ついに曲が終わった・・・。この瞬間、
ヒューヒュー パフパフ ブラボー
と、観客たちはみなスタンディングオベーションでAqoursを称えた。これには、月、
(よかったよ、みんな!!僕、感動しちゃった・・・。だって、こんなステージを見たの、生まれて初めてだもの・・・)
と、感動していた。
そして、歌い終わったAqours、そのなかで、ダイヤはルビィの方を向く。これには、ルビィ、
「お姉ちゃん・・・」
と、姉であるダイヤに呼びかけると、ダイヤ、そんなルビィに対し、一言。
「もうルビィはなんでもできるのですわ、なんでも!!」
この歌を通じてダイヤが贈った、ただの子どもから1人の大人へと本当に生まれ変わったルビィに対しての最大限の誉め言葉、これには、ルビィ、
(お姉ちゃんから、一人前の女性になったこと、認めらえた!!やったー!!)
と、嬉しくなった。
と、同時に曜はなぜここを会場に選んだのかわざとルビィに聞く。すると、横から花丸が
「沼津の海岸にある石階段に似ているから」
と言うと、みんななんのことだかわからいないようなふりをして笑ってしまった。
が、梨子だけは、
(あっ、なるほどね。だから、ルビィちゃん、ここを会場に選んだんだ)
と、ルビィの意図を薄々と感じていた。
そして、ついに、鞠莉‘sママの評決のときがきた。歌い終わって笑っている鞠莉の前に鞠莉‘sママが立つ。このとき、鞠莉、
(これで私の未来は決まるので~す!!でも、悔いはありませ~ん!!ダイヤと果南、そして、ちかっちたち、みんなと一緒に一生懸命やってきたので~す!!もし、これでダメでも、大丈夫、で~す!!だって、私には、ダイヤ、果南、千歌っちたち、みんなとの想い出、想い、そして、キズナがあるので~す!!それさえあれば、きっと、どんなことがあっても、やっていけるので~す!!)
と、すべてのことをやりつくしたことを感じつつも、
(でも、これだけはママに言いたいので~す、鞠莉の、鞠莉が言える、ママへの最後の反抗を!!)
と、自分にとって最後になるであろう、自分の母親、鞠莉‘sママへへの反抗をすることを決めた。
そして、鞠莉は最後の反抗を、自分の想いを鞠莉‘sママにぶつけた。
「私がここまで会うんできたのはすべてもう私の一部なの、私の一部なの!!ママとパパが私を育てたように、Aqoursやみんなが私を育てたの。何一つ手放すことなんてできない!!それが今の私のなの!!」
これを聞いた、鞠莉‘sママ、あることを確信した。
(そうなんですね~。鞠莉はママとパパが育てたのと同様にハグー(果南)とですわ(ダイヤ)、そして仲間たちから育ててもらっていたのですね。ママの知らないところで鞠莉は元気よく楽しく育っていた、それがこのライブで、鞠莉たちが楽しいところ、元気なところをいかんなく発揮させていたのですね!!結果、鞠莉たちをまったく知らない観客のみんなを、楽しく、元気にさせてくれた、それに感動した観客たちが鞠莉たちを応援してくれたのですね!!スクールアイドルはくだらない、そのために鞠莉は堕落した、そうママは思っていました。しかし、それ自体が大きなミステイク(間違い)でした!!本当はその逆で~した!!ものすごい影響力を持っていたのですね、スクールアイドルは!!そして、鞠莉、鞠莉‘sママが思っていた以上の、ほかとは比べ物にならないくらい、本当に一人前のおおきな女性になっていたのですね~、スクールアイドル活動を通じて、そして、ハグとですわ、その仲間たちのおかげで!!)
