そして、ついに曲が始まった。
♪~
と、スペイン広場にPOP的な曲調の音楽が流れてくる。これには、鞠莉‘sママ、
(ふん、意外と軽快なリズムですね!!現代のPOP的な曲調ですね!!)
と、曲に関して一応認めている様子。しかし、
(とはいえ、これだけではこの私は納得しませ~ん!!)
と、いまだもってAqoursを認めていない様子。さらには・・・、
(スクールアイドル、いや、アイドルはとてもくだらないもので~す!!ただのひらひらしたスカートで男たちをノーサツするだけの存在で~す!!ここにいるみんな、このスペイン広場にいる観光客やジーモト民、そして、この私を笑顔にするなんて到底無理なことで~す!!そんな力なんてアイドルにはありませ~ん!!ミラクルが起きない限り私は認めませ~ん!!)
と、アイドルのことすら完全否定していた。
そんな鞠莉‘sママであったが、
(さてと、きっと苦しんでいる鞠莉たちの顔でも見ときましょうか)
と、踊っている鞠莉たちの様子を見る。すると・・・、
(えっ、まわりにまったく知らない人たちばかりなのに、なんでスマイル(笑顔)なんですか!?信じられませ~ん!!)
と、鞠莉‘sママは困惑してしまった。そう、このとき、千歌たちAqoursメンバー全員・・・笑顔だった・・・。
その千歌たちであるが、このときの千歌たちの気持ちはというと・・・、
(今、鞠莉ちゃんたちと踊っている!!それだけで安心できる!!そして、なんかわかった気がする!!ここの出来事を含めてすべてのものが残っていく、そんな気がする!!そして、いまならわかる!!私たち、いつも以上に輝いている!!その輝き、まわりにいる人たちにも伝わっているはず!!)(千歌)
(あっ、この場所、どこかに似ている・・・、あっ、いつも私たちが練習している内浦の砂浜海岸、そこの石階段だ!!たしかあそこって私たちが最初練習した場所、つまり、ゼロの地・・・。最初のころは私、千歌ちゃん、梨子ちゃんの3人だけ。でも、今は9人いる!!あっ、ルビィちゃんが言いたいこと、わかった気がする!!そして、それは私たちを通じてここにいるみんなにスクールアイドルの素晴らしさを伝えることができる気がする!!)(曜)
(私の作曲した曲がみんなの力で披露されている!!これって作曲家冥利に尽きるんじゃないかな?私はそれだけで幸せ!!でも、私はそれ以上に、鞠莉ちゃん、果南ちゃん、ダイヤちゃんと一緒にスクールアイドルを楽しんでいることの方がとても幸せ!!だって、この記憶、いや、想い出はずっと私たちの心の中に残っていく、3人の想い、キズナも残っていく!!そして、それがまわりにいる人たちにも伝わってくれる!!そんな気がしている!!)(梨子)
と、ルビィが伝えたいことをかみしめつつもまわりにいるAqoursのライブを見にきている人たちにもスクールアイドルの素晴らしさを伝えようとする者、
(これが最後のAqoursとしてのステージ!!もう悔いが残らないよう、そして、鞠莉‘sママに、ここにいるみんなに、スクールアイドルの素晴らしさ、教えてあげるんだから!!)(果南)
(私たちがこれまでやってきたことは間違いないと私は思います。だからこそ、ここで私たちのすべてを出し切るつもりです!!そして、ここにいるすべてのみなさんに、私たちの素晴らしさ、スクールアイドルの素晴らしさを教えてあげるのですわ!!)(ダイヤ)
(マリーたちにとってこのステージは最後のステージになると思いま~す!!でも、マリーならわかるので~す、ママ、そして、マリーたちを見に来てくれたみんな、私たちの素晴らしさ、スクールアイドルの素晴らしさ、それをフィーリング(実感)してくださ~い!!)(鞠莉)
と、最後のステージと思いつつもまわりにいる人たちにスクールアイドルの素晴らしさを伝えようとする者、さらに、
(やっぱり3年生がいると落ち着くずら~。でも、この前の果南ちゃんの言葉で知ったずら!!もうなくなるものはないずら!!きっと大丈夫ずら!!)(花丸)
