女子サッカー部の演目は大盛況に終わった。そして、女子サッカー部に続くのは、静真が誇る部活の1つ、弓道部!!ただ、あまりにも華やか過ぎた女子サッカー部とは違い、弓道部は物静かに演目を進めていく。それはまるで、女子サッカー部が動での発表なら、弓道部は静での発表と言えた。
「え~、私たち弓道部は去年のインターハイで上位に・・・」
と、弓道部部長はしゅくしゅくと今年度の成績を述べていく。女子サッカー部ほどじゃないけど、それでも対外に向かって誇れる成績、ただ、弓道部部長は女子サッカー部の部長である旺夏みたいに大げさに、派手に言う、ことはせず、ただ、本当に、弓道部の成績を読み上げる、そんな、まるで、周りが静寂になる、そんな感じがしていた。
だが、そんな弓道部部長がしゅくしゅくと、ただたんに、自分たち弓道部の成績を述べていることにより、講堂内も、女子サッカー部とは違った雰囲気になっていった。その雰囲気とは・・・?それは、その弓道部部長がしゅくしゅくと述べている姿を見ていた、ルビィ、このとき、こう思っていたみたいだった。
(さっきの女子サッカー部とは違って、静か過ぎるよ~!!(そのために)なんか、会場中、音一つ、聞こえてこないよ~!!騒がしいのも嫌だけど、いきなり静かすぎるのも嫌~!!これまで騒ぎすぎて、ハート、バクバクしていたのに、急に静かになって厳かになったから、もっと緊張してきたよ~!!)
そう、女子サッカー部のときは旺夏が派手に盛り上げようとしていたために、会場中がフィーバー、興奮状態に陥っていた。が、次の弓道部はその女子サッカー部のときとは違って、ただたんに、厳粛に、そして、まるで、「古池や かわず飛び込む 水の音」と、俳句が読まれたときの情景が思い浮かぶ、それくらい、本当に静かな状況に会場中が陥っていたのだ。それは、弓道部部長が厳粛に、そして、物静かに、そして、ただただ言葉を述べている・・・だけでなく、そのまわりにいる弓道部部員も1ミリも動かず、ただ、部長の言葉を聞いている、そんな感じがしていた。そんな、厳粛な心地で発表している弓道部の姿、そして、弓道部の一般的なイメージである、物静かにしないといけない、そのイメージと合わさった結果、会場中、本当に音一つしない、いや、音一つすらしてはいけない、それくらい、厳かで、とても緊張を強いられる状況に陥っていたのだ。
で、実は、人によって急に場の雰囲気が変わることにより、精神的に苦痛、緊張を強いられることがあるのだ。環境の急激な変化に敏感な人間、その微妙な差により、心が掻き乱れることはよくある。そして、今回、会場中があまりに興奮状態に陥っていたのに、いきなり、物静かな、厳かな雰囲気にがらりと変わってしまったのだ。この激しい落差、それにより、人によっては心に変調が起きてしまい、精神的に大ダメージを被ることになってしまう。で、その状況が女子サッカー部と弓道部、その演目をすぐ近く、ステージ袖で直接見ていたAqours、特に、ルビィたち1年生トリオの3人に起きていた。ルビィもそうだが、花丸、ヨハネ、この3人は、インドア派で引きこもりに似た状況の中で暮らしていたため、この雰囲気の落差を経験したことはなかった。それが、今回、目の前で、急に、起きてしまった。で、これまで経験していない状況、興奮状態だった会場が急に厳かな、とても緊張を強いられる雰囲気になってしまった。で、女子サッカー部の演目開始前のルビィたち1年生トリオの3人のガラスのハートは、(浦の星の生徒たちの未来を賭けているために)今回のライブの失敗は許されない、そんな、緊張状態だったのが、この会場内の雰囲気の落差により、さらにさらに緊張の度合いを強めてしまった、のだ。そのため、ルビィたち1年生トリオの3人は、さらに顔をこわばらせてしまった。
