「やっと着いた~‼」
鞠莉‘sママからの追っ手を振りつつ・・・というよりも、食べ物を追い求めたり、いろんな観光名所を寄ったりと、いろんなところに寄り道をしてしまい、ついに最終目的地に着いた月と千歌たち一行。そのためか、月、歩き疲れてしまい、ついに本音が出てしまった。
そして、月はまわりを見渡すと、すぐに、
「dめお、いろんなところに寄り道したから夜になっちゃったね」
と言いだす。そう、いろんなところに寄り道をしてしまったので、最終目的地に到着したときにはもう夜の9時を過ぎていたのである。これには、曜、
「そうだね。本当に空が真っ暗だよ・・・」
と、空を見上げる。そこには星がさんぜんと輝いていた。
その月と曜のやり取りをしているなか、千歌は前のほうを見る。その千歌、すぐに、
(ここが妖精のまたたき、いや、妖精の導きで示された場所・・・)
と、つい思ってしまう。ヴェネチアで手に入れた鞠莉のメッセージカードに書かれていた文字、「妖精のまたたき」・・・。それを追い求めて聖ヨハネが守護する地フィレンツェに来た月と千歌たち。そして、偶然?フィレンツェを代表するドゥオーモのクーポロ(天蓋)でついに「妖精のまたたき」を見つけることができたのである。こうして、「妖精のまたたき」、いや、「妖精の導き」によってついにその導かれし地、最終目的地に到着した・・・のであるが、そこにあったのはお金持ちが持っていそうな「ザ・別荘」ともいえる建物だった。
この建物を見たか、梨子、
(ここで間違いないよね。間違っていないよね)
と、少し疑心暗鬼になったのか、
「本当にここ?」
と、みんなに尋ねてしまう。これには、ルビィも、
(たしかにここから妖精のまたたきが発せられていたんだよ‼ここにお姉ちゃんたちがいるんだよ‼)
と、自分の姉ダイヤレーダーがここにいるっていっている・・・かのように、いや、確信めいたものをもっているかのように、自信に満ち溢れているのか、すぐに、
「うん‼」
と、力強くうなずく。
そんな力強いルビィのうなずきを受けてか、千歌、意を決し、その建物に向かって、
「こんばんわ~‼」
と、大きな声で叫んだ。
すると、その別荘のバルコニーから千歌たちにとって見慣れた3人がこっそり現れると、千歌たちに向かって、
「シーーーーー‼」
と言う。
しかし、千歌、その言葉すら気にせず、またも大声で、
「鞠莉ちゃん‼」
と言ってしまう。そう、別荘のバルコニーから現れた3人、それは、あのヴェネチアで別れた、鞠莉、ダイヤ、果南、Aqours3年生の3人だった。
が、この千歌の大声に、鞠莉たち3人ともに、
「シーーー‼シーーー‼」
と、千歌に注意する。それは何かに見つかるのを恐れている、そんな感じだった。
そんな千歌と鞠莉たち3人のやり取りをしている最中、ある少女はバルコニーにいるある少女を見つめていた。
(お姉ちゃん・・・、ついに会えたよ・・・、ルビィのお姉ちゃん・・・)
そう、ルビィだった。ヴェネチアでダイヤと悲しき別れをしてしまったルビィ、しかし、それでもようやく姉ダイヤと再会できる、その喜びでいっぱいだった。静真の部活動報告会でのライブ失敗以降、姉ダイヤがいないと生きていけない、そんな気持ちでいっぱいだった。姉ダイヤという神にとても依存しているルビィ、であったが、その一方でこんな思いもあった。
(でも、月ちゃんが言っていた、「お姉ちゃんはいつかは旅立つ」・・・。お姉ちゃんはルビィのもとからいなくなる・・・、ルビィのもとからいなくなってしまう・・・、ルビィ、そんなのいやだよ‼でも・・・)
ヴェネチアからフィレンツェに行く列車のなかでルビィは月からあることを言われていた、いつかはルビィの姉ダイヤがルビィのもとから旅立ってしまうことを。姉ダイヤへの依存度が高すぎるルビィにとって残酷ともいえる現実・・・であったが、そのルビィとしては受けれ入れたくない現実だった。
が、ルビィ、その受けれたくない現実のことを忘れてしまったのか、
(今はそのことは忘れよう・・・。それよりも、ルビィ、もうお姉ちゃんと離れたくない‼ずっとお姉ちゃんといる‼絶対に・・・、絶対に・・・)