仲間たちのおかげで一人前の大きな女性となった鞠莉、そして、スクールアイドルがどれだけ素晴らしいものなのか、それを実感した鞠莉‘sママは一瞬笑うと、そのまま鞠莉たちのもとから立ち去っていった。しかし、その笑顔には鞠莉の成長を心の底から喜んでいる、そんな想いが隠されていた。
ライブは鞠莉‘sママの凍り付いた心すら溶かすほどの大成功・・・だったのだが、なぜか、千歌、ルビィたち1年にまたもやどこか似たような質問をする。
「なんで(ライブ会場に)スペイン広場を選んだの?」
ここでもさっさと答えたのが花丸だた。
「デジャブ!!でも、いいずら。なんか、スペイン広場の石階段が、沼津(内浦)にある砂浜海岸の石階段に似ていたからずら」
またもや同じことをいう花丸、これには千歌もようやく、
「スペイン広場の石階段と沼津内浦の砂浜海岸の石階段に似ている・・・、うん、なるほどね・・・」
と、なにかわかったような感じで答えていた。
一方、そのころ、月はというと・・・。
(ふ~、ようやく終わった・・・)
と、ライブが大成功に終わったことに安堵しつつも、
(さてと、ついにAqoursも復活したし、僕がイタリアでできることはすべて終わった!!あとは・・・、曜ちゃんたちと一緒に祝賀会だ!!)
と、千歌たちみんなと祝賀会の開こうと思ったのか、曜のところに近づく。
すると・・・、
「ルビィちゃん、ちょっといい・・・」
と、月がよく知る人物の声が聞こえてくると、その声に呼びかけられた少女、ルビィはそのまま、
「だれ、ルビィを呼んだのは?」
と、言っては後ろを振り返る。すると、そこにいたのは、千歌、曜、梨子、それに、ダイヤたち3年生3人であった。これに気づいた、月、
(あっ、なにかが始まる予感!!)
と、胸をわくわくしつつも、
(でも、僕が出ていったら、この場面をぶち壊すことになるかもしれない・・・)
と、いうわけで、近くの物陰に隠れてルビィの方を見る。
すると、突然、千歌はあることを言いだした。
「なぜ、スペイン広場をルビィちゃんがライブ会場に選んだのか、なんかわかった気がする!!」
これには、ルビィ、すぐさま、
「なぜ?」
と、聞くと、千歌、その答えを言った。
「それって、千歌たちに、ルビィちゃんの言いたいこと、伝えたいことを気づかせるためだったんでしょ!!」
この千歌の答えを聞いた月、おもわず、
(えっ、千歌ちゃん、今日のライブだけでわかったの!!)
と、びっくりする。だって、たしかにルビィの言いたいこと、それについてのヒントは、ルビィがライブ会場を1年生の手で選ぶことを宣言したあの夕食のあとに起きた、千歌、曜と鞠莉、果南の会話の中であった、が、そのヒントと今回のライブの件ですべてわかるとは、「やっぱりAqoursのリーダーだ」と、感心したからだった。
が、みなさんの期待通りに答えるのが千歌である。ルビィ、
「で、その(ルビィが)言いたいこと、伝えたいこと、ってなに?」
と、逆に千歌に尋ねる。すると、千歌、
「え~と、え~と」
と、ためにためて・・・、一言!!
「え~と、え~と、なんだっけ?」
これには、月、
ガクッ
と、こけてしまう。いや、そこにいるみんなこけてしまった。これには、月、
(う~、やっぱり千歌ちゃんだ・・・)
と、期待を裏切らない千歌の姿にただただ納得してしまっていた。
そんな千歌に変わって曜が答えた。
「たとえダイヤちゃんたち3年生が旅立ったとしてもゼロに戻ったわけじゃない、それを伝えたかったのでしょ!!」
これには、ルビィ・・・はおろか月すら驚く。
(うそっ!!やっぱり曜ちゃんだ!!1を聞いて10を知る、なんて、やっぱり曜ちゃんはすごい!!)