ちなみに、弓道部としては、会場中がこんな状態に陥るよう、女子サッカー部と打合せをしていた・・・わけではなく、ただたんに、弓道部としてはこう発表しようと自分たちだけで最初から決めていた・・・だけだった。が、「弓道部!!」、と聞いて、「騒がしい」とか、「激しい」といったイメージ・・・なんて思いつかないものである。むしろ、「厳か」とか、「静か」といったイメージが強いものである。ただ、それについては、自分たち日本人において、いわゆる先入観からこのイメージが思い浮かんでしまう、と、言っても過言はなかった。そう考えると、先入観とは、その人・物・事を何も調べずに、ただたんにすでに得ている、まったく別の情報をすぐに結び付けてしまうことがあり、それが悪い方向に作用してしまうことがある、そんな危険性をはらんでいるのである。そうした意味でも、人はそれを常に自覚していく必要があるかもしれない。
とはいえ、弓道部部長の、厳かで、しゅくしゅくと、それでいて、物怖じしない、今年度の弓道部の成績発表は1分ぐらいの短さで終わる。だが、ルビィたち1年生トリオの3人にしてみれば、逆に、その時間、長く感じられてしまった。その分、緊張の度合いが高まり続けてしまった。が、そんな、苦痛の時間は、弓道部部長の成績発表が終わる、と、共に終わる、と、思ったのか、ルビィ、
(ふう、これで一安心つけるよ。よかった、よかった。でも、この人たち(弓道部部員たち)がステージからいなくなったら、ルビィたちのライブ、本番だね。さぁ、頑張らないと!!)
と、極度の緊張状態から解放されたと思ったのか、安堵の表情を見せつつも、もうすぐ本番ということで、再度気合を入れなおそうとしていた。そして、その思いは、ルビィ以外にも、花丸、ヨハネ、共にしていた。そう、ルビィ、花丸、ヨハネ、共に、同じことを思っていたのだった。
が、そんなルビィたちの思いとは裏腹に、なかなか弓道部の部員たちがステージから降りようとしない。これには、ルビィ、
(あれっ?なんかおかしいよ。もう演目、終わったはずなのに・・・)
と、なかなかステージから降りない弓道部部員たちを見て不思議がる。すると、いきなり、これまでしゅくしゅくと自分たち弓道部の成績発表をしていた弓道部部長があることを、でも、安堵しているルビィたち1年生トリオの3人からしてみれば、青天の霹靂、地獄に陥れるような、一言を放つ。
「では、これから、私たち弓道部による試技を行います」
これには、ルビィ、
(う、うそでしょ~!!まだ、あの緊張がずっと続くの~!!)
と、愕然としてしまう。そして、それは、花丸、ヨハネにも同じ状況に陥っていた。
そんなルビィたちを尻目に、弓道部の部員たちはルビィたちのいるステージ袖、の反対側にある袖から的を持ってくる。と、同時に、和弓を専用の袋から取り出す。そして、すべての準備が終わると、弓道部の部員たちは試技を始める。弓道、道という言葉がつく通り、ある決まった型、基本動作を持っている。それを射法八節という。弓道の選手たちはその八節に則り矢を放つのである。で、試技を始めた弓道部の部員たちもその八節に則り矢を放つ。その、和弓と矢を持ち、矢を放つまでの間、弓道部部員の一連の動作に対し、客席にいる観客たちは、一言も言わず、会場中が静まりかえっていた。それはまるで、極限の緊張を強いられる、いや、そうじゃないといけない、そんな雰囲気だった。
そして、弓道部部員が矢を放つと、矢はそのまままっすぐ飛び、
バシッ
と、的の中心に命中する。その瞬間、会場中から、
オオ!!
