ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7章前編 第6話

 と、いうわけで、裏美、勝手に自分の主人である木松悪斗の名をかたって沼津の行政、お店、企業に圧力をかけていた、のだが、そう簡単に問屋はおろさなかった。なんと、ここで登場するのが、あの沼田、であった。

 その沼田、通常理事会のあと、静岡市内にある沼田グループの中枢企業、その会長室に戻った・・・わけではなく、沼津市内にある自分の実家にずっといたのだ。実は、沼田、沼田グループの経営は社長である自分の息子に任せていた。その息子がかなりのやり手であり、沼田本人がいなくても沼田グループの経営は常に安泰、であった。ただ、沼田が会長なのは、もし、その有能な息子でも対応できないことがあったとき、その沼田が自ら陣頭指揮を執りグループ一丸となってその危機を乗り越える、いわばセーフティーネット、最後の砦的存在として会長の席に座っているため、だった。それほど、沼田の持つ求心力はとても強い、ともいえた。が、そんな危機的状況がそんなに起きるわけでもなく、さらに、息子がかなりのやり手なので、沼田の沼田グループにおける出番はそんなになかった。なので、実は、沼田、案外ひま、だったりする。それでも、沼田、毎日沼津のいろんなところ(ときどき日本各地)を訪れてはその地の人たちと一緒にいろんなお話(というか、いわゆる世間話?)をするのが日課になっていた。

 ただ、その日課のおかげで沼津で起こるいろんな問題を沼田はすぐに察知することができ、その問題を沼田はすぐに解決することができた。たとえば、浦の星女学院と静真高校の統合であるが、沼田が内浦を訪れていたとき、偶然、小原家当主、つまり、鞠莉の父親に会うことができたのだが、このとき、「内浦にある浦の星は生徒数が減少しており、このままだと浦の星は近いうちに閉校しなくてはならないだろう。どうしたらいいか」と、小原家当主が沼田に相談していたのだ。その沼田、「自分のご先祖が創立し、浦の星と同じく由緒ある歴史を持つ静真と対等に統合したら」と小原家当主に提案、それが静真高校と浦の星女学院の統合へと結びついたのだった。むろん、千歌たちAqoursの抵抗などいろんなことがあったものの、2月初めまでその統合は決定事項になっていたのだが、今は木松悪斗によって紆余曲折な状態になっている。とはいえ、浦の星女学院と静真高校の統合、もとのはじめは内浦での小原家当主と沼田の相談がことの発端だった。

 と、いうわけで、沼田、部活動報告会後に行われた通常理事会があった日の翌日、いつもと同じように沼津市内の山間の小さな集落に行ってはその集落に住む人たちとたわいのない話をしていた。その最中、ある敬老者から沼田にびっくりするようなことを突然言いだしてきたのだ。その敬老者、曰く。

「ところで、沼田殿、木松悪斗という若造をご存じですか。その若造がこのたわいもない老人たちに圧力をかけているのじゃ。なんでも、あなたの学校、静真高校の生徒会、それに、静真と同じく、沼津でも歴史がある浦の星の生徒たちの手助けをしないでくれ、って言っているのじゃ。この私としても、もし静真の生徒たちや浦の星の生徒たちが助けてほしいって言われたら助けたいのじゃ。だって、2校とも由緒ある歴史を持っておるし、2校の生徒とも礼儀正しい若者たちじゃ。そんな若者が困っているときはこのおいぼれであっても親切に手助けするのが当たり前じゃ。が、その手助けをすると木松悪斗という若造の名のもとこのおいぼれたちを一瞬でひねりつぶしてしまう、と、その若造は言っておるのじゃ。くわばら、くわばら」

 この敬老者の一言で、沼田、

(なんだって!!あれだけ昨日(通常理事会で)この俺がお灸をすえたのに、木松悪斗めぇ~、まだ懲りていなかったんだな!!けしからん!!)

