ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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ラブライブ!SNOW CRYSTAL 第12話 (2)

 タブレットに映る姉聖良の姿に理亜はただ、

「姉さま・・・、姉さま・・・」

と泣き出してしまった。理亜にとって姉聖良は一番大切な存在だった。半年前まで理亜は姉聖良と行動をともにしていた。それは半年前に聖良がアメリカに留学するまで続いた。もちろん、2人はあの旧函館公会堂の庭で行ったSaint Snowの誓いのもと、Saint Snowとしてスクールアイドルとして一緒に活動していた。それくらい理亜にとって姉聖良は大切な存在だったのだ。ただ、聖良がアメリカに留学して以降、理亜はあつこや花樹のことでいっぱいいっぱいで姉聖良のことについては考える余裕がなかったため、そこまで姉聖良を追い求めようとしなかった。だが、そのすべてが解決して以降、理亜は姉聖良の存在を強く追い求めてしまった。そのために理亜は自分の闇に飲み込まれたのである。

 そんな理亜に対し聖良はこんな言葉を投げかけてくれた。

「理亜、私がいないにも関わらずこれまで頑張ってきましたね」

この姉聖良のねぎらいの言葉に、理亜、

「姉さま、ありがとうございます、私をねぎらってくれて・・・」

と涙目になりながら応えてくれた。姉崔らがアメリカに留学して以降、理亜はあつこと花樹が自分の闇によって苦しんでいたときでも2人のことを信じて自分のユニットの柱として頑張っていた。そのため、今、理亜のユニット、SNOW CRYSTALが存在しているのもひとえに理亜のおかげだったのだ。それくらい理亜は自分の闇のことを忘れるくらい頑張っていたのだ。そのためか、聖良、理亜のことをこう褒めた。

「これまで理亜の苦労はあつこと花樹さんから聞きました。理亜がいたからこそここまでやってこれたのです。それは誇るべきことです」

これには理亜も、

「姉さま、ありがとうございます」

と喜んでいた。

 だが、ここで聖良は理亜に対しあることを尋ねた。

「でも、今は理亜が自分の闇に飲み込まれようとしています。それはなぜですか?」

これには、理亜、正直に答える。

「私は姉さまに深紅の優勝旗を見せたかった。私の実力で見せたかった。でも、その姉さまはもうここにはいない。姉さまの想い、想い出、キズナ、その宝物で結ばれていても直接深紅の優勝旗を見せることができない、そのもどかしさに私は幻滅した・・・」

そう、理亜の闇、それは、姉聖良とともにラブライブ!優勝すること、それがもとになっていた。だが、ラブライブ!延長戦で理亜のなかにあるその宝物によってずっと姉聖良とあつことつながっている、そのことを知ったことで姉聖良とあつことの宝物、Saint Snowという輝き、宝物があることを知ったことでその闇は消えたのだが、その延長戦が自分のために行われたものであるとわかってしまったため、消えたはずの闇が「姉とともに」から「自分の実力でラブライブ!優勝を叶えてみせる、姉聖良とあつことの夢を叶えるために」という形となって復活してしまったのである。そして、今、その闇はまた「姉聖良とともに」に書き換えられたのである。

