ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Ruby’s Determination(ルビィの決心) 第2話

 突然現れた鞠莉‘sママによって拉致?された千歌たちAqours6人と聖良に理亞、それになぜか月の9人は鞠莉の実家、小原ホテルの大ホールへと連れてこられた。そのヘリの移動中、ルビィはあることを考えていた。

(理亞ちゃんが怒っていた。たしかにお姉ちゃん(ダイヤ)はもういない。でも、今のルビィにはお姉ちゃんが必要だよ。お姉ちゃん、ルビィ、どうしたらいいの~?教えて~、お姉ちゃん~!!)

そう、今のルビィにとって姉ダイヤの存在が昔以上に大きくなろうとしていた。が、生まれて初めて姉ダイヤがいない状況に陥っていた。だからこそ、ルビィにとって今まさに姉ダイヤという神にすがろうとしているのかもしれない、そんな感じだった、ルビィは・・・。

 そして、小原ホテルの大ホール、そこでの鞠莉‘sママの言葉がそのルビィにとって運命的なものになってしまった。その言葉とは・・・。

「実は鞠莉たちが行方不明になったので~す!!」

この言葉にルビィ、

(お、お姉ちゃんが行方不明!!どうしよう~、どうしよう~)

と、驚嘆してしまう。あのルビィが頼ろうとしている姉ダイヤが行方不明になった、それを聞いただけで意識がとんでいこうとしていた。が、それでも平然でいられるようにごまかす。そこに鞠莉‘sママは千歌たちAqours6人にある提案を持ちかけた。それはイタリアの卒業旅行中に行方不明になった鞠莉たち3人を探してほしいと、そのための渡航費も出すし、見つけたら多額の報奨金も出すと。これにはヨハネ、金に目がくらんでしまうくらいだった。

 が、新生Aqoursのリーダーである千歌は悩んでいた。

「でも~」

行方不明である鞠莉たち3年生3人を探すこと、それが不安と心配という広い海、泥沼、そこに沈んでしまった千歌たちにとってプラスになるのだろうか、と、千歌はそんなふうに悩んでいた。

 そんななか、聖良が千歌に向かってある意見を述べた。

「行くべきだと思います。そして、3年生と1度会って話すべきではないかと」

聖良はこのとき、ある確信を持っていた。それは・・・。

(千歌さんたちが不安、心配の広い海、泥沼に沈んでしまっている理由、それはダイヤさんたち3年生3人がいないこと。ならば、その3年生ともう一度会うことでこの状況を覆すことができるのではないかと)

そう、Aqoursは本来千歌たち6人にダイヤたち3年生3人を加えた9人のグループである。そのうち、屋台骨だったダイヤたち3年生3人が抜けたことで千歌たち6人の心情はとても不安定になってしまい、それが心配、不安という広い海、泥沼に陥ってしまったのである。それなら、もう一度ダイヤたち3年生3人に会うことで昔のAqoursに戻れるのではないか、いや、もっと新しいAqoursになれるんじゃないかと。それほどAqoursというグループは個性がバラバラな9人がいることでこれまで見たことがない化学反応が起き、それが誰もが予想がつかない方向へと進化していった結果、ついにはラブライブ!優勝という輝かしい偉業を成し遂げることができた、それならば、もう一度9人になることで新しい化学反応を起こすことができるのではないか。それが理亞にとってもプラスに働くのではないか。そんな思いから出た考えだった、聖良にとっては。

 そして、その聖良の一言、さらに、曜、梨子からの助言を得た千歌、

「うん!行く!!」

と、元気な声で返事をして、行方不明になっているダイヤたち3年生3人を探すことを決めた。このとき、千歌は、

(ダイヤさんたち3年生3人にまた会える!!そしてら、今の私たちを変えられる、そんな気がする!!)

と、ある意味謎の確信に満ちた思いを見せた。さらに、千歌は思った。

(新しいAqours、ダイヤちゃんたちに会えたら絶対にわかる気がする!!)