と、木松悪斗に向かってげきおこぷんぷん丸、になってしまう。まっ、本当のところ、木松悪斗ではなくその腹心の裏美が自分のご主人である木松悪斗の名をかたって圧力をかけた、というのが本当なのだが、それでも、この沼田からしたら、どんなことがあったとしても木松悪斗が沼津のみんなに圧力をかけた、と感じてしまうのも無理ではなかった。ちなみに、裏美が木松悪斗の名のもと勝手に沼津の行政、お店、企業などに圧力をかけ始めたのは通常理事会が終わってすぐだった。それも通常理事会終了後、仕事のためにすぐに東京に戻った木松悪斗が沼津から去った、その瞬間に裏美は木松悪斗の名のもとに圧力をかけ始めたのだ。裏美、ある意味、確信犯、というよりも、相当な悪、であった。

 そんな木松悪斗(の名をかたった裏美)の圧力に心配の敬老者の言葉に沼田はこう返事した。

「〇〇さん(敬老者の名前)、それを心配する必要はありませんよ。この沼田、命に代えましてもこの圧力をすぐに打ち消してみせますよ。だから、心配しないでください。もし、静真の生徒たち、浦の星の生徒たちがあなたに手助けを求めてきたら心配せずにその子たちの手助けをしてください。もし、木松悪斗という若造があなたに危害を加えたら遠慮なく、この私、沼田、にご一報をください。そしたら、この私、沼田、があなたをお守りいたします」

これを聞いた敬老者は沼田に対し、

「沼田殿、いつもいつも助けていただき本当にありがとうございます」

と、お礼を言った。

 

 そのあとの沼田の行動は早かった。このあとの予定をすぐにキャンセルすると、その足で沼津の商工会議所に向かい、その商工会議所の会議室で臨時の理事会を開いた。議題はもちろん、木松悪斗(の名をかたった裏美)の沼津の行政、お店、企業などへの圧力について、であった。そのなかで、「一個人が自分の権力においてほかの者に圧力をかけることは本当にあってはならないこと」という意見がとても強かった。

 なのだが、「その圧力を打ち消す」という合意文書を作成できずにいた。なぜなら、この理事室にいる理事たちも木松悪斗の権力に恐れているから。実は、木松悪斗の沼津の経済界における影響力はかなり強いものだった。木松悪斗と関係が深い企業が沼津には数多くあり、木松悪斗の圧力を打ち消そうとすると、そのことによって木松悪斗からきついお仕置きをされるかもしれない、下手すれば、理事たちが経営している企業が潰れてしまうかもしれない、そんな心配を理事たちはしていたのだ。

 が、そんなの、沼田にとってみればバレバレだった。

(どいつもこいつも腰抜けじゃのう。ここは仕方がない。この俺自ら動くことにしよう)

と、沼田、ある決意を固めると、理事室にいる理事たちに対しこう言いだした。

「理事のみなさん、あなたたちが自分の企業の心配をするのは仕方がないことです。とても権力のある者が自分の権力の名のもと、ある特定の者とのやり取りを禁止すること、経済、商売としてはあってはならないことです。が、実際にそのことが起きようとしております。もし、その禁止行為をしてしまうと、その権力者の名のもと、その企業はつぶされてしまう、そのことが実際に起きるかもしれません」

この沼田の言葉にここにいる理事たちはつばを飲み込む。それほど沼田の言葉は的を得ていたからだった。

 が、そんな理事たちに対し、沼田、ついにある言葉を言い放った。

「しかし、それに屈しないのが商売人のあるべき姿なのです!!私たち商売人はもし困っている者がいればその者のために動くのが当たり前なのです!!それがたとえ理不尽ともいえる権力ある者からの圧力であってもです!!だから私はこう言いたい、権力ある者の圧力に屈しないでください!!」

