ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第2部 第10話

 一方、ナギたち生徒会一同も生徒会室に戻り、一息ついていた。

「ああ、緊張してしまいました。理事たち全員の前だといつも緊張してしまいますね」

と、生徒会役員の1人が言うと、別の1人からも、

「そうですねぇ。それに、今回は突然変なところから沼田のじっちゃんが出てきましたからね、もっと緊張してしまいました。今でも、心臓、バクバク、していますからね・・・」

と、いまだに緊張し続けているのか、まだ激しく動いている自分の心臓を確かめるかのように自分の手を胸に当てて感じながら言うと、また、別の1人からも、

「普通の生徒たちと違って、これまで数多くの人たちを前に立つ、緊張を強いられる場面を数多くこなしてきた私たち、で、あっても、理事たち10人+沼田のじっちゃんの前ではいつも緊張しすぎてしまいます。そういう意味でも、いつも緊張せず、常に平然とした態度で理事たち10人全員+沼田のじっちゃんとやりあうことができる、月生徒会長、とても凄いと思います」

と、今、ここにいない月のことを褒めていた。

 そんないまだに緊張が解けない生徒会役員たちに対して、ナギから一言。

「お疲れ様!!今回はみんなのお陰で月生徒会長がいなくても、あの、木松悪斗とやりあうことができました。本当にありがとうね!!」

このナギからの御礼に、生徒会役員たちからは、

「ぜんぜん御礼なんてしなくてもいいですよ」

「そうですよ。これは私たちが決めたことですからね」

と、そこまでかしこまらなくてもいいことをナギに対して言うが、その1人からはというと・・・、

「そこまで気にしていませんよ、ナギ副会長・・・、あっ・・・」

と、なにか間の悪い言い方になってしまう。これには、ナギ、おもわず、

「今の私はナギ副会長・・・じゃないよ!!ナギ、生徒会長代理、だからね!!」

と、訂正をその役員に促すと、その役員はすぐに、

「そうでした、そうでした。今は、ナギ、生徒会長代理、でしたね、ぺろぺろ」

と、舌を出しながら茶目っ気をだしながら言うと、そこにいる生徒会役員みんなとも、

ハハハ

と、大笑いになってしまった。

 そんな笑顔に満ちた雰囲気のなか、ナギは生徒会役員たちに対し、

「で、今回なんだけど、「薄氷の勝利」ってことかな。月生徒会長のAqoursをも利用した作戦は失敗に終わり、静真の生徒・保護者たちが持つ、浦の星の生徒たちに対する不信感はより強いものになってしまった。そして、これに乗じて、木松悪斗は暴走を開始しようとしていた。ある意味、木松悪斗のやりたい放題になるとこだったわけ。でも、私たちの将来すら賭けた、木松悪斗との勝負、結局、静真本校と浦の星分校の統合はできなかったけど、それでお、私たちにとってとても不利な状況のなかで、木松悪斗の暴走を未然に防ぐこともできたし、来月(4月)の新学期が始まる日までの限定だけど、私たちにこの不利な状況をひっくり返す、そんなチャンスを得られる時間をゲットできたわけ、木松悪斗からの妨害を気にせずにね!!このチャンスだけど、もしかすると、そのまま統合へと結びつけることができるかもしれない。そう考えると、今回の通常理事会だけど、本当に首の皮一枚つながった私たちに対して、木松悪斗からすれば絶好の機会を逃したことになるね。だからこそ、私たちにとって、「薄氷の勝利」だと思えるんだよね、私からすればね」

と、自分の考えを言った。が、そのとき、ナギはこうも考えていた。

(でも、もしかすると、沼田のじっちゃんがいなかったら、私たち、木松悪斗の暴走を止めることができないばかりか、なにもせずに退学になってしまい、本当に、将来を棒に振ることだってありえたかもしれない。そう考えると、沼田のじっちゃんのお陰かもしれないね、圧倒的な不利な状況のなかで、「薄氷の勝利」を得ることができたのは・・・)

