ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第6部 第6話

 こうして、ルビィは強い心、強い意志を手に入れた・・・のだが、心の奥底にはある思いが残ってしまった。

(ルビィ、確かにたとえ別れても強いキズナは残るっていうことはわかったけど、でも、それ以外のものって残っている・・・わけないよね・・・。別れるってことはキズナ以外のものを失う、キズナ以外のすべてがなくなる、そんなものじゃないの・・・)

そう、このときのルビィはそう思っていた。あの静真での部活動報告会でのライブでは千歌たち新生Aqours6人は3年生がいないことによりなにもかも失った、すべてがなくなった、それにより不安・心配の深き海・沼に陥ってしまったのである。そんなかでキズナだけは残っている、たとえ別れてもキズナはずっと残っている、ずっとつながっている、ということを月のアドバイスによりそれに気づいたルビィであったが、それ以外についてはなくなってしまったと強い心を持った今でもそう思っていた。

 が、そんなルビィに対し、月は違うことを考えていた。

(これでルビィちゃんは新しく生まれ変わった!!でも、ルビィちゃんに伝えたいことはまだある!!いや、今まで伝えたこと以上に大切なものをまだルビィちゃんには伝えていない。それこそ、ルビィちゃんだけじゃなく、曜ちゃんたち新生Aqoursをよみがえさせるために必要なもの、だからね。だからね、ルビィちゃん、覚悟していてね)

そう、月は強い心を持ったルビィをさらなる高みへと導こうとしていた。そして、それが千歌たち新生Aqoursをよみがえさせる、新しく生まれ変わらせることにもつながると思っていた。

 そして、月、その想いを胸にルビィにあることを伝える。

「でもね、旅立つというのはね、それでなにもかもがなくなるんわけじゃないんだよ!!」

この月の言葉に、ルビィ、おもわず、

(えぅ、たしかにキズナは残るけど、キズナのほかになにか残っているの!?キズナ以外なくならないものがあるの!!)

と、驚いてしまう。別れというものはキズナ以外のものはなくなってしまう、そう思っていたルビィにとって意外ともいえる月の言葉だったからだった。そのためか、つい、

「えっ、それってどういうことなの!!別れてしまってもキズナ以外に残るもの、あるの!!」

と、口ずさんでしまう。これを聞いた月、

(ルビィちゃん、くらいついてきたね!!さぁ、ルビィちゃん、僕についてきて!!今からルビィちゃんをさらなる高みへと案内してあげるからね!!)

と、勢い込むとともに、

(でも、まずはルビィちゃんに今回の件を、なんで不安・心配の深き海・沼に陥ったのかわかってもらわないとね!!)

と、月にとって本題?ともいえることをすることを決めた。

 そして、月はルビィに対しあることを聞いてみる。

「じゃ、なんでそう思ているのかな?」

ルビィの言葉、「キズナ以外に残るもの、あるの!!」、この言葉、裏を返せばルビィの心の中には今さっき知ったキズナ以外のものはなくなる、そう思っていることを暗に示していた。それに月は気づいている、そう思ったルビィ、たまらず、

「・・・」

と、黙ってしまう。

 だが、月の言葉はまだ続いていた。

「僕、曜ちゃんたちを見てずっと気になっていた。だって、大切なもの(ダイヤたち3年生3人)が旅立つことでなにもかもなくなる、そんな感じ、イタリアに来る前の曜ちゃんたち6人にはそう感じられていたんだ!!」

この月の言葉を聞いたルビィ、おもわず、

(えっ、たしかにイタリアに来る前、ルビィたち、そんな思い、持っていた気がする・・・)

と、イタリアに来る前のことを思い出してみる。

(たしかに・・・、ルビィたち、(静真の部活動報告会での)ライブでお姉ちゃん、果南ちゃん、鞠莉ちゃんがいないことに気づいて・・・、とても不安・心配になった・・・、お姉ちゃんたちがいないから・・・、何もかもがなくなった、すべて失った・・・と思ったかもしれない・・・)

と、月の言葉、「なにもかもなくなる」、その言葉を反芻する。さらに、

(そして、その思いのまま、お姉ちゃんたちに会いに・・・、ルビィたちが失ったお姉ちゃんたちを追い求めてイタリアに来ちゃった・・・)

