ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7章前編 第1話

「月ちゃん・・・、月ちゃん・・・」

月を呼ぶ声がする・・・。そんな月への呼びかけに、月、

「う~、むりゃむりゃ・・・」

と、眠たい目をこすると、

「う~、なんだよ~」

と、月、声がする方に目を向ける。

 すると、

「月ちゃん、もうすぐだよ!!」

と、月がよく知る子どもが月の目の前にあらわれた。それに、月、

「う~、曜ちゃん・・・」

と、月の目の前にいる子どもこと曜に言う。が、そんな月、あることに気づく。

(あれっ?曜ちゃんってこんなに小さかったかな?)

そう、ここ最近一緒にいる曜と比べて背が少し小さかった。いや、背だけじゃない、姿、形、ともに、高2の曜じゃない、まるで、月が初めて曜と会ったときの・・・、そう、小3から小4のときの曜とそっくりだった。

 でも、月からすれば懐かしい・・・とは思っていなかった。いや、お久しぶり、と言えた。なぜなら、月はここ最近、小3から小4のころの・・・幼いころの曜と会ったことがあるからだ。それは、イタリアローマの「真実の口」にて月がルビィに伝えたこと「旅立つとはなにもかもがなくなる、ゼロに戻るわけではない」、それに月が気づいた、そのきっかけとなった夢、その夢の中での出来事だった、月が幼い曜と出会ったのは。中3の時に月とは違う高校に進学することを月に伝えた曜に月は、大親友だった曜が自分と別れてしまう、なにもかもがなくなる、そんな絶望的な考えを持ってしまう。しかし、そんな月に対し、曜は、「旅立ちとはなにもかもがなくなる、ゼロに戻るわけじゃない。むしろ、これまで築いていた、月との想い出、想い、キズナは残っていく」「それは宝物になり、それを通じてずっとつながっていく」と月に伝えたのだ。その忘れていた記憶、その想いを幼い曜は夢を通じて月に伝えたのだ。そして、幼い曜によって月はその記憶、想いを思い出したことにより、あの弱弱しいルビィを一人前の立派なレディに生まれ変わらせたのである。のだが、そのとき以来、月の夢の中に幼い曜が出てくることはなかった。

 しかし、そんな幼い曜がふたたび月の目の前にあらわれたことに、月、

(あれっ、あれれ・・・)

と、戸惑うばかりだった。ルビィは生まれ変わることができた。新生Aqoursは無事復活を果たした。もうAqours関連のことは一部を除いてもう解決した・・・はずなのに、月を導く者、幼い曜がふたたび月の目の間にあらわれた、ということは、幼い曜は月になにかを伝えようとしているのか、そんな疑問が月にでてきてしまう。いや、またなにか大事なことを忘れていないか、なにか大事なことを思い出す必要があるのか、そんな心配が月のなかに生まれたからだった。しかし、月が戸惑っているのはそれだけではない、自分が今感じているものがいつもと違っていたのだ。

 そんな戸惑う月、であったが、

(あれ、あれ、って、少しは落ち着かないと!!)

と、さすがは月、急いで落ち着きを取り戻すと、すぐさま、なぜか自分の今の姿を確認してみる。すると・・・、

(な、なんじゃこりゃ!!)

と、月、驚いてしまう。自分の姿を確認した月、その姿、いつもと違うその姿に驚いてしまう。なぜなら・・・。

(ぼ、僕、小さくなっている・・・)

そう、月の今の姿、なんと、昔の自分・・・、小3から小4のころの幼い曜と同じく小3から小4のころの月、曜と会ったばかりのころの姿になっていたのだ。これには、月、

(幼い曜が僕の夢の中にあらわれたときは驚いていたが、まさか、この僕も小さくなるなんて・・・)

と、ただただ茫然するしかなかった。

 そんな月であったが、そんなことおかまいなく、曜、

「月ちゃん、もうすぐ着くよ!!」

と、幼くなった月の手を引っ張るとそのまま目の前にある階段を一生懸命駆け上った。これには、月、

「ちょ、ちょっと待って~」

と、曜の勢いに巻き込まれてしまう。

 と、このとき、月、あることに気づく。

(あれっ、僕、どこかで見たことがあるところに来ている・・・)

そう、月が今いるところ、そこは、昔、曜と一緒に行っていたところ、というよりも、ビル・・・、その階段だった。月は昔、曜とこのビルによく来ていたのだ。そして、そのビルの階段を曜と一緒に(・・・というよりも、曜が強引に月を引っ張りながら)駆け上ろうとしていたのだった。

 その階段を駆け上がる曜と月。そして、ようやくその階段の頂上にたどり着く。すると、曜、

「着いた~!!」

と、大声をあげると、月、

(ふ~疲れた~!!)

