉に、梅歌、松華、はっとする。今、2人がたてついているのは落ちぶれたとはいえ、静真において権力を有する父娘、なので、スクールアイドル部どころか自分たちが憧れているAqoursにも害が及ぶ、このことに2人とも、
(しまったかも・・・。あまりにかっとなりすぎて権力のある2人にたてついちゃったよ・・・)(梅歌)
(うぅ、私たちだけでなくAqoursのみなさんにも害が及んでしまう・・・。どうしたらいいいわけ・・・)(松華)
と、しまったとばかりにしかめっ面になってしまう。
そんな2人、さらには桜花に対し、木松悪斗、ついに鉄槌を下す。
「さてと、RedSun・・・だったかな、お前たち、覚悟はできているような・・・。お前たちは私の顔に泥を塗った、それは万死に値する。だからこそ、ここで、お前たちに鉄槌を下す。お前たちはゴミ以下なんだ。そんなゴミ以下にすることは1つ・・・、この場をもってこの学校から・・・」
そんなときだった。いきなり、スポットライトが1人の少女に降り注ぐ。その少女は木松悪斗に対しこう叫ぶ。
「桜花ちゃんたちは・・・、RedSunは・・・、「役立たず」「ごく潰し」、なんかじゃない!!ちゃんとしたスクールアイドルだよ!!」
この言葉に、木松悪斗、叫ぶ!!
「お、お前はだれだ!!」
すると、その少女は自分の名を叫んだ。
「私、私の名は・・・、Aqoursのリーダー、そして、スクールアイドル同好会の部長、高海千歌だ!!」
そう、桜花たちRedSunのために立ち上がった少女、その名は、Aqoursのリーダー、高海千歌だった・・・。