ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Ruby’s Determination(ルビィの決心) 第4話

 その翌日、千歌たちAqours9人と月は鞠莉の決意を示すためにイタリアでライブを行い、それを鞠莉‘sママに見せることを決める。そして、そのライブをする場所を決めるために(鞠莉のお金で)イタリア各地を飛び回った。ベネチアのサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂、サンマルコ広場、ため息橋、フィレンツェのサン・ジョヴァンニ洗礼堂、ピザの斜塔、などなど。千歌たちはそこでAqours各メンバー自らモデルとして写真を撮っては、その移動中にどの場所でライブをすればいいか、ワイワイ、ガヤガヤと騒いでは相談していた。(ちなみに、劇場版ラブライブ!サンシャイン!!の前売り券第1弾のムビチケに写っている写真はそのときの写真だったりする)

 そんなライブをする場所探しの移動中、ルビィは、ただただ、

(鞠莉ちゃんはお母さんの永遠に続く拘束を嫌がってお姉ちゃんたちと愛?の逃避行をしていた。なら、ルビィもお姉ちゃんを一生離さないのって、鞠莉‘sママみたいに、お姉ちゃんを永遠に拘束し続けてしまうのかな?それっていいことなのかな?でも、ルビィ、お姉ちゃんなしでは生きられないよ!!お姉ちゃんがいるから、ルビィは生きていける、やっていける!!けれど・・・)

と、姉ダイヤ依存を続けるかどうか悩んでいた。

 

 そして、千歌たち一行はイタリアの首都ローマに降り立った。が、ローマといえば、スペイン広場、コロッセオ、ダビデ像、(イタリアじゃありませんが)バチカンなどなど、見所・・・じゃなかった、ライブに使える場所が多い。そのため、千歌たちAqours9人と月は手分けしてライブに使えそうな場所を探すことになった。

 そのなかで、

(よし、ルビィからお姉ちゃんを誘おう!!)

と、ルビィは姉ダイヤと行動を共にすることを決め、ダイヤのそばに行き、

「お姉~ちゃん・・・」

と、ダイヤに声をかけようとするが、突然、

「ルビィちゃん、一緒にまわろう!!」

と、ダイヤとルビィを引き裂くように、いや、遮るようにある少女がルビィとダイヤの間に立ちはだかる。これにはルビィ、

「つ、月ちゃん・・・」

と、つぶやく。そう、ルビィとダイヤの間を遮ったのは月だった。

(なんで、月ちゃんがここにいるの?)

と、ルビィは思うも、月はそのまま、

「ルビィちゃん、一緒にまわろう!!僕、ルビィちゃんにちょっと興味、持っちゃったんだ!!だから、一緒にまわろう!!」

と言っては、ルビィがダイヤのところに行かせないようにしていた。

 そんな月の行動にルビィ、

(ルビィはお姉ちゃんと一緒に行きたい!!)

と、必死な思いでダイヤのところに行こうとする。そらに、その思いがゆえに、

「ルビィ、お姉ちゃんのところに行く・・・」

と、心の思いがルビィの声として出てきてしまう。が、月、そんなのおかまいなしに、

「だ~め!!僕と一緒に来るの!!」

と言ってはルビィの手を強引に引っ張る。月、実はこうみえて超アウトドア派である。体力はかなりの持ち主である。それに比べて、ルビィはスクールアイドルの練習をしっかりしているので体力はあるもののインドア派である。超アウトドア派の月に比べてインドア派のルビィ、なので、月の体力にはルビィは非力であった。と、いうわけで、結局、

「おね~ちゃ~ん~」

と、ルビィ、そのまま月に引っ張られてしまい、ダイヤのところから離れていくこととなった。

 

「なんで、ルビィが月ちゃんと・・・」

と、ルビィ、ぶつぶつ言いながらある目的地へと歩いていく。そのルビィの心の中では、

(ルビィはお姉ちゃんと行きたかったんだよ。なのに、なんでルビィの邪魔をするの、月ちゃん!!)