と、どよめきが起きる。が、すぐに、
シーン
と、静まり返る。極度の、とても張り詰めた、そんな緊張のなか、弓道部部員たちは八節に則り矢を次々と放つ。そして、的に命中すればどよめきが起き、すぐに静かになる、その繰り返しを観客たち、見る方はしていた。それはまるで、女子サッカー部のときとは正反対だった。女子サッカー部のときは(旺夏が派手に盛り上げようとしていたのがあったが)会場全体が盛り上がっていた。でも、それはこの講堂だけに限らず、普通のサッカーの試合でもそうである。大騒ぎになりながら、時にはブブゼラを鳴らしながら、好きなチームを応援している、サッカーの試合のときの観客席の様子なんてこれが当たり前である。たして、弓道やアーチェリーといった、矢を使い、矢を的に放つ競技は、少しでも的の中心に命中しないといけないため、その選手は弓で矢を放つ、そして、的の中心に命中できるように、極度の緊張の中で、ただそれだけに体中の全神経を集中させている。その選手の緊張状態を保たせるため、見ている方、観客たちも、なに一つしゃべらない、いや、しゃべることすら、音を立てることすらできない状況に陥る。だって、音一つすれば、それにより、選手の緊張状態はすぐに崩壊し、結果的に的を外してしまう恐れがあるから。しかし、選手が的に矢を命中させた瞬間、その会場中に張り詰めていた緊張状態は一瞬で消失し、矢を的に命中させたことに対し、どよめき、という言葉でもってその選手を観客たちは賞賛しているのだ。しかし、まだ競技が続いているので、すぐに、また前と同じ、緊張状態へと戻ってしまう。弓道やアーチェリーの試合はその繰り返しの連続だったりする。ずっと静の状態が続く中、一瞬だけ動を見せるも、すぐに静に戻る、これが弓道やアーチェリーの試合を見るときの観客たちのスタイルである。ずっと応援のために騒いでいるサッカーの試合とは本当に正反対である。もし、サッカーの観客たちの応援が動なら、弓道の観客たちの様子は静である。が、たとえ応援の方法に違いがあるとしても、選手たちを応援する気持ちはみんな一緒である。が、その競技の内容によってはその応援のスタイルが変わってしまう、そんなものである。ちなみに、弓道には3つの競技方法がある。1つはアーチェリーと同じ得点式、中心に近いところほど高得点となり、選手たちはその中心めがけて矢を放つ。2つ目は採点式、これは的に矢を命中させる、だけではなく、射形、射品、態度、など、その選手の作法すべてを見て採点するものである。華道などと同じく、「道」と名前についているくらい、弓道とは、心技体、をもっとも大事にしている。その意味でも、弓道とは奥深い、そんな競技である。そして、最後の1つは的中制、規定回数のうち、どれだけ的に命中できるのかを争うものである。なので、的のどこにあてようが、「当たり」と判定されたら、それは命中、的に当てたことになる。で、報告会で弓道部員たちが行っている試技、実は、的中制、であり、弓道についてあまり知らない観客たちに対して弓道部部員が解説していたりしていた。
とはいえ、このずっと続く「静」とその一瞬に訪れる「動」、この極度の緊張状態のメリハリ、これが、ルビィたち1年生トリオの3人に悪影響を及ぼしてしまう。ルビィ、弓道部部員が的に矢を命中させるごとに起きる会場内の緊張状態の緩和とすぐに緊張状態に戻ってしまう、この繰り返しにより、
(こんな雰囲気、ルビィにとって心に毒だよ~!!はやく、はやく、こんな雰囲気、終わって~!!)
と、心から叫び、必死の叫びを出していた。が、これはルビィだけではなかった。ほかの1年生、花丸、ヨハネ、ともに、ルビィと同じ心情、表情に陥っていた。こうして、弓道部部員たちが的に矢を当てるたびに起きる、会場内での緊張の緩和、および、すぐに緊張状態に戻る、この会場内の雰囲気のメリハリにより、ルビィたち1年生コンビの3人の精神状態はただでさえ極度の緊張状態に陥っているのに、さらに緊張の度合いを高めてしまい、心のなかにあったわずかな心の余裕すら削られる、そんな状況に陥っていた。
そして、ついに、ルビィ、
(こ、こんな完璧なもののあとに、ルビィたち、ライブ、しないといけないの・・・。誰か助けて~!!)