(ふふふ、このスペイン広場にはこのヨハネが最大限に活動できるほどの魔力が満ちてるぞ!!それに、鞠莉たち3年生というリトルデーモンもいる!!だからこそ、今やヨハネは無敵なり!!鞠莉が言っていたあの言葉、このライブで実感しておるぞ!!さあ、ヨハネの名のもと、ここに宣言するぞ!!ヨハネ、これから先も、きっと、大丈夫、だぞ!!)(ヨハネ)
と、3年生と踊れることで安心感を持ちつつもなにかに気づいた者、そして、
(今、お姉ちゃんたちと一緒に踊っている!!歌っている!!今までやってきたこと、その想い出、みんなの想い、そして、みんなとのキズナ、この場所で、このときを、みんなと感じている!!そして、それはずっと続く・・・。それは決してもとに戻るわけではない!!あっ、そうか、そうなんだね、月ちゃん!!月ちゃんが言っていた一言、「旅立つことはゼロに戻るわけじゃないんだね」、それって、今、このとき、この場所で実感している、ルビィ、そんな気がしている・・・)
と、月の言葉を実感しているルビィ、9人それぞれちょっと違った想いをしていた。
しかし、そんな9人ではあるが、心の奥底に眠る想いだけは一緒だった。それは・・・。
(ここにいるみんな、そして、鞠莉‘sママ、私たちの全力全開のステージを見て!!そして、スクールアイドルの素晴らしさ、楽しさ、すべてを感じて!!)
この共通する想いのためか、9人は一心同体ともとれる姿でもって踊り歌った。もちろん、この9人、ともに笑顔でもってまわりにいる観客すべてに、スクールアイドルの素晴らしさ、楽しさを振りまいていた。もう静真の部活動報告会でみせたみじめなAqoursではない、あのラブライブ!決勝でみせた、スクールアイドルを心の底から楽しむ、Aqours本来の姿に戻っていた。ついに千歌たち(新生)Aqoursは完全復活を果たしたのだった。
そんな運命のライブであっても心の底からスクールアイドルを楽しもう、そこから生み出されるまんべんの笑顔のAqoursメンバーの姿を見た、鞠莉‘sママ、ここにきてある異変に気付く。
(Why?まわりが少しずつ変になっているので~す!!ど、どうしてのでしょうか!?)
鞠莉‘sママが気づいた異変、それは、自分のまわりにいる観光客、地元民の対応だった。最初は興味半分でみていた人たち、しかし、Aqoursメンバーの笑顔、そして、心の底から楽しもうとしている姿に、
(It excellent!!)(Very Good Girls!!)(It’s enjoy with me!!)
と、心の底から楽しもうとする観光客、
(Piacevole!!(イタリア語で「楽しい!!」)
と、Aqoursの歌を楽しんでいる地元民、と、Aqoursの歌う姿に心打たれる者が続出、その結果、笑顔をうかべる者、体でリズムを刻む者、目をキラキラさせる者が少しずつ、それもまるで鞠莉‘sママに迫るかのような広がりを見せていく。これには、鞠莉‘sママ、
(こ、これが鞠莉が言っていたスクールアイドルの素晴らしさっていうものなの!!)
と、驚きの表情をみせてしまう。
が、この鞠莉‘sママ以上に驚いている少女がいた。それは、このAqoursのライブを直接撮っている、月、だった。ライブが始まる前、今日のライブは運命のライブであり、それをジャッジするのはスクールアイドルに否定的な人であること、それでも9人で必死に頑張ってきたこと、そのなかで、千歌、曜、梨子、ルビィ、花丸、ヨハネ、6人は著しく成長したこと、それにより今まで以上の輝きをみせることを思いつつもある思いをもってしまう。
(一番大事なのは、今からのライブ、あの失敗のライブ以来のライブということ。いざ本番となるとその輝きも曇ってしまう・・・、また、不安・心配の海・沼に沈みこんでしまう・・・かもしれない・・・)
そう、またあの静真の部活動報告会のライブみたいに失敗してしまうのではないか、それより、またもや、不安・心配の海・沼に沈み込んでしまわないか心配していたのだ。
が、いざライブが始まるとき、ふとAqoursメンバー9人の表情を見る。すると、
(えっ、笑顔!!)