と、月に対して怒っていた。が、とうの月はというと、

「ふふふ~ん」

と、上機嫌にルビィの手をまだ引っ張っていた。

 そうしているうちに、

「さあ、着いたよ~!!」

と、月はそう言うと、その目的地の場所を指差す。そこには・・・。

「ピギッ!!大きな顔!!大きな口!!なんか怖いよ~」

と、ルビィ、その場所にあるモニュメントを見て怖がり、月の後に隠れてしまう。そんなルビィとは対照的に月、

「こわくないよ。だって、あれ、「真実の口」っていうものだもん!!」

と、平気で答える。そう、目的地にあるモニュメント、それは「真実の口」だった。古代ローマのものではあり、ある言い伝えがあるのだが、月、そのことはルビィに伝えず、ただたんに、

「ルビィちゃん、そこに立ってポーズをとって!!う~ん、そうだな~、笑いながら手でハート、作っちゃおうか!!」

と、ルビィに注文する。それにはルビィ、

(なんで、(お姉ちゃんと一緒に行くのを妨げた)月ちゃんの言うことを・・・)

と、考えるも、これは鞠莉のためのライブの場所を見つけるためであり、仕方なく、「真実の口」の前に立ち、月と言うとおりに笑いながらハートを手でつくるも・・・。

「にや~」

と言っては笑うもなんか暗い表情に。これには、月、

「もう少し笑って~」

と、ルビィにさらに注文するも、ルビィ、

(ちゃんと笑っているもん!!)

と思いつつさらに笑おうとするも、暗い表情がさらに強調してしまう。月、このままではいけないと思い、

「仕方がないな~、一時中断しよ~」

と、撮影を中断した。

 そして、月は暗い表情のルビィに近づき、一言。

「どうして暗い表情しているのかな~?」

これにはルビィ、

(月ちゃんのせいでしょ!!)

と、思ってしまったのか、

「なんでもないよ!!月ちゃんには関係ないことでしょ!!」

と、月に反論する。

 このルビィの反抗を見た月、それならばとあることをルビィに命令した。

「じゃ、ルビィちゃん、この「真実の口」に手を入れて!!」

これにはルビィ、

(なんで月ちゃんの命令に従わないといけないの!!なんでこのモニュメント(「真実の口」)に手をいれなきゃいけないの!!)

と、月に反抗の意思を持つと、

「いや!!絶対にいや!!」

と、手を振って月の命令を拒否する。が、月、それでもおかまいなしに、

「なら、僕が(強制的にルビィの)手を入れちゃうからね!!」

と、ルビィの手を取ってそのまま「真実の口」にいれようとする。これにはルビィ、

(ちょっと、ちょっと、待ってよ~!!)

と、それを防ごうとするも、やっぱりここでもルビィの非力さ、というよりも、月の強引さに負けてしまい、ルビィの手はそのまま「真実の口」の口の隙間にはいっていった。

 そして、月はルビィにあることを言う。

「ルビィちゃん、僕に黙っていること、ない?ルビィちゃんが悩んでいること、ない?」これにはルビィ、

(勝手にルビィの手を口に入れちゃった月ちゃんに話すことなんてないよ!!お姉ちゃんのことで悩んでいるなんて、悪ふざけする月ちゃんには言わないよ!!)

と、月に対して反感を持つと、

「そんなもの、ルビィにはないよ!!」

と、月に反抗を示す。が、月、ルビィの手を「真実の口」の口の隙間に強引にいれたまま、ルビィを恐怖のどん底に突き落とすような一言を言う。

「本当になんでもないならいいんだけど、「真実の口」って、口のところに手を入れた場合、もし、うそをついていたり、偽りの心があれば、その手はちょん切られてしまうんだぞ~」

そう、「真実の口」、実は手を口の部分に手を入れた場合、うそや偽りの心を持つ持つ者であれば、手を抜くときに手首を切り落とされる、手を噛みちぎられる、手が抜けなくなる、といった言い伝えがあるのだ。もちろん、あの名作と名高い「○ーマの休日」という映画でもある有名なシーンがある、主人公が「真実の口」に手を入れて抜けなくなった、と・・・。

 で、この月の言葉にルビィ、

(えっ、うそでしょ!!ルビィの手首、ちょんぎられてしまう!!)