 ただ、それについては聖良が理亜に対しこう訴えた。

「理亜、あなたには、私、あつことのSaint Snowの宝物以外にも2つの輝き、宝物があるはずですよ!!」

その聖良の言葉に、理亜、聖良に尋ねてみる。

「それってなにですか?」

 すると、聖良は理亜にあることを尋ねた。

「理亜、あなたは、今、誰といますか?」

これには、理亜、こう答える。

「あつこに花樹、そして、ルビィたち・・・」

その理亜の答えを聞いて聖良はこう応えた。

「そうです。それこそ理亜が持つ2つの輝き、宝物なのです!!」

これには、理亜、はっとする。

「えっ、あつこと花樹、ルビィたちが私の宝物?」

この理亜の言葉に聖良はふたたび理亜に尋ねた。

「ところで、理亜、私のいう宝物の定義とはなにですか?」

この聖良の問いに理亜はこう答えた。

「それは・・・、その人と一緒に築いてきた想い、想い出、キズナ・・・」

これには、理亜、はっとする。

「って、これって、つまり・・・、私とあつこ、花樹、それに、私とルビィたちやこころあとの・・・宝物!?」

ここにきて、理亜、ようやく聖良の言いたいことがわかったようだ。そう、理亜のなかには2つの輝き、宝物が存在していたのである。それは、理亜とあつこ、花樹とのSNOW CRYSTALとしての輝き、宝物、そして、ルビィたちAqoursやこころあとの輝き、宝物だったのである。この1年間、理亜はあつこと花樹と一緒にSNOW CRYSTALとして一緒に活動してきた。そのなかで紡がれた3人の想い、想い出、キズナが、今、理亜のなかにSNOW CRYSTALとしての輝き、宝物として存在していたのである。さらに、この2年ものあいだ、理亜はルビィたちAqoursやこころあとも関係をもった。理亜が苦しんでいるとき、いつもルビィが理亜のことを心配してはいつも話しかけてきた。いや、ルビィ以外にも千歌をはじめとするAqoursの面々と理亜は付き添ってきたのである。また、ことあるごとにこころあとも競いあってきたのである。そのなかで培われてきたルビィたちAqoursやこころあとの想い、想い出、キズナという輝き、宝物も理亜のなかにあったのである。

 そのことを気づいたのか、理亜、聖良にこんなことを言う。

「私、姉さまの分を合わせて3つの宝物を持っていたんだ・・・」

そう、理亜のなかにはすでに姉聖良とあつことのSaint Snowという宝物を持っていた。それと合わせて理亜には3つの宝物をすでに持っていたのである。

 そのことを踏まえた上で聖良は理亜にこう諭す。

「理亜、あなたはすでに3つの宝物を持っています。だから、今は私のことよりもみんなとの宝物を大切にしなさい。理亜の今の実力なら、理亜とあつこ、花樹さんとの宝物、そして、ルビィさんたちやこころあとの宝物を大切にしていれば理亜はきっとラブライブ!で優勝できるはずです」

 この聖良の言葉に理亜は、

「はい、わかりました、姉さま!!」

と力強く返事した。妹理亜にとって姉聖良は憧れの存在でもありSaint Snowという宝物で結ばれた唯一無二の存在だった。その聖良の言葉に理亜は元気をもらったのである。

 いや、それだけじゃなかった。2つの宝物の存在を知ったことで理亜はこんなことを言い出してきたのだ。

「私、3つの宝物があるなんて、欲張り。でも、その宝物を存在を知ったことでなんかyる気が満ち溢れてきた気がする・・・」

そう、理亜はついに自分のなかにある3つの宝物の存在によって強くなったのである。理亜のうしろには姉聖良だけでなく、あつこに花樹、そして、ルビィたちAqoursやこころあがいるのである。その人たちとのなかで理亜がこれまでに得てきた想い、想い出、キズナ、3つの宝物、それが理亜のなかにある知られざる自分の力を引き出したのである。それに加えて姉聖良から「今の実力ならラブライブ!で優勝できる」と太鼓判を押したことで理亜は力強くなれた要因の1つとなった。

 だが、ふと、理亜はあることを考えてしまう。それは・・・、

(でも、闇ってもともとなに?私の闇って消えるの?)

そう、闇とはなんなのか、ということと理亜の闇自体消すことができるのか、ということだった。たしかに闇とはなんなのだろうか?人は闇を消すことができるのだろうか?

 そんな理亜の考え込む姿をみてか聖良がこんなことを言い出してきた。

「理亜、闇について考えているみたいですね」

この聖良の言葉に、理亜、はっとする。

「えっ、姉さまってエスパーなのですか?」

どうやら、聖良の言葉はあたりだったようだ。

 そんなびっくりする理亜を尻目に聖良は闇について語り始めた。

「闇ですか・・・。人間の闇ってなんなのでしょうか。私が思うに人のヤイはいろいろありますが一概にいって人の負の部分といえるかもしれません」

たしかにその通りかもしれない。人の抱える闇はいろいろあって一概には言えないのだが、だいたい言えることは人にとって負の部分、マイナスの部分が闇と呼ばれる部分なのかもしれない。人には必ず負の部分がある。その負の部分と陽の部分、それがバランスを取り合って人は生きている。だが、失敗などが原因で負の部分が増大したとき、その人の闇の部分が膨れ上がってしまう。こうなってしまうと人は生きるのをためらう、自殺するといった人にとってマイナスになるようなことをしてしまうのかもしれない。たとえそうでなくても増大した闇によって人は暗くなってしまうものなのである。(それに対し陽の部分が増大すれば千歌みたいに前向きに考えられるようになるものである。人というのは陽の部分を強くするか陽と負のバランスをとることが大切なのかもしれない)

 そして、その闇について聖良は詳しく語る。

「その闇ですが、理亜やあつこ花樹さんが抱えていた闇はその闇の一部、いや、夢のなれの果てなのかもしれません。そういうことを考えると夢と闇は裏表の関係なのかもしれません」