この沼田の言葉に、理事たちは、

「たしかにそうだが・・・」

「でも、私の会社が潰れたら従業員たちの生活が・・・」

と、次々と心配なことを口にする。

 が、そんなこと、沼田にとって百も承知だった。すぐに、沼田、そんな理事たちに助け舟をだした。

「ちなみに、もし権力ある者の圧力によってあなたたちの会社が潰れそうになるのなら、この私、沼田、に相談しに来てください。私が絶対にあなたたちの会社を潰させることなんてさせませんから」

もし木松悪斗の圧力によって理事たちの会社が潰れそうになっても沼田の力でそれを阻止してあげる、その沼田の言葉を聞いた理事たち、

「もし潰れそうになってもあの沼田殿が守ってくれる!!」

「たしかに沼田殿の言う通りだ!!木松悪斗様のやり方は間違っている!!」

と、安堵する言葉とともに木松悪斗の圧力に対する反発の言葉もでてくる。さらには・・・、

「あの沼田殿が言うのだから安心だ・・・」

「木松悪斗様より沼田殿の言うことがもっともだ!!」

と、手のひらを返したかのように沼田に同意する理事たちもいた。ちなみに、沼津の経済界のヒエラルキー(階級)の頂点は、あの沼田、だったりする。なお、その2番目は小原家、3番目は木松悪斗、と、権力的には木松悪斗より沼田の方が上、だったりする。なので、権力的にトップの沼田がこういえば右に同じ、という考えも成り立ってしまうのである。

 

 と、いうわけで、ここでも沼田の鶴の一声?により木松悪斗からの圧力に屈する必要がなくなった者、沼津の経済界において一番権力のある沼田の言う通り、という者、と、いろいろたものの、全会一致で、

「木松悪斗が沼津市内の行政、お店、企業などに出している「静真高校生徒会、浦の星の生徒の手助けをしてはいけない」という文書は(沼津の商工会議所としては)無効と判断しております。もし、木松悪斗からの圧力により被害を被ったらすぐにでも商工会議所に連絡してください」

という文書を作成することになった。

 これに加えて、

「もしなにかあったら沼田が助けますので、1人で抱え込まずにまずは相談しに来てください」

と、いう沼田の一文が記載されると、この理事との会合の翌日(部活動報告会の翌々日)、商工会議所のHPのトップページに掲載された。また、沼津市内の行政、お店、企業などにすぐにこの文書を見るように周知徹底されたため、この文書は沼津市内の行政、お店、企業などすべてに知れ渡ることになった。

 また、沼田はこれとは別に沼津市などの行政や沼津市内にあるお店や企業に対しあるお願いをしていた。

「ごく近いうちに静真高校と浦の星女学院が合同で大きなイベントを行うかもしれない。その際には便宜を図ってほしい」

と。実は、このときの沼田、すでにナギたち静真高校生徒会とよいつむトリオら浦の星の生徒たちが秘密裏に大きなイベント(新生Aqoursのお披露目ライブ)を行うことを把握していたのである。

 けれど、その大きなイベントを計画していること、このとき(部活動報告会の翌々日)はまだナギたち静真高校生徒会、そして、よいつむトリオとその関係者ぐらいしか知らなかった。いや、部活動報告会の翌日、つまり、昨日、ナギとよいつむトリオがこのイベントについてやばコーヒーで相談していたばかりである。しかし、沼田はそのイベントについてこのときすでに把握していた。それはなぜだろうか。

 それは簡単だった。ナギとよいつむトリオがやばコーヒーで話し合っていたとき、この4人が話し合っていた席の隣に座っていたお客さんが4人の話を聞いていたのである。そのお客さん、なんと、沼田率いる沼田グループの一企業の役員だったのである。あまりに4人とも話が盛り上がっていたらしくかなり声が大きかったみたいだった。なので、この役員には4人の話は筒抜けだった。その役員を通じて沼田はナギたち静真高校生徒会とよいつむトリオら浦の星の生徒たちが大きなイベント(新生Aqoursのお披露目ライブ)を行うことを知るところとなったのだ。

