ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第4部 第8話

 月はその後、その決意のもと、あるAqoursのメンバーのところに行く。その名はルビィ。そう、今の新生Aqoursの中で一番不安・心配の海・沼の深き底に沈みこんでいるメンバーだった。

 そのルビィだったが、フィレンツェに向かう列車の中では座席に座ったまま、

「お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん・・・」

と、まるで念仏を唱えるかのように見えていた。これには隣に座っていた花丸から、

「ルビィちゃん、落ち着くずら。きっと大丈夫ずら」

と、ルビィを安心させるかのように声かけをする。が、それでも、ルビィは完全に修羅場、いや、ダイヤという神様にすがる熱狂的な信者、になっていた。

 そんななか、突然、花丸、

「うっ、いきたいずら!!ルビィちゃん、ごめんずら!!ちょっとお花を摘みにいくずら!!」

と、ルビィに言ってはそのまま席を離れてしまった。これを見ていた、月、

(あっ、チャンス!!これでルビィちゃんとお話ができる!!)

と、思うとすぐにルビィのところに行く。

 そのルビィ、心の中ではこんなことを考えていた。

(お姉ちゃん、待っててね!!ルビィ、絶対にお姉ちゃんを見つけてあげるよ!!見つけたら、今度こそ離さないからね!!)

そう、ルビィの頭の中は姉ダイヤに対する執念でいっぱいだったのだ。

 そんなルビィに対し、突然、

「はい、ルビィちゃん、隣に座っていい?」

と、ルビィのことを呼びかける声がする。その声に反応したのか、ルビィ、

(あっ、ルビィのこと、誰か呼びかけている!!)

と、その呼びかけに気づくと、すぐにその呼びかけた声がする方向に向く。すると、そこには・・・。

「あれっ、月ちゃん!!」

と、ルビィは言った。そう、そこにいたのは月だった。そして、すぐに、ルビィ、

「月ちゃんだったらいいよ!!」

と、ルビィの隣の席に月をエスコートする。

 その月、ルビィの隣に座るなり、すぐにあることを聞く。

「ところで、ルビィちゃん、ダイヤさんのこと、どう思っているの?」

これには、ルビィ、なぜそのことを聞くのか月に尋ねると、月、ヴェネチアのボヴォロのときに姉ダイヤにルビィが抱きついたとき、ルビィが幸せそうな顔をしていて気になったこと、自分は一人っ子であり、昔から姉妹に憧れていたこと、なので、姉がいたらどう感じているのか知りたい、姉がいるルビィに憧れている、そのことをルビィに告白した。これには、ルビィ、すぐに、

「ルビィにとってお姉ちゃんは誰にでも誇れるえら~いお姉ちゃんなんだよ!!」

と、姉ダイヤについてまるで狂信者みたいに月に自慢する。このとき、ルビィ、

(一人っ子の月ちゃんにお姉ちゃんのいいところ、どんどん言ってみよう!!お姉ちゃんは凄いんだぞ、お姉ちゃんはルビィにとって大事なんだよって!!)

と、一人っ子の月に姉ダイヤの偉大さを熱心に伝えたい、その心でいっぱいだった。

 しかし、そのルビィの姉ダイヤの自慢話を聞いている月からすると、

(これを聞いているだけでどれほどお姉ちゃんであるダイヤさんにかなり依存しているのかよ~く判る気がする。でもね・・・)

と、考えると、すぐに、

(でもね、だからこそ、ルビィちゃん、そのお姉ちゃん断ち、ダイヤさん断ちする必要があるんじゃないかな。ルビィちゃんにとってとても辛いことかもしれない。けどね、今の新生Aqoursが復活できるかはルビィちゃん次第、だと思うよ。今の新生Aqoursの姿はルビィちゃんそのもの。そのルビィちゃんが生まれ変わればきっと新生Aqoursも生まれ変われるはず。だからね、ルビィちゃん、僕、心を鬼にするよ。そして、本当に大切なもの、それをルビィちゃんに伝えてあげるね)

と、自分の想い、覚悟を決める。

 その月の想いのためか、姉ダイヤの自慢話をするルビィに対して一言。

「で・・・」

と、ルビィの自慢話を遮ると、月、すぐに、

「で、そんなダイヤさんだけど・・・、ルビィちゃんにとってお姉ちゃんであるダイヤさんってどんな存在なの?」

と、ルビィに尋ねる。

 これには、ルビィ、

(えっ、ルビィにとってお姉ちゃんの存在・・・?)