と、イタリアに来た時のことを思い出す。Saint Snowの聖良の勧めもあったが、ダイヤたち3年生がいないことですべてを失ったと思った千歌たち新生Aqours6人はダイヤたち3年生3人に会うことでなにかがわかる・・・というよりも、まるで失ったものを補填したい・・・という思いも少なからず持ってそのままダイヤたち3年生3人がいるイタリアへと渡ったのかもしれない。

 それに気づいたのか、ルビィ、ただたんに月の言葉に対して、

「そ、それは・・・」

と、言葉を濁してしまった。

 が、そのルビィの言葉を聞いて、月、

(あっ、ルビィちゃん、ようやくわかったかもね。ルビィちゃん、いや、曜ちゃんたち新生Aqours6人に今まで襲い掛かっていたもの、それは、ダイヤさんたち3年生3人に対する喪失感、だったんだよ!!あの部活動報告会のライブでダイヤさんたち3年生3人がいないことでルビィちゃんたちはそれまで気づいていなかった喪失感に襲われてすべてがなくなったとそう思い込んでしまったんだよ!!)

そう、千歌たち新生Aqours不調の原因、それは、ダイヤたち3年生3人がいなくなったことによる喪失感だった。浦の星の奇跡のライブによりダイヤたち3年生3人は千歌たちから旅立った。そして、3年生3人が旅立って初めてのライブ、静真高校の部活動報告会でのライブのとき、千歌たちはダイヤたち3年生3人がいないという事実を突きつけられる。これまで千歌たちを守ってきた3年生3人がいないという喪失感、大切なものなどをなくしたときの悲痛な心境、そう、千歌たちはそんな心境に陥ってしまったのである。そして、それがなにもかも失った、全部なくなった、ゼロに戻った、といった心境に結び付き、しまいには不安・心配という深き海・沼に陥る元凶にもなったのである。それを月が気づいたのはあのヴェネチアからフィレンツェに移動中に起きた曜との会話であった。その会話で月は中学3年のときの曜との別れによって起きた月の心境と今の千歌たち、特にルビィの心境に似ていることに気づいたのである。同じ状況であると気づいた月、その心境から抜け出す方法も同じはず、そう思ったからこそ月はルビィに対し(少し遠回りになったが)その喪失感から抜け出そうと導いてきたのである。

 そんな月だったが、

(でも、僕の導きでルビィちゃんは新しいルビィちゃんに生まれ変わることができた。だからこそ、もうわかるんじゃないかな?昔のルビィちゃん、弱弱しいルビィちゃん、誰かに依存しないと生きていけない、そんなルビィちゃんだったらわからないだろう。けれど、今のルビィちゃん、自分ひとりで生きていける、強い心を持ったルビィちゃんだったらきっと見つけてくれるはずだよ!!)

というルビィに対しての熱い期待をしてしまう。それは次のルビィに向けた月の言葉にも表れていた。

「でも、ルビィちゃんはすでにわかったんじゃないかな?「真実の口」を通じてその先にある真実を見つけたんじゃないかな?ルビィちゃんの心の中にその答えがあるんじゃないかな?」

この月の言葉を聞いたルビィ、思わず、

「ルビィの心の中・・・」

と言っては自分の心の中に問いかける。すると・・・、

(たしかにお姉ちゃんと別れても、ルビィとお姉ちゃんのキズナは残っている。あと、それと・・・、残るもの、残るもの・・・。あれっ、それってお姉ちゃんと一緒にいた時間のことかな?お姉ちゃんと過ごした、それかな?あと、そのときのお姉ちゃんの中にあったもの?あっ、もしかして、月ちゃんが言おうとしているものってそれじゃないかな?ルビィの心の中にあるもの、お姉ちゃんとの長い時間で生まれた、とても大切なもの・・・)

と、ルビィの中でその答えに気づいたみたいだった。

 が、月の考えはその上をいく。月、なにかに気づいたルビィを見て、

(ルビィちゃん、ようやく答えを見つけたね。でもね、本当の答えはまだあるんだよ。それを今から教えるね)

と思うと、月はルビィにあることを言った。

「ルビィちゃん、今、思っていること、正解だと思うよ。でもね、それ以上に大事なことがあるんだよ!!」

これを聞いたルビィ、おもわず、

(えっ、まだあるの!!ルビィ、お姉ちゃんとの長い間で生まれた、とても大切なもの、だけだと思っていたよ!!)