 こうして、ついに千歌たちAqours6人とそれの連れ添いとして月の合計7人は行方不明になったダイヤたち3年生3人を探しに3人の卒業旅行先、イタリアへと向かうことになった、3年生3人を探すため、そして、3年生3人に会うことで新しいAqoursとはなにかを見つけるために・・・。

 

 こうして、沼津から成田へ、そして、成田から(千歌が3年生の果南にイタリアに行くことをメールで伝えたら、果南からの送られてきた返信メールに添付されていた写真があると思われる)ベネチアへと飛行機で移動する千歌たちAqours6人。

 そんななか、ルビィはベネチアに行く飛行機の中でこんなことを思っていた。

(理亞ちゃんが言っていた「お姉ちゃんはもういない」けれど、ルビィにとってお姉ちゃんは今でも必要。どうしたらいいの、お姉ちゃん!!)

この想いをルビィは飛行機の中で何度も思ってしまった。

 さらに、ちょうど成田とベネチアの中間地点において、ついには、

(お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!ルビィ、お姉ちゃんが必要だよ~!!)

と、ルビィ、禁断症状に似たような表情になってしまっていた。

 

 そして、その思いはついに、イタリア、ベネチアに到着して弾けてしまう。

(お姉ちゃんのいるイタリアについたよ~。あともう少しでお姉ちゃんに会える!!お姉ちゃん、待っててね~)

昔以上にお姉ちゃんであるダイヤへの依存度が高くなっているルビィにとって姉ダイヤに会えることで心の安らぎを得ることができる、そんな思いから出た気持ちだったのかもしれない。

 が、そんなルビィにある言葉がよぎる。

(「お姉ちゃんたちはもういないの!!」)

そう、理亞の言葉。この言葉を思い出したルビィ、この瞬間、

(あれっ、でも、お姉ちゃんに会えたとしても、それって、ずっとそのままじゃないのよね。いつかはいなくなるんだよね。そうしたら、ルビィ、どうしたらいいの?これから先、ルビィはお姉ちゃん無しで生きていかないといけない。お姉ちゃんがいない。そうしたら、ルビィ、ガンバルビィ、できなくなるよ。どうしたらいいの~。助けて、お姉ちゃん~!!)

と、強く悩んでしまう。どうしたらいいか悩むルビィ。まるでマイナスとゼロの間をぐるぐる回ってしまう、そう、負のメビウスの輪の中に入ってしまったみたいに・・・。

 

「ついた~!!」

と、曜はベネチアの海が見える広場に着くなり、大きく第一声をあげた。そして、果南から送られてきたメールに添付された写真のところを探すことことに。探すだけでも大変な苦労が予想された。

 が、そんな苦労はしなくてすんだ。なぜなら・・・。

「そこ、ベネチアでも有名なところだよ」

と、月。話によると、月は昔イタリアに住んでいたらしく、イタリアのことならなんでも知っているみたいだった。で、今回はイタリア初体験の千歌たちAqours6人のために道案内役、ナビゲーター役をかってでたとのことだった。

 と、いうわけで、

「それでは、レッツ、ヨ~ソロ~!!」

と、曜、ではなく、月、がそう言うと、その写真の場所に移動しようとする。もちろん、

「それ、私のセリフ!!」

と、曜のツッコミを聞きつつも・・・。

 

 その写真の場所へはもちろん車で・・・、ではなく、歩きになってしまう。なぜなら、ベネチアは車の乗り入れは禁止されている。いや、車で移動できる道なんてない。だって、ベネチアは町中を水路が張り巡らせた水の都だから。なので、ベネチアの交通手段は小舟、もしくは徒歩しかないのだ。