と、一瞬戸惑ってしまう。姉ダイヤの偉大さを月に話していたのに、月、そんなことを気にせずに姉ダイヤの存在について聞いてきたのだ。が、それでも、ルビィ、

(お姉ちゃんはとっても偉大なんだよ!!)

と、姉ダイヤの自慢話をしたのに、それをまったく気にせず聞いてきた月に少し怒ってしまう。そのためか、

「お姉ちゃんはとても凄いんだよ!!とても偉大なんだよ!!なのに、月ちゃん・・・」

と、月に反論しちゃうルビィ。

 が、そのルビィの反論に、月、

(たしかに、今までのダイヤさんの自慢話でルビィちゃんが姉ダイヤさんを慕うことはわかったよ。だからこそ、僕はそれを断つ!!そして、その先にみえるものをルビィちゃんと一緒に捜していきたい!!)

と、決意し、ついにその火蓋ともいえる言葉を言う。それは・・・。

「でもね、ルビィちゃん、ダイヤさん、いつかはルビィちゃんのもとから旅立っていくんじゃないかな?」

そう、ルビィにとって避けることができない現実・・・。この月の言葉に、ルビィ、

(えっ、お姉ちゃんがルビィのもとから旅立つ・・・)

と、一瞬体が凍りつくとともに、

「・・・」

と、黙ってしまった。

 このルビィの姿を見た、月、

(ルビィちゃんにとって認めたくない現実・・・。このまま僕がその現実の先にあるとても大切なことをここで教えることができるけど、それだとルビィちゃんのためにならない。ここはルビィちゃん自身でそのことを考える時間をあげるべきかな?)

と、思うと、ルビィにある言葉を言った。

「ダイヤさん、いつかはルビィちゃんのもとを去っていくんだよ。だって、人っていうのはいつまでも拘束できるものじゃないからね。いつかは、別れ、っていうものが起きるものなんだよ。そう、僕だって、昔、そうだった。ある人と別れたことがあって、今のルビlちゃんと同じ経験をしたことがあるんだ。だからこそ、今、それについて考えるべきじゃないかな」

 その言葉とともに月はルビィに対し、

「じゃ、ルビィちゃん、またね」

と言ってルビィのもとから去っていった。

 この月の言葉はルビィの心に深く突き刺さる。そのためか、ルビィの心の中は崩壊・・・。

(お姉ちゃんが離れていく・・・、いつまでも拘束できない・・・、お姉ちゃんはいつかは飛び立つ・・・、ルビィ、そんなの嫌だよ~!!なにもかもなくしたくない!!でも、お姉ちゃんはいつかは飛び立っていくんだよね。ルビィ、それはいや!!でも・・・)

 そして、ルビィ、こう思っては、より不安・心配の海・沼のさらなる奥底へと陥ってしまう・・・。

(お姉ちゃんとずっと一緒にいたい!!でも、そのおねえちゃんはルビィから旅立とうとしている。ルビィ、どうしたらいいの?どうすればいいの・・・。お姉ちゃん、助けて・・・)

 

 一方、席を離れた、月、陰からルビィが苦しんでいる様子を見ていた。このとき、月、

(ルビィちゃんにはちょっと悪いことしたかな。僕が新生Aqoursをよみがえさせるために決意したゆえの行動だけど、なんか、僕、心苦しいよ・・・)

