ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第6部 第7話

 その後、集合時間がもうすぐに迫っていたため、少し駆け足になったが、月とルビィはみんなとの集合場所であるホテルの前に到着する。すると、ほかの8人はすでにその場にいた。

 と、いうわけで、Aqoursメンバー9人+月、合計10人全員が集まった・・・というわけでみんなが撮ってきた写真を見せ合う。その写真を見た鞠莉、

「真実の口、コロッセオ、スペイン広場にトレビの泉!!どこもライブ会場に最適で~す!!」

と、感嘆な言葉が出るくらい、いままで撮ってきた場所を含めてどこもライブ会場としては最適だった。むろん、これについては、月、

(あれっ?こんなはずじゃ・・・)

と、唖然としていた。なぜなら、実はライブの場所の候補地9か所のうち、「真実の口」については月がルビィを生まれ変わらせるために選んだ地、だったからである。「真実の口」の言い伝え(迷信)を口実にルビィを驚かせることで新しいルビィへと生まれ変わらせるために選んだものだった。そして、目的通り、ルビィは新しく生まれ変わった・・・のだが、その効果が絶大だった。これまでの弱弱しい自分から自信満ち溢れる自分へと生まれ変わったルビィ、その自信からみせる絶大の笑顔は「真実の口」を古代ローマの下水道のマンホールから1つの芸術作品へと昇華させてしまったのだ(※何度も言うが「真実の口」は本当は古代ローマの下水道のマンホールだったらしい)。なので、「まっ、ライブ会場の候補地から真っ先に外されるでしょう」と高をくくっていた月だったが、ルビィのまんべんの微笑みによりライブ会場の候補地として残ってしまったのだった。(ただし、候補地9か所すべて残ってしまったのでなんとも言えませんがね・・・)

 と、いうわけで、候補地9か所すべて甲乙つけがたい、どこもライブ会場にしたい、と、ここにいる10人全員同じ考え、だったのだが、それだとライブが大変・・・というわけで、今日の夕食のときにライブ会場についてもう一度相談しよう、ということになり、その場は解散となった。

 そして、解散した後、自分の部屋に戻ろうとするヨハネ、夕食を楽しみにしている花丸に対し、

「ねっ、花丸ちゃん、善子ちゃん!!」

と、呼びかける声が聞こえてくる。花丸、ヨハネ、2人ともその声の方向に振り向くと、そこにいたのは・・・。

「「ルビィ!!」」

そう、ルビィだった。が、2人とも、

(あれっ、いつものルビィちゃんじゃないずら!!(花丸))

(あらっ、いつものリトルデーモン4号(ルビィのこと)じゃないわね(ヨハネ))

と、いつもと雰囲気が違うルビィに驚く。

 が、ルビィ、驚く2人を尻目に、

「ちょっと話があるんだ!!ロビーに一緒に行こう!!」

と、2人に対して言う。これには2人とも、

((えっ、え~!!))

と、いつもの弱弱しいルビィとは思えない、そんなルビィの発言に驚く。

 と、同時に、ルビィ、花丸、ヨハネをホテルのロビーへと向かわせようとしていた。と、いうわけで、ルビィ、花丸、ヨハネ、Aqours1年生コンビはルビィの赴くままホテルのロビーへと移動していった。

 

 ロビーに着いたルビィ、花丸、ヨハネ、そのロビーに設置してあるソファーに3人とも腰かけると、開口一番、ルビィは花丸、ヨハネに対しある質問をした。

「ところで、ルビィたち1年生ってAqoursだとどんな立ち位置なんだろう?」

 しかし、そのことについてまったく気にしていなかったヨハネ、とても凛々しいルビィの雄姿にただ眺めているだけの花丸。これには、ルビィ、

(花丸ちゃんも善子ちゃんもちゃんと聞いて!!)

と、ルビィの言っていることを聞かない花丸とヨハネに対し少し怒り気味になる。そのためか、

「花丸ちゃん、善子ちゃん、答えてみて!!ルビィたち1年生ってAqoursだとどんな立ち位置なの?」

と、花丸とヨハネに力強く聞いてみる。

 この力強いルビィの押しに、花丸、ヨハネ、ともに、

((ルビィ、どうなっちゃったの~)

と、困惑するも、そのルビィの姿に根気負けしたのか、

「1年生の立ち位置ずら~、よくわからないずら~」(花丸)

「1年生の立ち位置って考えたことなかったわね」(ヨハネ)

と、答えてしまう。これには、ルビィ、

(これじゃいつものルビィたちになっちゃう!!やっぱルビィが率先して変えないと!!)