と、突然パニック状態に陥る。そして、慌ててしまったルビィ、

「ピギィ!!」

と言っては思わず手を「真実の口」の口の部分から引っ込んでしまう。これにはルビィ、

(しまった!!手を引き抜いてしまったよ~!!ル、ルビィの手、切れてしまったよ~!!どうしたらいいいの~!!お姉ちゃん、助けて~!!)

と、さらにパニック状態が深まってしまう。

(どうしよう~、どうしよう!!本当にお姉ちゃん、助けて~!!)

と、慌てふためくルビィ。とはいえ、ルビィ、

(でも、本当に手が切れていないか確認しなきゃ・・・)

と、恐る恐る自分の手を見る。

「う~」

と、うなりながら、心配そうに自分の手を見るルビィ。すると、ルビィの手首はちょん切られて・・・るわけがない。「真実の口」の言い伝え、実はたんなる迷信だったりする。「真実の口」、実は古代ローマのマンホールと言われており、今みたいに横に設置されたのは1632年ごろだったりする。「○ーマの休日」でも、主人公が手を抜けなくなった、という演技をしてヒロインを驚かしていた、というのが実情だった。

 とはいえ、月に騙されたルビィ、

(月ちゃん、からかうのはやめて!!たんなる嫌がらせだよ!!そんな月ちゃん、嫌い!!)

と、月に対して反感を持つようになり、すぐに、

「うそつかないでよ~、月ちゃん!!ルビィを困らせようとしたの!!」

と、月に激怒する。が、月、意外と冷静に、

「それって何か悩み事があるんじゃないかな、ルビィちゃん?」

と、ルビィに尋ねる。これにはルビィ、

(えっ、ルビィに悩み事!!えっ、えっ!!)

と、月からの不意打ちの質問に驚いてしまったのか、

「えっ!!なんでもないよ!!なんでもないよ!!」

と、なにかをごまかすように答える。が、月はさらに冷静に、

「なら、「真実の口」に手を入れたとき、なんで慌てていたのかな~、ルビィちゃん?」

と、ルビィに向かってさらに尋ねると、ルビィ、

(・・・)

と、頭の中が真っ白になったのか、

「そ、それは・・・」

と言っては、そのまま黙ってしまった。

 すると、月、

「「真実の口」に手を口に入れたとき、ルビィちゃんが慌ててしまった理由、それってダイヤさんのことがあったからじゃないかな?」

と、ルビィに対してど真ん中の指摘をしてしまう。これにはルビィ、

(お、お姉ちゃん、な、なんのことかな~)

と、心の中では動揺しつつも、

「なっ、なんでもないずら~」

と、月に対して花丸のまねをして誤魔化す。が、

「ルビィちゃん、ちゃんと答えて!!」

と、月、ルビィに対してこう言っては迫ってくる。これにはルビィ、

(つ、月ちゃんが怒っているよ~、怖いよ~、怖すぎるよ~)

と、月の強迫?にうさぎみたいに身を縮みこませるように怖がる。と、なれば、これはルビィの負け?、月の勝ち?といっても過言でもなかった。ルビィ、月への恐怖心からか、

(こ、ここは月ちゃんにルビィの悩んでいること、打ち明けたほうがいいかもしれないよ~)

と、思ってしまい、ここは観念したのか、

「は、はい、そう~です・・・」

と、月に正直に答えてしまった。

 これを見た月、今度は優しい顔になって、ルビィに対し、

「僕が相談にのってあげるから言ってみて」

と、ルビィに諭す。これにはルビィ、

(つ、月ちゃん・・・、なんてたくましいんだ。それだったら聞いてみよう)

