ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

57 / 250
Moon Cradle 第6部 第2話

 こうして、鞠莉、果南、ヨハネをフィレンツェに残して、千歌、曜、梨子、花丸、ルビィ、ダイヤ、そして、月ご一行は2泊3日の予定でイタリア北部にある有名な観光地を巡る旅、いや、ライブの場所を決めるための旅へと向かった。

 と、いっても、あらかじめガイドブックから選んだ・・・というよりも、鞠莉たちとの一連の騒動であまり観光できなかったヴェネチアとなぜか花丸が行きたいと懇談していたピサにだけ行くことになったのだ。

 まずはヴェネチア。

「あっ、ここ、ため息橋っていうんだ!!なんdめお、日没の時にゴンドラに乗ってキスをすると永遠の愛が約束さるんだって!!なんてロマンチック!!」

と、ため息橋の伝説を語る曜。そう、ため息橋にはロマンチックな伝説がある。それにひかれてここまで来たのである。そして、曜はさっそく、

「それじゃ、千歌ちゃん、写真、撮って!!」

と、千歌にお願いすると、千歌、

「うん、わかった!!」

と言うとカメラを構えた。

 そして、

「全力前進、ヨ~ソロ~」

という曜の言葉で曜の代名詞である敬礼のポーズをするとともに、

カシャ

というカメラからのシャッター音が聞こえてきた。

 実はライブの場所の選定のためにイタリアで有名な観光地の写真を撮る際、千歌たちAqours9人はあるルールを決めた。それは、自分たちがモデルになること。なぜそんなことを決めたというと、その風景をバックに自分たちをモデルにして撮ることでライブをする際の参考にする、というのは建前で・・・本当はただの旅の記念に・・・というのが本音であった。

 と、いうわけで、とてもロマンチックな伝説のある橋をバックに写真を撮ることができたことで満足の曜・・・であったが、一緒についてきた月からすると、

(曜ちゃんには伝えないでおこう、ため息橋の本当の意味を・・・)

と、知らぬが仏、といった感じで曜を見ていた。実はため息橋の名前の由来であるが、なんと、ため息橋、神殿の尋問室と隣の建物にある投獄施設を結ぶ橋であり、ため息橋からの眺めは囚人にとって投獄される前に見るヴェネチアの最後の景色となっていた。そのため、これが囚人にとってヴェネチアの美しい景色を見る最後の機会となるため、囚人たちはここでため息をつく、これがため息橋の名前の由来、といわれていた。というわけで、この話を知っている月にとってとても大切にしている曜の思いを壊しくない、そんな気持ちになっていた。

 そんな月の優しさに胸に撮影は進んでいく。サンマルコ広場でダイヤを、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂で梨子を撮影すると、少しのあいだ、ヴェネチア観光をしたあと、すぐにピサに飛んだ。

 そのピサに来た理由、それは、かなり傾いているのに倒れない、あのピサの斜塔に行くためだった、花丸の強い要望で・・・。

 と、ピサの斜塔に到着したとたん、花丸、

「すごいずら、すごいずら!!」

と、ピサの斜塔を見て目をキラキラしてしまう。これには、ルビィ、

「な、なんか、いつもの花丸ちゃんじゃない・・・」

と、花丸のかわりっぷりに驚いてしまう。いや、反丸以外のみんなが花丸の変貌ぶりに驚いていた。

 そんなみんなを尻目に花丸はピサの斜塔を穴があくくらいまで観察すると、一言、

「やっぱ未来ずら!!どんなに傾いても倒れないなんて未来ずら~!!」

と、ピサの斜塔に感動を覚えてしまう。どうやら、花丸がここに来たかった理由、それは、どんなに傾いても倒れないピサの斜塔、それを目の前で見てみたい、そんな好奇心からのものだった。これには、みんな、