と、月、逆に驚いてしまう。これからの未来を決める運命のライブ、そんな重圧がのしかかっているのに苦しい顔なんて何一つない、本当の笑顔をみせる9人。これには、月、
(でも、なんでだろう・・・、このライブ・・・、成功するような気がする・・・、そう思えてしまう・・・。だって、今、僕の前にいる9人、Aqoursのみんな・・・、笑っている・・・。これから失敗が許されないライブが始まるのに・・・、みんな、笑っている・・・。なんで・・・笑えるの・・・、なんで・・・笑顔・・・なの・・・)
という逆に、このライブは成功する、という思いにもなってしまった。
このふたつの矛盾する思いを感じつつ、月はカメラをまわしながらAqoursの方をずっと見る。そこには重圧を感じつつもずっと笑顔のままでさらに楽しそうな雰囲気を醸し出しているAqoursの姿があった。さらに、そのAqoursの出す雰囲気に触発されたのか、そのAqoursに興味をもってしまい、さらには、Aqoursのライブを一緒に楽しもうとしている観光客や地元民の姿がじょじょにではあるが広がりをみせようとしていることに、月、
(Aqoursのライブを見にきている人たち、なんか1つのライブとしてみんあんと一緒に楽しもうとしている気がする。いや、間違いない!!本当に楽しもうとしているんだ!!今、Aqoursが歌っているのは日本語。だから、歌詞の意味なんてみんなわからない。それでも、笑顔江で必死になってライブを行っているAqoursの姿に心打たれるものがあったのかもしれない。そうでないにしても、徐々にではあるが、このライブを一緒に楽しもうとしている人たちが増えている、それは間違いない)
と、ある確信を持つようになる。と、同時に、月、
(そして、なんでなんだろう・・・、この僕もこのライブをみんなと一緒に楽しもうとしてきている。僕は僕でこのライブを成功させようとこれまで頑張ってきた。それは、ダイヤさんたちに言われてプロデューサー見習として頑張ってきた・・・だけなのに、今も、ただ、このライブをカメラにおさめようと、日本にいるみんなにこのライブを見せようとカメラをまわしているだけなのに、だけど、これまでやってきたこと、この場に、伝説の場にいること自体楽しもうとしている自分がいる、そんな気がする・・・)
と、これまでやってきたこと、ここにいること自体楽しいものだと思えてしまうことに戸惑いを感じる月、そんな気持ちになったのは初めて、そんな気がしていた。
そして、Aqoursメンバーがみせた笑顔、ここにいるみんなと一緒に楽しもうとしている姿はやがてスペイン広場にいる観光客、地元民、すべてを巻き込み、スペイン広場一帯を一つのライブ会場になってしまった。この様子をみた、鞠莉‘sママ、
(み、みんなが笑顔になって鞠莉たちを応援している・・・、いや、みんな、このライブを心の底から楽しもうとしている・・・。これがスクールアイドルっていうものなんでしょうか・・・。こ、これが鞠莉たちが持つ力っていうものなんでしょうか・・・)
と、一瞬戸惑ってしまう。しかし、それでも、鞠莉‘sママ、
(でも、これではっきりしましたね!!)
と冷静になるとこんな風に考えるようになった。
(でも、これではっきりしましたわ!!私はこれまで「スクールアイドルはくだらない」と思っていました。けれど、まったく知らない人たちも一緒になって楽しもうとしている姿、それにつられて、鞠莉たちを見に来てくれたオーディエンス(観客)さえもみんなと一緒になって楽しもうとしている、会場中が一体になっている姿、これを見てわかりました。たしかに、これまでスクールアイドルを見たことがない人たちから見たらスクールアイドルなんてくだらないと思うでしょうね。だけど、実際にスクールアイドルを見て私は気づきました、スクールアイドルは人々を楽しませてくれる、いや、会場中を一体にしてみんなと一緒に楽しませてくれる、そんな存在なんだって!!)
そんな想いを持った鞠莉‘sママ、そのときの表情はえらく険しいもから自然と笑顔へと変わろうとしていた。どうやら、鞠莉‘sママの心の中には鞠莉のことを心配する気持ちもあったみたいだった。それが鞠莉を中心としてライブを楽しもうとしているみんなの姿をみてほっとした・・・のかもしれない。
が、そんなときだった。最後のサビに入ろうとしているとき、ダイヤは一段下にいるルビィに対し、
(おいで、ルビィ!!私の大事な妹!!)