と、元気ありすぎる曜に強引に引っ張られたこともあり息切れしてしまっていた。

 が、そんな月に対し、曜、

「ほら、あともう少しだよ!!」

と、どこ吹く風、月が息切れするくらい疲れている・・・ことなんて完全無視、なのか、先へ先へと進もうとする。これには、月、

「本当にちょっと待って~!!」

と、曜に立ち止まるように言うと、曜もようやく月の様子に気づいたのか、

「あっ、月ちゃん、ごめん!!」

と言っては立ち止まってくれた。

 そんな曜であったが、息を整えている月に対し突然あることを言いだす。

「でも、あともう少しで美しいもの、見れるよ!!」

この曜の言葉に、月、

「美しいもの?」

と、首をかしげてしまう。そんな月に対し、曜、

「この扉の向こう側にあるんだよ、美しいもの!!」

と、声を高々にあげると、曜、階段の先にある扉を開ける。すると、そこには・・・、

「うわ~、美しい・・・」

と、月も高々に声を・・・、

「美しいもの?」

と、なぜか首をまたかしげてしまう。

 そして、月は曜に言った。

「このどこが美しいものなの?人がいっぱいいるだけだよ!!」

と、曜に文句を言う。たしかに月の言うとおりだった。扉を開けて目の前に広がっていたもの、それは・・・たくさんの人たちが群がっている光景だった。このどこが美しいものなのか、月にとってみれば疑問だった。

 しかし、曜は違っていた。

「月ちゃん、この人たちもその美しいものを見るために来ているんだよ!!」

と、月に言うと、またもや月の手を強引に引っ張っては、

「この人たちの先にあるんだよ、美しいもの!!」

と言って、曜、月と一緒にその人混みのなかを必死にかき分けていく。むろん、月、そんな曜に強引に引っ張られているためか、

「曜ちゃん、痛い、痛いよ~!!」

と、人にぶつかっていっては悲鳴ともいえる声をあげていた。

 が、そんな痛みなんて一瞬で終わった。

「痛い、痛い・・・、あっ!!」

と、月、人混みから抜け出した瞬間、月の目の前にある光景が広がる。そこには・・・、

「あっ、沼津の街並み・・・」

そう、月の目の前には沼津の街並みが広がっていた・・・が。

「でも、薄暗い・・・」

そう、本来なら沼津の美しい街並みが広がっているのだが、なぜか薄暗かった。

 そんな月に対し、曜はなんで薄暗いのか答えてみせた。

「だって仕方がないんだもん。まだ朝の6時だもん!!まだお日さまも昇っていないよ!!」

そう、今の時間、まだ太陽なんて昇っていない、早朝であった。まだ東の空が少し明るくなっただけであり、美しい沼津の街並みを照らすはずの太陽すらまだ顔を見せていなかった。

 が、突然、曜はあることを言いだす。

「でも、あともう少ししたらこの美しい街並みはさらに美しくなるよ!!」

その曜の言葉を聞いた月、

(たしかに僕の目の前の広がる沼津の街並みも美しいよ。でも・・・)

と、曜の言葉に不信感をもつ。たしかに、月の目の前に広がる沼津の街並みも暁に照らされて綺麗である。が、それ以上にこの街並みがもっと美しくなるのだろうか、それが疑問だった。

 そんな疑問を持った月であったが、そんなことを知らないのか、曜はのほほんと月に言った。

「あっ、もうすぐ始まるよ、沼津で一番美しい光景がね!!」

その曜の言葉とともに月の目の前で驚きの光景が繰り広げ始めた。

「えっ、あっ、あっ、建物が輝き始めている・・・」

そう、月の目の前にあった沼津の街並みがどんどん輝き始めていた。この輝きに、月、つい、

(うわ~、ダイヤモンドみたいにどんどん輝き始めているよ!!美しい!!)