と、これまでの月への反感はどこにいったのやら、180度態度を変えてしまったようだった。それほどこのときの月がルビィに与えた恐怖心はルビィにとって心が折れるくらいのものだったのかもしれない。

 と、いうわけで、ルビィ、

「実は・・・」

と、月に対して言うと、そのまま月にルビィが抱える悩み事を伝えた。

「実は、ルビィにとって今もお姉ちゃん(ダイヤ)のことはとても大事だと思っているんだ。ルビィ、ずっとお姉ちゃんに頼っていきたい、お姉ちゃんなしでは生きていけない、だから、ずっとお姉ちゃんのそばにいる、そう思っているんだ。でもね、その一方で、鞠莉‘sママが鞠莉ちゃんの自由を奪おうとしている、束縛しようとしているのと同じように、ルビィもお姉ちゃんの自由を奪おうとしている、束縛しようとしている、そう考えてしまうんだ。ルビィ、このままルビィの考えだけでずっとお姉ちゃんのことを束縛していいのかな?どっちがいいの~」

このルビィの告白に月は優しい顔で、

「ルビィちゃん、ダイヤさんとの関係で悩んでいたんだね」

と、ルビィを慰めるように言うとともにルビィの頭をなでる。

 そして、月は意外なことをルビィに言った。

「実はね、僕も同じ経験をしたことがあるんだ。それはね、曜ちゃんとのことなんだけどね・・・」

これにはルビィ、

「えっ、月ちゃんと曜ちゃんが・・・」

と、驚いてしまう。それを見た月はその話をルビィに対して語り始めた。

「僕はイタリアから沼津に帰ってきて初めてできた友達、それが曜ちゃんなんだ。いとこ同士だけど、まったく知らない地で同じ年齢の友達なんてだれもいなかった僕にとって曜ちゃんは僕がそのとき唯一一緒に遊べる同年代の友達だったんだ。僕はその曜ちゃんと一緒にたくさん遊んだんだ。そして、その曜ちゃんを通じていろんな友達となかよしになり、多くの友達をつくることができたんだ。だから、僕のとなりにはいつも曜ちゃんがいる、遊ぶときはずっと曜ちゃんと一緒、寝るときも一緒、ずっと一緒だった。曜ちゃんがいないのは曜ちゃんが千歌ちゃん、果南ちゃんたちと遊ぶときか髙飛び込みの練習をしているときだけだった。曜ちゃんは僕にとって双子同士、姉妹同士、そういっても過言じゃなかった。そして、それがずっと続く、そう僕は思っていた」

これを聞いたルビィ、

(月ちゃんと曜ちゃん、まるで、ルビィとお姉ちゃんとの関係と一緒だ・・・)

と、思ってしまう。

 が、月はすぐに暗い表情をする。これにはルビィ、

(あれっ、月ちゃん、どうしたのかな?あんな明るく話していたのに、なんで、いきなり暗い表情をしたのかな?)

と、疑問に思う。月、そのルビィの思いを汲み取ったのか、

「でもね・・・」

と、真面目に言うと、ルビィも、

「でも・・・」

と、ツバを飲み込んで月の次の言葉も待つ。月、そのルビィを見てからか、少しためて言った。

「でもね、別れの時はついに来たんだ・・・」

この言葉にルビィ、

「別れ・・・」

と、言葉を窮しながら言う。月はそのルビィの言葉にひかれるかのように語り始めた。

「僕と曜ちゃんが高校に進学するとき、曜ちゃん、僕と同じ静真高校、じゃなくて、千歌ちゃんが入学する浦の星女学院に入学してしまったんだ。曜ちゃん、僕じゃなくて千歌ちゃんを選んじゃったの!!」

これにはルビィ、

(えっ、なんで曜ちゃん、月ちゃんじゃなくて千歌ちゃんを選んだの?)

