ちょうどその頃、静真の生徒会で副会長をしているナギ、
(きっとこのままじゃ、月生徒会長が苦しみ続けてしまう。でも、これまでは月生徒会長自らが行動してくれたから、私たち生徒会役員一同はその月生徒会長の指示にしたがっていればよかった。けれど、今、その月生徒会長の力でもってして立ち行かなってしまっている。こんなときこそ、私たち生徒会一同自ら動くことが必要かもしれない・・・)
と、思い始めていた。そして、その思いはすぐにナギを突き動かした。
ナギ、なんと、自分のスマホを持ち出すと、あるところに電話をかける。そして、すぐに、
「はい、・・・ですが・・・」
と、相手方が電話にでると、ナギ、すぐに、
「あっ、実はね、静真で、・・・が起こっているの。なぜなら・・・」
と、静真で今起こっていることをその相手方に向かって話し始めていた。
そんなナギの行動のことを露知らず、月はある人のもとへ家を元気に出ようと・・・していなかった。まだ、家の中にいた。その月、実は洗面台のところにいた。
「帽子、よし!!髪、よし!!ジャンバー、よし!!Gパン、OK!!これで、誰から見ても僕が静真の生徒会長だってばれることはない!!いや、女じゃなくて、男にしか見えないよ!!僕、これから男として生きていこうかな?」
と、月、自分の姿を鏡で見ながら言っていた。野球帽を深くかぶることでボブヘアの髪は完全に隠れてしまっていた。さらに、Tシャツに男物のジャンバーに男物のGパン、こうなると、月は女性・・・ではなく、立派な男にしか見えなかった。それくらい立派な変装だった。なんだけど、その立派な変装がのちに大きな騒動を巻き起こす・・・のであった・・・たぶん・・・?
でも、なんで、月、誰にもわからないような変装をしないといけなかったのか。それは、変装せずにそのままの姿で曜たちAqoursと会ってしまうと、すぐさまよからぬ噂を流されてしまいそうだから。なぜなら、月は静真の生徒会長である。静真の生徒会長、つまり、静真の生徒の代表である月が誰も知らぬ間にこっそり曜たちAqours、つまり、浦の星の生徒たちと密会していた、そんなことが知れ渡ると、「月生徒会長、統合先生の理由、それは、羅の星の生徒を静真の部活動に入れることで、静真の部活動に悪影響を与え、それにより、自分の静真での地位を上げるため」という噂を静真の関係者たちに広めてしまいかねないからだった。むろん、噂としては飛躍しすぎ、かもしれない。が、あの木松悪斗である、自分の権力をかさにしてそんな噂を広げかねなかったのだ。だって、初戦敗退続きである、ただそれだけの理由で、「浦の星の生徒たちは部活動に対する士気が低い」と決め付け、それでもって浦の星の統合反対、白紙撤回を要求してきたのである。それほど、木松悪斗、なにをしでかすかわからないのである。そして、そのすべてが木松悪斗にとって都合のいいように進む、そんな高い運があったりする。いや、木松悪斗自体、自分にとって都合のいいように進むよう戦術(タクティクス)を巡らせているのかもしれない。と、いうわけで、今現在、月たち生徒会率いる統合推進派は劣勢。そんななかで、統合推進派の中心人物である月生徒会長にスキャンダルが起きる、いや、スキャンダルを起こそうと木松悪斗が仕掛けたら、ただそれだけで、統合推進派は崩壊してしまうのである。月はそのことを危惧していた。そのための変装だった。
と、いうわけで、誰から見ても月・・・どころか女性・・・すら見られない、まさに男にしか見えない、そんな完璧な変装をした月、明るい足取りで家を出発、そのままやば珈琲がある仲見世商店街アーケードへ。その仲見世商店街に行く最中、歩く月の姿を見て、あるカップルの女性が一言。
「あっ、あの子、かっこいい!!どこかのファッション雑誌のモデルじゃないかな?」
これには男性の方からも一言。