 そんななか、

「う~、ジェラート、おいしいずら~」

と、花丸、歩きながら広場の移動屋台で買ったジェラートをほうばりながら食べる。が、そんなとき、月から、

「花丸ちゃん、はやく食べてね。本来であればベネチアでは食べ歩き禁止なんだからね」

と、花丸に注意する。そう、ベネチアでは指定の場所以外の食べ歩きは禁止されている。そのために月は花丸に注意していたのだ。

「それはごめんずら~」

と、花丸、いそいでジェラートを食べる。そして、食べ終わった後、

「ごちそうさまずら。とてもおいしかったずら~」

と、花丸がジェラートの感想を言うと、すぐにヨハネから、

「口のまわりにクリームがついているよ、ずら丸」

と、花丸に指摘する。花丸、すぐに手鏡で自分の口のまわりを見ると、

「そうだずら~。でも、これをこうすればいいずら~」

と、口のまわりについているクリームを指でとってそのまま口へ・・・。

「これはこれでおいしいずら~」

と、花丸、ここでも感想を述べる。これにはヨハネ、

「ずら丸、それ、みっともない・・・」

と、花丸の行動に少しうんざりしていた。これを見ていた月、千歌、曜、梨子はおもわず、

ハハハハハ

と、一連の花丸とヨハネの一連の流れに笑っていた。

 が、その一方で、ルビィはというと、

「・・・」

と、なにやらぶつぶつと浮かない様子だった。

 ただ、このときのルビィの心の中では、

(お姉ちゃんに会える!!お姉ちゃんに会える!!お姉ちゃんに会える!!)

と、なにやら呪文じみたものを念じているかと思うと、すぐに、

(でも、理亞ちゃんの言うとおり、これから先、お姉ちゃんはいない。そしたら、ルビィ、生きていけるのかな?お姉ちゃんなしでやっていけるのかな?)

と、これから先の不安を心配することもあった。こうして、ルビィ、みんなと一緒にベネチアの街中を歩いている最中、心の中ではこの2つの思いをループさせていたのだった。

 

 そして、ついにルビィにある限界がきてしまった。それは果南が送ってきたメールに添付されている写真の場所、目的地の場所近くにあるアーケード街のある一店であるとある店の前だった。

(う~、何か疲れてきたよ~)

2つの思いがループし続けたために少し疲れてしまったルビィ。すると、

(あれっ、なにか飾ってある。少し見に行こう)

と、ルビィ、とある店のショーウィンドーに近づく。そこには。

(あっ、見たことのない仮面だ~)

そう、その店のショーウィンドーにはいろんな仮面が飾ってあった。どうやらベネチア名物の仮面舞踏会やお祭りのときにつける仮面、もしくは、お土産用の仮面のようだった。

 が、ルビィ、その仮面を見ると、なにやらある感覚に支配されていく。

(あれっ、どうして、誰かに見られているような気が・・・)

ルビィ、なにやら誰からかの視線を気にしているようだった。そして、その視線のもとをたどろうとする。すると、ルビィ、あることに気づく。その視線の元は、ルビィが見ているショーウィンドーの中、たくさんのある仮面たちからだった。

(あれっ、これって仮面だよね。仮面だよね・・・。仮面・・・)

ルビィ、ショーウィンドーの中にある仮面たちの認識があるものに変わろうとしていた。

(仮面・・・、か・・・、人!!知らない人!!知らない人に見られている!!)

どうやら、ルビィ、仮面たちを知らない人たちの顔と認識するようになったようだ。さらには・・・、

(知らない人に見られている!!見られている!!見られているよ!!)

と、ルビィ、そう思い込むようになる。そして、しまいには、

(知らない人に見られている!!知らない人に見られているなんて、いや~!!)

と、仮面たちからの視線に嫌がるようになったルビィ。もともとルビィは大の人見知りで内向き思考のところがあるため、知らない人たちのからの視線にはとても敏感だったりする。そして、それが、今回、悪い意味で発揮してしまった。

(こんな知らない人からの視線なんて嫌だよ~。あれっ、なんか知らない人の顔を見えてきた・・・。知らない人がたくさんいる~。だ、誰か助けて~!!)

「ちょっと待ってね~」なんて言葉なんてかける人なんていない。ルビィにとって今の状況は最悪の状況だった。仮面たちをルビィは次々と知らない人の顔に見えてくるようになった。不安、心配の泥沼にはまっているルビィにとって、知らない人たちの顔はそれをさらに深きところへといざなう、そんな思いをルビィにさせるには絶好のものだった。

 そして、ついには・・・、

「ピギィッ!!」

と、ルビィ、仮面の店のショーウィンドーから逃げ出してしまった。

(知らない人の顔!!知らない人の顔!!いっぱいいる!!いっぱいいる!!もういや!!助けて~!!助けて~、お姉ちゃん!!お姉ちゃん、助けて~!!)