と、思ってしまう、が、その月、あることを考えてしまう。それは・・・。

(でも、今、新生Aqoursに起きていること、ルビィちゃんがおかれた状況、それはとても似ている、と、僕は思うよ。“0”、これこそ、今の新生Aqoursと今のルビィちゃんに起きている、とてもにっくき数字。新生Aqoursと今のルビィちゃん、“0”、この呪縛に今でも拘束されている。そう、それはAqours誕生のときから起きていた・・・)

 そして、月はあることを思い出す。

(これは曜ちゃんから聞いた話、だけど・・・)

月が思い出したこと、それは、曜から聞いたAqoursの歴史・・・。それは“0”の歴史・・・。

 Aqoursと“0”という数字は切っても切れない関係だった。最初、Aqoursは“0”から始まった。最初、千歌と曜、2人で始めたスクールアイドル活動、そこに梨子が加入、3人で内浦の砂浜海岸で(ダイヤがこっそり書いた)Aqoursという言葉と出会い、3人は自分たちのグループ名をAqoursにした。その後、ファーストライブの成功後、1年生のルビィ、花丸、ヨハネが加入、浦の星の廃校危機に見舞われるも、千歌たちAqoursは“0”から大きく羽ばたく・・・はずたった。が、東京のスクールアイドルのイベントでまたしても“0”という数字を突きつけられる。この後、3年生の鞠莉と果南の歴史的和解、ダイヤの加入によりパーフェクトナインになるも、夏季大会東海最終予選まで学校説明会希望者数“0”、またしても“0”という数字を突きつけられる。けれど、千歌たちの頑張りにより、最終予選は敗退するも、“0”から“1”へと弾みをつけることに成功した。こうして、“0”の数字の呪縛を解き放った・・・わけではなかった・・・。

 続く冬季大会、その呼び寄せんが始まる前には“1”から“10”へと学校説明会希望者数を伸ばしていた。千歌たちはそれを“100”にしようとする。静岡県(予備)予選、学校説明会、東海最終予選と順調に勝ち進んだ千歌たちAqours、そして、入学希望者数を“98”まで伸ばすことに成功する。が、そこでタイムアップ・・・。こうして、浦の星の廃校は決定、千歌たちが目指していた廃校阻止は悲しくも散ってしまう。こうして、目指すものを失った千歌たち、このとき、またもや、なにもなくなった、“0”に戻った、千歌たち9人はそう思ってしまう。しかし、浦の星の生徒たち全員から「消えゆく“浦の星”の名前をラブライブ!の歴史に深く刻んでほしい」という夢を託されことにより千歌たちは新たなる目標、ラブライブ!優勝、を定め、正月返上するほど頑張った結果、ついにラブライブ!冬季大会で優勝を果たすことになる・・・。

 そのAqoursの歴史を思い返した、月、ある考えを示した。

(こうして、Aqoursはついに“0”の呪縛から解き放たれ、これまでAqoursとしてやってきたこと、それが自分たちの輝きである、そう気づいたはずだった・・・。しかし、鞠莉ちゃんたち3年生が卒業しAqoursから抜けたことにより、その輝きすら忘れてしまうほどの悪影響がでてしまう。これまで、船でいうところのエンジン役、家でいうところの屋根役だった鞠莉たち3年生がいなくなったことで、曜ちゃんたち新生Aqoursは迷走してしまった・・・。本当は僕が最初に気づくべきだったけど、鞠莉ちゃんたち3年生が抜けて初めてのライブ、静真での部活動報告会のライブで、鞠莉ちゃんたち3年生がいないことでステージを広く感じられたこと、エンジン役、屋根役がいないゆえに、これから先、どうすればいいのかわからなくなった・・・などにより、曜ちゃんたち新生Aqours全員が不安・心配の深き海・沼に陥ってしまった・・・のかもしれない。いや、それ以上に、曜ちゃんたち新生Aqours、これまで頼っていた3年生がいない・・・、それにより、なにもかもがなくなった・・・、“0”に戻った・・・、そう思ったのかもしれない、そして、それが今でも続いている・・・、これが、今の新生Aqoursに起きている状況・・・)