と、手を挙げてルビィに対し「おいで、おいで」のポーズをする。これに、ルビィ、
(はいっ、お姉ちゃん!!)
と、ダイヤの思いに呼応し一段上に昇る、このとき、ダイヤにある感覚が襲い掛かる。それは・・・。
(ルビィがまるで一人前の女性に見えてきましたわ)
そう、ルビィは階段を一段昇ることにより、子どもから一人の女性へと変身を遂げた、ダイヤにはそんな風にみえたのである。ルビィはAqoursというものを通じてさなぎ(子ども)から大人へと生まれ変わる準備をしていたのである。そして、今、まさに、1人の大人へと生まれ変わった、そうダイヤには感じたのかもしれない。この感覚に襲われたダイヤはルビィが一人前の女性になったことに対して嬉しさを感じていた。
が、ルビィは違った。階段を昇ろうとしたとき、ある不安をが頭をよぎる。
(でも、よく考えたら、このライブはお姉ちゃん、鞠莉ちゃん、果南ちゃんにとってルビィと一緒に踊れる最後の機会になるんだよね・・・。もうお姉ちゃんたちと一緒に踊ることはない!!それって悲しい気がする!!お姉ちゃんたちと最後のライブ、そんなのいや!!お姉ちゃんたちとずっと楽しんでいきたい!!これからもお姉ちゃたちと一緒にスクールアイドル活動したい!!)
その思った瞬間、ルビィは昔のルビィ、弱弱しいルビィに戻った、そんな感覚に襲われてしまう。人とは楽しいことが最後であると思った瞬間、ずっとこれが続いてほしい、もっと一緒にいたい、そんな思いが強くなってしまうものである。そして、それが今のルビィにも起きてしまったのだ。結果、昔の弱弱しいルビィに戻った、そんな感覚にルビィは襲われたのである。これには、ルビィ、
(あれっ、なんか笑顔になれない、わからないよ~)
と、少し躊躇してしまう。そのためか、ルビィ、一瞬顔がゆがんでしまう。
このルビィの躊躇している姿にAqoursのライブを見に来ていた観客の人たちは、
(あれっ、ピンクの髪の子、ちょっと調子が悪くなったのかな?)
(あのピンクの髪の子、大丈夫かな?)
と、ルビィのことを心配してしまう。さらに、それが鞠莉‘sママにも伝わったのか、
(あのピンクの髪の子、一瞬笑顔じゃなくあんりましたね!!どうしたのでしょうか?)
と、鞠莉‘sママもルビィのことを心配してしまっていた。
そのルビィの不安、それについて心配する観衆、その姿を見て、ある少女がルビィのことをとても心配そうに見ていた。そう、月である。月は一瞬不安・心配の海・沼に陥ったルビィを見て、
(ルビィちゃん、どうしたのかな?このままいったら、ルビィちゃんがまたのもとのルビィちゃん、弱虫のルビィちゃんに戻ってしまう)
と、ルビィのことを心配するも、
(でも、今はライブ中、僕にはどうすることもできない・・・)
と、月、諦めモードに突入・・・したかと思うも、
(でも、僕、ルビィちゃんを助けたい!!神様、助けて!!)
と、不安・心配の海・沼に陥ったルビィを助けたい、そんな一心で神に祈った。
ついに、ルビィ、ここで昔の弱虫ルビィに戻ってしまうのか、そんな心配が会場中を駆け巡った、そのとき、あるところから心の叫び、ともとれる声が聞こえてきた。
「加油、加油」
それはたまたまスペイン広場に来ていてAqoursのライブに出くわした中国人ファミリーの心からの声援だった。この心からの声援からか、会場中からこんな心からの声援が聞こえてきた。
「Hang in there」「Fai del tno meglio」「Gid dein Bestes」「Faites de votre mieux」
これに呼応したのが、なぜか、鞠莉‘sママ、だった。この心からの声援は鞠莉‘sママにも聞こえていたらしく、
(あの子には立ち直ってほしい、そんな声が聞こえてきま~す!!なら、私もあの子にあの言葉を(日本語で)いいましょう!!)