と、曜のことをべた褒めする月・・・であったが、そんな曜はそのまま詳しい説明にはいる。沼津内浦の砂浜海岸、そこは今のAqoursのスタートの地、ゼロの地、原点であり、千歌たちがイタリアに来る前、3年生がいない、練習する場所もない、つまり、ゼロに戻った、なにもかも失ったと思った千歌たち1・2年生6人、そのために、不安・心配の海・沼に沈みこんでしまったために静真の部活動報告会でのライブ、Saint Snowの聖良の前でみせたライブは失敗に終わったことを。これにはさすがの千歌もがっかりする。
そんな曜の説明はまだまだ続く。
「でも、イタリアでの鞠莉ちゃんがらみの騒動、そして、今日のスペイン広場でのライブで、みんな気づいたんだ、ゼロに戻ったわけじゃない、ゼロの地、沼津内浦の砂浜海岸にある石階段に似ている、スペイン広場の石階段で、私たちAqours9人はライブをした。それは、私たち2年生3人だけの昔のAqoursじゃない、本当のAqours9人で行ったんだって!!このこと自体意味があるんだよね!!私を含めて、みんな、ゼロの地で、全力でライブをした!!そう、今のAqoursの原点、私たち2年生が始めた、そのときとは明らかに違う!!私たち9人で、全力で、ライブを行った!!それを意味するものとは・・・」
と、その説明は曜から梨子へと変わる。
「曜ちゃんが言いたいこと、それは、ゼロの地で、みんなと、それも、Aqours9人で、楽しく、元気に、全力で、ライブをした、いや、いろんなところでAqoursとして頑張ってきた、そのことによって、私たちの心の中に、いろんな想い出、いろんな想いが積み重なっていき、さらに、それによってみんなといろんな人たちと深いキズナを結ぶことができた、そして、それは私たちにとって宝物になった、その宝物は、たとえ、ダイヤちゃんたち3年生が旅立ってもずっと残っていく、私たちの心の中に!!それを伝えようと、ライブ会場にスペイン広場を選んだのでしょ!!」
この曜と梨子の答えを遠くから聞いていた、月、
(曜ちゃん、梨子ちゃん、ほぼ正解だよ!!でも、100点満点じゃないのよね!!)
と、曜と梨子の説明・・・というより答えに足りない部分があることを指摘しつつ、
(それじゃ、ルビィちゃん、正解をどうぞ!!)
と、ルビィの方を見る。すると、ルビィ、
「でも、もっと大切なこと、忘れているよ!!」
と言った後、その曜と梨子の答えに足りない部分を言った。
「それはね、たとえお姉ちゃんたちが旅立っても、想い出、想い、キズナ、それらがいっぱい詰まった宝物を通じて、見えないけれど、とても大きな太いキズナという糸でずっとつながっていること!!だからこそ言える!!ゼロに戻ったわけじゃない!!なにも失っていない!!むしろ、大切な宝物がルビィたちの心のなかにいっぱいある!!それを通じて、ずっと、つながっている!!どんなことがこれから起こっても、なにがあろうとも、ルビィたちの心の中にある宝物、そのキズナという糸は切れることなんてない!!むしろ、その先の未来へと一緒に進めることができる!!そのことが、新生Aqoursにとって大切なことだ、と、ルビィは思っているよ!!」
このルビィの言葉を聞いたダイヤ、涙を流しながら喜んでいた。
が、ここで意外な反応をみせる少女が1人・・・。
「ずっとつながっていく、先に進めることができる・・・」
と言うと、いきなり
「ピッ、ピカンッ!!」
と、奇声をあげてしまう。その少女の名は千歌。この千歌の奇声に、ルビィ、ダイヤ、ともに驚くも、そんなことお構いなしに、千歌、
「つながっていく・・・、その先へと進んでいける・・・」
という言葉を言い残すと、目の色を変えてこんなことを言いだしてしまう。
「あっ、なんかわかった気がする!!」
このことばのあと、
「千歌、今から部屋に籠って書いてくる!!」
と言い残してホテルの自分の部屋へと戻ってしまった。そんな、少し変に見えた千歌であったが、曜と梨子からすればそんな千歌を期待しつつ自分たちができることをしようと決心した。ルビィもその曜と梨子に同意した。これにはダイヤも、
「これでようやく千歌さんたち新生Aqoursも軌道にのるってものですね・・・」
と、まるでみんなのお母さんみたいな目でほほ笑んでいた。
「ふう、本当によかったよ!!ライブは大成功!!プロデューサー(見習)冥利に尽きるよ!!これで新生Aqoursのお話も大団円で終わったよ!!僕、大団円で終わったこと、本当に嬉しいよ!!」