このナギの考え、あながち間違いではなかった。月による、Aqoursを使った、静真の保護者たちが持つ、浦の星の生徒たちに対する不信感、そのものを変える作戦は失敗に終わり、逆に、静真の保護者たちばかりか静真の生徒たちにもその不信感を広げてしまう結果となった。これは、この不信感を払拭することで静真本校と浦の星分校の統合を狙う統合推進派の中核たる、月たち生徒会にとって、より不利な状況に陥ってしまったことと、月たち生徒会とは逆の、その不信感を盾に分校状態を続けることで、浦の星とその大スポンサーだった小原財閥に対しダメージを与えたい木松悪斗にとってより有利な状況となってしまった。この自分の有利な状況の中、木松悪斗は自分の思い通りに、より浦の星と小原財閥に大きなダメージを与えたいがゆえに、浦の星の生徒たちの処遇をより悪化させようとしていた、いや、木松悪斗の暴走状態を引き起こしてしまう、それをわかっていた、ナギ、それを未然に防ぐため、月を含めた自分たち生徒会メンバー全員の、これから先の輝かしい未来、自分たちの将来、という、学生にとってとても大切なものまで賭けてまで出した退学届を出した。が、場数の差、経験の差は、月を含めた生徒会一同が束になっても木松悪斗に勝てない、のである。なので、木松悪斗にとって、ナギたち生徒会の行動はすでに読んでいたのかもしれない。実際、木松悪斗はこのナギたち生徒会一同の退学届を受理してナギたちの願いを聞き入れた・・・ふりをし、逆に、浦の星の生徒たちの処遇を今以上に悪化させようとしていた。で、これに対して、ナギたち生徒会が反論しても、ナギたちが出した退学届をもってナギたち生徒会一同を退学させるつもりだった。その後は、自分の娘で自分のことを崇拝している旺夏を頂点とした、新生生徒会、いや、自分にとっての傀儡政権を作り、静真の実効支配を強めるつもりだった。ちなみに、木松悪斗、ナギたち生徒会一同の将来なんてこれっぽちも気にしていなかった。いや、むしろ、自分にとって好都合だった。なぜなら、ナギたち生徒会役員全員、静真一の才女とも言われた月に選ばれたこともあり、月を含めて、生徒会役員全員ともにかなり優秀であり、将来、自分にとって天敵になると考えられていた、木松悪斗に。でも、一度でも出世コースを、道を外れてしまうと、外国の場合は復活のチャンスがあるが、日本だとそれがネックとなり、再び立ち上がるのが難しい、いや、それ自体が不可能になってしまう。木松悪斗、そのことをよくご存知だった。というより、木松悪斗、それが、勝利することにこだわりを持つ理由の1つかもしれない。

 まっ、それについては別にして、通常理事会においては、このまま行けば、木松悪斗の完全勝利、ナギたち生徒会一同は全員退学、木松悪斗に反抗する勢力は消滅する、結果、木松悪斗の静真での実効支配はより強固になり、木松悪斗はやりたい放題、浦の星の生徒たちは地獄の日々を卒業まで、いや、一生、暮らしていく、ことになってしまっていた。

 が、沼田の突然の(というか、掃除道具をいれておくロッカーから出てきたので、ある意味、変態の)登場により、木松悪斗、圧倒的有利な状況は一変する。沼田は、ナギたち生徒会一同の、自分たちの大事なものを賭けてまで木松悪斗の暴走を防ごうとする決意を組してか、期間限定とはいえ、木松悪斗の暴走を禁止すること、そして、その期限内に、静真の生徒・保護者たちが持つ、浦の星の生徒たちに対する不信感を払拭すれば、統合の道が開けるかもしれない、と、それらに対する生徒会の行動、それに対する木松悪斗からの妨害を禁じたのである。なので、沼田がその場に現れたこそ、自分たち生徒会は、薄氷だが、勝利を得ることができた。ナギはそのように考えていた。