と、思ってか、自分の心の中からある言葉を叫び始める。
「頑張れ~!!」
と。そう、観客の心の中からの声援、それは「頑張れ!!」だった。ここスペイン広場は世界中のいろんなところから旅行のために集まった人たちが多い。そこに地元民もいるため、いろんな言語で「頑張れ!!」という心からの声援がルビィへの声援として会場中を包み込んでいたのである。
そして、その声援はある奇跡を生み出す。
(ルビィちゃん、ルビィちゃん・・・)
と、ルビィに対し心の底から呼びかけている月。そのとき、突然、
(ルビィ、どうしたらいいの・・・)
と、突然、ルビィの声が月の頭の中に流れ込んでくる。これには、月、
(あっ、ルビィちゃんの声が聞こえてきた!!もしかして、ルビィちゃんの心の中に通じてしまったの・・・)
と、少し戸惑うも、
(でも、これでルビィちゃんの心の中に僕の声が聞こえてくれるはず!!)
と、前向きにとらえることにした。
とはいえ、ルビィからすると、本当に月と心が通じ合っている、なんてことに気づいていないらしく、
(どうしたらいいの~、お姉ちゃん~)
と、ルビィはいまだ悩み続けていた。
そんなとき、
(ルビィちゃん、ルビィちゃん・・・)
と、ルビィ、自分の心の中に突然月の声が聞こえてくる。これには、ルビィ、
(あっ、月ちゃんの声だ・・・。どうして月ちゃんの声がするの?」
と、ルビィ、不思議がるも、月、そんなことお構いなしに本題に入る。
(ルビィちゃん、思い出して、僕の言葉を・・・、あのとき、僕が言った、あの言葉を・・・)
そして、月はルビィに対しその言葉を送った。
(ルビィちゃん、僕が「真実の口」で言った言葉、覚えている?「ルビィちゃん、旅立つことはゼロに戻るわけじゃないのよね!!」それから、僕、ルビィちゃんには仲間がいる、って言ったよね)
この月を言葉を聞いた、ルビィ、思わず、
(あっ、思い出した・・・。月ちゃんの言葉、その続きを・・・、思い出した・・・)
というと、「真実の口」で月が言った言葉を思い出す。ルビィには仲間を通じて、想い出、想い、キズナを得たこと、でも、人は仲間が旅立つとき、ゼロに戻ったと感じてしまうこと、それがイタリアに来る前のルビィたちにあったこと、しかし、本当はそれは間違いであり、むしろ、これまでやってきたこと、すべて、心の中に残っており、たとえ、仲間が旅立ったとしても一緒にやってきたこと、その想い出、想い、キズナはずっと心の中に残っていること、だからこそ、「旅立つ=ゼロに戻る」は間違いであり、想い出、想い、キズナなどが自分たちにとって宝物であり、その宝物を通じてずっとつながっていける、その先に一緒に進むことができる、未来という新しい輝きへと向かっていける、そのことを・・・。
これを思い出した、ルビィ、
(そうだよ!!お姉ちゃんたちは旅立つ、このライブをもって。お姉ちゃんたちはスクールアイドルを卒業する!!けれど、それですべてがなくなったりしない!!ゼロに戻ったりしない!!)
と、自分を鼓舞する。そして、ダイヤの手を握って自分の力で階段を、大人の階段を昇った!!
すると、ルビィの心の中にある確信めいた気持ちが芽生える、このライブを含めて、これまでAqoursとしてやってきたこと、それが想い出として、想い、キズナとして、自分の心の中に宝物として残っていく、その宝物を通じてずとみんなとつながっていく、前に進んでいけることを。さらに、ルビィは月がこのことを伝えるためにルビィにあえてつらくあたっていたこと、それを悟らせようとしたことに気づく。ルビィ、それをも糧としてこれから頑張ることを決心した。
そして、ルビィはそのままダイヤにハイタッチを交わすと、千歌たちの方を見て、
(で、千歌ちゃんたち、ルビィの言いたいこと、気づいてくれたかな?)