 とはいえ、沼田の影響力が沼津の経済界においては絶大だからこそ、

「ごく近いうちに静真高校と浦の星女学院が合同で大きなイベントを行うかもしれない。その際には便宜を図ってほしい」

というお願いができたのかもしれない。

(ちなみに、東京にいる木松悪斗はおろか、月への妨害に熱中していた裏美にはこの商工会議所の文書、および、沼田のお願いについては知りませんでした・・・、あるときまでは・・・)

 

 と、いうわけで、ナギたちがすんなりと下準備を進めることができたのは沼田が裏で活躍していた・・・というのが実情だった。

 が、ライブ場所の使用許諾についてはもう一つ幸運だった。それは、ナギたち静真高校生徒会の行動を妨害すべき裏美、ナギが沼津市役所でライブ会場となる沼津駅南口の使用許諾を得ていたとき、このときすでに、沼津、いや、日本、にいなかったのだ。

 では、どこにいたのか。それは、イタリア・ローマ、だった。ライブ会場の使用許諾の申請をナギが行おうとしたときの前日、裏美はイタリア・ローマに向かっていた。ローマに向かう前日(ナギが申請を出す日の一昨日)、裏美はは鞠莉のフィレンツェの居場所を突き止め、鞠莉‘sママに連絡していたのだが、このあと、裏美、

(月生徒会長の行動は妨害できた!!あともう少しで木松悪斗様の天下だ!!)

と、安心しきっていた。

 が、次の日、

(う~、心配だ!!本当に大丈夫なのか・・・)

と、本当に月の妨害が成功するのか心配になっていた、小心者の裏美、といっても過言ではなかった・・・。

 この心配が2時間ものあいだ、裏美の体中を駆け巡っていた。そして、ついには、

「もう我慢できん!!この私自らイタリアに乗り込んで確かめてやる!!」

と、我慢の限界を超えたのか、裏美、本当に月の妨害が成功したのか直接確かめることを決めてしまう。こうして、イタリアに行くことを決めた裏美、そう決めてから6時間後には、裏美、機上の人となっていた。

 と、いうわけで、ナギがライブ会場となる沼津駅南口の使用許諾の申請を出す日には、ナギたちを妨害するはずの裏美はおろか木松悪斗すら沼津にはいなかった、という幸運があったこともあり、誰の妨害を受けることもなく、ナギ、沼津駅南口の使用許諾を得ることができた。

 こうして、ナギたち静真高校生徒会、裏美や木松悪斗らの妨害を受けることなく、4月の初旬に沼津駅南口とその大通りで新生Aqoursのお披露目ライブを開くための下準備を着々と進めることができたのだ。

 ちなみに、イタリアに渡った裏美、フィレンツェでの鞠莉と鞠莉‘sママとの言い争いの中で、鞠莉、Aqours、スクールアイドルの未来をかけた運命のライブを行うことが決まったことをあとで聞いたうえで、

「あのスクールアイドルはくだらない、いや、存在すら否定している、そして、頑固者の鞠莉‘sママが首を縦に振ることなんてない!!絶対にありえない!!これで月生徒会長の運命も潰えた!!」

と、安心しきっていた。

 が、裏美、このあと、その運命のライブが失敗に終わり、鞠莉‘sママに拘束されている鞠莉の悲しきった顔を見てみたい、月の絶望的な表情を見てみたい、と思ったのか、このまま、イタリア・ローマにstayすることになる。しかし、結果としてはその運命のライブは大成功、鞠莉‘sママは、鞠莉、Aqours、スクールアイドル、いや、鞠莉たちの想いを受け入れることになったのであるが、その後、これまでの木松悪斗や裏美の悪事を知った鞠莉‘sママによって裏美が成敗されたのはいうまでもない。

 

