と、ここで忘れているかもしれないが、この物語の主人公は、Aqoursのメンバーの1人、渡辺曜のいとこで曜の大親友、そして、静真高校の生徒会長、渡辺月、である。なので、話の軸をそちらに戻そう。
遠くから千歌たち、そして、聖良・理亞を見ていた月、あまりにみんなの声が大きかったのか、月にも、千歌たち、聖良・理亞の会話は筒抜けだった。そのなかで、月、
(どうやら、サイドテールの少女(聖良)とツインテールの少女(理亞)は姉妹みたいdね)
と、みんなの会話から聖良と理亞の関係を認識する。と、同時に、
(で、曜ちゃんたち新生Aqoursが不調である理由、それは、ここにいないダイヤさんたち3年生3人がいないため・・・、そして、ツインテールの少女も今の新生Aqoursと同じ状況に陥っている・・・そんな感じがしたよ・・・)
と、これまた的確な考えをみせてしまう。やっぱり、月、静真一の才女である。
そんな月であったが、それと同時に、
(でも、いくら静真一の才女ともいえる僕であっても、ダイヤさんたち3年生3人の代わり・・・なんてできないよ・・・。僕、お手上げだよ・・・)
と、これまた諦めの表情を見せる。あのカリスマ性を持ち天才ともいえる月でもってしても不調の原因の一部を知ることがでたからといって千歌たち新生Aqoursの不調を直す打開策を考え付くことなんてできなかった、現時点では・・・。その思いがあったのか、月、
(沼田のじっちゃん、僕、曜ちゃんたちと一緒に行動しても、沼田のじっちゃんが言っていた問いに答える自信、ないよ~!!)
と、珍しく弱音をみせる。月は以前、静真と浦の星の統合について静真の影の神であり、静真高校PTA会長であり、静真高校創立家の末裔である沼田に直談判したとき、沼田から統合する上で必要ともいえる問い、
「部活動とは何か」「部活動をする上で大切なこととは」
その答えを導くためには浦の星の生徒と一緒に行動すればいい、と、沼田は月に言っていたのである。と、同時に、沼田、その問いの答えのヒントとして、「なぜなら、その問いの答えは「浦の星の生徒はしらないうちにそれを実践している」から」と言っていたのである。が、その浦の星の生徒である千歌たち新生Aqoursがまったく不調な状況である。それを考慮すると、まずは不調という状況をまずは打開しないと先に進めない、そう月は考えていた。
(あぁ、どうすればいいの・・・)
と、月、珍しく顔を抱え込んでしまう。
そんな月であったが、突然、ある光景が月の頭のなかに浮かび上がる。
(「月ちゃん、私にとって、月ちゃんは、いつまでも、ず~と、永遠に、大切な友達なんだよ!!」)
という声と共にある少女が月の頭のなかに現れた。これには、月、
(な、なに!!なにか頭のなかが・・・)
と、困惑してしまう。が、この少女はさらに月にある言葉を投げかける。
(「だからね、別れはね、すべてが終わる、ゼロに戻る、なにもかもなくなる、ってわけじゃないんだよ!!」)
この言葉に、月はさらに困惑する。いや、以前、月の頭のなかに現れた言葉たち、だったが、それでも、月、
(な、なに、この言葉たちは・・・?)
と、困惑の度合いを強めてしまう。
が、そんな困惑気味の月、であったが、突然、遠くから、
ブー ブブブ ブー
と、なにかが飛んでくるような音が聞こえてきた。これには、月、すぐに、
(なにかが飛んでくるような気がする・・・)
と、現実に引き返すと、すぐにその音が聞こえてくる方向へ、海へと視線を移す。
一方、その音はルビィや理亞、そして、ようやくその2人に追いついた千歌たち5人と聖良にも聞こえていた。
(な、なにが飛んでくるよ~!!)