 そんなナギ、すぐに生徒会役員全員に対し、あることを言った。

「とはいえ、私たち生徒会としては、今日から4月の新学期が始まる日までのあいだ、この不利的状況を覆す、そのための時間を得たわけだが、私たちとしても、この期間に自分たちにできることをすることにしよう!!」

これに、生徒会役員の1人からある意見がでる。

「でも、この不利的状況を覆すことができるのは月生徒会長とAqoursしかいないのでは・・・」

これについて、ナギはすぐに答えた。

「たしかに、この不利的状況を覆す、それ以上の力を持つのは、月生徒会長、それに、Aqours、しかいないかもしれない。でも、そんな力を持たない私たちでも、月生徒会長とAqours、そのお手伝いをすることはできるよ」

そのナギの言葉に、生徒会役員たちからは、

「たしかにそうかも」

「月生徒会長たちのお手伝いなら、力を持たない私たちでもできるよ!!」

と、前向きな意見がでてくる。が、ある役員からはある疑問がでてくる。

「でも、具体的になにをすればいいのでしょうか?時と場合によっては、私たちの力だけではできないこともありますが・・・」

これには、ナギ、すぐに答える。

「実はね、もう考えているんだ。それはね・・・(ごりょごりょ)」

と、生徒会役員全員を集めて小声でナギが月とAqoursの役に立つために考えた施策を伝える。これを聞いた生徒会役員たちからは、

「それはいいかも」

「これならいけます!!絶対成功しますよ!!」

と、絶賛の嵐に。が、ここでも、先ほど、ナギの考えに疑問を呈した生徒会役員の1人がまたナギに対し疑問を放つ。

「でも、これって、私たちがいまだかつて経験したことがない大掛かりなものになりますよ。たしかに、私たちは体育祭や文化祭でその経験はあるかもしれません。が、ナギ生徒会長代理が考えていることはそれ以上の規模になります。それに、Aqoursみたいなアイドルの・・・については、会場設営を含めて、そのノウハウがありません。体育祭や文化祭は昔の生徒会の先輩たちから受け継がれたノウハウがありましたが、Aqours関連だとまた違ったノウハウが必要では・・・」

が、これについても、ナギはすぐに答えた。

「たしかに、私たちだけだとね、それは無理かも。でも、私たちだけでやる、って、言っていないでしょ!!あの人たちの力を借りれば、きっとうまくいくよ!!」

このナギの言葉に、生徒会役員一同、すぐに、

「あの人たちの力?あの人たちって誰ですか?」

と、ナギに詰め寄る。すると、ナギ、またも、役員たちの耳を集め、

「それはね・・・」

と、その人たちの名前を言う。すると、役員たちからは、

「それは力強い見方だ!!」

「この人たちなら、静真の保護者たちが持つ不信感を一気に払拭できるいい機会になります!!」

と、喜びの表情をみせる。これを見ていたナギ、すぐに採決をとる。

「では、私たちは月生徒会長とAqoursのために、その手伝いとなるべきことをします!!みんな、それでいいかな?」

このナギの言葉に、生徒会役員全員、

「いいとも~!!」

と、大きな声で賛成の返事をする。これを聞いたナギ、

「それでは、私たち生徒会はこれから、月生徒会長とAqoursのバックアップ任務に就きます!!」

と、声高々に月とAqoursのための行動を行うことを宣言した。

 そして、このあと、ナギは生徒会役員全員にこう告げた。

「じゃ、今日の反省会はここまで!!通常理事会の結果についてはあとで月生徒会長に伝えておくからね。それじゃ、また、明日ね!!」

 この、ナギが、通常理事会後の生徒会反省会?の終了を告げると、生徒会役員たちは帰宅の途についた。その後、ナギはただ1人生徒会室に残っていた。そして、沈み行く夕日を見てあることを考えていた。

(さて、月生徒会長にはすぐにでも通常理事会の結果を、静真本校と浦の星分校との統合は認められなかった、当分のあいだ延期になった、それだけ伝えよう。あと、私の大事な友達、むっちゃんにも、このことを伝えよう。でも、むっちゃんに伝えるのはこれだけじゃないんだな。私たち、月生徒会長を除いた、生徒会役員全員が仕掛ける、月生徒会長とAqoursのための大掛かりなお手伝い、いや、一大プロジェクト、それに参加してほしいって、お願いしよう。だって、むっちゃんたちこそ、この一大プロジェクトの中核になるのだからね!!)