と、物陰に隠れていた月、ルビィと新生Aqoursの不安・心配の海・沼から脱する物語は大団円で終わったことを喜びつつ、
「さてと、それじゃ、僕は一目散に退散して・・・」
と、物陰からこっそり抜け出そうとしていた・・・・、そのとき、
「ところで、新生Aqoursのお話ってなにかな?」
と、突然、月に向かって声が聞こえてくる。これには、月、
「ふ~、それは簡単だよ!!ルビィちゃんを使って僕が新生Aqoursを生まれ変わらせる話!!」
と、なんも考えなく言ってしまう。この瞬間、
「ふ~ん、なるほどですね~。私たちたちはまんまと月さんの手のひらで踊らされていたわけですね!!」
と、聞きなれた声が聞こえてくる。これには、月、
「そういうこと・・・」
と、気まずそうな声を出してしまう。月、なにか異変に気付いたみたいだった。
そして、月は後ろを振り向く。そこには・・・。
「あっ、曜ちゃん、梨子ちゃん、それに、ダイヤさん・・・」
そう、月は知らなかった。月が知らないうちに曜、梨子、ダイヤが月のところまで来ていたのだった。
その、月、バツが悪そうにダイヤの方を見ると、
「で、僕になんか御用でしょうか・・・」
と、ダイヤに尋ねてしまう。この月の言葉を聞いたダイヤ、突然怒り始める。
「月さん、たしかにルビィを生まれ変わらせてありがとうございます!!でも、それもこれも月さんの思惑通りであるなら、私、堪忍袋の尾が切れますわ!!」
これには、月、
(あの~、たしかにルビィちゃんを生まれ変わらせるところは僕の思惑通りですけど、鞠莉‘sママさんとのトラブルや今日のライブについては、僕、完全ノータッチなんですけど・・・、僕の思惑通りではないのですが・・・)
と、ダイヤにツッコミをいれようと思うも、すでに怒っているダイヤにいくら言っても無駄であることは月でも知っていた。そのためか、月、
「そこは黙秘いたします!!」
と、完全に黙りこんでしまった!!これには、ダイヤ、
「黙らないでください!!」
と、月に注意する。
と、ここで、曜、
「ダイヤちゃん、ここは落ち着いて!!ルビィちゃんが生まれ変わったことへの裏話については私も梨子ちゃんも知らないけど、今はそれよりももっと大事なことが・・・」
と、ダイヤをなだめると、梨子も、
「そのことについては置いときましょう。今はほかの件で月さんのところに来たのですから」
と、物事を先に進めようとする。
そんなわけで、曜、いきなり、月に話しかけてくる。
「で、月ちゃん、今日のライブのことなんだけど・・・」
このとき、月、
(もしかして、曜ちゃんもダイヤさんと同じく怒っているのかも・・・)
と、戦々恐々とするも、曜、
「てっ、私、月ちゃんのことを別に攻めているわけじゃないよ!!」
と、月に対してあまり怖がらないように言うと、月、
(あっ、そうなんだ・・・)
と、ついほっとしてしまう。
そんな月に対し、曜、いきなり、
「でね、月ちゃん、今回は本当にありがとうね!!」
と、お礼を言いだしてきたのだ!!これには、月、
「えっ、えっ!!」
と、驚いてしまう。自分はそこまで力になっていない、そう思っている月だったので、いきなり曜からお礼を言われるとは思いもしなかったのだ。
そんな少しパニックになっている月に対し、曜は自分の想いを口にした。
「私、今さっき、ダイヤちゃんから聞いたんだ!!私たちがライブを行う上で月ちゃんが裏で大活躍していたって!!ローマに来てすぐに練習場を押さえてくれたし、ライブ会場ですら押さえてくれたときも月ちゃんが一肌脱いだってことだし、それに、それに、私たちがライブをできるように裏方というか、マネージャーみたいなことをしてくれたみたいだし・・・」
これを聞いた、月、
(全部自分のことだけど、聞くだけでとても恥ずかしいよ~)
と、顔が真っ赤になってしまう。曜が言った前3点については自分から動いたことだったが、最後のマネージャーについてはダイヤたち3年生からお願い?されておこなったものなので、全部自分の意思・・・で動いていたわけはなかったために本当に喜んでいいのかわからなかったのだ。
そんな月のことを知らずか、曜はある言葉を月に送る。
「月ちゃんが裏で頑張ってくれたから、私たちは今日のライブを心の底から楽しむことができたよ!!月ちゃん、本当にありがとうね!!」
この曜の素直なお礼を聞いて、月、
(曜ちゃんたち、今日のライブ、心の底から楽しむことができたんだね!!なら、(このライブのためにやった)僕の苦労も報われるってものだよ!!)