たしかに聖良のいう通りかもしれない。というのも、いろんな闇のなかでも理亜やあつこ、花樹が抱えていた闇、それは夢と表裏一体となっていたのかもしれないのである。あつこの場合、まわりからの声のもと、自分の成長によって失った成績を取り戻すために限界を超えた練習をした結果、大会で大怪我をした。ようはあつこは昔の成績を、ジュニアの大会で優勝するくらいの成績を目指していた。それ自体夢であり目標だった。理亜や花樹の場合は理亜は姉聖良と一緒に、花樹は「勝つことこそすべて」という考えのもとでラブライブ!優勝を目指していた。それ自体夢であり目標であった。だが、夢はときとして自分たちに牙をむくことがある。あつこの場合、まわりからの声のもと、失った成績を取り戻すために限界を超えた練習をしてしまい、結果、大怪我をしてしまい、それが闇となってしまった。理亜の場合、自分のせいで姉聖良と一緒にラブライブ!優勝ができなかった、そのことが重圧になって闇になってしまった。花樹の場合、「勝利こそすべて」という考えが重圧になって夢自体が闇になってしまった。三者三様であるが、夢が叶わなかった、また、夢自体が重圧になった、それにより闇が生まれた、増大したのかもしれない。そう考えると夢と闇は表裏一体の関係なのかもしれない。

 そんな聖良からの言葉を聞いて理亜ははっとした。

「姉さまがそう考えると花樹が「闇から希望に変わった」というのもわかる気がする」

そんな言葉を言うと花樹は元気よくこんなことを口にした。

「俺の場合、それこそが「楽しむこと」の力の凄さなのかもしれないぜ!!」

夢と闇は表裏一体の関係にある、そう考えると花樹の言葉に納得いくかもしれない。というのも、花樹はこれまで「勝利こそすべて」という考えのもとラブライブ!優勝を目指していた。ただ、「勝利こそすべて」という考えは勝利のみを追及することを意味する。しかし、ずっと勝利し続けることなんて難しいものである。勝利があれば絶対に敗れる者もいる。そのことを考えると「勝利こそすべて」、それ自体人にとってものすごく重圧になってもおかしくないものである。そして、その重圧こそ人にとって「闇」になるのかもしれない。少なくとも夢破れし者がそのことを闇として一生抱えて生きていくことだって考えらえるかもしれない、あつこみたいに。それに対し「楽しむこと」は「勝利こそすべて」というマイナスの考えに対してプラスの考えともいえる。「楽しむこと」をもって物事をやっていけばたとえ敗れたとしてもそれをバネにしてもっと楽しもうと思えてくるのである。いや、お互いに認めつつも「楽しむこと」を競い合うのであればそれは白熱を生む戦いとなり、たとえどんな結果であったとしてもお互いにライバルとして認めつつも切磋琢磨する関係になれるというものなのである。それこそAqoursとSaint Snow、μ'sとA-RISE、Liella!とSunny Passionの関係なのではないだろうか。花樹はそのことを肌で感じ取ったのかもしれない。

 こうして闇について知った理亜、

「そう言われと、私、闇そのものを恐れることなんてない気がする。私、今、自分の目標に向けて頑張れる気がする!!」

と力強い言葉とともにガッツポーズをした。理亜は昔の理亜とは違った。1年前の理亜は「勝利こそすべて」、その考えにとらわれていた。そのため、自分のなかに闇ともいえる存在が生まれてしまった。だが、今は違う。今はあの延長戦以降、理亜は「楽しむことがすべて」、その考えのもと、自分の闇、いや、希望といえるラブライブ!優勝にむけて頑張ってきたのである。ただ、これまでは昔の理亜と瓜二つの花樹によって相反する思いによってその目標に進むことができなかった。それが花樹が生まれ変わったことでその希望へと進むことができるようになったのである。

 そんな理亜に対し聖良はこんな声援を送った。

「理亜、あなたには自分の闇から脱却した力、いや、3つの宝物という凄い力を持っています。その3つの宝物は理亜をパーフェクトトライアングルを持つ理亜へと変えてくれるでしょう。理亜、遠くの地からあなたのことを見守っています」

そう、理亜の心のなかには3つの宝物があるのだ。それこそ理亜の力の源であり、その3つがお互いに影響しあいパーフェクトトライアングルへと進化したのである。そのため、理亜は自分の闇から脱することができたのかもしれない。