 こうして、ライブ会場となる沼津駅南口の使用許諾、フェス会場の出店、ライブ機材などのレンタルなどの下準備をちゃくちゃくと進め、ついにその下準備が終わったナギたち静真高校生徒会、その一方、よいつむトリオの方はかなり困難を極めていた。ナギたち静岡高校生徒会がお披露目ライブの下準備が終わったとき、よいつむトリオは浦の星の1・2年全員にお披露目ライブへの参加を呼び掛けていた。だが、参加を表明したのはその半数にも満たなかった。やっぱり、千歌たち新生Aqoursが部活動報告会でのライブに失敗したことで大きく落ち込んでいる、そんな現状ではいくらライブをしても失敗に終わる、と、半場諦めている生徒たちが多かった。

 しかし、このとき、よいつむトリオにチャンスが訪れる。それは、よいつむトリオがお披露目ライブの参加する浦の星の生徒の人数について悩んでいるときに起きた。

「むつ~、このままだとライブのスタッフ、絶対に足りなくなるよ・・・」

と、よしみがむつに向かって嘆いていた。この日も浦の星の生徒の家を巡ってはお披露目ライブの手伝いのお願いをしてきたのだが結果はいまいちだった。隣にいるいつきも、

「私もダメだった・・・」

と、よしみに続いて嘆いていた。

 この2人の言葉に、むつ、

「ナギたち(静真高校生徒会)、もうお披露目ライブの下準備は終わった、って、今さっき、メールで知らせてきたけど、そのお披露目ライブのスタッフが集まらない限りお披露目ライブを行ったとしても失敗に終わっちゃうよ~」

と、こちらも嘆いていた。

 そんなときだった。

「You Gut Mail!!」

という音が3人のスマホから同時に聞こえてきた。これには、むつ、

「あっ、私にメールだ!!」

と、言っては自分のスマホの画面を見てみる。

 すると、むつの表情が変わった!!今まで暗かったのがだんだんと明るくなったのだ。このむつの変わりように、いつき、

「むつ、なにかあったの・・・」

と、むつのことを心配する。が、これには、むつ、

「いつき、そんなに心配しないで!!」

と、いつきに言うと、すぐに、

「それよりも、今さっき届いたメール、見て!!よしみも見て!!」

と、今届いたメールを見るように勧める。

 このむつの勧めにいつきとよしみも自分のスマホに届いたメールを見てみる。すると、いつき、

「えっ、これってうそだよね!!うそだよね!!」

と、びっくりするも、むつ、

「いや、本当だよ!!」

と、これが真実であることを諭す。これに、よしみ、ついに声をあげた。

「千歌たちが・・・Aqoursが・・・復活したよ!!」

こうして、歓喜に包まれるよいつむトリオ。3人が見たメールにはこう書かれていた。

「むつ、いつき、よしみ、お待たせ!!私たち、Aqours、イタリア・ローマのスペイン広場でライブを行うんだ!!今度は鞠莉ちゃん、果南ちゃん、ダイヤちゃんも一緒だよ!!絶対みんなでみてね!!私たちのライブ、全世界に配信するからね!! 千歌より」

そう、千歌からのメールだった。千歌はイタリア・ローマのスペイン広場で行う運命のライブの日の前日、よいつむトリオに、そのライブを行う、というメールを送っていたのだ。それがちょうどお通夜モードの3人に届いた、ということなのだ。

 この千歌からのメールを見たことによりよいつむトリオのやる気が復活した。

「千歌たちが、千歌たちが、ついに復活したよ!!」

と喜ぶむつに対し、よしみ、

「え~と、え~と、(運命の)ライブを行うのがローマ時間で午後3時ごろだから・・・、日本だと・・・、真夜中だね!!」

と、スペイン広場でのライブを行う時間を逆算すると、それを受けて、いつき、

「それじゃ、それじゃ、2年のみんなに内浦の砂浜に集まってみんな一緒に千歌たちAqoursの(運命の)ライブ、そのライブビューイングを行っちゃおう!!」

と、とてつもない提案をしてしまう。

 が、むつ、そんなことお構いなしに、

「その提案、のった!!よ~し、みんなと一緒にAqoursの復活ライブ、見てみよう!!」

と、なにも考えず、そのままの流れでAqoursのスペイン広場での運命のライブ、そのライブビューイングを行うことを決めてしまった・・・。

 