逃げているルビィ、心の中で「お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!」と、姉ダイヤに助けを求め続けてしまう。

 そして、ルビィは先に果南が送ってきたメールに添付されていた写真の場所についていた花丸に抱きついてこう言った。

「こわかったよ~、花丸ちゃん~」

すると、花丸、おびえるルビィを察してか、

「よしよし」

と、ルビィの頭をなでる。これにはルビィ、

(ふ~、安心する~。心安らぐ~)

と、少し落ち着いたみたいだった。

 だが、その一方で、ルビィ、

(でも、ルビィにとってやっぱりお姉ちゃんは必要だよ~。ルビィ、お姉ちゃんなしでは生きてられない。だって、ルビィ、お姉ちゃんがいるから生きていけるんだもん!!)

と、姉ダイヤがいない人生なんて考えられない、そんな姉依存をさっそうと決めてしまう、そんな思いも生まれてしまった。

 

 そんなルビィが花丸に飛び込んできたそのとき、近くにあった公衆電話から、

チリリ チリリ

と、ベルが鳴り響く音が聞こえてきた。月はすぐにその公衆電話の受話器をとり、電話にでる。そして、いきなり建物の場所を千歌たちに告げる。どうやら、電話の相手はダイヤたち3年生3人であり、ダイヤから指定された場所に待っている、とのことだった。

 その後、月と千歌たちの7人はダイヤに指定された場所に向かう。そこは上に昇る階段が印象的な建物、「コンタリーニ・デル・ボヴォロ」。千歌たちと月の7人はその建物に到着すると、その建物の1番上の階にいるダイヤたち3年生3人を発見する。

「ダイヤちゃんたちだ!!」

と、千歌が言うと、ダイヤたち3年生3人が待つ1番上の階に向かって全力で昇る、まるで、千歌たちが誰かに助けを求めるかのように。それに対し、月、

「ちょっと待って~!!」

と、千歌たちに言ってから追いかけようとする。

 が、そのとき、月の目線の先にあるものが飛び込む。それはある少女3人の絵とともに赤文字で大きく、

「WANTED!!」

と、書かれていた。それはまるでなにかの指名手配のポスターだった。そのポスターに載っている3人の少女の服装、それはイタリアでは見かけない、いや、日本のどこかの高校のセーラー服だった。そのセーラー服を見て、月、その高校のセーラー服がどこのものかがすぐにわかった。これに対し、月、

(これって、曜ちゃんたちが通っている浦の星の制服だよね。もしかして・・・)

と考え始め、月の脳に残る記憶のかけらを探し始める。そして、ついにそのかけらを見つける。

(もしかして、このポスターに載っている3人って、曜ちゃんたちが探している3年生じゃ・・・)

 だが、そう考え始めたときには千歌たちはダイヤたち3年生3人が待つ階へと先に進んでいた。そう、月にはそのことを考える時間はすでになかったのだ。ルビィたち1年生も千歌たち2年生に追いつくかとぐらい昇っていた。千歌たちに追いつくためには月であっても全力で昇るしかなかった。と、いうわけで、

(ちょっと待って~、曜ちゃんたち~)

と、月、ポスターのことはあとにして、千歌たちに追いつくために階段を全力で昇っていった。

 

(お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!)

階段を昇るルビィにとって心の中はこの言葉でいっぱいだった。もうすぐいとしの姉、ダイヤに会える!!その思いでいっぱいのルビィ、これまで見せたことがないような力で階段をさらに早く駆け登る。それはまるで姉ダイヤに会うことで心の安らぎを得ることができる、そんな思いがルビィに力を与えるかのように・・・。

 そして、ルビィは先に行った千歌たちを追い抜き、千歌たち7人のなかで一番にダイヤたち3年生3人が待つ階にたどり着いた。息を切らせながらもルビィは前を見る。そこにはルビィが会いたかったダイヤを含めた3年生3人がいた。ルビィ、思わず、

(お姉ちゃん!!お姉ちゃんだ!!やっと会えた!!)

と思うと、そのまま、

「お姉ちゃん!!」

と、ダイヤのもとへと駆け寄ってきた。このとき、ルビィ、

(お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!お姉ちゃん!!)

 

と、心の中でなにかを念じていた。それはまるで聖母にすがる人のように・・・。

 そして、ルビィは勢いのままにダイヤに抱きついたのだった。この瞬間、

(もうこれで大丈夫!!お姉ちゃんに会えた!!もう離さない!!)