この考えのもと、月はある想いにたどり着く。

(そして、それは今のルビィちゃんにも当てはまる。これまで頼っていた姉ダイヤさんの存在、それがなくなろうとしている、それはルビィちゃんにとって悲しい現実・・・、その現実に今直面しているルビィちゃん、僕がその現実を強く示したことにより、今のルビィちゃん、「姉ダイヤさんがいなくなる=なにもかもなくなる=“0”になる」、そう思っているのかもしれない・・・)

 そして、月、これらの考え、思いをもとにある決意を固める。

(でも、それは僕にも同じ経験がある。曜ちゃんはそのときのことを忘れているけど、僕にとってみれば、とても大切な経験だったと思うよ。そして、それを経験している以上、今の新生Aqours、ルビィちゃんを僕が導かないといけない・・・そんな気がするよ・・・)

 

 そして、心配・不安の度合いを深めたルビィ、ある決意をした月を乗せた列車はついに運命の地、フィレンツェ、に到着した・・・のだが、ここである事件が起きてしまう・・・。それは・・・。

 それは、フィレンツェに到着したときにその兆候があった。

「フィレンツェ、到着・・・」

と、千歌が嘆くほど長時間の列車旅で疲れた千歌たち。と、いうわけで、最初になにか食べることにした。が、1人だけ違っていた。その少女はガイドブック片手に、ただ、

「ヨハネ、ヨハネ、ヨハネ・・・」

と、呪文のように口ずさんでいた。

 そして、駅近くの市場で食事をすることにした千歌たち、ピザなどイタリア名物を食べている・・・のだが、それでも千歌たちは少し暗い表情をしていた。特に、ルビィに関しては、

(お姉ちゃん・・・)

と、あまり元気を感じさせない、いや、不安と心配で体中がいっぱいだった。どうやら、こちらから鞠莉たち3年生3人と連絡しようとするとすぐに鞠莉‘sママに鞠莉たち3人の場所がわかってしまうらしく、いくらこちらから連絡しても鞠莉たちと連絡がとることができないようだった。

 この千歌たちの様子を見ていた、月、

(このままじゃ、曜ちゃんたちがもたないよ・・・)

と、千歌たちのことを心配してしまう。

 と、いうわけで、

「なら、ここは元気になれるものを食べて元気になろう!!」

と、フィレンツェ名物、ビステッカ・アラ・フィオレンティーナという大きな肉を使った料理を注文。これには、グルメといったら花丸、をはじめとした千歌たち、目をキラキラさせる。

 そして、月はルビィの目の前にもフィオレンティーナを持ってきて、ウインク。

(今さっきはきついこと言ってごめんね)

と、月、思うと、ルビィも、

(月ちゃん、ありがとう)

と言うと、ルビィの表情も少し安らぐ。

 が、そんなときだった。いつもなら必ずあるはずの黒い堕天使のオーラが漂っていない!!それに、花丸、気づいたのか、

「善子ちゃんも・・・、あれっ?」

と、いつも隣にいるはずのヨハネがここにいないことに気づく。そのためか、花丸、

「善子ちゃん!!善子ちゃ~ん!!ヨハネちゃ~ん!!」

と、必死にヨハネを呼ぼうとするも、ヨハネ、あらわれず!!

 と、同時に、月も、

「あれっ?誰かいない・・・、え~と、曜ちゃん、千歌ちゃん、梨子ちゃん、ルビィちゃん、花丸ちゃん、あと、善子ちゃん・・・」

と、小声で言うと、すぐに、

(あっ、善子ちゃんがいない!!)

と、ヨハネがここにはいないことを知る。そう、なんと、今度はヨハネが行方不明になったのである!!

