ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!SNOW CRYSTAL 第10話 (3)

「それはあの子(花樹)のなかに深淵なる闇が造られるきっかけになったものでした・・・」(花樹の母親)

おばあちゃんの葬式から数日後、花樹はおばあちゃんからもらった十字架状のペンダントをもってこう思っていた。

(おばあちゃん、俺、誓うから!!静真に入って、Aqoursに入って、スクールアイドルとして大成するする!!だから、おばあちゃん、俺の胸のなかで見守ってくれ!!)

そんな花樹に1人の男が、花樹の父親が花樹が絶望するようの一言を言ってしまう。

「おい、お前、数日以内の引越す準備をしろ!!」

実は、このとき、花樹の父親がいた木松悪斗の投資グループは、Aqours、渡辺月、沼田家、小原家との戦いに負けたことで危機的状況に陥っていた。そのため、木松悪斗はもしものために、もし、自分になにかあったときのために自分の左腕ともいえる花樹の父親を自分が買収した函館のディスカウントショップに派遣、独立させることにしたのである、もし、木松悪斗が沼田たちとの競争に負けても、なにもかも失ったとしても、そのディスカウントショップで再起できるようにと・・・。これについては花樹の父親もご主人の一大事ということですぐに了承、邪魔な花樹のおばあちゃんがいなくなり、猪波家の実験を手に入れたことにより沼津の地を捨て新天地函館に行くことにしたのである。

 むろん、花樹にとってみれば寝耳に水のこと。すぐに花樹は父に反論した。

「えっ、なぜ引越すわけ!?引っ越しする必要ないじゃん!!」

だが、猪波家の家長になったことをいいことに花樹の父親は花樹に対しこう命令する。

「おい、わがままをいうな!!ここ沼津にいたのはおばあちゃんの世話をしているためだ!!そのおばあちゃんはいない!!だから、ここ沼津に私たちがいる必要なんてない!!では、私たちはどうすればいいのか。それは簡単なことだ。私は新天地で新しいことを始めればいいんだ!!お前はこの私についていけばいいんだ!!」

その言葉は花樹にとって父親の命令をきかないと花樹にとって嫌なことが起きる、そう思わせるものだった。そのため、花樹のなかにあるある思いが崩れていった。

(俺、おばあちゃんとの約束、誓い、こんな形で終わりを迎えるのか・・・。俺とおばあちゃんとの誓いが・・・)

そう、おばあちゃんと誓った約束、静真でAqoursに入ってスクールアイドルとして大成する、そして、ラブライブ!で優勝する、その夢自体が崩れようとしていたのだ。

 だが、そんな花樹に追い打ちをかけるように花樹の父親はこんな言葉を花樹に浴びせる。

「そして、お前、これからは絶対に女らしくしろ!!これから先、私の前で・・・、いや、誰のまえでも絶対に女らしくしろ!!男っぽい言葉遣いなんて絶対にするな!!もちろん、「俺」なんて言葉も絶対に使うなよ!!」

そう、ついに課y図の父親は花樹のアイデンティティすらも奪おうとしていた。むろん、これには、花樹、

「なぜ、俺、なんて言ったらいけないんだ!!これは俺のアイデンティティだ!!」

と反論するも花樹の父親は高圧的にこう言い返した。

「おばあさまがいなくなった今、私がこ家族の長だ!!なので、お前は私の言うことを聞かないといけないんだ!!いいか、お前、いや、花樹、これからは私の言うことをきけ!!男言葉を、俺を、絶対に言うな!!もっと女らしくしろ!!」

この言葉攻めにより花樹のなかにあった花樹の心そのものが崩れ去った・・・。

(あっ・・・、オ・・・花樹・・・の・・・なにもかもが・・・崩れていく・・・。おばあちゃんとの想い出も・・・、想いも・・・、キズナも・・・、なにもかも・・・、崩れていく・・・、なにもかも・・・なくなっていく・・・」

 

 この話を聞いて理亜はあることを悟った。

「それが花樹の深淵なる闇・・・」

そう、それこそが花樹の深淵なる闇であった。自分の父親によって花樹はなにもかも失った、おばあたんとの約束を・・・、夢を・・・、想いも・・・、想い出も・・・、キズナも・・・。「Aqoursとしてスクールアイドルとして大成する。そして、勝ち続けてラブライブ!で優勝する」、それこそが花樹にとって叶わない夢、深淵鳴る闇だったのだ。