「でも、どのファッション雑誌にもあの子は見たことがないなぁ。もしかすると、まだ、どこにもスカウトされていない、金の原石じゃないかな?」
と、カップルの2人とも月の姿に惚れ惚れしてしまう。それほど月の変装は完璧、いや、完璧すぎていた。
とはいえ、そのカップルも見間違えるほどの変装をしている月、でも、このカップルの会話は月には聞こえていなかった。いや、早くあの人に会いたい、そんな気持ちで一杯でであっただろう、まわりの声は聞こえていた、月には。実は、あのカップル以外にもまわりにいる人たちはみなモデル並みの美しさを持つ、いわゆる美男子だと思っていたのだ。でも、本当の姿は女性、それも、あの伝統校の静真の生徒会長、渡辺月であることは誰も気づかれなかった。だから、あの騒動が起きたのであろう、多分・・・。
と、ここで舞台とやば珈琲へと向かう月からやば珈琲の店内に移そう。月がやば珈琲に近づこうとしている直前、
「なにそれ!!」
と、激怒する声をあげる少女がいた。その少女の名は千歌、浦の星女学院スクールアイドル部Aqoursのリーダーである。その千歌の言葉に、
「なんでも・・・」
と、むつがある説明をしようとしていた。で、なんで、千歌は激怒するような声をあげたのか。それは、月がやば珈琲に行く理由にも深い関係があった。
時間は少し前にさかのぼる。千歌たち新生Aqours6人が新しい練習場所を求めて、今度新しく通う静真を目指してバスで移動していた。これまで練習場所として利用していた浦の星はこの前の卒業式兼閉校式でもって立入禁止、さらに、ラブライブ!冬季大会終了までという約束で借りていた沼津駅前の屋内スタジオもラブライブ!が終わったので返してしまったのだ。なので、今現在、千歌たち新生Aqoursとして練習できる場所がない、と、いうわけで、新しく通う静真で練習しよう、と、いうことになった。と、いうわけで、いざ、その静真へ移動・・・しようとする千歌たち新生Aqours6人。浦の星の生徒たち全員に送られた、新しく通う学校、静真、その校舎の場所の地図が載っているメールをたよりにバスに乗った・・・のだが、その静真がある場所は市内の中心地・・・のはずが・・・、その市街地を抜け、住宅地を抜け、しまいには山間地にまで入ってきてしまった。これには、千歌たち新生Aqours6人、少しずつ不安になる。
そして、メールで指示された場所にようやくたどり着く。が、そこにあったのは・・・廃校になった旧小学校だった。そう、その場所こそ、来月から浦の星の生徒たちが通う、はずであろう、静真高校浦の星女学院・・・分校・・・、通称、浦の星分校であった。でも、なんで市街地・・・ではなく、山の中に浦の星分校を設けることになったのだろうか。それは簡単な理由だった。浦の星1・2年生全員を一同に集め、勉強できる場所、それがこの廃校になった旧小学校しかなかったから。4日前の臨時理事会で、浦の星との統合はするが、静真の保護者たちの中にある浦の星の生徒たちに対する不信感を払拭するまで分校方式をとる、そんな、静真の影の神である沼田の鶴の一声でそう決まった・・・のだが、それを言った沼田、その分校を設ける場所を探すも、あまりに急だったので、その物件を探すのに一苦労していた。ただたんに授業できるスペースを確保すればよい、というわけではなかった。授業できるスペース以外にも、職員室、さらに、体育の授業を行うための広大なスペース、広いグランドに屋内体育館が必要となる。あと、高校であれば、塾みたいに少人数を対象に教えるわけではなく、いくら生徒数が少ないとはいえ、浦の星の1・2年生あわせて70~90人、こんな大人数を対象に一度に授業を行うことができないといけない。その条件をすべて叶えることができる、そんな物件、静岡県有数の都市、沼津でさえあまりなかった、特に市街地には。なので、沼津に限らず静岡でもかなりの有力者である沼田でさえ、その物件探しは難航を極めていた。