と、誰かに助けを呼びたい、そんな、μ‘sの花陽ばりに、誰かに、いや、もしかすると、姉ダイヤに、助けを求めたい、誰か助けて欲しい、そんな危機的状況に陥ってしまった。だが、それは、ルビィ、だけではなかった。、
(う、う~、もう我慢ができないずら~!!はやく終わらせて家に帰りたいずら~!!あの、心休まる、図書館みたいなところに戻りたいずら~!!(花丸))
(こんな危機的状況、これこそ、ヨハネにとって天からの試練・・・じゃないわよ~!!もう、こんなの、今すぐにでも逃げたいよ~!!(ヨハネ))
と、花丸、ヨハネ、共に、この緊張状態から逃げ出したい、そんな表情、いや、心情だった。
こうして、ルビィたち1年生トリオの3人、弓道部部員たちが試技で次々と的に矢を命中させるごとにこわばった表情はさらにこわばっていく。この3人の表情を見ていたのか、そのルビィたち1年生トリオの3人の近くにいた、月、おもわず、
(ルビィちゃんに花丸ちゃん、そして、善子ちゃん、なんか、どんどん顔の表情が険しくなっていっているよ~!!4月に統合するとはいえ、今(3月)はまだ他校だから、ルビィちゃんたちからすれば、まったく知らない静真の生徒や保護者たち(観客たち)だから緊張しているのかな?)
と、ルビィたち1年トリオの3人のことを心配してしまう。と、同時に、
(でも、よく考えたら、「ラブライブ!」のときだって、同じ状況、まったく知らない観客たちの目の前で歌うんだよね。その「ラブライブ!」に優勝するくらいだから、その状況に慣れているはずだよね。でも、それでも、ルビィちゃんたち、険しい表情になっているなんて、相当緊張しているんだね。でも、僕、ルビィちゃんたちがこんな状態のままで、このライブ、行ったら、本当に成功、するのかな?少しだけだけど、心配してきちゃう・・・)
と、本当に千歌たち(新生)Aqoursが今日のライブを成功するかどうか、少しずつだが、心配してきてしまう。これまで、月は、「「ラブライブ!」で優勝するほどの実力がある(本来の)Aqoursなんだから、今回のライブも絶対に成功する!!」、そう確信していた。が、その月の絶対なる自信は、少しずつではあるが、綻びを見せ始めていた。絶対なるもの、それは、少しでも綻びをみせると、そこから崩れ始めるようになり、雪崩のように時間を経たずしてすぐに崩壊するものである。それがまさに、月の心の中で、起きようとしていた。
そんな、緊張の度合いが高すぎてしまい、極度に険しい表情になるルビィたち1年生トリオの3人、それ見て、絶対なる自信が崩れ始めようとしている月、そして・・・、
(絶対に、今回のライブは成功させないと!!じゃないと、むっちゃんたちに申し訳たたないから!!(千歌))
と、このライブによって、むつたち浦の星の生徒の未来が決まる、だからこそ、絶対にライブを成功させないといけない、そう心の中で言い聞かせているためか、見た目は緊張していないように見えて実は相当緊張している千歌たち2年生コンビの3人。
そんななか、月は、
(あっ、そうだ、こんあときこそ、曜ちゃんにあることを聞こう!!)
と、考えてしまい、曜にあることを尋ねた。
「ところで、曜ちゃん、Aqoursとして(表面上では)ラブライブ!決勝以来のライブ、なんだけど、大丈夫?」
これには、曜、すぐに、
「大丈夫かどうかはわからないけど、今持てる力を全部出し切るつもりだよ。だった、新生Aqours、として初めてのライブだもん!!」
と、元気よく、と、いうよりも、緊張していることを隠すためか、空元気をだして答えた。
が、その曜の言葉を聞いた、月、その曜の言葉に出てきたある言葉に疑問を抱く。
(うん?曜ちゃん、たしか、新生Aqours、って、言ったよね。「新生Aqoursとして始めてのライブ」・・・?初めて?たしか、Aqoursって、1年前から活動していたよね?それなのに、初めてなんて・・・。それよりも、「新生Aqours」ってなに?「新生」って、曜ちゃん、なんで、そう言っちゃうの?今のAqoursは昔のAqoursと同じ、じゃないの~!!)