こう考えたナギ、すぐに月にメールする。ただし、内容は、ただ、「浦の星分校との統合は当分のあいだ、延期になる」と・・・。で、そのメールを月に送ると、ナギ、すぐに大親友のむつに電話をかける。すると、すぐに、

「あっ、ナギちゃん、こんにちは。どうしたの?」

と、ナギのスマホからむつの言葉が聞こえてくる。これに、ナギ、すぐに、

「あっ、むっちゃん、実はね・・・」

と、今回の通常理事会のことを伝える。すると、むつ、いきなり、

「えっ、ナギちゃんたち、退学するつもりなの!!それはやっちゃダメだよ!!」

と、むつ、ナギに対してきついことを言う。これには、ナギ、すぐに、

「今はしないよ!!でも、私、決めたの!!これから先、月生徒会長とAqoursは私たちが求めるものを見つけてくれる、って。そして、それを、静真のみんなにも伝えるためにもね、こんなこと、したいの!!それはね・・・」

と、むつに自分たち生徒会役員全員(月を除く)が行おうとしている、一大プロジェクトの内容を伝える。これに、むつ、

「それ、いいね!!でも、月ちゃんって子なしで、ナギたち、その一大プロジェクト、できるの?」

と、ナギに尋ねる。これに、ナギ、元気よく、

「たしかに、私たち生徒会だけなら難しいかもね。でも、むっちゃんたちが、その一大プロジェクトに参加してくれたら、きっと、いや、絶対に、成功するよ!!」

と、元気よく言うと、むつから、

「私たちが参加・・・、えっ、それって、とてもいい考えだね!!だって、私たち、これまで、浦の星のこと、全部、千歌たちAqoursにまかせっきりだったもんね。それを、これからは、私たちもそれに参加できる、って、とても嬉しいこと、楽しいこと、だもんね!!」

と、元気のいい返事をする。これに、ナギ、

「じゃ、むっちゃんたちも私たちの一大プロジェクトに参加、で、いいね?」

と、もう一度むつに尋ねる。すると、むつ、

「うん、いいとも!!」

と、元気よく答えた。

 と、ついでに、ナギ、むつにあるお願いをする。

「でね、この一大プロジェクトについてはまだ月生徒会長とAqoursには内緒にしておいてね。だって、この一大プロジェクトを月徒会長とAqoursに言ってしまったら、月生徒会長にAqoursのみなさんに余計なプレッシャーを与えることになるからね」

「うん、わかった!!この、むつの演技力、見ていてくださいね!!」

と、むつ、ナギのお願いを了承してから電話を切った。

 そのむつの電話のあと、ナギは夕日を見てあることを思っていた。

(私たちがやろうとしている一大プロジェクト、これにも弱点がある。Aqoursが今日見せた、不安と心配という深き海、沼に沈んでしまっている、そんな不安定すぎるものではなく、あの、「ラブライブ!」決勝でみせた、楽しくて、それでいて、華麗に踊っている、本来のAqoursの姿に戻っていなければ、この一大プロジェクトをやる意味がなくなってしまう。それもこれもAqours次第。これこそがこの一大プロジェクトの一番の弱点。でも、月生徒会長なら必ずやってくれるはず!!きっと、Aqoursを、今日みたいなAqours、ではなく、ラブライブ!決勝でみせた、本来のAqours、へと復活させてくれるはず!!そして、沼田の十ちゃんが言っていた問い、「部活とはなにか」「部活をする上で大事なこととは」、その答えをきっと見つけてくれるはず!!)