とはいえ、来月4月には浦の星分校を開校しないといけないため、沼田、仕方なく市街地での物件探しを諦め、山間部まで対象を広げてみた。すると、ちょうど沼津の市街地に近い山間部に、昔、廃校になっていた旧小学校を見つけることができた。ここなら、浦の星1・2年生全員を一度に収容でき、さらに、広いグランドや屋内体育館もある。まさに、沼田が求めていた条件にぴったりだった。と、いうわけで、この旧小学校を改装し、来月の4月から静真高校浦の星分校として開校することになったのだ。
が、その改装、昨今の東京オリンピック・パラリンピックや相次ぐ自然災害の復興工事のため、どこの建設会社も今行っている工事で精一杯だった。さらに、旧小学校全体の改装なので、大規模改装になってしまう。と、いうわけで、急に決まった旧小学校の改装工事、それを請けてくれる建設会社はなかった。それが静岡でもかなりの有力者である沼田の力でもってしてもだ。ただ、その改装工事については、沼田の依頼で分校経営にかかわることになった小原財閥が、これもラブライブ!つながりで知り合った中堅の建設会社、土居建設に旧小学校の改装工事を依頼する。そして、土居建設、2つ返事で改装工事を受注してくれたのだ。ちなみに、土居建設、ラブライブ!の運営団体のスポンサーであり、その社長、土居建造はスクールアイドル、そして、ラブライブ!を応援しているのだが、この前のラブライブ!冬季大会で偶然、その土居建造と小原財閥の中心となる小原家の当主が知り合っていた。そして、そのとき、たまたま2人で名刺を交換していたのだが、それが、土居建設が旧小学校の改装を受注したきっかけとなったのだ。沼田から旧小学校の改装を行ってくれる建設会社がないことを聞いていた小原家当主、それならばと、ダメ元で土居建設に改装工事をしてもらえるよう土居建造に依頼したところ、たまたま、土居建設静岡支社で別の工事を終わらせて次の工事まで空きがあるグループがあったので、土居建造、その空いた期間を使って旧小学校の改装工事を行う、と、いう計画でその改装工事を受注したのだった。
とはいえ、すぐに旧小学校全体を改装することはできないので、教室の一室をまず改装し、当分のあいだはそこで浦の星1・2年生全員の授業を行い、準備でき次第、すぐにでも全体の改装工事にはいることになった。ちなみに、旧浦の星の校舎を分校として使用できないのか、という考えもあるが、前述どおり、卒業式兼閉校式以降立入禁止となっており、このときすでに学校全体が別の会社に売却されていた。そのため、旧浦の星の校舎を分校として利用することができなかった。
と、ここで話はもとに戻る。
「なんでも、浦の星と一緒になるのがいやだって声が一部であるらしくて・・・」
と、むつたちは千歌たちに、来月の4月以降、浦の星の生徒たちは浦の星分校に通うことを説明する。実は、むつたち、千歌たちがやば珈琲に来るちょっと前にその事実をある友達から聞いて初めて知ったのだ。その友達とは、静真高校の生徒会の副会長、ナギだった。ナギはある友達に浦の星の生徒たちは来月の4月以降、分校に通うことを千歌たちがやば珈琲に来る直前に電話でむつたちに伝えたのである。だが、そのときまでむつたちもその事実を知らなかったので、むつたちもナギの電話で初めてその事実を知ったのである。が、そのナギ、友達であるむつたちには、自分の学校、静真の印象を悪くしたくないためか、浦の星の生徒たち全員が4月以降分校に通うこと、そして、その理由が「浦の星と一緒になるのがいやだ」という声が一部であったため、この2点しか伝えていなかった。なので、むつたちも分校方式をとることになった詳しい理由などは知らなかった。ちなみに、ナギとむつたちだが、中学時代、同じ塾に通っており、そのときに友達になっていたのだ。と、いうわけで、むつたち、案外頭が良かったりする。少なくとも、千歌以上の頭脳は持っている。なので、Aqoursのライブのとき、軽々と音響設備を扱えたのはそのためだったりする。