 というわけで、当然ながら、みんな、ヨハネのことが気になるも・・・、月・・・、

「心当たりは・・・」

と、千歌たちにヨハネがいそうなところに心当たりがないか聞いてみる。すると、ルビィ、ヨハネの居場所に関するヒント?をだす。

「ヨハネ・・・、善子ちゃん、「ヨハネ」ってずっとつぶやいていた!!」

 と、いうわけで、ルビィのだしたヒントをもとに千歌たち5人と月、ヨハネ探しをする。が、フィレンツェは広いため、3時間探しても見つからず。結局、夕暮れになってしまった。

 しかし、まだ探していなかった場所があった。それは、「ドゥオーモ」、フィレンツェのシンボルである大聖堂である。これを見た千歌、

「うわ~、でっか~!!」

と、あまりの大きさに驚いてしまう。が、花丸、ドゥオーモに到着するなりまわりを見渡すも、

「でも、善子ちゃん、いないずら~」

と、ヨハネらしき少女がここにもいないこと?にも嘆く。これには梨子、怒りながら、

「あの堕天使は?」

と言っては自分もまわりを見渡すも気づかず。本当に、ヨハネ、どこにいったのだろうか。

 が、その梨子の言葉に反応したのか、千歌たちと月のすぐ近くにいる少女がいきなり、

「探し人ですか?」

と、逆に千歌たちに尋ねてきたのだ。月、それに気づいて振り向くと・・・、そこにいたのは・・・、背中に羽を背負った・・・いたいけな少女・・・、いや、中二病全開の少女がいた・・・。月、その少女を見るなり、自分がよく知る人物だとわかりなり、

「・・・」

と、その少女の姿、中二病全開の姿にただ唖然としてしまう。

 ただ、千歌たち5人はその少女の正体に気づいていないのか、ヨハネの悪口?を次々と言ってしまう。が、その少女、なにも怒らずに、

「なるほど、それはとても崇高なお方」

と、まるで自分自身を称えるような言葉遣いをする。その少女を見た、千歌たち5人、すぐに、

「どわぁ!!」

と、その少女に驚いてしまう。そう、その少女こそ、ヨハネ・・・であった・・・。

 で、そのヨハネいわく、堕天使ヨハネではなく、守護天使ヨハネに転生したらしく、今さっき、ドゥオーモこと大聖堂の中で天使の聖を授かった・・・らしく、ヨハネ、そのときの写真を千歌たちに見せる・・・が、そこに写っているのは大聖堂の中に降り注いだ光に照らされている自分の姿・・・だけだった。これには千歌たちもただ唖然となるしかなかった。月いわく、

「いろんな子がいるんだね、Aqoursには・・・」

と。いや、それ、褒め言葉になっていませんから、月さん・・・。

 そのヨハネ、ため息をつく千歌たちのことなんて気にせず、ドゥオーモの上を指差し、

「あの天上階を目指しましょう!!」

と、言いだす。どうやら、クーポラ(ドゥオーモの天蓋)に昇りたいみたいだった。そして、ヨハネ、手元から取り出して千歌たちに見せたのは・・・クーポラへの導きを示した・・・というより、ただのコーポラのチケットだった。それも15ユーロ!!いや、ヨハネ、それ、ただのチケット売りだよ・・・、天使じゃないじゃん・・・。

 

 と、いうわけで、(ヨハネから無理やり買わされた)クーポラのチケットをもってドゥオーモの天蓋、コーポラに昇った千歌たち6人と月、であったが・・・、そのクーポラの景色、フィレンツェで一番高いところから見た景色は格別だった。数百年も前から変わらない統一された町並み・・・、オレンジで統一された町並みと夕日のオレンジ、それに、あまり統一性のない日本の町並みに見慣れている千歌たちにとって新鮮に見えた。

 そんな新鮮味あふれる景色を見ていたルビィ、その心の中には、

(この中にお姉ちゃんが絶対にいる!!)

という、なにか確信めいた気持ちでいた。

 そのルビィの気持ちに応えたのか、ルビィ、ある山の中腹に視線を傾けたとき、

(あっ、あれって・・・)

と、突然山の方で赤く光っているところを見つける。そして、ルビィ、ある言葉を思い出す。

(妖精の瞬き・・・、妖精の瞬き!!)

そう、あの鞠莉のメッセージカードに書かれていた言葉、「妖精の導き」、であった。

 そして、ルビィ、ついに確信する!!