と、自ら進んで変わっていくことを決意すると、この言葉を花丸、ヨハネにぶつけた。

「ルビィね、Aqoursの中で1年生って、どちらかというと、ただついていくだけ、千歌ちゃんたちやお姉ちゃん(ダイヤ)たちの後ろをただついていくだけの存在だと思うんだ」

「ルビィたち1年生は千歌ちゃんたち2年生、お姉ちゃんたち3年生の進む道をただ後ろからついていくだけ。ルビィたち1年生が自ら動いたのって函館の(Saint Snowの)理亜ちゃんのとき、その一件だけだったような気がする・・・」

このルビィの発言、そこにはルビィのある考えがあった。それは、これまでのルビィたち1年生はなにもしてこなかった、ただついていくだけという存在だった、ということ。千歌たち2年生はゼロから今のAqoursを作り上げてくれた。ダイヤたち3年生はそんな2年生、そして、ルビィたち1年生をサポート、フォローしつつ、裏では浦の星の存続などに動いてくれた。これにより、2年生がAqoursのことだけに集中することができた。じゃ、ルビィたち1年生は2年生、3年生の役に立ってきたのだろうか。いや、ただついていくだけ。じゃ、1年生はAqoursのために何かしたのか。いや、なにもしていない。自ら動いたのは理亜の1件だけ。これって今のルビィとダイヤの関係と同じ、ただ2・3年生に守られている、ただついていくだけ、と。

 このルビィの発言、あまりにも的確な答えだったため、花丸、ヨハネ、ともに驚くとともに、ヨハネはルビィに質問した。

「じゃ、なにをすればいいのかな?」

 が、このとき、ルビィ、

(良子ちゃん、このままだと今までと同じ、ただついていくだけの1年生になっちゃうよ!!)

という気持ちとともに花丸、ヨハネに対して逆質問をする。

「これから先、お姉ちゃんたち3年生はいなくなっちゃうんだよ!!千歌ちゃんたち2年生をサポートしてくれる人たちがいなくなっちゃうんだよ!!そうなると誰が千歌ちゃんたち2年生をサポートしてくれるのかな?」

 このルビィの質問に無言になる花丸とヨハネ。この反応に、ルビィ、

(もうお姉ちゃんたち3年生はいないんだよ!!あと残るのはルビィたちだけなんだよ!!それに早く気づいて!!)

という気持ちになり、再び、花丸、ヨハネに対し、

「だれが千歌ちゃんたち2年生を助けるの?」

と、ダメ出しともとれる質問をする。これには、花丸、

(うぅ、ルビィちゃん、強気すぎるずら・・・)

というこれまでに見たことがないルビィの強気に負けそうになる。

 そして、花丸はルビィのダメ出しによってか、ぼそっとある言葉を言う。

「・・・おいらたち・・・」

この花丸の言葉こそルビィが欲しかった言葉だった。ルビィはこのとき、これから3年生がいなくなる今、千歌たち2年生を助けるのはルビィたち1年生しかいないこと、だからこそ、ルビィたち1年生が2年生を助けないといけないことを考えていた。それは言葉として表してしまう。

「そう、ルビィたち1年生しかいないんだよ!!お姉ちゃんたち3年生がいない新生Aqoursにおいて千歌ちゃんたち2年生以外にはルビィたち1年生しかいないんだよ!!」

 が、このルビィの力強い発言をもってしても、花丸、ヨハネが持つ不安・心配・・・、そう、3年生がいない、3年生の助けがないという不安・心配の海・沼から抜け出すことはできなかった。それどころか、これから先、千歌たち2年生をサポートできるかどうかの不安が大きいのか、

「でも、3年生がいないと・・・」

と、花丸から弱気の発言がでてくる。

 が、ルビィ、このとき、ある想いが胸からこみあげていた。旅立つ姉ダイヤをルビィは泊めない、けれど、ダイヤとこれまでやってきたこと、その想い出、その想い、そのキズナは消えない、ずっと心の中に残る、それはAqoursの3年と1・2年との関係でも同じこと、だからこそ同じことがいえる、と。それは言葉として、花丸、ヨハネに提示された。