話を戻そう。むつたちの説明に、千歌、
「なにそれ、授業、できないじゃん!!」
と、わざと?ボケる。それでも、スクールアイドルの練習もできないほどの状態、という事実は変わりなかった。でも、なんで分校に通うことになったのか、梨子も不思議がっていた。
と、そんなときだった。
「そういえば~、曜ちゃんはどうしたずら~?」
と、花丸、この場に曜がいないことに気づく。曜に電話がかかってきて、それから、外に出て行ったところまでは、むつたちも覚えていたのだが、そのあと、どこに行ったのか、わからなかった。すぐにまわりを見る千歌たちとむつたち。
そんなとき、窓の外をのぞいたヨハネは見てしまった、なんと、曜が見知らぬ男性?と密会している現場を。
「うそっ!!」
と、驚くヨハネ。この声に乗じてか、
「え~!!」「ずら~!!」
と、ルビィと花丸もヨハネの近くに行き、曜の密会現場?を目撃する。あまりのことに驚く3人。この声に気づいたのか、千歌から、
「なに?」
と、ルビィたち1年生トリオの方を向く。これに対し、ルビィたち1年生トリオ、曜の密会現場?を千歌と梨子に見せないようにするため、窓を背にして3人で隠そうとする。が、あまりにも3人とも・・・、
「な、なんでもないずら~(ルビィ)」
「リトルデーモンが少しざわついているだけよ(花丸)」
「ピギィ~!!(ヨハネ)」
と、キャラが入れ替わってしまうくらい動揺が激しかった。これには梨子はおろかどんかん(失礼!!)な千歌もルビィたち1年生トリオの様子が明らかに怪しく見えてしまったらしく、ルビィたち1年生トリオに迫ってしまう。それでもごまかそうとするルビィたち1年生トリオだったが、動揺が激しいためにさらなる疑いを千歌と梨子に与えることになってしまう。これには千歌、
(ルビィちゃんたち、絶対何か隠している。きっと、外で曜ちゃん、なにかしているに違いないよ!!もしかすると、新しい制服、見つけたのかな?)
と、思ってしまい、ルビィたち1年生トリオの制止を振り切り、やば珈琲の外に出てしまった。
が、そこで千歌はある光景を見て固まってしまった。その光景とは・・・。スクールアイドルとしてはあるまじき、いや、ラブライブ!という作品にとって禁句というべきシーンともいえるかもしれない、千歌の大親友であり、Aqoursのメンバーである、曜、その彼氏ともいえるであろう男性?との密会シーンだった。
と、ここで、突然だが、時間は少し巻き戻る。やば珈琲で、千歌がむつたちから今度通う学校が分校なのか、その理由を聞こうとしたとき、曜、いきなり自分のスマホから、
ツルル ツルル
と、電話がかかってきたことを教える呼び出し音が聞こえてきた。これに、曜、すぐに電話にでると、
「あっ、着いた。じゃ、今から行くね!!」
と、曜、そう言ってからすぐに電話を切り、近くにいた千歌ちゃんに、
「ちょっと待ち合わせがあるから外にでるね」
と、一言言ってからやば珈琲の外に出てしまう。が、その曜の声であるが、分校に通うことにびっくりしてそれだけに集中している千歌の耳には聞こえていなかった。
で、外に出た月、すぐにやば珈琲の前で待っていた待ち人を見つけると、すぐに、
「あっ、久しぶり!!待っていた?」
と、その待ち人に言うと、その待ち人も、
「いや、今、来たとこ!!」
と、曜に今来たことを伝える。その待ち人であるが、野球帽に男物のジャンパーに男物のGパンと、まるでかっこいい男性?の姿をしていた。と、いうことは、その待ち人は曜の兄と弟・・・ではなかった。なぜなら、曜は一人っ子である。なら、その待ち人、正体は・・・、やっぱり・・・、曜の彼氏!?