「ははは」

と、苦笑いするしかなかった。

 こうして、ピサの斜塔で花丸をモデルに撮影すると、このままフィレンツェに戻ることになった。

 が、月はこの旅を通じてあることを考えていた。それは・・・。

(この旅、ルビィちゃん、姉のダイヤさんと一緒にいるのになんか楽しんでいないようにみえた。いや、苦しんでいるようにみえる・・・。もしかすると、このままじゃ、ルビィちゃん、壊れてしまうかも・・・)

そう、月、ルビィの様子をみるだけでとても心配になっていたのだ。

 そんなルビィ、この旅のなかでいつもこんなことを考えていた。

(鞠莉ちゃんはお母さんの永遠に続く拘束を嫌がってお姉ちゃんたちと愛の逃避行?をしていた。なら、ルビィもお姉ちゃんを一生離さないのって、鞠莉‘sママさんみたいにお姉ちゃんを永遠に拘束し続けてしまうことになるのかな?それっていいことなのかな?でも、ルビィ、お姉ちゃんなしでは生きていけないよ~!!お姉ちゃんがいるからルビィは生きていける、やっていける!!でも・・・)

と、ルビィは姉ダイヤ依存を続けるかどうか、いや、とても選ぶことができない、そんな思いになっていた。

 このルビィの苦しんでいる表情をこの旅を通じて見続けていた月、ついにこんなことを決める。

(このままじゃルビィちゃんが壊れてしまう!!それなら、僕、決めたよ!!この月、勝負にでるよ!!苦しんでいるルビィちゃんを救うため、そして、不安、心配という深き海・沼に陥っている曜ちゃんたち新生Aqoursをよみがえさせるため、月、一世一代の大ばくち、はるからね!!)

 こうして、月はついにある行動にでることを決めた。

 

 一方、そのころ・・・。

「鞠莉!!ここはちゃんと撮っておいて!!」

と、フィレンツェ居残り組のヨハネが鞠莉に指示する。どうやらヨハネもライブの場所探しのために撮影を行っているところであった。このヨハネをモデルに撮ろうとしている礼拝堂であるが、名のごとくキリスト教の洗礼を受けるときに使う建物なのだが、ヨハネにとってみれば、天使になれる場所?、といった感覚だったのかもしれない。しかし、昨日の出来事(バルコニーの落下)により堕天使に戻った(と自分で思っている)ヨハネは天使になった証拠としてここを選んで撮影することにしたのかもしれない。

 とはいえ、

「鞠莉、はやく撮って!!ハーリー、ハーリー!!」

カメラマン役の鞠莉をせかすように言うヨハネ、これには、鞠莉、

「わかったわ!!それじゃ撮るよ~、よ・し・こ!!」

と言うと、ヨハネ、

「善子じゃなくて、ヨハネ!!」

と、鞠莉に向かって注文する。

 が、その瞬間、

パシリッ

と、カメラのシャッターが下りてしまった!!むろん、できた写真は鞠莉に怒っているヨハネの姿・・・。これには、ヨハネ、

「鞠莉、撮り直し!!」

と、鞠莉に怒るも、鞠莉、

「でも、こうして、こうすれば・・・」

と、画像加工アプリを使って写真のなかに写っているヨハネにどんどん盛り付けようとする。が、

「鞠莉、ちゃんとやって!!はい、もう一度!!」

と、ヨハネ、鞠莉に注意。これには、鞠莉、

「もう、冗談が通じないんだから!!じゃ、撮るね、ハイ、チーズ!!」

と、冗談が通じないヨハネのことを思いつつもカメラをもってヨハネを撮る。

 すると、ヨハネ、

ギラン!!

と、言うと、決めポーズを決める。と、

カシャリ

と、シャッターが下りる音が聞こえてきた。

 そして、鞠莉が撮った写真を確認するヨハネ。

「よしっ!!これでよし!!」

と、納得がいく写真が撮れたので満足した。

 そして、このとき、ヨハネはこう思っていた。

(ヨハネはここフィレンツェで天使になった。けれど、すぐに堕天してしまった。ヨハネとしてはちょっと悔しいけど、でも、少しのあいだだけでも夢を叶えることがとできた!!!そして、この写真こそ、ヨハネがここで天使になった、その証拠になった!!聖痕(スティグマ)を残すことができた!!だから、ありがとう、天使、ヨハネ!!)