このナギの想い、月に対する絶対なる信頼、月は果たしてそれに応えることができるのだろうか・・・。

 

 そんなナギが夕日に向かって自分の想いを語っているころ、PTA会室では、沼田がたばこ・・・は吸わないので、そのかわりに大好物のシュガーチョコを食べながら物思いにふけっていた。

「さて、今回、月生徒会長は私がだした問い、「部活動とはなにか」「部活動をする上で大事なこととは」、この答えを探すどころか、Aqoursという浦の星の部活のなかでは唯一全国大会で優勝した実力がある部活の力を借りて木松悪斗に戦いを挑んだ。力には力でもって制する、そんな単純明快な考えで戦いに臨んでしまった。が、月生徒会長はあることを忘れていた。たしかに、全国大会で優勝したときには高い実力を有していても、それがずっと続くわけではない。高校の部活というは常に実力は変動するものだ。特に、最上学年である3年生が引退する、その前後においてではな」

そう、高校の部活において、実力は常に一定ではない。常に実力は変動してしまう。たった3年間という短い選手生命のなかで、選手たちはその実力を高めあうのだが、その決められた時間を過ぎると、とても実力のある選手であっても、部活については引退を余儀なくされ、ただの高校生の戻ってしまう。そう考えた場合、特にスポーツ系部活の多くが夏に行われるインターハイなどの大会をもって3年生が引退してしまうものである。そのため、(1・2年生が主力のチームならともかく、)3年生が主力のチームだと、夏の大会をもって3年生が引退し、控えだった1・2年生中心のチームになってしまう。それにより、3年生引退前、かなりの実力があったとしても、主力だった3年生の引退により、チームの、部活の、実力が下がってしまうことが多い。なので、インターハイや夏の高校野球において連覇を果たす高校が少ないのはそのためである。で、このことが、今回のAqoursにも起きてしまった、そう、沼田は考えていた。1・2年生しかいない新生Aqours、そのため、あの、「ラブライブ!」という全国大会で優勝したときの、ダイヤたち3年生がいた、本来のAqoursの実力、それよりもかなり下がってしまったのだ。いや、それ以上に、これまでダイヤたち3年生がいた、本来のAqoursと違い、その3年生がいない、そのためか、不安と心配という深き青い海、沼に深きところに沈んでしまった、そのために、本来の実力をだすことができなかったのである、と、沼田は考えていた。

 そして、沼田は月のことを思い、あることを言った。

「でも、今回、月君は自分の身をもって、力は力でもって対抗することのおろかさを知った。そして、その月君によってもたらされた圧倒的不利の状況のなか、ナギ副会・・・、ナギ、生徒会長代理たちは生徒会みんなの力で木松悪斗の暴走を食い止めてくれた。これで、月君は迷うことはないだろう。そして、月君はAqoursのみんなと一緒に、私の問いの答えを見つけてくれるだろう。もちろん、Aqoursとしても、本来のAqoursの、いや、自分たちだけの新しいAqoursを見つけてくれるはずだ!!」

この沼田の思い、からか、ある言葉をもって、自分の想いについてこう締めた。

「少年少女たちよ、大志を抱け!!月君よ、Aqoursのみんなよ、今、この時間は、非常に短い!!高校時代という、たった3年間という、とても短い時間を、必死になって生きていってくれ!!しかし、必死に生きたこと、それが、これからの人生、大切な宝物になっていくのだぞ!!そこで得た想いで、必死になって一緒に生きてきた者同士、仲間たちの想い、そして、そのキズナ、こそ、自分にとって、とても大切な宝物になるのじゃ!!そして、それは決して消えることはない!!いや、ずっと、自分の心の中で輝き続けてくれるのじゃ!!だからこそ、月君、Aqoursのみんな、そして、ナギ君たち生徒会のみんな、今を、必死になって生きてきてくれ!!頑張ってくれ!!」

 

(やっぱダメだったか~。僕のせいで浦の星の生徒たちに対する不信感を増大させてしまう、前よりも不利な状況に陥ってしまったもんね。それでも、分校方式が続くだけで済んで本当によかったんじゃないかな。もっと悪い状態になってもおかしくなかった、そのなかで、ナギたちの強い働きかけで、それだけで済んだもんね。ナギ、それに、生徒会のみんな、本当にありがとうね!!)

