ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7章前編 第4話

 その後、生徒会室に戻ったナギたち静真高校生徒会役員たちは通常理事会の反省会を行うのだが、このとき、ナギ、新学期の始まるまでのあいだ、静真のほとんどの生徒や保護者たちが静真本校と浦の星分校の統合反対に傾いてしまったという自分たちにとって不利的状況、それを覆すために自分たちにできることをしようとほかの生徒会役員みんなに提案する。

 が、その不利的状況を覆すことができるのは月とAqoursしかいない、とほかの生徒会役員が指摘するも、ナギ、それを認めつつも「月たちのお手伝いをすることができる」と発言、自分で考えた施策を生徒会役員たちに披露した。

 役員曰く、

「でも、具体的になにをすればいいのでしょうか?」

これに、ナギ、生徒会役員たちを集めて小声でこう答えた。

「実はね、もう考えているんだ。それはね、新生Aqoursのお披露目ライブ!!月生徒会長の手によって復活した(新生)Aqours、それを静真の生徒や保護者達、いや、沼津のみんなにお披露目するための大規模なライブをね!!」

 これを聞いた生徒会役員たちはナギの考えを絶賛するもこれまで大規模なイベントを開催したことがないナギたち静真高校生徒会にとってそのノウハウがないことを嘆くことに・・・。

 それについて、ナギ、その嘆く生徒会役員たちに向かって、

「たしかに私たちだけだとね、それは無理かも・・・」

と、それについては認めつつも、

「でも、私たちだけでやる、って言ってないしょ!!あの人たちの力を借りればきっとうまくいくよ!!」

と、元気よく言いきった。これには、生徒会役員たち、そんなナギに期待するようになると、ナギ、その助っとの名前を元気よく叫んだ。

「それはね・・・、浦の星の生徒たち、だよ!!浦の星のみんなはこれまで学校説明会や閉校祭といった大規模なイベントを自分たちの力だけで成し遂げてきたんだ!!それに、内浦で行われるイベントの運営などにおいても浦の星の生徒たちが積極的にかかわっている、って聞くよ!!そんな大規模なイベントのノウハウを持つ浦の星のみんなの力を借りれば絶対に成功するよ!!」

このとき、ナギは知っていた、内浦にある由緒ある歴史を持つ高校である浦の星女学院、その生徒たちは、内浦で行われるイベントにおいて中心的な役割を担うことが多かった、そのことを。たしかに、浦の星の生徒たちの力だけでAqoursの単独ライブを実施した経験はなかった・・・が、自分たちが通っている浦の星がある内浦のためになりたい、その一心で、浦の星の生徒たち、内浦で行われるイベントの運営・管理などにおいて貴重な若い人材として活躍していたのである。だからこそ、よいつむトリオは千歌、曜、梨子、たった3人だけで行った、Aqoursファーストライブ、そのスポットライト、音響設備をいとも簡単に使いこなしていたのだった。

 そんな、浦の星のみんなという強力な助っ人の名前を聞いた生徒会役員たちはみな、

「これは力強い味方だ!!」

「この人たちなら静真の保護者たちが持つ(浦の星の生徒たちに対する)不信感を一気に払しょくできるいい機会になります!!」

と、ナギの考えに絶賛するとともにナギの作戦に同意した。

 

 こうして、生徒会役員たちとの反省会?は無事に終了。ナギは部活動報告会のライブの失敗で意気消沈している千歌たち(新生)Aqours1・2年6人を慰めに行った月に「統合は当分のあいだ延期」というメールを送るとすぐによいつむトリオに電話をかけた。ちなみに、ナギとよいつむトリオは中学のときに同じ塾に通っていた仲であり大親友ともいえた。そのよいつむトリオへの電話のなかでナギはむつに部活動報告会後に行われた通常理事会での出来事を洗いざらい話した。むろん、自分たちの退学を賭けて浦の星の生徒たちの処遇の守ろうとしたことも。これには、むつ、

「それはやっちゃダメだよ!!」

と、ナギに対してきついダメ出しをするも、ナギ、「今はしないよ」と、やんわりと否定しつつ、

「でも、私、決めたの!!これから先、月生徒会長とAqoursが私たちが求めているものを見つけてくれる、って、そして、それを静真のみんなにも伝えるためにね、こんなこと、したいの!!」

と、むつに逆提案を仕掛ける。むろん、その提案とは・・・。

「それはね、静真のみんなを含めた沼津の人たちに新生Aqoursのお披露目を行うライブ!!どこかの大きなフェスみたいにたくさんの人たちの目の前で、私たちの生徒会長、渡辺月、の手によって復活した新生Aqours、それを大々的にお披露目するの!!ラブライブ!決勝みたいに、凛々しく、一生懸命、そんな新生Aqoursのパフォーマンスを沼津のみんなに見てもらうの!!」