 が、なにかが決まるとそれを実現するために素早く動くのがよいつむトリオのいいところである。すぐに浦の星の2年生みんなにAqoursのスペイン広場でのライブ、そのライブビューイングを内浦の砂浜海岸で行うことを連絡すると、すぐに、2年生全員、そのライブビューイングに参加することを表明してくれたのだった。さらい、よいつむトリオとは別の2年生が浦の星の1年生に「自分たち(浦の星の2年生)はAqoursのスペイン広場のライブ、そのライブビューイングを行う」ことを伝えると、1年生は1年生で2年生と同様に(場所は別になるが・・・)Aqoursのスペイン広場のライブ、そのライブビューイングを行うことを決めた、とのことだった、それも1年生全員で。やっぱり、浦の星の生徒たち、千歌たちAqoursのことを1番に思っていたのだった。

 

 と、いうわけで、よいつむトリオ浦の星の2年生は千歌からメールが届いた日の翌日の深夜、ラブライブ!の優勝旗が刺さっている内浦の砂浜海岸でスペイン広場で行われるAqoursの運命のライブ、そのライブビューイングを全員で鑑賞していた。ちなみに、ライブビューイングの機材は千歌の実家の旅館の提供でお送りいたしました(by 美渡姉!!)。

 そのライブビューイングであったが、終わった瞬間、

「とてもいいライブだったよ~」「とても感動したよ~」

「静真の(部活動報告会での)ライブは失敗に終わって(千歌たち)落ち込んでいないか心配していたけど、これ(運命のライブ)を見る限り、千歌たち、完全復活、したんだね!!」

と、ここにいる全員、歓喜の声をあげていた。つい最近まで部活動報告会のライブの失敗で不安・心配の深き海・沼に沈み込んでしまっていた千歌たち新生Aqours1・2年6人、それが(月によって)完全復活を遂げた、それを証明するような、いや、今までのなかで1番のライブ、そうここにいるみんなが思っていた。

 このAqoursの勇姿を見てとても感動している浦の星の2年生全員の姿を見たむつ、

(よし、このときこそ好機!!)

と、思ったのか、突然、みんなに向かってこう言いだした。

「ところで、みんなに提案なんだけど、完全復活を果たした千歌たち(新生)Aqours、そのお披露目ライブを行いたいんだけど、みんなどうかな?手伝ってくれないかな?」

ただ、むつはこのとき少し心配していた。これまで2年生みんなに同じことを提案してはそのお披露目ライブのお手伝いをしてほしいと頼んでいたのだが、その半数から断られていた。そして、今回はAqoursの完全復活を遂げたとはいえ、ここにいる全員がお披露目ライブのお手伝いに参加してくれるわけじゃない、そう思っていた。

 しかし、それは杞憂に終わった。このむつの提案に、ここにいるみんな、

「Aqoursが完全復活したんだ!!それだったら、お披露目ライブ、成功、間違いなしだね!!」

「いやいや、この私たちがAqoursのためにライブを開くんだよ!!そんなもの、この私たちにかかれば、お茶の子さいさい、だよ!!」

と、かなり乗り気になる。

 そして、むつは再びここにいるみんなに聞いてみた。

「で、どうかな、みんな?」

このむつの言葉に、みんな、口をそろえてこう言った。

「うん、わかった!!新生Aqoursのお披露目ライブ、私たち、参加します!!」

 これを聞いた、むつ、いつき、よしみは口をそろえてこう言った。

「「「みんな、ありがとう」」」

 さらに、このとき、むつのもとにあるメールが届く。そのメールの内容は以下の通りだった。

「むつ先輩、私たち1年生もAqoursの(スペイン広場での)ライブ、1年生全員で見てました!!とても感動しました!!Aqours完全復活、ですね!!そして、みんなと話し合って決めました、千歌先輩たち、新生Aqoursのお披露目ライブ、私たち全員、参加します!!」