と、月はナギからのメールで通常理事会の結果を知り、そう考えていた。自分の独断専行ともいえる計画、浦の星の生徒であるAqoursをも巻き込む計画、だったのだが、この計画は失敗に終わり、月にとって、生徒会にとって、そして、浦の星の生徒たちにとって、より不利な状況を作ってしまった。結局、そのあとの通常理事会において、ナギたちの働きにより、その被害、というよりも、木松悪斗の暴走を食い止めたことは、プラス材料になるも、全体的にはマイナスが大きかった。

 その月、自分のスマホをポケットにしまうと、千歌たちAqoursのいる、いつもの今川焼き屋に行こうとする。が、その今川焼き屋に近づくと、そこには、ライブの失敗で落ち込んでしまっている千歌たちAqoursのメンバーの姿があった。

 そのなかで、

「気が緩んでいたってわけじゃいと思うけど・・・」(曜)

「なんか落ち着かないずら、6人だと・・・」(花丸)

と、今日のライブの失敗について、自分たちの思いを口にするメンバーたち。だが、そのあと、

「お姉ちゃん・・・」

と、つい、姉ダイヤのことを思い出したのか、ルビィ、その言葉を口走ってしまう。

 が、このルビィの言葉に、月、思わず、

(えっ、ルビィちゃん、お姉ちゃんのダイヤさんのことを思い出してしまったのかな?)

と、一瞬、ルビィのことについて考えてしまう。そのためか、

「ルビィちゃん・・・

と、月、ルビィの名前をつぶやいてしまう。そして、このとき、月はあることを考えてしまう。

(ルビィちゃんには、たしか、ダイヤさんというお姉さんがいたはず。そして、ルビィちゃん、姉ダイヤさんと、Aqoursとして一緒に活動していたのよね。そのルビィちゃんの姉のダイヤさん、今、この場にはいない。でも、なんで、ダイヤさん、ここにいないの?姉のダイヤさんもルビィちゃんと同じAqoursのメンバーでしょ!!なのに、なんでいないの!?それっておかしいでしょ!!)

この月の考えであるが、この考えについて、月、ある疑問がでてくる。

(でも、姉のダイヤさんはこの場にはいない。いや、ダイヤさん、だけじゃない!!果南ちゃんや鞠莉ちゃんすらいない。いったいどうして?どうしていないの?どうして・・・)

が、月、すぐに、今、この場にいないAqoursメンバー3人について、ある共通項を見つける。

(ダイヤさん、果南ちゃん、鞠莉ちゃん・・・、あっ、たしか、3人ともある共通項があった!!それは、3人とも、3年生・・・、で、今は2018年の3月・・・、あっ!!)

そう、月は、今、この場にいないAqoursメンバー3人の共通項をもとに、なぜ、その3人がいないのか、その理由を知る、そして、ある思いにたどり着く。

(だから、あの3人が、今、この場にいないんだ!!そして、曜ちゃんたちがライブ直前に言っていた、「新生Aqoursにとって初めてのライブ」って言っていた意味も。もしかして、3年生がいないから不安、心配が・・・)

 その不安、心配の言葉を、月、思い出した、その瞬間、

(「月ちゃん、月ちゃん!!」

と、ある少女が月を呼びかける声が、月の頭の中でフラッシュバックする。そして、

(「でもね、月ちゃん、私にとって、月ちゃんは、いつまでも、ず~と、永遠に、大切な友達なんだよ!!」)

(「だからね、別れはね、すべてが終わる、ゼロに、もとに戻る、なにもかもなくなる、って、わけじゃないんだよ!!」)

と、月の頭の中に突然あらわれた少女、その少女から発せれれた言葉、月の心の中に強く突き刺さる。これに、月、

(あれっ、僕の心の中にある、忘れかけていた、それでいて、とても大切なもの、それを思い起こさせる、そんな衝動が、僕の中で動き始めている・・・)

と、思うようになる。その強い衝動に、月、あることを決意した。

(この衝動、もしかすると、今のAqoursに必要なのかもしれない。その意味でも、僕が絶対に、このAqoursを、本来のAqours、いや、本当の実力のある新しいAqoursに、生まれ変わらせてみせる!!)