と、ルビィ、その音に少し驚いてしまう。いや、そこにいる全員、そう思ったに違いない。そのためか、千歌、
「な、なに!?」
と、遠くから聞こえてくる音に対して驚きの声をあげるも、それを見極めるためか凝視してしまう。
が、遠くから聞こえてくる音は、千歌たち、そして、月のところに急速に近づいてきた。そして、誰でも目視できるくらいにまでそれが近づく。なんと、それはヘリだった。いや、千歌たち2年生3人にとってとても見覚えがある、白とピンクのヘリだった。そう、そのヘリとは・・・。
で、そのヘリを見て、曜が一言。
「これ、まえにもたしか似たような・・・」
その曜が言っていたそばからそのヘリは千歌たちに近づく。このままだと千歌たちにぶつかる!!、そんなところまで千歌たちに近づくヘリ。「このままじゃぶつかる!!」そう千歌たちはそう思ってしまうほどヘリは近づいていたのだ。
けれど、そのヘリもそれに気づいていた(当たり前?)のか、千歌たちにぶつかるぎりぎりの高度で、
ブブブブ
と、ローターが回る音を響かせながら飛んでいった。が、その先には月がいる!!月、すぐに、
(あっ、僕にもぶつかっちゃうよ!!)
と、おどおどしながら自分の方向に飛んでくるヘリの方を見る。が、月がいるのは千歌たちがいる砂浜より高い位置にある石階段の上だった。なので、ヘリ、千歌のところから少しずつ上昇し、月がいるところではある程度少し高い高度でもって月の上を飛んでいった。が・・・。
(あっ、僕の帽子!!)
と、心の中で叫んでしまう月。そう、ヘリが月の真上を飛んでいくと同時に月がかぶっていた野球帽も飛ばされてしまったのだ。
そのヘリは月の真上を飛ぶと同時に旋回し千歌のところへと近づく。が、このときは真上に飛ぶ・・・わけではなく、完全に千歌たちの目の前に着陸しようとしていた。これには、千歌、曜、梨子、共に、
(((デ、デジャブ!!)))
と、まえにも似たようなことがあった、そんなことを考える、と、共に、
(((って、ことは・・・、私たちのところに帰ってきたんだ!!)))
と、少し淡い期待を抱く。
そして、ヘリは千歌たちの目の前に着陸する。淡い期待を抱く千歌・曜・梨子の3人。そのためか、
「「「ま、鞠莉ちゃんだ!!」」」
と、千歌・曜・梨子、3人とも言葉をそろえて言う。そう、以前、千歌たち2年生3人がスクールアイドルを始めたとき、同じ砂浜で練習していたところ、突然、今回と同じヘリが3人の目の前に降り立ったのだ。そのとき、ヘリから現れたのが鞠莉だった。これが千歌・曜・梨子にとって鞠莉との初邂逅であり、ここから千歌たちAqoursの、スクールアイドルとしての歯車が回りだしたのだった、といっても過言ではなかった。なので、千歌・曜・梨子にとってこの展開は不振にあえぐ新生Aqoursにとって希望の光になる、そう思っていたのかもしれない。
そして、ヘリの扉が開く・・・のだが、そこにいたのは鞠莉・・・には似ているものの、鞠莉とは別人だった。これには、「鞠莉ちゃん!!」という千歌・曜・梨子の言葉によって鞠莉が帰ってきたと思った花丸がびっくりして、
「ずら~!!」
と、鞠莉に似ているが別人だったことに驚きの声をあげてしまった。さらに、曜・梨子にいたっては、
「鞠莉ちゃん!!」(曜)「じゃない!!」(梨子)
と、言ってしまうほど、鞠莉に似ているけど別人がでてきたことに驚いてしまう。この展開だが、このとき、千歌・曜・梨子はそろいにそろって、心のなかで、
(((鞠莉ちゃんじゃない!!じゃ、誰なの?)))
と、誰なのかわからず、少し困惑すると同時に、
(((あぁ、期待してがっかり・・・)))
と、少し残念風に考えてしまっていた。
が、ドアから見えた鞠莉似の金髪女性、ドアを開けたとたん、千歌たち6人と聖良・理亞に向かって挨拶を始めた。
「マイドールがいつもお世話になっていま~す!!」
言葉遣いがどこか鞠莉に似ている・・・、それでも、どこか大人の上品な雰囲気をかもし出している、その金髪女性、そんな感じがしていた。
で、その金髪女性はその言葉に続けて自己紹介を始めた。
「鞠莉のママ、鞠莉‘sママで~す!!」
そう、その金髪女性こそ、鞠莉の母、鞠莉‘sママだった。鞠莉’sママ、目にかけていたサングラスを外すとどこか鞠莉と同じ顔立ち・・・といった感じがしていた。これには、千歌たち6人、ともに、
((((((えっ、鞠莉‘sママ!!))))))