「お姉ちゃんたち3年生はいなくなるけど、すべてがなくなるわけじゃないんだよ!!お姉ちゃんたち3年生がいなくなっても、ルビィたち1年生はいる!!そして、お姉ちゃんたち3年生がいなくなっても、お姉ちゃん、果南ちゃん、鞠莉ちゃんとの想い出、想い、そして、キズナ、縁までもが消えるわけじゃない!!ずっと続くんだよ!!」

が、とうの2人、花丸、ヨハネは強気で自分の意見をはっきり言うルビィの姿を見て、ルビィの凶変ぶりにたじたじになってしまう。それでも、ルビィはその強気といきおいをもって2人にある提案をした。

「今度のライブはルビィたち1年生が主体となって成功させたいんだ!!これまで千歌ちゃんたち2年生、お姉ちゃんたち3年生についていくだけの1年生じゃなく、これからルビィたち1年生もAqoursの一員として、本当の一員としてやっていけることを千歌ちゃんたち、お姉ちゃんたちにみせたいの、示したいの!!」

 このルビィの提案のあと、ルビィは花丸、ヨハネに対し語り掛けるように言った。

「でもね、それにはルビィ1人だけじゃできないんだ。花丸ちゃん、善子ちゃん、2人の力が必要だよ!!」

「これからは、ルビィたち1年生もどんどんAqoursに参加していきたい!!そして、ルビィたち1年生の未来を切り開いていきたい!!でもね、ルビィ1人だけ動いても力不足かもしれないよ。けどね、花丸ちゃん、善子ちゃんがいればきっとどんなこともやっていける!!3人の力を合わせればきっと明るい未来を切り開くことができる!!だからね、花丸ちゃん、善子ちゃん、一緒にやっていこう!!Aqoursの明るい未来を一緒に切り開いていこう!!新生Aqoursの明るい未来という物語を一緒に紡いでいこう!!そして、安心してお姉ちゃんたちを旅立たせてやろう!!」

このときのルビィ、心の中ではたとえルビィ1人だけ動いても力不足だが、そのルビィの想いに、花丸、ヨハネが加われば絶対に大きな動きになる、だからこそ、今の自分の想いを受け取って3人で力を合わせてAqoursのためにやっていきたい、そんな気持ちでいっぱいだった。

 このルビィの提案に、花丸、ヨハネ、ともに当初はルビィの迫力に戸惑いつつも

ルビィの想いが伝わったのか2人ともルビィの提案に同意した。

 

 そして、夕食のとき・・・。

「それで決まりましたの?」(ダイヤ)

「うん、なんだっけ?」(千歌)

「歌う場所ですわ!!」(ダイヤ)

案の定予想通りだった。夕食時にライブ会場について相談することになっていたが、意見がまとまる・・・はずもなく、点々バラバラな意見がでてしまう。ダイヤはこのときのことを「小田原評定」、いや、「Aqours評定」と評するくらいいろんな意見がでてくる。ひとつの物事に対してAqours全体で動くときはそれだけに集中するくらいやるときはやる、ひとつにまとまる・・・のだが、いつもは三者三葉ではなく、九者九葉ともいえるくらい個々の個性が強すぎるためか点々バラバラになってしまう節がある。それが今回も実証されてしまったのである。そのためか、しまいには、

「全部使っちゃいたいくらいだよね」

と、千歌が発言するくらい9か所すべて使ってしまいたいという意見もでてしまう。だが、今回は鞠莉の将来、スクールアイドルの未来をかけたライブであり、そのジャッジをするのは鞠莉を永遠に拘束したい、さらにはスクールアイドルに否定的な考えを持つ鞠莉‘sママである。今回はその鞠莉‘sママに直接ライブを見せるのであり、複数個所でライブをしてしまうと鞠莉‘sママが鞠莉に、いや、Aqoursに不利なジャッジ、つまり、自分が鞠莉を拘束することを決めてしまうのは確実だった。また、そのライブをあとで動画として編集して鞠莉‘sママに見せたとしてお、鞠莉‘sママの考え「スクールアイドルなんてくだらない」それを覆すことなんてできない、なぜなら、人というのは動画を介して見るより直接見たときの臨場感や迫力というものが人間の五感を刺激するものであり、その人の考えを変えてしまう、なんてことを起こしやすいから。

 で、点々バラバラな意見に対して、ダイヤ、

(なにかまとまるきっかけがあればいいのですが・・・)

と、悩んでしまう。

 が、ダイヤ、このとき、

(あれっ?ルビィ、どうしたのでしょうか?)