と、そんなとき、曜はその待ち人に言った。
「で、なんで、月ちゃん、そんな男物、着ているの?」
月、ちゃん!!そう、曜の待ち人、その人の正体は・・・月だった。そして、月が会おうとしていた人、こそ、曜である。で、これについては時系列的に言うと・・・。まず、自分たちが来月の4月から新しく通う学校が静真本校ではなく、山の中にある浦の星分校である、と初めて知った曜はすぐに月に連絡、月は曜に対し、「なぜ曜たち浦の星の生徒たちが分校に通うことになったのかを曜に詳しく説明するため、やば珈琲の店の前で待ち合わせしよう」と提案すると、曜も了承した。そして、月がやば珈琲の店の前に着いたので、着いたことを曜に電話にて伝えると、やば珈琲の店内で月を待っていた曜はその店の外に出て月と会うことができた、と、いうわけである。
と、ここで、曜、月がなんで男性の格好をしているのかを尋ねると、月、
「ちょっと、いろいろあってね・・・」
と、それについては誤魔化してしまう。まさか、浦の星の生徒である曜と密会しているところを静真の関係者にばれないようにするため・・・とは曜の前では決して言えなかった。なので、ちょっと誤魔化したのだった。
と、そんなときだった。
ガリッ ゴソッ
と、なにか騒がしい音が聞こえてくるとともに、
「曜のビッグデーモン!!」
と、大きな声が曜の後から聞こえてきた。これには月とちょっとした話で盛り上がっていた曜ですら聞こえていたらしく、曜、すぐに、
(えっ!!)
と、少し気になったのか、後を振り向いてしまう。が、曜の後には誰もいなかった。で、聞こえてきたのが、
ニャー
と、いう、猫の鳴き声?だった。
で、あるが、実はその猫の鳴き声、ヨハネが発した声だった。挙動不審なルビィたち1年生コンビの態度に千歌と梨子はこの3人を怪しく思い、なにかを隠しているのではと気づいてしまった。というわけで、千歌と梨子、ルビィたち1年生トリオの制止を振り切り、やば珈琲の外に出てしまう。すると、びっくり!!曜が自分たちの知らない男性?と密会しているじゃないか!!これには、千歌、
(うそ・・・、うそでしょ・・・。曜ちゃん、スクールアイドルとしてやってはいけないこと・・・、ラブライブ!という世界観すら崩壊しかねないこと・・・、してる・・・)
と、きょとんとしてしまい、固まってしまう。これには、梨子も千歌と同じ状況、考えに陥ってしまう。「これは夢、いや、幻なんだ・・・」と、思い込みたい千歌と梨子。しかし、ヨハネがこれが現実であることを教えると、千歌と梨子も、今現実に起きていることだと認識してしまう。そして、曜と密会している男性?が誰なのか、あとからきたルビィと花丸と一緒に、5人でこっそり話し合う。まず、兄弟説だが、曜は一人っ子だから消去。で、次にでてきたのが、曜の彼氏説!!これには、ヨハネ、いきなり、
「曜のビッグデーモン!!」
と、大きな声で叫んでしまった。この叫び声には、千歌たち5人に対して背を向けていた、なおかつ、その男性?との会話で千歌たち5人の存在すら気づいていなかった曜でも気づいてしまう。その声の主を探すため、うしろを向く曜。だが、誰もいなかった。そのために、曜、少し不思議がっていた。
で、あるが、実は、その千歌たちの行為、月にはバレバレだった。だって、曜は千歌たち5人に対して後を向いていたために千歌たちの存在に気づいていなかったが、その話し相手である月から見れば千歌たち5人の位置は正面、つまり、千歌たち5人の姿、いや、行動なんて丸見え、なのである。それどころか、千歌たち5人の会話すら月にはまる聞こえだった。それほど月は地獄耳、いや、耳がよかったのだ。で、月、その千歌たち5人の行動を見て、
(あっ、あれが曜ちゃんと一緒にスクールアイドルグループAqoursをしている千歌ちゃんたちだね。これはグッドタイミング!!曜ちゃんには悪いけど、曜ちゃんをえさに千歌ちゃんたちを釣り上げようかね。そして、千歌ちゃんたちを釣り上げて、僕たち、分校統合推進派のために頑張ってもらうからね)
と、月、なんか悪巧みを考えると、ヨハネの叫び声につられて後ろを向いた曜に対し、
「と、ここではなんだから、別の場所に行こうか」
とささやくと、曜の手をひっぱりやば珈琲の店の前から立ち去ろうとする。これには、曜、
「えっ!!」
と、ビックリするも、月に引っ張られる形でその場を去ってしまった。
で、千歌たち5人であるが、ヨハネの叫び声で後ろを振り向いた曜、その曜に気づかれないように隠れてしまう。が、その隠れている隙に月が曜の手をとってその場を走り去ったため、曜を見失ってしまう。が、月と曜が走り去った方向は一方向しかなかったため、すぐに曜を追いかけようとする。このとき、千歌、
(やっぱり、やっぱり、曜ちゃん、私の知らないところで、彼氏、作っていたんだ!!たしかに、たしかに、曜ちゃんは老若男女を問わず誰とでも仲良くなれるけど、彼氏だけは・・・作っちゃダメ!!)