と、思ってしまい、それが、

「えっ、それって・・・」

という驚きの言葉ででてしまった。

 このルビィの驚いた表情を見た月はそのまま続けて言った。

「ルビィちゃん、とても大切なものを忘れているよ。それはね、ルビィちゃんにあって僕にはないものだよ」

これを聞いたルビィ、

(えっ、月ちゃんになくてルビィにある!!あっ、ま、まさか・・・)

と、ルビィもその大切なものの存在に気づいたみたいだった。

 月はそのルビィの姿を見てその答えを言った。

「それはね、仲間だよ!!ルビィちゃんにはAqoursという仲間、キズナがあるんだよ!!千歌ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、それに、鞠莉ちゃん、果南ちゃん、そして、ダイヤさんという仲間がね!!そしてね、その仲間を通じてあるものを得たはずだよ!!ルビィちゃん、それはね・・・」

この言葉のあと、月がルビィに本当に伝えたいことを言った。

「それはね、Aqoursというみんなの想い出、みんなの想い、そして、Aqoursを通じて得たキズナ、だよ!!」

このときの月、この言葉の裏ではこんなことを思っていた。

(曜ちゃん、あのときのこと、覚えているかな?僕、あのとき(ヴェネチアからフィレンツェのときに曜と月との会話)がすべてを思い出したんだ)

この思いのあと、浦の星に進学するために月と別れることになった曜が言った言葉を思い出していた。

 

 それは曜から浦の星に進学することを聞いた月が「曜から見捨てられた」「曜から裏切られた」と思い込んでしまったため、曜がすぐに「ずっと友達」と言って慰めるともに別れたとしても曜とのキズナはずっと残っていくことを月に伝えたときのことだった。

(僕、勝手に曜ちゃんとの縁が切れたって思っていたよ)

と、別れることで曜とのキズナが切れた、そう思って自分を恥じた月、このとき、ある決意をする。

(僕と曜ちゃんのキズナはこれからもずっと続く。曜ちゃんとのキズナが切れるわけじゃない。けれど、別れはきっとくる!!それなら、ずっと、曜ちゃんを僕だけのものにする、べったりする、そんな関係に終止符を打とう!!曜ちゃんを温かく送ろう!!そして、なにもわだかたまりなく、なにもかも忘れよう!!だって、別れることはキズナ以外のもの、すべてなくなる、そんなものだから・・・)

こんな決意をした月、曜にこんなことを言った。

「そうだね。僕、勘違いしていたよ。なら、今、ぼっくは曜ちゃんにできることは一つだけ、なにもかもさっぱり、なんにもわだかたまりなく送るよ。なにもかもなくなるかもしれないけれど・・・」

 が、この月の言葉を聞いた曜、月に驚きの言葉を言った。

「月ちゃん、たしかに月ちゃんから旅立とうとしている、そう月ちゃんから見えているかもしれないけれど、とても大切なことを忘れているよ!!」

これを聞いた、月、

「えっ!!」

と、驚いてしまう。このときの月、

(えっ、まだなにか残っているの!!キズナ以外に残るもの、あるの?)

と、あのルビィと同じ思いを持ってしまう。

 その驚きの月の姿を見て、曜はさらに言った。

「月ちゃん、たしかに私は月ちゃんから旅立つけど、すべてがなくなるわけじゃないんだよ!!旅立つっていうのはね、すべてがなくなる、ゼロに戻った、そう感じるものだけど、本当は、私と月ちゃんが一緒にやってきたこと、築き上げたもの、これまでやってきたこと、すべてが私と月ちゃんの心の中でずっと残っている、私はそう思うよ。そして、それはとても大切な想い出、その中で得た私と月ちゃんの想い、そして、それによって作られた私と月ちゃんのとても固いキズナ、私たちのとても大切な宝物としてずっと残っていく、そう思うよ!!」

 この曜の言葉を聞いた、月、

(あっ、僕、本当に大切なことを忘れていたよ。たしかに曜ちゃんの言う通りだよね!!たとえ曜ちゃんと別れたとしても僕の中にはこれまでに得た曜ちゃんとの想い出、曜ちゃんと僕の想い、それに固いキズナが残っているんだよね!!)

と、曜の言葉に納得していた。

 そして、曜は月にとても大切なことを言った。

「「旅立つ=ゼロに戻る」、それって私から言わせたら勘違いだと思うよ。それよりも、その宝物はどんなことをしても壊れない、むしろ、その宝物を通じてずっと永遠につながっている!!だから、私、こう言えるよ、ゼロなんて戻らない、むしろ、その宝物を通じて渡したちは一緒にその先へ進んでいける、未来という新しい輝きにむかって!!」

 この曜の大切な言葉を聞いた月、おもわず、

(た、たしかにそうかも!!その宝物があれば曜ちゃんと僕はずっとつながっていられる!!それどころか、僕はその宝物を通じてずっと曜ちゃんとその先の未来へと進むことができるんだ!!)