と、少し困惑すると、おもわず、

「な、なんで・・・」

と、言葉をまた窮してしまう。それを見た月、さらにあることを言い出す。

「実は曜ちゃん、本当は静真高校に推薦入学を決めていたんだ。曜ちゃん、実は、髙飛び込みの世界では世界大会でメダルが取れるほどの実力がある、そんな選手だっていわれていたんだ。だから、曜ちゃんは部活動が盛んで、髙飛び込みの実力を着実に伸ばすことができる静真高校に入学したほうがいい、静真高校に入学して髙飛び込みの選手として世界に飛び出していったほうがいい、そう、みんなから思われていた。僕もそう思っていた。でもね・・・」

これにはルビィ、月の貯めに、

「でもね・・・」

と、釣られて言うと、月、そのあとを聞きたいルビィのためにそのときの曜の想いを言った。

「でもね、曜ちゃんはその推薦を蹴って浦の星に入学したんだ。で、その理由を曜ちゃんに聞いたんだ。そしたら、曜ちゃん、こう答えたんだ。「だって、千歌ちゃんが好きだから」こうして、曜ちゃんは静真高校よりもっと弱小の水泳部のある浦の星に入学していった。曜ちゃんにとって、部活動が盛んでとても強い水泳部のある静真高校に入学することは大きなチャンスだったはず!!なのに、「千歌ちゃんが好きだから」そんな理由でせっかくのチャンスを蹴ってまで浦の星に入学した!!それには僕、曜ちゃんに怒ったよ!!本当に怒ったよ!!でもね、曜ちゃんは怒る僕に向かって笑いながら答えたんだ」

これにはルビィ、

(えっ、曜ちゃん、そんなに将来有望な選手だったの!!せっかくその選手になれるのに、なんで、千歌ちゃんを選んだの!!)

と、思うと、おもわず、

「曜ちゃん、なんて答えたの?」

と、月に聞く。月、曜ちゃんのものまねをするようにルビィの問いに答えた。

「「だって、千歌ちゃんが入学する浦の星って生徒数が少ないし、千歌ちゃんにとって一緒に入学する友達などはむっちゃんたちか(千歌や曜の)先輩で浦の星に通っている幼馴染の果南ちゃんしかいないんだもん。なら、私自ら進んで千歌ちゃんと一緒に浦の星に入学して、私と一緒に友達、いっぱい、い~ぱい作っていこう、千歌ちゃんたちと一緒に」って」

これにはルビィ、

(曜ちゃんって千歌ちゃんのことを考えて、自分の輝かしい未来、約束された未来すら捨ててまで浦の星に入学したんだ・・・)

と、曜に対して驚くも、月はそのときの想いをルビィに語った。

「で、僕、これを聞いて思ったんだ。僕はずっと曜ちゃんと一緒にいられると思っていた。双子のように、姉妹のようにずっといられる、ずっとこのままだ、そう思っていた。けれど、曜ちゃんは違っていた。曜ちゃんは僕の考えと一緒じゃなかったんだ。曜ちゃんは僕とは別の友達、千歌ちゃんが困っているから、大事な友達、千歌ちゃんのためになりたい、その想いだけで、自分が大切なもの、(髙飛び込みの選手としての)約束された将来すら捨ててまで千歌ちゃんのために浦の星に入学した。僕から飛び立とうとしていたんだ、曜ちゃんは!!だから、僕は愕然とした、もう曜ちゃんは僕の曜ちゃんじゃない!!曜ちゃんは僕を見捨てた、そう思ってしまった」

これにはルビィ、

(えっ、曜ちゃんってそんなに冷徹だったの!!いつも笑っている曜ちゃんからは考えられないよ!!)