 そんな聖良からの声援を聞いた理亜は姉聖良に対し、

「姉さま、声援ありがとうございます。理亜、姉さまの想いを胸にこのラブライブ!決勝を頑張りたいと思います」

とお礼を言っては、この決勝を頑張る、そう誓ったのである。

 と、ここで、理亜、聖良にあることを尋ねる。

「でも、姉さま、なんで、私のためにわざわざ連絡してきたのですけ?」

この問いに聖良はその答えを言う。

「それは花樹さんやあつこ、ルビィさんたちに言われたのです、「理亜を助けてほしい」と。「闇を抱えた人を救うにはほかの人に頼るのが1番だから」みたいですね」

そう、人が闇から脱するにはほかの人から手助けをしてもらうことが1番なのである。人が闇に捕らわれたとき、自殺なとといった自分の人生を終わらせる方向へと動くことがある。それを防ぐためにもその闇から脱する必要があったりする。その闇を乗り越えるきっかけは人によっていろいろある。あるものに触れたり、生きがいを見つけたり。そのなかでほかの人たちとの交流もその闇を乗り越えるきっかけになることが多い。むろん、ほかの人との交流によって逆に闇に捕らわれてしまうこともある。だけど、それでも他人との交流は自分の闇を解き放つきっかけになることもある。その意味でもほかの人との交流を恐れないことが自分の闇を乗り越える意味でも大切なのかもしれない。ただし、理亜の場合、花樹やあつこ、ルビィたちやこころあといった信頼のおける人たちがいたから自分の闇を乗り越えることができたのかもしれない。対して、自分が持つ闇を染めることしかしない人がいると逆に自分の闇に乗り込まれることになる。そのことはとても注意が必要なのかもしれない。

 そんな聖良の言葉を受けて理亜はまわりを見渡す。そこには花樹やあつこ、ルビィたちAqoursがいた。そのみんなに対し理亜はお礼を言った。

「みんな、ありがとう。私のためにみんなが動いてくれたから、私、自分の闇を乗り越えることができた。本当にありがとう」

この理亜の言葉に花樹はこう答える。

「私は理亜と同じユニットメンバーだ!!理亜が困っているなら俺は動く!!それが俺なりの流儀だ!!」

花樹は自分の闇に取り込まれたとき、理とあつこが動いてくれた。そのため、花樹は自分の闇を乗り越えることが、素の自分を出すことができた。ある意味、花樹は理亜とあつこに恩義をもっていた。なので、理亜が困っていることがあれば自分から動くことが当たり前、花樹はそう思っていたのである。だからこそ、数は理亜のために動いたのである。

 対s知恵、ルビィも理亜に対してこう答える。

「理亜ちゃんにとってルビィは一番の親友だよ!!理亜ちゃんのために動くのは親友として当たり前だもん!!」

理亜にとってルビィは一番の親友だである。いや、ルビィを含めてAqoursは理亜にとってライバルであり仲間である。そのため、たとえ敵だからとしても自分の闇に苦しんでいる理亜のために動きたい、それがAqoursである。その意味でもAqoursは敵である理亜に塩を送ったのかもしれない。

 そして、理亜は聖良に対しこう宣言した。

「私、自分の夢に向かって頑張る!!私には3つの宝物が、パーフェクトトライアングルがある。そして、花樹、あつこがいる。だからこそ、私、頑張る!!夢に向かって頑張る!!」

この理亜の言葉を聞いたのか、聖良、

「その言葉を聞いて、私、安心しました。理亜、頑張りなさい。では、さようなら」

と言って通信を切った。これには、理亜、

(姉さま、ありがとうございます。私、姉さまのおかげで自分の闇から脱することができました。私、絶対に「楽しんで」ラブライブ!優勝を目指します)

と心から誓ったのである。

 

 そんな理亜のところに突然の来訪者が・・・。

「こら、理亜っち、あともう少しでこころあの出番だぜ!!」(ここあ)

そう、こころあであった。こころあも理亜の姿を見て心配そうに見ていた仲間の一人でもあった。そのため、こころは理亜と聖良を結ぶためのタブレットを用意するなど陰ながら応援していたのである。そのため、理亜はこころあに対し、

「こころあも陰ながら私のことを気をつかってくれてありがとう!!」

とお礼を言うとこころから、

「私たちはライバルであり仲間です。当たり前のことをしただけですよ」

と照れながら答えてくれた。

 とはいえ、ついに本番を迎えようとしていた。。こころあ、Aqours、SNOW CRYSTAL、3組はステージ袖へと向かう。そこに待っていたのはラブライブ!決勝を陰ながら支えるスタッフたち。そのスタッフたちから、

「頑張ってください」「びっしといっとけ!!」

と応援の言葉が投げかけてくる。これには、理亜、

「みんな、ありがとう。私、頑張る!!」

と声援を返していた。

 そして、ついに3組の、頂点をかけた戦いが始まった・・・。

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