と、曜の言葉に感化されたのか前向きな気持ちになる。

 そんな曜の言葉に感化された月に対し、曜、

「それよりも、これから先、あまり会えなくなるんだから、月ちゃん、もっと遊ぼう!!そして、大切な想い出、たくさんつくろう!!」

と、月に元気よく言うと、月、

「うん、そうだね、曜ちゃん!!」

と、曜が言うことに同意した。

 このあと、月と曜は夕暮れ時になるまで一生懸命遊んだのだが、それよりも帰りが夜遅くなってしまい両親からこっぴどく怒られたのであるが、それは月と曜からみればいい想い出になったのである。

 

 この昔の想い出を思い返していた、月、

(そして、今度はこの曜ちゃんの想いを僕がルビィちゃんに伝える番!!だからね、ルビィちゃん、ちゃんと聞いてね!!)

という想いとともにルビィにこう言うのであった。

「それはね、Aqoursというみんなとの想い出、みんなの想い、そして、Aqoursを通じえて得たキズナ、だよ!!」

 この月の言葉を聞いたルビィ、

(Aqoursというみんなの想い出、みんなの想い、みんなとのキズナ!!ルビィ、とても大切なことを忘れていたよ!!お姉ちゃんだけじゃないんだ!!千歌ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、鞠莉ちゃん、果南ちゃん、そして、お姉ちゃん!!この1年間で得たもの、Aqoursを通じて得たもの、すべて、すべてが大切なものだったんだ!!)

と、月の言葉の真意を聞いて本当に大切なものを知ることができたみたいだった。

 が、月の言葉は続く。

「でもね、人というのはね、実際に自分たちの仲間が旅立つんだと思うと残った人たちは再スタート、つまり、今までのことはすべてなくなりまた最初から、ゼロに戻った、もとに戻った、そう感じちゃうんだ。イタリアに来る前、ルビィちゃんたちもなにもかもなくなった、そんな気がしていたね」

この言葉を聞いたルビィ、

(たしかに月ちゃんの言う通りかも。一言で言ったら「喪失感」かな?ルビィをはじめ、みんな、あのライブ(静真の部活動報告会でのライブ)でお姉ちゃんたちがいないことに気づいて、ステージが広く感じられて、不安・心配の海・沼に陥っちゃったもんね。そう考えると、月ちゃんの言うことも一理あるね)

と、ライブで失敗したときのことを思い出す。

 そんなルビィを見てか、月の話はまだまだ続く。

「でもね、僕、声を大にしてルビィちゃんたちに言いたいよ、大事なことを忘れちゃダメだって!!」

このあと、月はルビィに対してあるメッセージを言葉として送った。

「で、僕がいいたいこと、それはね、これまでのやってきたことすべてが僕たちの心の中に残っていることなんだ!!だって、僕たちの仲間が旅立とうとしても旅立つ人たちと一緒にやってきたこと、築き上げたこと、その想い出、その想い、そして、それで得たキズナはね、残った人たち、そして、旅立つ人たちの心の中にずっと残るものなんだよ!!さらにね、旅立つ人たちと一緒に暮らした地、想い出の地もずっと残っている!!そう考えると、「自分たちの仲間が旅立つ=ゼロに戻る」、それ自体間違いだと思うんだ!!それよりも、僕たちや旅立つ人たちが一緒になって経験したこと、やってきたこと、それがみんなの想い出となり、みんなの想いへとつながり、みんなとのキズナへと変わっていく、そして、それらは僕らにとって宝物になっていくんだよ!!」

 この月のメッセージに、ルビィ、

(月ちゃん、たしかにその通りかもね。だって、ルビィたちがあのライブの失敗で得た「喪失感」って「お姉ちゃんがいない=なにもかも失った=ゼロに戻った」といった構図から発生したものだよね!!でも、月ちゃんの言う通り、たとえ離れ離れになったとしても、ルビィたちにはこの1年間で得たものすべてがいい想い出となり、そのなかでみんなの想いへとつながり、そして、みんなとのキズナへと昇華されていく・・・、そう考えると、その喪失感ってルビィたちにとってみれば、幻、だったのかもね!!その幻のせいでルビィたちは苦しんでいたんだよね!!そして、想い出、想い、キズナこそルビィたちにとって宝物なんだよね!!)