と、月が語る曜のことにびっくりしてしまう。が、月の話は続いていた。

「でね、愕然とする僕に向かって曜ちゃん、僕のことを思って次の言葉を僕に送ったんだ、「でもね、月ちゃん、私にとって月ちゃんはいつまでも、ずっと、永遠に大切にしたい友達なんだよ」って。この言葉に僕、びっくりしたよ。だって、僕、曜ちゃんから見捨てられた、って、思っていたから。その曜ちゃんから「ずっと友達」だなんて言葉が出たからね。で、僕、曜ちゃんに「なぜ?」って聞いたらね、曜ちゃん、笑いながらこう答えたんだよ、「だって、私にとって月ちゃんは昔からいつも遊んでくれた、千歌ちゃんみたいにずっと遊んでくれた、だから、私から友達の縁を切ることなんて絶対にないよ!!だって、昔も、今も、そして、これからも、私、月ちゃんのこと、大大大大大好き、なんだからね。これからもずっと大大大大大親友、なんだからね、千歌ちゃんと同じくらいにね!!」って。これで僕、わかったんだ、僕と曜ちゃんの縁はこれからもずっと続く、曜ちゃんとのキズナが切れるわけじゃない、けれど、別れはいつかきっとくる、それなら、ずっと曜ちゃんを僕だけのものにする、べったりする関係に終止符を打とう、曜ちゃんを暖かく送ろう、と。そう思うと、僕、なんかすっきりしたんだ」

 そして、月は話をこのようにして締めた。

「で、このときの経験からある考えにたどり着いたんだ。それは、「未来というのは自分で自由なツバサでもって決めるものなんだ。それは、たとえ誰であっても拘束してはいけない、それくらい大切なものだって。そして、たとえ、自分のもとから旅立ったとしても、今までに培われた僕と旅立った者とのキズナ、縁は決して切れない」って。」

 これを聞いたルビィ、

(それって、今のルビィとお姉ちゃんにも言えることじゃないかな?お姉ちゃんは今、ルビィのもとから旅立とうとしている。けれど、ルビィはただルビィのためだけにお姉ちゃんを放そうとしない、お姉ちゃんを拘束している。でも、そうしたら、お姉ちゃん、未来という、これからお姉ちゃんが自由なツバサで自由に飛び立つ、そんなことができなくなる!!それをルビィはしたくない、でも・・・)

と、なにか悩んでしまい、そのためか、

「でも、お姉ちゃんとは縁を・・・」

と、小言で言うと、月、それを見逃さず、

「でも、ダイヤさんとルビィちゃん、姉妹というキズナ、縁はいつまでも切れないよ!!血を分けた姉妹、これって僕と曜ちゃん以上に強いキズナで結ばれているんだよ!!それを忘れないで、ルビィちゃん!!」

と、ルビィにアドバイスを送る。この月のアドバイスを聞いたルビィ、

(ルビィとお姉ちゃんの姉妹というキズナ、それはずっと続く・・・。それはたとえお姉ちゃんがルビィのもとから離れたとしてもずっと続く・・・。言われてみればそうかもしれない・・・。そう考えると、なんか、ルビィ、なんかわかった気がする!!ルビィ、なんか頭でもやもやしていたものが吹き飛んだ気がする!!ルビィ、なんかガンバルビィ、できる気がしてきた!!)

と、なにやら元気を取り戻してきたようだった。

 そして、ルビィはある決意を固める。

(お姉ちゃんとの縁、キズナは一生残る!!たとえなにがあってもそれは切れない。ルビィがこれまで忘れていた大事なこと、それは、たとえ、お姉ちゃんと離れていても、お姉ちゃんとの縁、キズナはずっと続く!!でも、お姉ちゃんとはずっと一緒にいられるわけじゃない、ずっとルビィのそばにいるわけじゃない。いつかは別れのときは訪れてしまう。ルビィにとってそれが今じゃないかな。なら、ルビィ、決めたよ!!ルビィ、お姉ちゃんを暖かく送ろう!!お姉ちゃんに、自分だけ、ルビィだけになっても強く生きていける、1人でも大丈夫なとこ、見せて、お姉ちゃんが安心してルビィのところから飛び立てるようにしよう!!そして、お姉ちゃんが自由なツバサで大空に羽ばたかせる、そんなことができるようにしよう!!)