と、目をキラキラさせながら感動していた。

 この月の姿に、曜、

「どう、これこそ沼津の中で一番美しいもの、だよ!!」

と、月に対して言うと、月も、

「うん、そうだね!!」

と、曜の言葉に同意していた。

 その月と曜の周りにいる大人たち・・・であるが、あるものは沼津の街並みに向かってはお辞儀をする者、手を合わせて拝む者もいた。むろん、その人たちは沼津の街並みに対してお辞儀をしたり拝んだりしたわけではなかった。その美しいものを作り出したものに対してお辞儀したり拝んだりしていたのである。日本は古来よりそれに対して敬っていた。それゆえにこんな光景が起きてもおかしくなかった。が、そんなこと、このときの月と曜には知る由もなく、ただ、目の前に繰り広げられる美しい光景をただただ感心していたのだった。

 そして、この美しい光景が繰り広げられたあと、曜は月に向かってこう言った。

「私、この美しい光景を月ちゃんに見せたかったの!!だって、月ちゃんと楽しい思い出、たくさん作りたいから!!月ちゃんと楽しいこと、もっと、もっと、やっていきたいから!!」

この曜の言葉に、月、

「僕もそう思うよ!!曜ちゃんと楽しいこと、いっぱい、いっぱい、やっていきたい!!」

と、曜の言葉に同意した。

 そんな月に対し、曜はあの言葉を送った。

「あっ、忘れていた!!え~と、え~とね~、月ちゃん、あけましておめでとうございます!!」

 

 この曜の言葉に月も、

「あっ、曜ちゃん、僕からも言うね、あけまして・・・」

と、言いかけた瞬間、突然、

「月ちゃん、月ちゃん、起きて!!」

と、どこかで聞いたことがある、そんな声が天から降り注いできた。これには、月、

「う~、とてもいい場面なのに~」

と、ちょっと眠たそうな声で言うと、すぐに、

「月ちゃん、起きて!!もうすぐ到着するよ!!」

と、月に衝撃的な言葉が降り注ぐ。これには、月、

「もうすぐ・・・到着・・・、って、えっ!!」

と、天変地異が起きた、そんな声をあげると、そのまま、

「えっ、もうすぐ到着するの!!」

と、言っては驚きの表情になって自分の顔をあげた。

 そして、月はまわりを見渡す。すると、目の前には曜の顔が見えた。その曜、

「私、心配したんだからね!!起こそうと思って何度も月ちゃんに呼びかけたのに、月ちゃん、起きないんだもん!!」

と、月に対して言うと、月、

「あっ、僕、寝ていたんだ・・・」

と、自分の置かれた状況を把握する。月の目の前にいる曜は今さっきまでいた小3から小4の幼い曜・・・ではなく、高2の体育会系美少女、曜、であった。これに気づいた月、

(あっ、僕、また夢をみていたんだ・・・)

と、これまでのことを悟った。どうやら、今までのことはすべて月の夢の中の出来事だったようだ。

 しかし、月、このとき、ある思いをしていた。

(でも、これって、僕がルビィちゃんを諭すきっかけをつくった、あのときの夢と同じもの、かもしれない・・・。もしかすると、僕にとって今必要な思い出、記憶・・・なのかもしれない・・・。それを僕は完全に思い出さないといけないのかな・・・)

 

「ぬまづ~、ぬまづ~」

成田から電車で沼津駅まで戻ってきた千歌たちAqoursメンバー9人と月。

「それじゃ、グッドラ~ク!!」

と、鞠莉が元気に言うと、千歌も、

「それじゃ、またね、鞠莉ちゃん!!」

と、鞠莉に向かってお別れの挨拶をする。沼津駅までは一緒に行動していた千歌たちAqoursメンバー9人。ただ、このあと千歌たち1・2年メンバー6人はちょっと用事があるらしく、沼津駅で鞠莉たち3年生3人と別れることになったのだ。