 だが、花樹の母親は理亜とあつこの方をみてにこやかにしながらこう言ってくる。

「でも、理亜さん、そして、あつこさんがいたからこそ、心が壊れた花樹が今でもスクールアイドルをやることができたのです」

そのことばに理亜は花樹の母親に対しあることを尋ねた。

「それって花樹とどんな関係があるの?」

この理亜の言葉に花樹の花親はこう話した。

「それはですね、理亜さんとあつこさんが、あの延長戦でAqoursと戦ったSaint Snowであった、ということです。あなたたちだったこそ花樹は再び自分の夢を目指すことが出来たのです」

そう、これは花樹にとって運命だったのかもしれない。心が折れた花樹であったが函館に引越ししてまず会った人物が・・・、理亜だったこそ・・・、Aqoursと対となすスクールアイドルユニットSaint Snowの理亜だったからこそ花樹はここまでスクールアイドルとして活躍できたのである。花樹はたしかに自分の父親のせいでおばあちゃんとの夢を、約束を、なにもかも失った、深淵なる闇に花樹は飲み込まれた。だが、その代わりに、理亜と、Saint Snowの理亜と出会ったことで、おばあちゃんとの約束であるスクールアイドルとして大成、そして、ラブライブ!優勝を目指すことができるようになったのである。

 そんな母親からの言葉に理亜は少しむっとする。

「でも、それって、Aqoursの代わりにSaint Snowになっただけじゃない・・・」

まぁ、理亜の言うことも一理ある。「Aqoursの~」が「Saint Snowの~」という言葉に変わった、というってもおかしくなかった・・・。ただ、これには、あつこ、

「まぁ、それによって花樹さんが立ち直ったのですからそれはよしにしましょう」

と理亜に対しこう言うと理亜も、

「ま~、それはおいとく・・・」

とちょっとふてくされるも納得した?

 だが、ここで花樹の母親はあることを話始めた。

「でも、その過程のなかで花樹にとって父親の影響力は強いものになっていきました。「かつことがすべて」、その考えが花樹のなかでそのウエイトをしめるようになったのです」

そう、花樹の信条、「勝利こそすべて」、それは花樹の父親が長年にわたりしみこませるものだった。いや、それがこの半年のあいだに強くなってきたのである。当初、花樹の父親は花樹に対し「もう少し女らしくしろ!!」と言ってきたのだが(第5話(1)参照)、ラブライブ!夏季大会最終予選でこころあに負けたことで花樹は自分の父親から「女は男の所有物」「私の奴隷」と言った上で、「絶対にAqoursを叩き潰せ!!」「勝つことこそ正義なんだ!!」「この世のなかは「勝利こそすべて」」と脅迫、高圧的に花樹は受けたのである。そのため、花樹に対する「勝利こそすべて」の考えはさらに深みに陥ったのである(第6話(1)参照)。

 そして、花樹の母親は決定的なことを言った。

「そして、一番花樹のなかでこじらせているもの、それは、深淵なる闇と花樹の信条が結びついていることのなのです。

これには、理亜、

「たしかに、そのようにみえるとき、ある・・・」

と絶句していた。たしかに理亜がそう思えるのも無理ではなかった。花樹はこれまでスクールアイドルとして大成しラブライブ!優勝を目指していた。ただ、これには言葉足らずのところがあり、本当の花樹の思いは以下の通りであった。

 

「(Aqoursではなく)Saint Snowの理亜と一緒に、「勝利こそすべて」という考えのもと、勝ち続けることでおばあちゃんとの夢、約束であったラブライブ!優勝を目指す、いや、成し遂げないといけない・・・」

 

その言葉の通り、花樹は、「勝ち続ける」「勝利こそすべて」、その自分の信条のもと、おばあちゃんとの夢、約束だったラブライブ!優勝を目指していた。いや、ラブライブ!優勝を成し遂げないといけない、そう花樹は思い込んでいたのである。そのため、ことあるごとに花樹はおばあちゃんの代わりである十字架状のペンダントを強く握りしめていたのである、それこそがおばあちゃんの約束、夢であり深淵なる闇であるかのように・・・。