と、自分たちが苦しんでいたものそのもの、そして、そのものの幻よりとても大切なものがなにかをより深く理解していった。

 そして、月の言葉はつに佳境を迎える。

「その宝物はたとえどんなことがあってもなにがあっても壊れることなんてない!!むしろ、僕たちは、いや、みんなは、宝物を通じて一緒にその先へと進んでいける、虹の先にある、未来という新しい輝きに向かって!!、って、僕はそう思うよ!!」

この言葉とともに月のルビィに向けた長いメッセージは終わりを迎えた。

 そんな月のメッセージを受け取ったルビィ、思わずこう思った。

(つ、月ちゃん、確かにそうだね!!ルビィ、なんかわかった気がする!!たとえ離れ離れになってもその宝物のおかげでずっとつながることができる!!そう考えると、ルビィ、これまであった、不安・心配というルビィの体に染みついたものがとれていくのを感じるよ!!)

 そして、つにルビィはある決意をした。

(そして、ルビィ、決めたよ!!もう迷わない!!ルビィ、お姉ちゃんたちがいなくても1人でやっていく!!だって、たとえルビィ1人になっても、その宝物を通じて、千歌ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、鞠莉ちゃん、果南ちゃん、そして、お姉ちゃんといつもつながっているんだから!!そして、たとえバラバラになっても、その宝物があるおかげでみんなと一緒にその先の未来へ、虹の向こう側に、Over tha Next Rainbow、それができるから!!)

この決意のためか、ルビィの表情はより凛々しいものになった。自身満ち溢れている、これまでのルビィでは見られなかった、そんな表情をしていた。このルビィの表情を見た月、

(ルビィちゃんがついに新しいルビィちゃんに完全に生まれ変わったよ!!僕、とても嬉しいよ!!ちょっと遠回りになったけど、僕の目標だった新しいルビィちゃんに生まれ変わらせることは達成できたかな?これであとは新しいルビィちゃんが率先して新生Aqoursを立て直してくれるだろうし、これで僕はお役御免、かな?)

と、自分の木庭を果たしたことに満足するとともに、自分の役割もこれで終わりであると実感していた。

 そして、月は思った。

(聖良さん、僕、やりましたよ!!聖良さんの言う通り、僕が新生Aqoursをよみがえさせるためのキーパーソンでした。そして、僕はついにルビィちゃんを生まれ変わらせることができました。これで新生Aqoursをよみがえせるのも時間の問題でしょう。僕、ついにやり遂げることができました。聖良さん、ありがとうございます)

と、聖良に自分がやり遂げたことを告げるとともにその聖良に感謝の言葉を送った。

 が、このとき、月は忘れていた、聖良が月を新生Aqoursメンバー6人と一緒にイタリアに行かせた理由を。たしかに新生Aqours復活のキーパーソンとして一緒に送ったのだが、もう一つ、聖良が月をイタリアに送った理由があった。それは、月自身が抱える問題、静真本校と浦の星分校の統合問題・・・、その統合を叶えるために必要なもの、そう、あの沼田の問い「部活動とはなにか?」「部活動をする上でとても大切なものとは?」だった・・・。それをこのときの月は忘れていた・・・。

 

 とはいえ、自信満ち溢れているルビィと自分の使命を全うしたとそのときはそう思っていた月、であったが、「真実の口」に来た本来の目的・・・を忘れてはいなかった。

「ルビィちゃん、「真実の口」の横に立って手でハートマークを作ってね」

と、月はルビィに対し指示をだすと、ルビィ、

「うん、わかった!!」

と、「真実の口」の横に立って満身の笑顔で手でハートマークをつくると、月、

「じゃ、撮るね!!はい、チーズ!!」

という掛け声とともに、

パシャリッ

と、スマホのカメラのシャッター音が聞こえてきた。本来の目的・・・あの運命のライブの会場探しのために写真を撮る。それはこれまでのルビィでは見られなかったなんと凛々しい、それでいて笑顔あふれている、そんなルビィの姿を撮った写真になっていた。

 その目的を無事に果たした月とルビィ、そして、

「じゃ、ルビィちゃん、ホテルに帰ろうか!!」

と言うと、ルビィ、

「うん!!」

と力強くうなずくと、2人仲良く自分たちが今日泊まるホテルへと帰っていった。

 

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