と、ルビィ、もうダイヤと離れたくないと勝手に決めてしまった。で、対するダイヤはというと、

(もうルビィったら・・・)

と、こちらもまんざらでもない様子だった。

 その後、ルビィに続いて(体力があまり続かない花丸を除いた)千歌たち4人と月が次々にダイヤたちが待つ階に到着する。が、ダイヤたち3年生が知らない少女が1人・・・。そう、ダイヤたち3年生3人と月は初対面だったりする。それでも、月、ものおちせず、

「月で~す!!よろし~く~!!」

と、曜ばりの元気さ、陽気さでダイヤたち3年生3人に挨拶する。これにはダイヤたちもまんざらでもなかった。

 一方、そんな陽気な月の挨拶に千歌たちも少し笑いつつも、このとき、曜、梨子、ともに、

(これでもとのAqoursに戻れるよ!!(曜))

(まずは一安心だね(梨子))

と、安堵の表情を見せる。さらに、千歌にいたっては、

(ダイヤちゃんたちと出会った!!これで新しいAqoursを・・・)

と、なにかを期待するような感じを見せる。

 が、そう問屋が卸してくれるわけではなかった。

「疲れたずら~」

と、ようやく花丸がダイヤたちがいる階に到着する

と、同時に、

ざわざわ

と、花丸の近くにいる一般市民、さらには観光客がなにやら騒ぎ始めたのだ。ダイヤたち、そして、千歌たちにはいろんな言語が飛び交う。英語、フランス語、イタリア語、などなど。これにはイタリア語がわかる月を除く千歌たちには、

「?????」

と、ちんぷんかんぷんになるしかなかった。

 が、月と同じくイタリア語が堪能な鞠莉にはどんなことが起こるかすぐにわかった。そして、鞠莉、

(これはやばいですね~。ここで3人ロングスティは無理ですね~。じゃないと、あいつに捕まるので~す!!)

と思うと、すぐに果南とダイヤに合図を送る。このときのために鞠莉、果南、ダイヤは事前に打ち合わせてをしていた、それを決行する、そんな合図だった。すると、果南、ダイヤ、ともに深くうなずく。2人とも了解した、とのことだった。この了解の合図を確認した鞠莉、ふところからあるものを取り出す。それはボーダー色のTシャツだった。それを外めがけて投げる。そのとき、鞠莉が一言。

「曜、ごめん!!」

普通ならそんなTシャツ投げてもなにもおきない。のだが、それは普通の人の話である、普通の人ならば。でも、そのTシャツを投げることである反応を示す少女がいた。その少女の名は渡辺曜。制服マニアである曜にとってその行為はある意味効果的だった。じゃ、なんで効果的なのか。それは、このボーダーのTシャツが制服だからである。じゃ、どこの制服かって。実はこのボーダーのTシャツ、ベネチアでよく見かける、ベネチアに張り巡らされた水路を縦横無尽に進む小舟を舵一本で操る船頭さんの制服だったりする。で、曜は制服マニア。以前、ダイヤたち3年生3人が1年生のときに着ていたスクールアイドルの衣装を鞠莉が学校の窓から投げた際、曜、自分の身を気にせずにその衣装にダイブしたことがあった。それくらい曜にとって制服はとても大事なものだったりする。で、このときのことをあとで知った鞠莉、もし、緊急事態が起きたときに備えてボーダー色のTシャツを事前に用意していたのだ。そして、今回もベネチアの船頭さんの制服であるボーダー色のTシャツが外に投げられた。で、今回も曜、これに無意識に反応してしまった。

 というわけで、曜、鞠莉の投げたボーダー色のTシャツめがけて、自分の身を気にせずに飛び込んでしまう、この言葉と一緒に・・・。

「「制服!!」」

って、えっ!!曜以外にもう1人、ボーダー色のTシャツに飛び込む少女がいるぞ!!誰だ!!誰だ!!誰だ~!!その少女の名は、月!!なんと、月も曜と一緒に、自分の身を気にせずに鞠莉の投げたボーダー色のTシャツめがけて飛び込んでいったのだ。なんでだ?理由は簡単である。月も曜と同じ制服マニアだからである。月は曜のいとこである。もちろん、昔、曜と一緒に制服ごっこ、というよりも、お互いに制服を作っては着せ替えごっこしていたらしい。そのくらい月も曜と同じくらい制服が好きなのであった。て、いうか、一体どのくらい似ているのだろうか、この2人・・・。