と、スクールアイドルとしてあるまじき行為、いや、ラブライブ!という作品の根幹すら揺らしかねない状態を起こしている?曜に対してなにかを注意したい気持ちになっていた。
で、千歌たち5人はすぐに曜と彼氏・・・みたいに男装している月に追いつく。が、そのとき、ルビィ、ヨハネ、花丸が少しざわついてしまう。これには曜、すぐに、
(あっ、私、誰かにあとをつけられている!!すぐに確認、確認、と・・・)
と、思うと、すぐに後を振り向く。が、誰もいない。そして、聞こえてきたのは「ニャ~」という猫の声?だった。むろん、この猫の声だが、ヨハネが曜をつけているのがばれないように誤魔化すように言った声だった。が、そんなこと、月にはバレバレだった。で、曜、すぐに月に対し、
「月ちゃん、なんか、私、誰かにつけられているかも・・・」
と、こそこそ言うと、月、
「たしかにそうかもね。でもね、曜ちゃん、ばれてないようなふりして歩こうか。そしたら、誰か、いや、大きな猫たちが釣れるかもしれないから・・・」
と、曜に対しこそこそ言う。
と、いうわけで、曜と月、つけている人にはばれていない風に、一緒に歩いていく。そして、アーケードの外の小道に入っていく。もちろん、月にはバレバレなのだが、曜には、まだ曜をつけていることがばれていないと思っている千歌たち5人もこそこそと2人のあとを追う。
その月と曜が入ってきた小道を月と曜が歩いている最中、突然、
(曜ちゃん、ちょっと後ろを振り向いて見て。そしたら、誰につけられているのかわかるから)
と、月、曜に対し、そのことを伝えるかのようにウインクして合図を送る。それに対し、曜、
(うん、わかった!!)
と、こちらも月にウインクして合図を送る。そして、曜、
(じゃ、やってみるね。いっせ~のせ!!)
と、月の指示?通りに後を振り向く。すると、そこには・・・、それまで小道の中央には無かったはずの、そして、今さっきまで途中にあった薬屋の前に置かれていた熊のモニュメントが置いてあり、そこから「ニャー」という猫の鳴き声?が聞こえてきた。むろん、これまでになかったはずの熊のモニュメントが堂々と小道の真ん中に置かれていたのだから、曜、すぐに、
(たしかに誰かにつけられている。こりゃ、ちょっとフェイントをかけてみようかな!!)
と、考えてしまい、すぐに、
「なんだ~、猫ちゃんか~」
と、わざと気づかれていないように前を向く。すると、その熊のモニュメントに隠れていたヨハネがいきなり登場!!そう、曜が、突然、小道の真ん中で振り向いたため、ヨハネを除く千歌たち4人はすぐに近くの電柱などに隠れたのだが、ヨハネだけは勝手に借りてきた熊のモニュメントに隠れてしまったのだ。だが、突然、これまで小道の真ん中になかったはずの熊のモニュメントがいきなりそこにあるなんて、鈍感(失礼!!)な千歌でさえ変に思えてしまう。そのため、曜も、誰かにつけられている、なんてこと、簡単に気づいてしまうものなのだ。で、曜が誰もつけられていない、と、安心して前を向いた(もちろん、わざとです!!)ことで、ヨハネ、安心してその熊のモニュメントから出てきたのだ。
だが、安心してその熊のモニュメントから出てきたヨハネ、少ししてから前を向くと、そこにはいないはずの曜の顔が・・・。これには、ヨハネ、
(ビビでばびれブー!!)