 これを聞いたむつ、

(千歌たち新生Aqoursが復活すればきっと素晴らしいライブになるはず!!私たちもやりたい!!でも、それって、ナギたち静真高校生徒会が中心で行うことになるから、私たちじゃ・・・。いや、それよりも、ナギたち静真高校生徒会だけでそんな大規模なライブ、できるのかな・・・。特に、生徒会の中心ともいえる渡辺月生徒会長って子はいないんだよね・・・。たしか、渡辺月っていう生徒会長、深く傷ついた千歌たちを復活させたい、そう思っているんだよね・・・)

と、ナギたちのことを心配していた。このとき、むつ、ナギから月が不安・心配という深き海・沼に陥っている千歌たち(新生)Aqours1・2年6人を復活させるためにナギたちとは別行動をとっていることを教えてもらっていたため、その生徒会の中心ともいえる月なしでそんな大きなライブが成功させることができるのかちょっと不安になっていた。

 が、ナギ、このとき、

(むつ、よしみ、いつき、あなたたちがこの計画の主役、なんだからね!!あなたたちが中心になって盛り上がってくれたら絶対にうまくいくよ!!)

と、大変乗り気であったためか、むつに対しこんなことを言いだした。

「たしかに、私たち(静真高校)生徒会だけなら難しいかもね。でも、むっちゃんたちがその一大プロジェクト(新生Aqoursのお披露目ライブ)に参加してくれたら、きっと、いや、絶対に、成功するよ!!」

 このナギからの発言を聞いたむつ、

(えっ、私たち、浦の星の生徒がそのAqoursのライブに参加していいの!!もし、そのことをみんなに言ったら、みんな、絶対に参加するよ!!いや、これって、浦の星と静真の合同のライブになるんだよね!!それって、もしかすると、静真(本校)と浦の星(分校)の統合にプラスに働くんじゃないの!!)

と、驚きの心の声とちょっとした皮算用をはじいてしまう。むろん、静真本校と浦の星分校の統合にプラスに働く、といった皮算用をはじいたのには理由があった。それは・・・。

(これまで、浦の星のこと、学校存続のこと、などはすべて千歌たちAqoursに任せきっりだった。私たち(むつたち浦の星の生徒たち)はずっとそれを遠くから見ているしかなかった。そのAqoursが、今、統合のことなどで苦しんでいる・・・。そんな状況で私たちはただそのAqoursを遠くから見守るだけでいいのかな・・・。いや、よくない!!これからは私たちも自分たちの力で動く!!千歌たちAqoursのためにも、私たちの力で動いてみせる!!)

そう、これまでは、というよりも、学校関連の問題(統廃合など)においてはむつたち浦の星の生徒はダイヤとルビィの関係と同じく千歌たちAqoursに依存していた節があった。学校の統廃合においてはAqoursが最後まであがいているものの、むつたちはそのときもただそのAqoursに任せっきりだった。結局、統廃合が決定したあと、目標を失いやる気を失ったAqoursに消えゆく「浦の星」という名前をラブライブ!に深く刻み込んでほしい、という願いを千歌たちAqoursに送ったことによりAqoursは完全復活、結果、ラブライブ!に優勝して「浦の星」の名前をラブライブ!に深く刻み込むことに成功した、のだが、学校関連についてはそれ以外すべて最後までAqoursに任せっきり、だったのである。しかし、そのAqoursが、今、危機的状況に陥っている、そのなかで自分たちができることをして、そのAqoursを救いたい、役に立ちたい、そんな気持ちがむつの心の中を駆け巡っていた。いや、むつだけじゃない、むつと一緒にいた、いつき、よしみも同じ状況だった。

 そんなむつからなのか、そのむつからこんな言葉が飛び出してきた。

「私たちが参加・・・、えっ、それって、とてもいい考えだね!!だって、私たち、これまで、浦の星のこと、全部、千歌たちAqoursに任せっきり、だったもんね!!それを、これからは、私たちもそれに参加できる、って、とても嬉しいこと、楽しいこと、だもんね!!」

むつの参加表明、それはむつの隣にいた、よしみ、いつき、も同じ想いだった。

 と、いうわけで、ナギはむつたち浦の星の生徒たちも新生Aqoursお披露目ライブに参加することをむつから聞いた上で、このライブのことは月とAqoursには秘密でいるように約束してから電話を切った。

 このあと、ナギは夕日に向かって想った、ナギが考えだした一大プロジェクト、新生Aqoursお披露目ライブ、その弱点、それが、部活動報告会のライブの失敗により不安・心配の深き海・沼に陥ったAqours、ではなく、ラブライブ!決勝でみせた、楽しく、華麗に、そして、ダイナミックにパフォーマンスをしている本来のAqours、じゃないといけないことを、そうでなければこのお披露目ライブは失敗に終わる、そのためにも、月にはAqoursを無事に復活させてもらいたい、そして、沼田からの問い「部活動とはなにか」「部活動をする上で大事なこととは」、それに答えてもらいたい、と・・・。

 