ルビィがその決意を決めた瞬間、ルビィは自分の体のなかにあった重たいなにかが次々と剥がれていく、そんな気がしてきた。さらに、それにつれて、暗い表情だったルビィの顔はだんだん明るい、いつものルビィの楽しい表情に戻っていった。これを見ていた月、

「じゃ、ルビィちゃん、もう1回言うね。ルビィちゃん、「真実の口」に手をいれてみて!!」

と、ルビィにお願いすると、ルビィ、

「はい!!」

と、元気よく「真実の口」の口に手を入れた。そして、ルビィがその口から手を抜くと、ルビィの手は切れてなかった。もちろん、ただの石像だからそんなもの当たり前、たんなる迷信である。が、ルビィにとって、それはあるものとの決別を意味するものだった。それは「これまでの弱い自分」。いつも姉ダイヤの後ろでいつも姉ダイヤに守られていた自分、内気でもじもじしているだけの自分、姉ダイヤがいないとなにもできない、なにもしない、そんな弱々しい自分、そんな弱い自分と完全に決別する、ルビィにとってそんなふうに感じた。いや、ルビィ自ら自分の意思でそう決めたものだった。ルビィは「真実の口」でも噛み切れることなんてない、とても強い心、とても強い意思を手に入れたのだ。

 が、ルビィがそう感じた瞬間、月はルビィにあることを言った。

「でもね、旅立つというのはね、それで何もかもがなくなるじゃないんだよ」

これにはルビィ、

(えっ、たしかにキズナは残るけど、ほかになにか残っているの!!キズナ以外なくならないものがあるの!!)

と思ったのか、おもわず、

「えっ、それってどういうことなの!!別れてしまってもキズナ以外に残るもの、あるの!!」

と戸惑いながら言うと、月は元気よく答えた。

「じゃ、なんでそう思っているのかな?僕、曜ちゃんたちを見てずっと気になっていた。だって、大切なもの(ダイヤたち3年生3人)が旅立つことでなにもかもなくなる、そんな感じ、イタリアに来る前の千歌ちゃんたち6人にはそう感じられたんだもん」

これにはルビィ、

(えっ、たしかにイタリアに来る前、ルビィたち、そんな思い、持っていた気がする・・・)

と思うも、ただたんに、

「そ、それは・・・」

と、言葉を濁してしまう。たしかにダイヤたち3年生3人がいないだけで不安や心配の海、泥沼の奥底に沈んでしまい、それが静真高校の新年度部活動発表会で行われたライブの失敗へとつながった。

 けれど、月は言った、堂々と。

「でも、ルビィちゃんはもうすでにわかったんじゃないかな。「真実の口」を通じてその先にある真実を見つけたんじゃないかな?ルビィちゃんの心の中にその答えがあるんじゃないかな?」

これを聞いたルビィ、

「ルビィの心の中・・・」

と、自分の心の中に問いかける。すると、

(たしかにお姉ちゃんと別れても、ルビィとお姉ちゃんのキズナは残っている。あと、それと・・・、残るもの、残るもの・・・。あれっ、それってお姉ちゃんと一緒に暮らした時間のことかな?お姉ちゃんと一緒に暮らした、それかな?あと、そのときのお姉ちゃんの中にあったもの?あっ、もしかして、月ちゃんが言おうとしているものってそれじゃないかな?)

と、ルビィ、それに気づく。が、月の答えはその先を行っていた。

「ルビィちゃん、今思っていること、正解だと思うよ。でもね、それ以上に大事なことがあるんだよ!!」

その月の答えにルビィ、

「えっ、それって・・・」

と驚くと、月は続けてあることを言った。

「それはね、ルビィちゃんにあって僕にはないものだよ。それは仲間だよ。ルビィちゃんにはAqoursという仲間、キズナがあるんだよ。千歌ちゃん、曜ちゃん、梨子ちゃん、花丸ちゃん、善子ちゃん、それに、鞠莉ちゃん、果南ちゃん、そして、ダイヤさんという仲間がね。そしてね、その仲間を通じてあるものを得たはずだよ!!ルビィちゃん、それはね・・・」

 

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