 

 一方、千歌たち新生Aqoursの6人も、今回のライブの失敗を受けて、今まで以上に静真の生徒・保護者たちに浦の星の生徒たちに対する不信感を増長させてしまい、統合がより遠のいてしまったことに対し、罪悪感にさいなまれていた。そのためか、いつも陽気な曜ですら落ち込む、そんな、全員、お通夜モードに入ってしまっていた。

 そして、月が、遠くでお通夜モードのAqoursメンバーの姿をみてかあることを考え込んでいるあいだに、むつたちトリオが千歌たち6人の前にあらわれ、今回のライブのあとに行われた通常理事会、そこで出た統合に関しての結果を聞く。もちろん、統合は延期。それを聞いたのか、千歌たちは、

「だよね」(千歌)

「ごめんなさい!!」(梨子)

と、むつたちにこの状況に堕ちてしまったことを謝る。それに対して、むつたち、

「ううん、千歌たちが悪いんじゃない」「むしろ、悪いのは私たち」

と、これまで、廃校のときのことを含めて、Aqoursにおんぶに抱っこ、みたいな、浦の星のことはすべてAqoursに任せていた、そんな自分たちが悪い、と言う。しかし、千歌たち6人は、だからこそ、自分たちAqoursの力でもってなんとかしないといけないものも、大事なところで失敗をしてしまい、結果、むつたち浦の星の生徒たちに逆に迷惑をかけてしまったことを後悔してしまっていた。

 その、後悔している千歌たち6人に対し、むつたち、元気をだしてもらいたいのか、今川焼きを6つ買っては千歌たちに渡した。このとき、むつは、

(私たちは信じているよ、きっと、千歌たちAqoursは、絶対、本来の姿、本当のAqoursに戻ってくれる、って!!だからこそ、そのAqours、本来のAqoursを見せる、そんな、立派な舞台、ステージを、私たちの手で用意してあげるね!!)

と、あることを決意している、そんな表情をしていた。

 一方、千歌たち6人は、というと・・・、

(むっちゃんたち、浦の星のみんな、本当にごめんなさい!!私たち、これからどうしていいの、わからなくなっちゃった・・・)

と、むつたちに詫びつつも、不安、心配という深き海、沼の奥底に沈みこんでしまったのか、今どうすることもできないことに苦しんでいた。そして、善意からむつたちからもらった今川焼きも、むつたち、浦の星の生徒たちへの罪悪感からか、誰1人として食べることができなかった(ちなみに、千歌たちが食べなかった今川焼きですが、その後、千歌の姉の美渡姉が全部おいしくいただきました・・・?)

 

 こうして、波乱に満ちた新学期部活動報告会の日は過ぎていった。不安、心配という深き海、沼の奥底に沈んでしまった千歌たち新生Aqoursの6人、そのAqoursを絶対に生まれ変わらせようと誓う月、その新生Aqoursと月の知らない知らないところで一大プロジェクトを極秘裏に進めようとするナギとその生徒会一同、それに、むつたち、月たち生徒会が圧倒的な不利のなか、さらなる勢力拡大をもくろむ木松悪斗、その木松悪斗の右手として活動しつつ、ご主人の知らないところで月たちの行動の妨害をもくろむ裏美、さまざまな人たちの思いが絡み合う物語、次回以降、新たなる人物も登場し、さらに絡み合っていく。はたして、この物語の結末はいかに・・・?

 

                          第3部に続く!!

 

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