 その翌日、ナギたち静真高校生徒会とよいつむトリオは秘密裏に新生Aqoursお披露目ライブの準備を始めることにした。まず、ナギとよいつむトリオはやばコーヒーでどのように行動するか話し合った。最初に決まったのが、このライブの主体はよいつむトリオたち浦の星の生徒たちであることだった。というよりも、ナギからお願いされた、というのが実情だった。その理由は、「「部活動に対する士気が低い」という静真の保護者たちの浦の星の生徒に対する認識を、大規模なライブを浦の星の生徒たちの力で成し遂げることにより、「浦の星の生徒たちは一つの物事を成し遂げることができるくらい士気が高い」、そんな認識に変えてもらう」ということだった。もちろん、これも立派な理由の一つ・・・なのだが、これにはもう一つ裏の理由というものもあった。それは、ナギたち静真高校生徒会が表立って動けば、静真高校生徒会の敵である木松悪斗たちから妨害を受ける可能性があったからだった。でも、実はとある理由で木松悪斗たちはナギたち静真高校生徒会の妨害をすることは強く禁じられていたのだが、外にはばれないように妨害されることも予想されていた。なので、浦の星の生徒たちが主体となって行動し、ナギたち静真高校生徒会が裏でバックアップすることでその妨害を少しでも防ぐことができるかもしれない、そうナギが考えていたのだ。むろん、理由はまだあった。表向きの理由である「静真の保護者たちの認識を変える」ことにおいて、ナギたち静真高校生徒会が浦の星の生徒たちと同じ位置で行動してしまうと、静真の保護者たちに与えるインパクトが欠けてしまう危険性があったのだ。あくまで、「部活動に対する士気が低い」という認識を変えるのが目的だったので、静真高校生徒会、浦の星の生徒たち、両方とも同じ立ち位置で行動してしまうと、その認識を変えるほどのインパクトを静真の保護者たちに与えることができない可能性が出てきてしまう。それを危惧したナギ、そのことをよいつむトリオに伝えるとよいつむトリオもそれについては了承し、このお披露目ライブは自分たち浦の星の生徒たちが主体となって動くこと、ナギたち静真高校生徒会はそのバックアップに就くことが決定したのだった。

 さらに、ライブにおける分担についても話し合われた。メインとなって動くよいつむトリオら浦の星の生徒たちがライブをするためのステージの立案・作成などの内務全般、ナギたち静真高校生徒会がライブ場所の確保、音響機器などのステージ機材のレンタル、ライブ会場に出店してくれるお店の受付などの外務全般を担当することになった。とはいえ、このお披露目ライブ、大規模なイベントになるため、浦の星の今の生徒(1・2年生合わせて60~70人くらい・・・)だけでは音響などのステージスタッフすべてを賄うことができないため、スタッフの足りない分については静真の生徒が助っ人として参加することが決まった。とはいえ、静真高校生徒会としても静真における影響力が大幅に縮小した今、それほど静真の生徒たちをそんなに動員できないこともよいつむトリオには伝えていた。

 そして、最後にこれからどう動いていくかを決めた。まずは仲間集めに専念することにした。それは、静真、浦の星、両方ともいえた。静真においてはナギたち生徒会の影響力が大幅に縮小した今、生徒会を慕う生徒はそんなに多くはなかった。さらに、そのなかから、浦の星の生徒のために動いてくれる生徒の数、といったらそのごく一部しかいなかった。なので、静真でこのお披露目ライブのために手伝ってくれる生徒、現状ではそんなに多くはいなかった。

 では、浦の星は・・・というと、こちらも喜ばしい現状ではなかった。こんな大規模なライブのために浦の星の生徒たち一丸となって動く・・・ことがこのときにはできなかった。なぜなら、部活動報告会でのライブの失敗により不安・心配という深き海・沼に陥った千歌たち(新生)Aqours1・2年6人、その状況のなかでお披露目ライブを行ったとしても失敗するのではないか、そんな心配をする浦の星の生徒が数多くいたからだった。たしか、こんな状況にAqoursは一度だけ陥ったことがある。それは、ラブライブ!冬季大会東海最終予選をトップ通過したものの目標だった廃校阻止を叶うことができなかったときだった。このときは自分たちの目標を失ったことにより千歌たちAqoursメンバー9人はスクールアイドルを続けるやる気を失ってしまった、のだが、これまで廃校阻止へと頑張ってくれたAqoursに浦の星の生徒たちが新しい目標、ラブライブ!に消えゆく浦の星の名前を深く刻み込んでほしい、それを全員でAqoursにお願いしたことによりAqoursは復活、結果、ラブライブ!に優勝し浦の星の名前をラブライブ!に深く刻み込むことに成功した、のがだ、今回はそのとき以上に千歌たち(新生)Aqours1・2年6人が落ち込んでおり、励まそうにも肝心の浦の星がなくなった今、みんな一緒に千歌たちを励ますことができないこと、前回はラブライブ!というちゃんとした目標を達成できる場所があったが、今回はその目標となる、そう確実にいえる場所がないこと、たとえ自分たちがその場(新生Aqoursお披露目ライブ)を準備しても失敗すれば自分たちにも大きな損害がでてしまう、という大きなリスクを懸念していた、そんな理由からだった。

 そこで、まずはよいつむトリオら浦の星側としてはほかのみんなを説得していくことにし、ナギたち静真側としてはそのあいだお披露目ライブに向けての下準備に着手することになった。

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