天使になれたというスティグマを残したヨハネ、その目にはなんかすがすがしく感じられた。

 が、それでも、

(でも、絶対に天使になってやる~!!)

と、いまだに天使に憧れるヨハネであった・・・。

 

 こうして、遠征組、フィレンツェ居残り組、それぞれライブの場所決めのための写真を撮ってきたため、一度フィレンツェに集まることになった、のだが・・・。

「ソーリー、もうここは使えないの」

と、遠征版が帰ってくるなりみんなに謝る鞠莉。どうやら鞠莉‘sママの差し金・・・ではなく、鞠莉の親友から今借りている別荘から出ていくように言われたようだ。理由は簡単。鞠莉の親友には当初卒業旅行のために貸してほしいとうそを言って別荘を借りたのだが、本当の理由が家出?ということがばれてしまったからだった。でも、最初のうちはその親友も別にそれでいいと言っていたのだが、その親友の親が「それが理由なら別荘をこれ以上貸すことができない」と言ってきたため、その親友も仕方なく鞠莉に別荘の受け渡しを言ってきた、とのことだった。

 と、いうわけで、急遽千歌たちAqoursメンバーは小原家のフィレンツェの別荘に移ることになったのだが・・・、実は一つ問題が・・・。

「月、ソーリー!!月の分まで止めることができないのよ!!本当にソーリー!!」

と、鞠莉、月に謝る。なんと、小原家の別荘、フィレンツェの街のなかにあるため、Aqoursメンバー9人を泊めるので精一杯だというのだ。むろん、このあと、それがある大問題へと発展する・・・のだが。

 で、月、曜ちゃんと一緒にいたいために拒否・・・ではなく、すぐにこれを受諾した。それはとある理由からだった・・・。

「鞠莉ちゃん、いいよ!!僕、ちょっと一足先に(次の目的地の)ローマに行くね!!」

と、月、鞠莉に一言言うと、曜にもローマに行くことを告げてそのままローマへと向かった。

 

 そして、月、ローマに着くなり、ローマの観光地巡りをする。しかし、ただの観光地巡りをしている・・・わけではなかった。トレビの泉、バチカン、コロッセオ、などについては、

「ふ~ん、今はこうなっているんだ・・・」

と、いろんなところを観察していた。実は、月、ライブで使える場所を絞り込むために下見をしていたのだった。ここローマは旧ローマ帝国時代から続く長い歴史をもつ都市である。そのため、いろんなところに有名な遺跡などが残っていいるのである。なので、ただネットなどで調べていてもライブ会場を多数のところから選ぶのは困難だったりする。なので、ローマに土地勘のある月が先発隊としてその有名な観光地を下見してはライブで使えるかどうかを見極めていたのだった。これには、月、

(たった1人でローマを見て回ること自体みんなといろんなところを見て回るといった旅の醍醐味はないかもしれない。でも、僕、なんかとっても充実している!!寂しくなんてない!!だって、曜ちゃんのため、いや、Aqoursみんなのためにやっているんだもの!!これまでは生徒会長として、静真のみんなのために一生懸命頑張ってきた。そして、これからは、それに加えて、浦の星のみんなのためにも頑張っていく!!それを実現するためにも、このライブ、絶対に成功させたい!!)