と、もう姉ダイヤのことを離さない‼と心の中で決めてしまった。
そのルビィの姉ダイヤへの真剣なまなざしに、月、
(ルビィちゃん・・・)
と、姉ダイヤへの永遠なる依存を決めてしまったルビィのことを心配そうにみていた・・・。
鞠莉たちの手引きにより別荘のなかに入った月と千歌たち6人、お金持ちの別荘、ということもあり内装も豪華だった。これには千歌、
「す、すごい・・・」
と、内装の豪華さに驚いてしまう。いや、一人を除いて、皆、内装の豪華さに驚いていた。
が、内装の豪華さに驚いていない少女が1人・・・。
(お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん‼)
と、まるで呪文のように心の中で叫び続けている少女、ルビィ・・・。まるで長年待ち憧れていた人に会える、いや、本当に待ち憧れているその人にようやく会える、それが叶う、そんな思いでいっぱいだった、ルビィは。ルビィにとって姉ダイヤは心の支えであった。そして、この旅を通してそれはより強固により頑丈になってしまった。そして、この旅ではいなかった姉ダイヤがついに降臨する。それにより、ルビィの心の中では姉ダイヤ教という大きな柱が完成する。それはルビィにとって、これから先、ずっと守っていきたい、絶対に手放しくない、そんな気持ちでいっぱいだった。
そして、ついに、そのルビィの思いは完成しようとしていた。ついに鞠莉たち3年生3人が待つ大広間のドアの前に立つ月と千歌たち6人・・・。
(お姉ちゃん、お姉ちゃん、お姉ちゃん!!)
と、はやる気持ちを抑えることができないルビィ、そのためか、
「ルビィがドアを開けるね」
と、ルビィが大広間のドアを、
バタンッと、大きく開けてしまう。
で、そのドアを開けた瞬間、月、千歌たち6人、
「うわ~!!」
と、目をパチクリしてしまう。目の前に現れたのは・・・大きなシャンデリア、何億円ともしそうな壺がいくつも、ピカピカに磨かれている床、そして、大きなソファセット・・・。別荘の玄関から大広間まで高そうな壺をいくつも見てきたが、それすらも上回る高級なもの数々。大広間の豪華さは「THEお金持ち」ともいえる豪華さだった。むろん、果南曰く、
「だからお金持ちは・・・」
と、少しひがんでしまうこともあったが・・・。
そして、そこには千歌たちが探していた鞠莉、ダイヤ、果南、Aqours3年生3人がいた・・・のだが、それよりも大広間の内装の豪華さに目をパチクリしている月と千歌たち6人・・・。なのか、突然、
「今度はつけられなかった?」
と、少女の声が聞こえてきて千歌たちに尋ねてくる。これには、曜、
「大丈夫!!」
と、優しく答える。何度も道を変えた?ことで鞠莉‘sママの追っ手から逃れたことを果南たちに報告する。もっとも、道を変えた・・・というよりも、寄り道しすぎた・・・、というのが正しいのだが・・・。
そして、
(お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!)
と、はやる気持ちのためか、ソファのところを見るルビィ。すると、そこには、鞠莉、果南、そして、ルビィが追い求めていたダイヤの姿があった。
その姿を見たルビィ、
「お姉ちゃん!!」
と、姉ダイヤのもとにさっそく飛び込んでしまう。このとき、ルビィ、
(お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!会いたかったよ!!もう離さない!!お姉ちゃん!!)
と、ついに願いが成就した、そんなうれしい気持ちとともに、もう二度と離さない、そんな決意をしていた。
で、いきなり自分のもとに飛び込んできたルビィに対し、ダイヤ、
(ルビィ!!)
と、まるで自分もルビィを追い求めていた風に思うとともに、
(ルビィ、遠くの地からここまでよく来てくれましたのですね!!)
と、日本沼津よりはるか遠い地、イタリア・フィレンツェにダイヤに会いに来てくれたルビィの労をねぎらおうとする、と、同時に、ルビィを大事そうに抱擁していた。そして、ダイヤ、心の中でまるで赤ちゃんをいさめるかのようにルビィの頭をなでていた。