 そのメールを見たむつは浦の星の2年生みんなに向かってこう言った。

「たった今、1年生のみんなからこんな報告が届いたよ、1年生みんな、新生Aqoursのお披露目ライブ、全員参加するって!!」

これを聞いたよしみ、

「ということは・・・」

と、言うと、いつきは喜びながらこう言った。

「浦の星の生徒、新生Aqoursのお披露目ライブ、全員参加、決定!!」

そう、よいつむトリオはついに成し遂げたのである、これまでナギたち静真高校生徒会と一緒にやることを決めた新生Aqoursのお披露目ライブ、最初は千歌たち(新生)Aqours1・2年6人が部活動報告会のライブに失敗したことにより深く落ち込んでしまったこともあり、浦の星の生徒たちはあまり乗り気ではなかったが、千歌たちAqoursが完全復活を果たした今、その新生Aqoursのお披露目ライブ、浦の星の生徒全員の力で成功に導いていく、そのスタート地点に立つことができた、のだ。これには、

「むつ、いつき、私たちはやったよ!!」

と、むつ、いつきを抱きしめては喜ぶよしみ。これには、むつも、

「でも、まだ全員参加することが決まっただけで、新生Aqoursのお披露目ライブが成功したとはまだ言えないのでは・・・」

と、2人に諭すも喜んでいるには間違いなかった。

 そんなときだった。ある浦の星の2年生がこんなことを言いだした。

「むっちゃん、ちょっと、そのライブの名前、変えない?なんか、「新生Aqoursのお披露目ライブ」という名前だとちょっとダサくないかな?」

これを聞いたむつ、

「そうかな?じゃ、どんな名前がいいかな?」

と、逆に質問する。

 すると、その生徒はこんな名前を提案した。

「え~とね~、「オペレーション・オブ・New Aqours」!!ちょっとかっこいい作戦名にしたんだけど・・・」

この提案を聞いたむつ、

「う~ん、う~ん」

と、悩むも、すぐに、

「うん、なんてかっこいい名前!!よ~し、決めた、これからは、「オペレーション・オブ・New Aqours」、そんな作戦名にしよう!!」

と、言いだしてしまう。あまりにも短絡的・・・であったが、それには、みんな、

「賛成!!」

と、「新生Aqoursのお披露目ライブ」、改め、「オペレーション・オブ・New Aqours」に作戦名を変えてしまった!!

 こうして、無事、よいつむトリオら浦の星の生徒たちはそのお披露目ライブの準備をスタートさせた・・・のだが、一方、お披露目ライブの下準備が完了したナギたち静真高校生徒会はある問題に直面していた。Aqoursのスペイン広場でのライブは月を通じてナギたちにも伝えられており、ナギたち生徒会はそれを静真の生徒たちに向けて学校内のSNSを通じて生配信を実施したのだが、そのライブの生配信を生で見ていてのは静真の生徒たちのごく一部だった。いや、生配信を見ていた生徒の数こそ今の生徒会を慕う生徒の人数にほかならなかった。人気絶頂だった1か月前とは違って今の生徒会を慕うのはわずかしかいない、それにナギはがっかりしていた。

 が、そんなナギにも知らせが届く。よいつむトリオら浦の星の生徒全員が「新生Aqoursのお披露目ライブ」改め「オペレーション・オブ・New Aqours」に参加すること、これにより、浦の星側も本格始動することをよいつむトリオが伝えてきたのだった。

 これでナギも決心した、ついに賽は投げられたのだ、たとえ自分たち(静真側)のお披露目ライブにサポートできる人数が少なくとも浦の星側が動き始めるならこちらも本格的に動き始めることを。

 だが、ナギの苦労も無駄ではなかった。このAqoursのスペイン広場でのライブ、その生配信を見て、ある静真の生徒、自分も行動に移すべき、と、心に決めたのだから。

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