と、ルビィ以外のAqours1・2年生5人がルビィがスペイン広場をライブ会場に選んだ意図にきづいたのか心配になる。ここを会場に選んだ理由、それは、ここが今のAqours原点の地(=ゼロの地)である内浦の砂浜海岸にある石階段に似ていること、その地で、今、自分たちは9人で踊り歌っていること、それは昔みたいにゼロに戻ったわけではなく、自分たち9人が今ここにいることを示すことでその9人で得た想い出、想い、キズナといった宝物が自分たちの心の中に残っており、その宝物を通じてキズナという絶対切れない糸でいつもつながっていること、その先に一緒に進める、それを含めて気づいてほしいから。
このルビィの想いであるが、これが良い意味でルビィの笑顔、元気いっぱいのダンス、歌へとあらわれていく。さらに、このルビィの想いがAqoursメンバー全員に波及したのか、最後のサビのまえの鞠莉のソロに入るとき、Aqoursメンバー全員、これまでにない最高の笑顔、元気いっぱい、楽しさいっぱいのダンス、歌でもって観客みんなを楽しませていた。このAqoursの姿を見た月、こう思ってしまった。
(こ、これだよ!!これこそ、本来のAqours、その真の姿、だよ!!)
そう、これこそ、本当のAqoursの真の姿である。いや、それ以上だった。スクールアイドルとして大切なもの、それは、楽しく、元気よく、そして、笑顔で踊り歌うこと、それを体現したAqours、この姿に、Aqoursを見に来てくれた観客たちからは、
「がんばれ~!!」「なんか楽しくなってきた!!」「わくわくします!!」
など、これまで以上にヒートアップしていった。いや、会場にいる全員がAqoursを応援するだけでなく、自ら、楽しくて嬉しい、そんな状況に陥ってしまった。これには、鞠莉‘sママ、
(う、うそでしょ!!たしかに鞠莉の言っていた、スクールアイドルはみんなを元気を与える、ことは知りましたが、そのスクールアイドルって(自分が思っている以上に)ものすご~い影響力を持っているのですか?そんなの、(スクールアイドルのことを認めた私でさえ)いまだもって信じられませ~ん!!でも、信じざるをえないですね~。だって、鞠莉たちを応援する声、どんどんビッグになっているのですから・・・。いや、この私でさえ心の底からもっと応援したいと思っているのですから・・・)
と、驚愕の表情をもってスクールアイドルの素晴らしさを認めてしまった。
だが、鞠莉‘sママに襲い掛かる衝撃はこれだけではなかった。鞠莉、このとき、自分の母親に対しこんな想いを貫こうとしていた。
(ママ、まわりの雰囲気だけ感じ取っちゃダメ!!私たちの歌をちゃんと聞いて!!この歌の歌詞自体、私たちの気持ちを代弁したものなんだから!!)
そう、最初は千歌がフィレンツェでの鞠莉の行動をもとに書き上げた歌詞だった。しかし、日々の練習のなかで、鞠莉にとってより良い歌詞に、そして、鞠莉の母親、鞠莉‘sママに自分たちの気持ちを直接伝えたいがゆえにAqoursのみんなでさらにフラッシュアップしたのである。つまり、「Hop?Step?Nonstop!!」は鞠莉をはじめとするAqours全員の今の気持ち、鞠莉‘sママに伝えたいことすべてを凝縮した歌でもあった!!
そして、鞠莉の想いはついに自分の母親、鞠莉‘sママの心をも貫いた。「スクールアイドルの素晴らしさを肌で感じた鞠莉‘sママ、最後のサビのまえにある鞠莉のソロを聞いたとき、
「あっ、まわりのことでいっぱいでしたが、この曲の歌詞、これって、まさか・・・、鞠莉たちの今の気持ち・・・なのかしら・・・)
と、歌詞を聞いてふと考えると、鞠莉‘sママ、その歌詞にあるものを感じてしまう。
(あっ、わかりました!!鞠莉たちの気持ちが!!鞠莉、いや、鞠莉たちみんな、自分たちの意思で自由なツバサで羽ばたこうとしているので~す!!それがたとえどんなことがあっても、なにがあってもみんなの力で乗り切ろうとしているので~す!!これ(鞠莉たちの気持ち)、聞いてしまいますと、鞠莉‘sママ、もう観念するしかないので~す!!だって、鞠莉‘sママが用意した鳥かごでは、Aqoursという仲間たちのなかで大きく成長した鞠莉という大きな鳥を束縛すること自体、絶対に無理、なのですからね~!!)
この気持ちになったのか、鞠莉‘sママ、ついにあることを決断した・・・。