と、少しうれしくなると、月、
「いや~、そうかな?」
と、少しは御神ながら答えた。
だが、次の瞬間、月はびっくりしてしまう、曜のある一言に・・・。
「でね、月ちゃん、月ちゃんも楽しかった?」
この曜の言葉、そのとき、月、
「えっ、楽しかった・・・?」
と、一瞬フリーズしてしまう。そんな月に対し、曜は月に圧倒する。
「月ちゃん、私ね、鞠莉ちゃんと鞠莉‘sママさんとの最初の(フィレンツェでの)出来事から今日のライブまで一生懸命やってきた!!ダイヤちゃん、果南ちゃん、鞠莉ちゃんとの最後のライブ、最初はそう思ってしまって、とても悲しくなった。けれど、ダイヤちゃんたち3人と練習していくうちにそれすら忘れて練習に没頭しちゃった!!私、いや、みんな、この時間をとても楽しんでくれた、と思うの!!でも、そんな貴重な時間を共有できたのも、みんな、月ちゃんのおかげ!!」
この月へのお礼を再び言いつつ、曜は本題へと入る。
「で、そんな月ちゃんも楽しむことができた?」
この曜の言葉に、月、
(えっ、僕も楽しむことができた?)
と思っては頭がポカンとなってしまう。そんな月に対し、曜はさらに畳みかける!!
「月ちゃん、月ちゃんもちゃんと楽しめたと思うよ。だって、月ちゃん、熱心に私たちのサポートしていたじゃない!!それに、練習場やライブ会場の確保だってすぐにやってくれたじゃない。それって、とても楽しいから、私たちを熱心にサポートしたいから、やってくれたと思うよ!!」
この曜の言葉を聞いた月、このとき、月の心の中にある想いが浮き上がってくる。
(あっ、そういえば、曜ちゃんの言う通りかも。僕、みんなのために頑張ってきた。最初はルビィちゃんを変えよう、新生Aqoursを復活させようとしていた。それによって静真高校が変わればと思っていた。けれど、今は違う。練習場を確保しようとしたのも曜ちゃんたちAqoursのため、スペイン広場をライブ会場として確保したのはルビィちゃんの想いに答えるため。本当だったら僕がそんなことをしなくてもダイヤさんたちならきっとやってくれたかも。でも、そんなことを気にせずに僕が最初から動いてしまった。それって、僕が、Aqoursのライブを成功させたいためにしていたのかも。そして、僕は最初、ダイヤさんたち3年生から卒業する私たちの代わりにとプロデューサー見習として僕にAqoursの練習のサポートをさせていた。たしかにきつかった・・・。でも、そのかわりに僕の知らないAqoursの一面を知ることができた。無計画的にみえて本当はより良いものにしようとしている曜ちゃんたち。僕はそんな一面を知ることができて本当にうれしかった。もっともっといろんな一面を見たいと思ってしまった。だから、僕はどんなことがあってもAqoursのサポートを頑張ってきた、そんな気がする!!それって、僕自身、それを楽しんでいたのことになるのかな・・・)
そして、そんな想いに浸る月に対し、曜は月にある言葉を贈った。
「月ちゃん、もう一回言うけど、私たちのために頑張ってくれて本当にありがとうね!!」
さらに、梨子からも、
「私も曜ちゃんと同じ気持ちだよ!!だから言うね、月ちゃん、私たちを助けてくれてありがとうございます!!月ちゃんのおかげで新生Aqoursは復活できたし、ダイヤさんたち3年生と楽しい想い出を最後に築けたと思います!!本当にありがとう!!」
と、月にお礼の言葉が贈られる。
最後に、ダイヤも、
「まっ、ルビィの件についてはあとにしますけど、私としてもヴェネチアで再会したとき、千歌さんたちに元気がなかったのはとても気になりました。それをあなたはたった1人の力で千歌さんたちを元気にさせただけでなく、あなたの行動により、今日の(スペイン広場での)ライブを成功に終わらせることができました。これは私たちの力、ではなく、月さんの力によるものです!!それは誇ってください!!渡辺月さん、本当にありがとうございました!!」
この3人からのお礼に、月、
(う~、3人からお礼を言われると、僕も嬉しくなっちゃうよ!!僕、プロデューサー見習として頑張ったかいがあったよ!!)