 さらに、その思い、闇を加速させたのがまたもや花樹の父親であった。それは、ラブライブ!夏季大会決勝の前のことだった。「勝利こそすべて」、そう言い切った花樹の父親は花樹のおばあちゃんの代わりである十字架状のペンダントを取り上げては今日と同じようにそのペンダントを壊そうとしたのだ、こう言いながら、「Aqoursを叩き潰せ!!」と。これにより花樹はもとから憧れの対象だったAqoursを憎い相手として(花樹の父親から強制的に)思うようになり、自分が大切にしている十字架状のペンダントを守るために、「勝利こそすべて」、その思いを強めていったのである・・・、が、結果は惨敗・・・。これにより、花樹はより「勝利こそすべて」、それにのめりこんでしまったのである。ただし、聖泉祭以降、あつこの圧力もあり、「楽しむことがすべて」という思いも花樹は持つようになったのですがね・・・。

 

 とはいえ、こうして花樹の深淵ある闇がわかった・・・のだが、理亜、それについて鋳物の自分の思いをは話す。

「たしかに、花樹、自分のことで相当苦しんでいる。でも、今の私たちではどうすることもできない・・・」

そう、いくら花樹の深淵なる闇がわかったところで自分たちはどうすることもできないのである。その深淵なる闇を打ち破るには花樹自身が変わるしかないからだった。ならば、その手助けをすべきなのだがそのやり方すら理亜とあつこにはわからなかったのだ。

 そんな理亜とあつこが今できること、それは・・・、

「dめお、今の花樹のお母さまが直してくれた(十字架状の)ペンダントを花樹さんに渡すのが先決です」(あつこ)

そう、花樹が大切にしているペンダントを数に渡すことだった。壊された十字架状のペンダントであるがダイヤが外れただけだったらしく、それを花樹の母親の手によって直すことができた、と、いうより、ダイヤをペンダントに付けただけであったなのだが、これにより形だけだがペンダントを直すことができたのである。そんな大切なペンダントを花樹に渡すだけでも少しは花樹のためになれる、そうあつこは考えたのである。

 そんなわけでして、理亜は直った十字架状のペンダントを花樹の部屋のドア前に持っていくと花樹に対し、

「花樹、ペンダント、直した。これで、少し、気分、晴れる?」

すると、花樹、自室のドアを開けては理亜に対し、

「理亜さん、ペンダント、直してくれてありがとうございます」

とお礼を言うとともに、

(理亜さんは花樹のためにペンダントを直してくれたんだ。これはおばあちゃんとの想い、想い出、キズナが籠ったもの・・・。花樹にとって大切なもの・・・。ならば、なんとかがんばらないと・・・)

というこれまで消えていた闘志が少し戻ってきたのか、理亜に対し、

「理亜さん、迷惑をかけてすみませんでした。明日からはちゃんと練習に出ますから宜しくお願いします」

と弱弱しい声で理亜に謝ってきた。これには、理亜、

「う、うん・・・」

と、ただ返事するしかできなかったものの、この花樹の対応に、理亜、

(花樹はそう言っているけど、本当に大丈夫か、心配・・・)

と花樹のことを心配そうにみていた。

 一方、あつこはというと花樹の母親にあることを話していた。

「ところで、花樹さんのお母さん、ペンダントのなかからなにかQRコードみたいなものが見つかったのですが、なにか知りませんでしょうか?」

 これには、花樹の母親、

「あっ、そういえば、以前、こんなものが見つかりました」

とあることを思いだしては戸棚の奥からあるものを出してはあつこに渡した、こう言いながら。

「これはおばあさまの遺品を整理中に見つけたものです。なにかQRコードみたいなものがついているのですが・・・」

 そう、花樹の母親が持ってきたものとはおばあちゃんの遺品の整理中に見つけたあのQRコード入りのフィルムであった。これには、あつこ、

「これってもしかして・・・」

と自分のスマホでそのフィルムに載ってあるQRコードを呼び込もうとした。だが・・・、

「ぜんぜん反応しない・・・」(あつこ)