 こうして、鞠莉たち3年生3人と別れた千歌たち1・2年メンバー6人、その微笑ましい光景を見ていた月、曜に対しあることを尋ねる。

「ところで、鞠莉ちゃんたち(3年生3人)ってこれからどうするの?」

これには、曜、すぐに答える。

「たしか、鞠莉ちゃんの家(ホテルオハラ沼津淡島)に一緒に泊まるみたいだよ!!イタリアでとれなかった(3年生3人の)時間をここでとるんだって!!」

この曜の言葉を聞いた月、

(ふ~ん、そうなんだ。僕にプロデューサーのイロハを教えてくれていたから、3人だけでいられる時間がなかったんだね。そう考えると、鞠莉ちゃんたちにちょっと悪いこと、したかな・・・)

と、ちょっと悪いことをした、そんなことを考えてしまった。

 が、そんな考えに陥った月であったが、

(それでも、これまで僕にいろんなことを教えてくれてありがとうございます、鞠莉ちゃんたち!!これからはごゆっくり3人だけの時間を楽しんでくださいね!!)

と、鞠莉たち3年生3人に対して心の底からお礼を言っていた。

 そんなときだった。突然、

チリリン チリリン

と、いう音がどこからか聞こえてきた。これには、曜、

「あれっ、月ちゃん、なんかスマホから音が鳴っているよ!!」

と、月に月のスマホから音が鳴っていることを教える。これには、月、

「あっ、本当だ~!!」

と、言っては自分のスマホを取り出しその画面を見てみる。すると、

「あっ、ナギたちからだ!!」

と、言っては、

「ちょっと席を外すね!!」

と、曜たちに言ってはその場を離れた。

 

月がその場を離れたあと、曜は千歌にあることを伝えた

「ところで、千歌ちゃん、むっちゃんたちにあのこと、伝えていいの?」

と言うと、千歌、

「あっ、そうだった!!むっちゃんたちに伝えないと!!」

と、よいつむトリオにあることを連絡することを忘れていたのかそれを思い出して言った。これには、梨子、

「もう、千歌ちゃんったら、電車の中でみんなと確認したこと、忘れていたなんて・・・」

と、呆れかえってしまう。そう、千歌たちAqoursメンバー9人は電車の中であることを確認しあっていたのだ。そこで確認したことを沼津に到着してからよいつむトリオに連絡することになっていたのだが・・・、それを千歌は忘れていたのだった・・・。これには、千歌、

「ご、ごめん、梨子ちゃん・・・」

と、それについて指摘した梨子に対し謝罪する。これには、みんな、

ハハハ

と、苦笑いするしかなかった。

 とはいえ、よいつむトリオに電車の中で確認したことを連絡すること、それを思い出した千歌、すぐに、

「え~と、070・・・」

と、自分のスマホにむつの電話番号を入力して電話をかける。すると、

「はい、むつですが・・・」

と、千歌のスマホからむつの声が聞こえてくると、千歌、

「あっ、むっちゃん、おひさしぶり!!実はね・・・」

と、むつに電車の中で確認したことを伝えた。

 

 一方、月はというと・・・。

「あっ、ナギ、お久しぶり!!」

と自分のスマホに向かって言うと、そのスマホのスピーカーから、

「あっ、月生徒会長、お久しぶりです!!」

と、ナギの元気な声が聞こえてきた。これには、月、

「で、なにか大事なことがあったのかな?」

と、ナギに言うと、ナギ、嬉しそうな声で、

「はい!!月生徒会長がイタリアで頑張っていたとき、こちらでも進展がありました!!それはですね・・・」

と、月がいないあいだ沼津であったことを月に伝えた。さらに、ナギ、

「それに、私たちに強力な仲間が加わったんです!!」

と、新しい仲間が加わったことも月に伝えた。このナギの報告を聞いた月、

「えっ、すごいじゃない!!」

と、驚きの声をあげていた。

 その後、月はナギから新しい仲間を紹介したいと言われたため、

「それじゃ、このあと、そっちに向かうからね!!それじゃ、よろしく!!」

と言っては電話を切ってしまった。

 

「ヨハネ、帰還!!」

月がナギの電話を切ったあと、沼津駅の北口に向かってみると、ヨハネが元気よくこう叫んでいた・・・のだが・・・、

「着いたずら~」(花丸)