と、とても嬉しい気分になった。
人というのはなんか一生懸命頑張って成功したとき、とても嬉しくなるものである。それは自分にとってかけがいのないものとなる。が、もし、ただ勝つだけ、ただそれだけを目標にするのであれば、ズルなどをして勝ったとしても、結果としたは「勝ち」となる。最終目標が「勝利」、それに固執するのであればそれでいいだろう。しかし、その「勝利」というものを得るためにしてきたことがとても淡泊なものであるなら、それは人の成長という機会を喪失したものになる。月の場合、たしかにSaint Snowの聖良に言われたこと、さらに、静真での木松悪斗との闘いのこともあり、今回のイタリアの旅は新生Aqoursの復活こそ目標であったが、月はそれをする上でまずルビィを生まれ変わらせることにし、さらに、そのルビィのために自ら動いてライブ会場となるスペイン広場の確保に努めたのである。それと合わせて月はAqoursのサポートをすることになった。それはただ自分の使命だけ動いた・・・わけではない。最初のころはそうだった。しかし、月はルビィのため、Aqoursのために自ら動いたのだ、少なくとも、練習場やライブ会場の確保については・・・。では、その月は使命のためだけに動いていなかったのならどんな思いで動いたのか?それは、自分の意思で楽しみたい、Aqours、特に、ルビィのために役に立ちたい、そんな気持ちから、かもしれない。人というのは、目標のために淡々と物事を進めるだけだとつい飽きてしまったりするものである。たとえ、そうでなかったとしても、どこかで力を抜いたりさぼったりすることで中途半端なものになってしまうことがあったりする(とても管理された状況であれば話は別になるかもしれないが・・・)。しかし、その目標において自ら楽しむのであればそれは話が別になる。楽しんで物事にあたったり練習をするのであれば、途中で飽きることなくそれに熱中できるものなのである。むろん、熱中するあまり途中でダウンすることもあるが、「自ら楽しむ」というのはそれくらい強力な武器ともなりえるのである。そして、たとえ、誰からの指示で最初仕方なくしていたとしても、知らないうちにそれに対する面白さにひかれていき、結果、自分の自覚がないのにそれを楽しんでしまうことがはよくある話である。今回の月もそれにあたるかもしれない。しかし、それであっても、ただたんに管理された状態で成功したのと自ら楽しんで結果的に成功した、どっちの方がその人にとって自分に対する達成度を多く感じられるのだろうか。それは、いわずもがな、自ら楽しんで達成した方が自分に対する達成度を多く感じられるのである。その意味でも、月にとって自ら楽しんでサポートしたAqours、そのAqoursのライブが大成功に終わったことについて、月にとってみればとても嬉しい気持ちになるとともにこれまで自ら楽しんできた自分の姿に気づいたのかもしれない、自分に対する達成度を多く感じられたがゆえに。それに対して、ただたんに管理された状態で成功したときの気持ちってどうなのだろうか。それについてはあとで話すことにしよう。
とはいえ、3人からお礼を言われたことにとても嬉しくなるも、月、
(うん、これで僕の役目も終わり!!あとは日本に帰るだけ!!でも、その前に、ローマに来たんだし、いろんなところに観光したいな~)
と、ことが終わったことで有頂天になっていた。そんな月に対し、
「それじゃ、月ちゃん、またね!!」(曜)
「また、明日、お会いしましょう」(梨子)
と、曜、梨子から別れの挨拶を受けると、月、
「うん、またね!!」
と、月も2人に別れの挨拶をする。
そして、、
「さてと、今からバチカンに・・・」
と、月が言った、その瞬間、
「月さん、お待ちなさい!!」
と、浮かれる月を引き留める声が聞こえてくる。これには、月、
「あれっ、この僕を引き留める声が・・・」
と、言ってはその声がするほうを向く。すると、そこには・・・、
「月さん、忘れてないでしょうね。私のルビィを生まれ変わらせたこと・・・」
と、怒りの形相になっているダイヤが月の前で仁王立ちしていた。これには、月、
「さて、なんのことでしょうか・・・」
としらばくれてしまう。
すると、ダイヤ、
「ルビィの件と今回のことが月さんの思惑であった件ですわ!!」
と、月に対して怒鳴ってしまう。これには、月、
「え~と、それについては黙秘ということで・・・」
と、バツが悪そうに言うと、ダイヤ、
「ちなみに、ルビィについてはあとで、く・わ・し・く、ルビィに聞きます。まずは、今回の思惑について、月さんにきつい、バツ、を与えないといけませんですわね!!」
と、月に対してきつく言うと、月、
「え~!!」
と、がっかりするような大声をだしてしまった。