と、ルビィの方を見ると、そこには何かを決めた、とても真剣な目をしたルビィの表情があった。

 そのダイヤとは別にそのルビィの真剣な姿を見ていた、花丸、ヨハネ、このとき、

(ついにルビィちゃんが立ち上がるずらね。ならば、ここはおらたちが切り出すずら!!)(花丸)

(ついに、ルビィ、覚悟を決めたわね!!なら、ルビィの想い、このヨハネが助けようぞ!!)(ヨハネ)

と、ここは自らルビィのために一肌脱ぐことを決める。

 そして、ついに1年生のターンが始まる!!曜、

「コロッセオとかは?」

と、発言すると、月、おもわず、

「ビデオカメラは僕に任せて!!」

と、少しでも千歌たちAqoursのためになりたいのか必死にアピール。

 そんなときだった。

「ちょっと聞いてほしいことがあるずら!!」(花丸)

「私たち1年生でも話し合ってみたいのだけど」(ヨハネ)

と、ルビィがすぐに切り出せるようにレシーブ、トスをあげていく。このとき、花丸、ヨハネ、

(善子ちゃん、ルビィちゃん、決めるずら!!)(花丸)

(ルビィ、思いっきり決めなさい!!)(ヨハネ)

と、心の底からルビィに声援を送る。

 この2人の声援に、ルビィ、

(花丸ちゃん、善子ちゃん、2人の思い、届いたよ!!絶対に決めるよ!!)

と、心の中で2人にお礼を言うと、意を決して席を立ちあがりこう訴えた。

「今回のライブの場所をルビィたち(1年生)に決めさせてほしい!!」

ルビィ、渾身の訴え。これにみんな唖然。ダイヤにおいては、

「えっ!!」

と、これまで見たことがないルビィの姿に驚く。ただ、月だけは、

(ついに、ルビィちゃん、決心したんだね!!これまでの弱弱しい自分とおさらばして新しい自分んを受け入れることを決めたんだね!!僕、本当に嬉しいよ!!)

と、感動していた。

 そのルビィ、続けてこれまでは千歌たち2年生、ダイヤたち3年生に頼ってばかりであったことを言うと、

「だから、このライブは任せてほしいの!!」

と、真剣なまなざしで自分の想いをみんなにぶつけた。

 そんなルビィたちの決意をみた千歌、

(ルビィちゃん、一皮むけた気がする。なら、ルビィちゃんたちに任せたらいい方向に進む、そんな気がする!!)

と、思ってしまう。そのためか、ルビィの訴えの後、すぐに、

「それだったら、ルビィちゃんたちに任せよう!!」

と、1人で決めてしまった。

 このことについて、普通なら「独断では」と反対するメンバーがあらわれるはずなのだが、

(千歌ちゃんが言うんだら、大丈夫!!)(曜)

と、千歌の言うことだから、というだけで誰も反対せず。なぜなら、いつも困ったときの千歌の判断は間違いないから、たとえ困難であっても千歌が言うのであれば絶対うまくいく、そんな気持ちが全員にはあった。それは、ラブライブ夏季大会で予選敗退し冬季大会への出場、そして、学校見学会をやめて浦の星が閉校への道へと進もうとしていることに悩んでいたAqoursメンバー、だが、そのときに言った千歌の「あがいていこう!!」という言葉のもと、最後の最後まであがくことを決めたのだ。それにより、閉校まであともう少しのところまで阻止することができたし、ラブライブ!冬季大会を優勝することもできたのだ。なので、千歌が「ルビィちゃんたちに任せよう」という言葉はAqoursメンバー全員にとってこれから先の道しるべだと感じていた。

 と、いうわけで、だれも千歌の決めたことに反論せず、ルビィたち1年生がライブ会場の選定という大役を任せることになった。

 が、このとき、ダイヤ、このルビィの雄姿を見て、逆に、

(えっ、ルビィ、なんでこうなったの?)

と、目を点にして驚いていたみたいだった。

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