 そういうわけでして、曜と月が自分の身も心配せずにボーダー色のTシャツめがけてダイブ!!その2人を千歌、ルビィ、梨子、ヨハネは身を挺して助けようとする。もちろん、まさか外に投げたただのTシャツに少女2人がダイブする、という突然の出来事に市民、観光客、共に曜と月の方を目を向けてしまう。この瞬間を鞠莉は見逃さなかった。

「ダイヤ、果南、逃げるので~す!!」

と、鞠莉はダイヤと果南に言うと、ダイヤたち3人は事前に示し合わせたかのようにその場を急いで立ち去ってしまった、千歌たちに、「どうやらダイヤたち3人はなにかに逃げまわっている」、そう感じさせながら。

 このダイヤたち3年生3人がその場を急いで立ち去っていく様子を、曜と月を助けるとともに見ていた千歌はこう思って見ていた、

(ダイヤちゃんたち、もしかして、なにかに逃げているの~。まさか、鞠莉‘sママから?でも、本当に待ってよ~。このままじゃ私たちの中には不安と心配しか残らないよ~!!ダイヤちゃんたちがいないと新しいAqoursが見つからないよ~)

と。まるで、ダイヤたちのことを心配しつつも不安と心配でこの先に進めない、そう見えてしまうくらいに・・・。

 が、千歌以上に混乱を生じている少女がいた。ルビィだった。ルビィ、

(お姉ちゃん、ちょっと待って~!!お姉ちゃん、ルビィ、このままじゃ生きていけないよ~!!お姉ちゃん、ルビィを置いていかないで~!!)

と、姉ダイヤが突然いなくなったことで今まで以上に混乱を起こしていたのだ。

 

 突然ダイヤたち3年生3人がいなくなったため、ダイヤたち3人と話し合う機会を失った千歌たち6人。しかし、ダイヤたちがこれから行く場所についてはなにもヒントがない、というわけではなかった。実は鞠莉が投げたボーダー色のTシャツ、そのなかにカードが挟まれていたのだ。そのカードにはこんなことが書かれていた。

「大天使ヨハネが守護する街」「妖精の導き」

どうやら、大天使ヨハネが守護する街へ行き、妖精の導きを探せばいい、そんな感じの文章だった。

 と、いうわけで、千歌たちはそのカードに書かれていることをそのまま鞠莉‘sママに伝え、すぐに守護聖人ヨハネが守護する街、フィレンツェに移動することになった。

 一方、千歌たちからの連絡でカードに書かれていた場所、フィレンツェに鞠莉たち3年生3人がいる、と、気づいた鞠莉‘sママはすぐにフィレンツェ近くの小原家の別荘に移動する。が、鞠莉’sママ、

「ガッテム!!」

と、舌を打つぐらい悔しがる。なぜなら、その小原家の別荘にはもぬけの殻、鞠莉たちがいなかったのだ。実はカードには鞠莉の真意が隠れており、よく読まないと、そして、鞠莉の考えをよく理解しないと本当の行き先を知ることができなかったのだ。なので、書かれている文章を表面上の意味だけで理解してしまった鞠莉‘sママは見事鞠莉の罠にはまってしまったのだ。

 が、そんな悔しい思いをしている鞠莉‘sママにラッキーなこと、というより、棚から牡丹餅みたいなことが起きる。悔しい顔をしている鞠莉’sママが持っているスマホから、

プルル プルル

と、突然呼び鈴が聞こえてきた。それに対し、鞠莉‘sママ、

「はい、小原ですが・・・」

と、スマホをとって電話にでる。どうやら鞠莉‘sママのイタリアにいる親友からの電話だった。

 そして、その電話の最中、

ニヤッ

と、鞠莉‘sママが微笑むとすぐに、

「鞠莉!!待ってなさい!!今、行くからね!!」

と、叫ぶとともに電話を切った。そして、そのままその場をあとにした。

 

 

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