と、混乱してしまい、本人すらなにを言っているのかわからない、そんなことを言い出すと、熊のモニュメントで自分の顔を隠してしまう。
対して、曜、フェイントをかけて、すぐに後を振り向くと、そこには安心しきって熊のモニュメントから出てきてしまい、さらには、その熊のモニュメントを抱えようとしているヨハネの姿を見つける。これには、曜、
(なんだ~、善子ちゃんだったかぁ~。なら、私のあとをつけてきたのは千歌ちゃんたちかぁ。安心した~!!でも、なんでつけてきたのかなぁ?でも、ちょっと、善子ちゃん、少しからかってやろうかな!!)
と、思うと、熊のモニュメントを抱えるために下を向いているヨハネの目の前に行く。そして、立ち上がろうと前を向くヨハネに対し、
「よしこちゃ~ん!!」
と、曜が言うと、ヨハネ、混乱を起こしてしまう。むろん、混乱したヨハネ、持っていた熊のモニュメントで自分の顔を隠す。これには曜、少し、「してやったり!!」と、考えてしまう。
が、混乱しているヨハネの姿を見て、
(ちょっとやりすぎたかな?)
と、曜、ヨハネに対して少し悪いことをしたかなと思ったのか、
「いや~、そうじゃなくて・・・」
と、ヨハネのことを少し心配する。
で、この様子を月は少し離れたところから見ており、
(こりゃ、少しやりすぎたかな?ここが潮時かな)
と、思うと、少し混乱気味のヨハネを心配するように対し、
「どうかしたの、曜ちゃん?」
と、曜に声をかける。これには、曜、
「あっ、ごめんね、月ちゃん!!」
と、月の言葉に反応し答える。
で、このときの曜の言葉を聞いたヨハネを除く千歌たち4人、すぐに隠れていた電柱などからあらわれては、
「月」「ちゃん!!」
と、月の姿、というよりも、男装姿、それと、曜が発した言葉、「月ちゃん」というまるで少女をあらわしているそんな言葉、その2つのギャップの差に驚いてしまう。千歌たち5人、これまで曜と一緒に歩いていたのは男性、それも曜の彼氏、だと思っていたのだからだ。が、曜の言葉で、「その人が男性・・・ではなく女性ではないか、いや、男性で間違いないだろうか」、そんな困惑が千歌たち5人に襲っていた。で、この困惑している千歌たち5人の姿を見て、月、
(あっ、しまった!!今、僕、男の姿にしか見えてなかった!!静真の関係者にばれないように男装していたのだけれども、まさか、千歌ちゃんたちに曜ちゃんの彼氏だって誤解されたんじゃないかな。こりゃ、曜ちゃんには悪いことをしたなぁ。すぐに変装を解かないと・・・)
と、曜のために野球帽を外す。すると、これまで隠れていた月のボブヘアがはらりとあらわれた。すると、どうでしょう、これまで男の姿に見えていたのが、とても可憐な少女の姿に変わってしまったではないですか。これには、千歌たち5人、あまりの変わり身に驚いてしまう。
そんな千歌たち5人に対し、曜、なにもなかったかのように、
「私のいとこの月ちゃん!!」
と、月を紹介する。すると、月も、
「月です。よろしく~」
と、曜ばりに千歌たち5人に挨拶する。で、そのときの千歌たち5人はというと・・・。
「もしかして・・・」「女の子・・・」
と、千歌たち5人ともハモるようにいうと、月が女の子を確信したのか、
「な~んだ~」
と、安心しきってその場に座りきってしまった。
と、いうわけで、こうして、曜と一緒に歩いていた人が男の子、曜の彼氏・・・ではないかという、世界中のラブライバーをも巻き込んだ大騒動であったが、その正体は曜のいとこで大親友の月であったことがわかったため、この大騒動は無事解決した。これにより、曜の彼氏登場?により、「ラブライブ!」という世界はこの根本が崩れ、世界そのものが崩壊する・・・そんなことは起きず、この世界は守られたのだった。めでたし、めでたし。これにてこの物語は終了・・・じゃない、まだまだ続きます!!