とうまく読み取ることができなかった。これには花樹の母親も、

「なにか足りないものがあるのでしょうか・・・」

と心配そうになるもこのときのあつこにはなにもわからなかったのか、

「それはどうでしょうか・・・」

と口を濁すしかできなかった・・・。

 とはいえ、花樹も少しは気を取り戻した、ということもあり、明日からまえと同じように練習を再開することができた。だが、理亜とあつこは花樹に対しある心配をしてします。

(花樹、自分のなかにある深淵なる闇、それに取り込まれそうになっている。本当に大丈夫だろうか・・・)(理亜)

(花樹のお母さんから渡されたQRコードだけど、今のままだと花樹さんは自滅してしまいます。なんかできないのでしょうか・・・)(あつこ)

そう、今の花樹はボロボロの状態であった。自分の心の支えであり深淵なる闇でもあった十字架状のペンダントは壊れてしまった。いや、その中にあったおばあちゃんの遺灰はなくなってしまった。そのペンダントは直すことができたがなかに入っていた遺灰はもう元には戻らない。そのため、花樹は意気消沈、いや、自分の闇に取り込まれそうになっていた。もう昔みたいなやる気に満ちた姿ではなかった。それなのに、これから先、ラブライブ!冬季大会、そして、棒一屋の閉店イベントに立ち向かうことができるのだろうか、それが心配であった。だが、今はそんなことを言ってもどうすることができない。花樹に対して申し訳ないのだが、少しでもやる気を出してもるしかない、そう理亜とあつこはそう考えるしかできなかった・・・。

 

 そして、翌日・・・、

「さぁ、理亜さんにあつこさん、練習をしましょう!!ラブライブ!に閉店イベント、花樹たちは勝たないといけませんからね!!」

と花樹は元気そうな姿で理亜とあつこを練習に誘おうとしていた。これには、理亜、

「花樹・・・」

とほっとした表情をみせていた。これで花樹は元に戻った、そう理亜は判断したのである。

 だが、このとき、あつこはあることに気付く。

(でも、花樹さん、なんか寂しそうにしている・・・。もしかして・・・)

そう、あつこは花樹の表情をみて暗いものを感じていたのである。花樹の今の表情は・・・なんか寂しそうな表情をしていた。それはなにかを失った、とても寂しい、でも、今はやる気を出さないといけない、そんな表情であった。

 そんな花樹であったが一通りの練習はこなしていた。全体練習においても元気を出しながらこなしていた。ただ、その花樹にはなにか寂しそうな表情も雲隠れしていた。

 

そんな状況が続いたのだが、それでもやるときはやるものでして・・・、ラブライブ!冬季大会地方所詮・・・、

「トライアングル!!」

と余裕をもって理亜たちはトップ通過を果たした。ただ、そのときの審査員からは花樹のほう見ては、

「なにかを失った、そんな感じがします・・・)

と痛いところをつかれてしまう。これには、あつこ、

(見ている人は見ている・・・。このままだと最終予選は厳しいものになってしまう・・・)

と心配そうに花樹を見ながらそう考えてしまった・・・。

 そんな花樹であったが、内心、こんなふうに考えていた。

(ラブライブ!、そして、閉店イベントはこころあとの勝負になる・・・。オ・・・、花樹たちは勝たないといけないんだ・・・、勝つことがすべてなんだ・・・。じゃないとおばあちゃんに申し訳ない・・・。だって、大事にしていたペンダントを壊してしまったのだから・・・。勝たないとおばあちゃんとの想い、想い出、キズナが消えてしまう・・・)

そう、花樹は自分が持つ深淵なる闇に吸い込まれそうになっていたのである。たしかに花樹は聖泉祭のときには「楽しむこと」の素晴らしさを知ったのだが、本質はいまだに自分の父親からの教えである「勝利こそすべて」という考えに染まっていた。そして、おばあちゃんとの宝物であるペンダントを壊されたことでおばあちゃんへの罪悪感からか、おばあちゃんとの誓い、夢、いや、勝利というものを含めた深淵なる闇に吸い込まれそうになっていたのである。それはラブライブ!も、閉店イベントも、勝負事、ということも加味されたのかもしれかった。それくらい花樹は、今、危ない状況に陥っていた・・・。

 

 果たして花樹はこのまま自滅していくのだろうか。それともなにかあるのだろうか。そして、理亜とあつこの運命とは・・・。それについては次回の後編で話すことにしよう。

 

To be contued

 

Next Story is KAZYU said 「Let’s start Nex us!!」

      Ria said 「We are ・・・」(後編)

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