(ルビィ、ついに見つけたよ、妖精の導き!!そこにいるんだね、ルビィが探していたもの!!そこにお姉ちゃんがいる!!お姉ちゃんが待っているんだ!!)

そして、ルビィは声高々にこう叫んだ!!

「あの光は・・・お姉ちゃん!!」

 

 こうして、偶然にも?鞠莉のメッセージカードの真の意味を見つけることができた千歌たちと月、鞠莉‘sママの追っ手を振り切るため?にいろんなところに寄り道しながら鞠莉たち3年生が待つフィレンツェ郊外の鞠莉の知人の別荘を目指す。そして、ついに、千歌たち6人と鞠莉たち3年生3人はついに対面することになる・・・のだが、そう問屋が卸さないのが常である。このあと起きる過酷ともいえる残酷な運命が千歌たちに、そして、鞠莉たちに、さらに、月にも襲い掛かる。果たして、運命の歯車はどう回ってしまうのか、そして、みんなの運命は・・・。それは・・・、次の章へと続く・・・はずである・・・?

 

 と、いいつつも、いつものおまけ・・・、その1。

 鞠莉の書いたメッセージカード、実は、鞠莉の策略?の賜物だった。月が改変したとはいえ、メッセージカードの原文そのまま鞠莉‘sママに伝えたとしても騙されていただろう。なぜなら、鞠莉’sママ、鞠莉のメッセージカードに隠された真実なんて考えもせず、ただ、「ヨハネの守護する地」の言葉だけですぐにフィレンツェの小原家の別荘だと断言してしまう、そして、そこに行く。そう、鞠莉‘sママ、即断即決の人であった。でも、実はそのあとの文章こそ鞠莉の真意が隠されていた、のだが、結局、千歌たちはその文章だけでは鞠莉の真意に気づくことはできなかった。むしろ、偶然、ヨハネがドゥオーモのクーポラの天蓋に昇りたいばかりの昇って、そこで妖精の瞬き・・・、妖精の瞬き、こと、鞠莉たちの合図に気づいただけ・・・だったのかもしれない。

 が、実は、それこそ、鞠莉の策略だった。フィレンツェは聖ヨハネが守護聖人の地である。で、ヨハネ、こと、善子、はこのフィレンツェの地で必ず騒ぎ出すに違いない、そして、そのヨハネ、フィレンツェで一番天界に近いところ、そう、フィレンツェで一番高いところであるクーポラに昇って天界へと駆け上がろうとする、それを見越して合図をすればきっと千歌たちはそれを見つけてくれる・・・そう鞠莉が考えたことだったらしい。

 ただ、後日、鞠莉にこのメッセージカードの真実について千歌が尋ねたところ、

「ペロペロ」

と、誤魔化されたらしい。なので、その真実については今も闇の中である。

 

 おまけ・・・その2。

 この妖精の瞬きを見つけた千歌たち6人と月、そのまま鞠莉たちのいるフィレンツェ郊外の別荘に向かう・・・はずだったが、鞠莉‘sママの追っ手をかく乱するため、いろいろと寄り道してはその追っ手を振り切ることに成功した・・・のだが、実は、追っ手を振り切る・・・というよりも、いろいろと寄り道した・・・というのが正解だった。

 まず、花丸。なにかおいしいものを見つけると、

「あっ、あれ、食べたいずら!!」

と言ってはそこで見つけた屋台めがけて食べに行こうとしてしまう。

 さらに、ヨハネも、

「あっ、なんて神々しいところなんだ!!」

と、興味あるところを見つけてはそこに勝手に行こうとしていた。

 というふうに、千歌をはじめとするいろんな人たちにより、こっちに行ったりあっちに行ったりといろいろと寄り道をした結果、街の中心地にあるドゥオーモから鞠莉たちが待つフィレンツェ郊外の別荘まで3時間ぐらいかかってしまった。が、それにより、鞠莉‘sママの追っ手を振り切ることに成功したのである。これはこれでよし・・・なのかな・・・?

 

 と、いうわけで、運命の第5部に続く・・・?

 

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