と思っていた。まるで自分の使命ともとれる考え。でも、月にとっては、それこそ生きがい、だったのかもしれない。今までは月は長い間海外に住んでいたため、日本沼津に来た時にはまったくなにもわからない、どんなことでも右往左往するほどだった。が、いとこで大親友の曜を通じて、日本の素晴らしさを知り、そして、みんなと楽しくやっていくことができたのである。そして、静真に進学したとき、月は曜と別れたときの想いのもと、今度は静真にいるみんなのために頑張ることを心に誓い、入学当初から生徒会に入っては静真のみんなのために働いてきたのだった。その月の想いに答えたのか、生徒たちからも絶大な信頼を得ることできたのである。そして、それは月を生徒会長として押し上げる結果となったのだが、一生懸命、一心不乱に働いているがゆえなのか、静真入学のときに持っていた、曜と別れた時の別の想いを月は今まで忘れていた。が、このAqoursとの旅を通じてそれを月は思い出したのである。そして、それを誰かに伝える・・・、そんな使命を月は持っている、そんな感じだった。

 その月、いろんな観光地を見るごとにこんな思いを持つようになる。

(今、アクアのためにいろんなところを下見してている。それは、これからのAqoursを占う上でとても重要になる。本当にとても大切なことをしている。これがもとでライブが成功するか失敗するか決まってしまうかもしれない。僕にとってそのプレッシャーは半端ない。でも、そんなプレッシャー、僕にとってとても心地いい、いや、これ自体とても楽しく感じられる。なんでだろう。相当のプレッシャーを感じること自体楽しく感じられるなんて、僕、おかしくなったのかな?)

 月にとって今やっていること自体相当のプレッシャー、なのに、楽しく感じられる、という二律背反の除隊に少し戸惑いを感じていた。

 

 その後、あらかたの場所を回った月、ライブの場所の候補地を絞り込む。今日の宿はローマに住む月の友達の家。そこで今日撮ったいろんな観光地の写真を見比べる。。そこで そして、月は候補地を4つにするため、まず3つに絞った。

「え~と、トレビの泉、スペイン広場、コロッセオ・・・」

どこもとても有名な観光地でライブができるくらいの広さをもつ場所、そして、イタリアローマを象徴できる場所であった。

 と、ここであともう一つの候補地を月は決めることに・・・。そこである写真を見て、月、一言。

「そして、ここは・・・、あっ!!」

その写真を見た、月、一瞬あることをひらめく。

「たしか、ここ・・・、ある言い伝えが残っているような・・・。それって僕の想いを〇〇〇に伝えるにはいい場所かも・・・」

そう、その場所こそ、あの有名な言い伝えが残っている、そんな場所だった。その場所だったらそこで自分の想いを〇〇〇に伝えることができる、そう月は確信した。

 そして、月はすぐに、

「この場所も候補地として残しておこう」

と言うと、その場所もライブを行う候補地として残すことにした。

 その後、月はすでに真っ暗になった空を見上げながらこう言った。

「曜ちゃんたち、Aqoursのみんな、僕が選んだ候補地で大きく羽ばたかせてね。とてもすごいライブを僕に見せてね・・・」

 

一方、そのころ、フィレンツェでは・・・、運命の(トランプを使った)くじ引きが行われていた。

「せ~の!!」

Aqoursメンバー9人が一斉にトランプをひくと、

「やったずら!!」(花丸)

「うそっ・・・、うそって言ってくれ!!」(ヨハネ)

と、喜びあう者もいれば阿鼻叫喚の地獄絵図とかす者まで・・・。どうやら、あまりの狭さ+これまで大人数で泊まることがなかったためにベッドの数が足りていないのが原因だった。

 というわけで、なんか充実した気分になっている(ローマにいる)月に対し、トランプ一枚によって今日寝る場所が天国が地獄かのどちらかになるため、必死になっているAqoursメンバー、本当に世の中世知辛いものである・・・。

(ちなみに、これ、アマ〇ンの劇場版限定特典のドラマCDからのものです。そして、(ネタばれですが・・・、)ローマの小原家の別荘に泊まろとしている鞠莉に対して速攻で反対したAqoursメンバー、鞠莉以外全員・・・。と、いうわけで、ローマでは月を含めて全員ちゃんとしたホテルに泊まることになりましたとさ。ちゃんちゃん)

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。