と、驚いてしまい、きょとんとした表情をしてしまう。特に、千歌は、
「えっ!!」
と、言葉を発するくらいに・・・。
そんなときだった。千歌の頭の上になにかが飛んできてはそのまま千歌の頭に覆いかぶさってしまう。これには、千歌、
(あっ、前が見えないよ~!!)
と、さらに困惑してしまう。が、曜、千歌の顔を覆いかぶさっているもの、男物の野球帽を見て、
(あれっ、これって・・・)
と、この帽子に見覚えがある、そんな感じがしていた。
と、鞠莉‘sママを乗せたヘリ、そのまま砂浜に着陸・・・しようにもここは砂浜である。ヘリポートではない。そのまま降りると飛び立つときに細かい砂などが舞い上がりヘリに損害を与えてしまうなど支障が生じてしまう・・・。と、いうわけで、鞠莉’sママ、ヘリに搭乗したまま千歌たちにあるお願いをする。
「あなたたちがマリーが言っていたAqoursのみなさまで~すね!!実はお願いがありま~す!!詳しいことはホテル小原で言いたいので、このヘリに乗ってくださ~い!!」
突然現れた鞠莉‘sママのこれまた突然のお願い、千歌たちはただ、
(えっ、なんで?)
と、少し疑問に思う。が、それでも、
(でも、これがもしかしたら、この不振を振り切れるいい機会になるかも!!)(千歌)
と、これまた淡い期待をしているのか、
「わかりました!!」
と、二つ返事で承諾する。
が、千歌たち新生Aqours6人は承諾・・・したのだが、鞠莉‘sママ、まったく関係ない?聖良と理亞に対しても、
「あなたたちも来てくれたらハッピーです!!」
と、千歌たちと一緒に来て欲しいとお願いされる。これには、聖良、
「まっ、乗りかかった船ですし、千歌さんたちがいなくなっては沼津に来た意味もありませんからね。一緒に行きましょう」
と、承諾する・・・のだが、聖良、すぐに、
「でも、ひとつだけ条件があります」
と、鞠莉‘sママについていくための条件をつける。それは・・・。
「千歌さんたちと私たち、そして、この石階段の上にいる少女も一緒に連れて行ってください!!」
と、石階段の上の方を指差しながら言う。その聖良の指差す方に千歌たちは振り向く。と、そこには・・・。
「月ちゃん!!」
そう、月がいたのだ。これには、曜、
(やっぱり月ちゃんここに来ていたのか~!!でも、なんで、ここに月ちゃんがいるの?もしかして、昨日の(部活動報告会のライブの)失敗で落ち込んでいる私たちのことを心配しにきたのかな?)
と、月がここに来た理由を考えていた。
一方、聖良が指差したことでこっそり千歌たちを心配しに見に来ていたことがばれた月、千歌たちが「月ちゃん!!」と言ったことに、
「えっ!!」
と、驚くと同時に、
(なんで僕の方を指差したの、サイドテールの少女(聖良)!!なんで!!)
と、少し困惑してしまう。突然のことなので、月にしてもこれから先どうリアクションをとればいいのか困っていた。
そして、聖良が指差したことでその指差した先にいた少女、月の存在に気づいた鞠莉‘sママ、月の方を見て、おもわず、
(あっ、あれがあの人が言っていた、渡辺月、って少女なのね!!静真の生徒会長!!これはあの人にとってみても好都合で~す!!)
と、少しにやりと笑いつつもそう思ってしまう。
そして、鞠莉‘sママ、すぐに月についても、
「わかりました!!あの子も一緒に来てもいいですよ~!!」
と、月も一緒に行くことを承諾してしまう。この鞠莉‘sママの言葉に、月、おもわず、
「えっ、えっ!!」
と、なにが起きているのかわからない、まるで、パルプンテ、いや、パニック状態に陥ってしまった。