この疑問に対し、月、あらためて曜に尋ねようとする。
「曜ちゃん、ところで・・・」
そんなときだった。
「月生徒会長、もうすぐ弓道部の演目が終わります。Aqoursのみなさんにライブの準備をしてもらえるよう伝えてください」
と、報告会の実行委員の1人が月にもうすぐAqoursのライブの時間であることを伝える。これには、月、おもわず、
「あっ、わかりました!!伝えてくれてありがとう」
と、伝えに来てくれた実行委員に御礼を言う。「もうすぐAqoursのライブの時間」であることを認識した月、すぐに、
(新生Aqoursのことについてはライブが終わったあとで、曜ちゃんたちに聞いてみよう。それよりも、今から、運命のライブだ!!僕は応援しかできないけど、それでも、きっと、このライブは絶対に成功する!!だって、(ラブライブ!に優勝した実力を持つ)Aqoursだもん!!絶対に大丈夫、大丈夫・・・なはず・・・)
と、これまで見せていたいきおいは陰を潜め、本当に大丈夫か、心配になってきてしまう。それでも、裏の星の生徒たちの今後を、そして、木松悪斗に対する月の反抗、それを決めるための、運命のライブ、が、あともう少しで始まる、その現実は、どんなことをしても覆ることがないのだ、そのことを月も自覚している。そのため、月、決死の思いで千歌たち新生Aqoursの出番が近いことを伝えようとする。
が、そのとき、月は見てしまった、
「緊張する・・・(でも、そう言わないと、緊張の渦に飲み込まれてしまう・・・)」(ルビィ)
「こんな大きいとこだったずらね(でも、まる、あの秋葉ドームよりも大きく感じてしまうずら・・・)」(花丸)
「な、なに、言っているのよ!!ラブライブ!決勝の会場(秋葉ドーム)の方が何百倍も大きかった、って、ひっ!!」(ヨハネ)
と、講堂に入ってから初めて言う、ルビィ、花丸、ヨハネの会話・・・というより弱音を・・・。これを受けてか、花丸、
「あのときはみんないたし・・・」
と、ここにはいないメンバーのことを言う。で、これを聞いた、月、
(えっ、まさか、これでAqours全員じゃなの!!まだ、誰かいるの!?)
と、今更だが、Aqoursにおいて重要な事実を知って驚く、月。そんな月とは裏腹に、Aqoursのリーダーである千歌は、
「いるよ、今も・・・」
と、ルビィたち1年生トリオの3人を励ます。そんな千歌であったが、心の中では、この緊張の中、心に余裕すらなかった。それでも、Aqoursのリーダーとして、ほかのメンバーを励まさないといけない、そんな気持ちからでた言葉だった。
しかし、その千歌の励ましとは関係なく、ヨハネはあることをつぶやく。
「これで全員?」
それを受けて、花丸とルビィは、月にとって重要といえる事実を述べる。
「思ったより、6人って・・・」(花丸)
「少ないのかも・・・」
これを聞いた、月、
(えっ、6人!!たしか、Aqoursって、9人、だったよね・・・、それが、6人、・・・)
と、ビックリしてしまう。たしかに、Aqoursは、9人組、である。それが、そのうちの6人しか静真に来ていないのだ。その事実を確認するため、月、すぐにAqoursメンバー9人の名前という記憶と、今ここに来ているメンバーの名前を一致させていく・・・。
(え~と、千歌ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃん、それに、ルビィちゃん、花丸ちゃん、ヨハネちゃん・・・、あれっ、6人、だけだ・・・。あとは、たしか・・・、ダイヤさん、果南ちゃん、それに、鞠莉ちゃん・・・、あれっ、3人がいない・・・)
そう、ダイヤ、果南、鞠莉の3人がここにいないのだ。その3人がいない、今のAqoursは・・・。なので、月はあとの3人を探そうとする・・・、が、探す時間は月にはなかった。もう、弓道部の演目が終わったからだった。
そんな月、すぐに自分のやることをする。月、千歌たち(新生)Aqoursのもとに行き、
「曜ちゃんたちの番だよ」
と、千歌たち(新生)Aqours6人に対し、ライブの時間が来たことを告げる。そして、月、
「がんばって」
と、ライブの成功を祈りつつ、千歌たち(新生)Aqoursに対して応援の言葉を送る。
こうして、千歌たち、新生Aqours、6人は、声は小さいかもしれないが、極度の緊張状態に陥っているメンバー全員に対して、自分たちを鼓舞するように、名乗りをあげる。そして、ついに、運命のライブが始まった・・・。