と、千歌たち(ヨハネ以外の)5人はヨハネの言うことなんて完全無視していたのかそのまま駅前のバス乗り場へと向かっていた。これには、ヨハネ、

「ちょっと待ちなさい!!」

と、千歌たちに向かって叫ぶもそれも完全無視!!これには、月、

「あはは・・・」

と、ヨハネに哀れみつつも苦笑いするしかなかった。

 

 こうして、千歌たち新生Aqours1・2年6人と月は沼津駅北口のバス乗り場から直接ある場所へと向かっていた。自分たちの家に荷物を・・・というよりも大きなキャリーケースを置いていくことすらせずにそのまま向かった場所とは・・・、

「静真高等学校浦の星分校」

そう、沼津市市街地近郊の山の中にある、これから千歌たち浦の星の生徒たちが1~2年間通うであろう、あの廃校になった学校であった。どうやらそこで千歌たちはある人物と待ち合わせをしていたみたいだった。

 その浦の星分校にバスで向かっている最中、月は千歌にあることを尋ねてみた。

「今から向かう場所って浦の星分校がある場所だよね!!そこで秘密の作戦会議でもするのかな?」

これには、千歌、

「うん!!電車の中でみんなと確認しあっていたのだけど、これくらい大規模なことをすることで、私たち(浦の星の生徒たち)、静真本校に通えることができればいいんだけどね・・・」

と、月に元気よく言う。しかし、月、その千歌の期待にあることを心配してしまう。

(たしかに、こんな大規模なことをすれば静真本校と浦の星分校の統合に反対している静真の生徒たちや保護者たちに浦の星の生徒たちはやればできることを示すことができるかもしれないけど・・・)

そう、思い出してほしい。静真本校と浦の星分校の統合に反対している静真の生徒と保護者はなぜ統合に反対しているのか。それは、「(地方予選初戦敗退続きになるくらい)部活動に対する士気が低い(と思われている)浦の星の生徒たちが(全国大会に出場する部活動が数多くあるくらい)部活動に対する士気が高い生徒たちがいる静真の部活動に参加すると、士気低下、対立により、静真の部活動に悪影響がでる」だからである。なので、千歌たちはこれから大規模なことを浦の星の生徒たちで行うことにより「浦の星の生徒たちは一つの大きなことを成し遂げることができるくらい(部活動に対する)士気が高い」ことを証明しようとしているのだ。

 が、ただそれだけしたとしても統合に反対している生徒や保護者たちを納得するだけの保証になるかははなはな疑問である、と、このとき月は思っていた。なぜなら、たしかに大規模なことを浦の星の生徒たちだけで行うのであれば「(部活動に対する)士気が高い」という証拠にはなるかもしれない。けれど、ただそれだけである。いや、それ以上にある問題が発生してしまう可能性があった。その問題、実際に浦の星の生徒たちが静真の部活動に参加したときに発生してしまうのではないか、そう、月は思っていた。その問題点とは・・・、部活動に対する士気が高い浦の星の生徒、同じく、部活動に対する士気が高い静真の生徒、そのあいだで対立が起きるかもしれない、ということであった。士気が高い者同士仲良く?やっていれば対立は起きないだろう。しかし、士気が高い、ということは、自分に対するプライド、もあったりする。その場合、士気が高いがゆえに自分のやり方にこだわりを持ったりプライドが高かったりすることもあるので、その士気の高いほかの生徒に自分のやり方を無理やり進めたりその生徒のやり方に口を出したりする可能性がでてきてしまう。そうなると、その(士気の高い)生徒は自分のプライドがずたずたに切り裂かれてしまったと思うかもしれない。たとえ、それが悪気もなくその生徒のためと思って言ったことだとしても、である。そんなことが浦の星の生徒、静真の生徒、そのあいだで起こるのであれば、それが部活動内での対立につながるのでは、と、月は考えてしまったのだ。

 で、そんなことを心配していた月・・・であったが、

(でも、そんな対立すら生まれないようにナギたちがそのための助っ人を用意してくれている!!その存在、それが浦の星の生徒たちと静真の生徒たちのあいだに大きな架け橋となる、それくらいすごい助っ人をね!!)

と、ある自信を持っていた。そのナギたちが用意した助っ人とは・・・、それはのちほどのお楽しみである。

 

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