「ほらほら、月ちゃん、私についてきてね!!」
「ラグーン」内のエレベーターで6階まであがると曜は月に向かってこう言うと、そのまま屋上に続く階段を全力で駆け上る!!これには、月、
「少し落ち着こうよ!!」
と、曜に言うも、曜、聞く耳もたず、そのまま全力で階段を駆け上ってしまう。
そして、屋上に続く踊り場に近づくと、曜、月に向かってこんなことを言いだしてきた。
「月ちゃん、もうすぐ着くよ!!」
これには、月、
「曜ちゃん、ちょっと待ってよ~」
と、急ぐようについ注意してしまう。
が、そんなときだった。月の脳内にまたもやフラッシュバックが起きる。
「曜ちゃん、ちょっとまって~!!」
そう、この光景も、あの夢、今朝の夢と同じだった。そのため、これには、月、
(えっ、これも今朝見た夢と同じだ・・・)
と、そのことに気づいてしまう。そのためか、月、
(えっ、もしかして、ぼ億、今朝の夢と同じこと、今、しているのかな・・・)
と、戸惑ってしまう。まさか、今朝見た夢と同じことを追体験していると錯覚していてもおかしくなかった。ただ、ひとつだけ違ったところがある。それは・・・。
(でも、たしか、今朝の夢って、僕、小3~小4のときの姿をしていたよね・・・。でも、今は、僕、高2、なんだけど・・・)
そう、今朝の夢の中では、月、小3~小4のときの姿をしていた。でも、今は、月、高2である。なので、月自身としては、今朝の夢と今現時点、小3~小4の姿と今の姿、その点が違っている、いや、その点だけ違っていた。月、その違いにようやく気付いたのだった。
が、そんなことを月が気づいたものの、今の曜は階段を上り切り目的の場所に到着することにのみ熱心になっており、今、月が思っていることなんて知る由もないためか、
「あともう少し!!あともう少し!!」
と、月のことなんてお構いなく強引に月を引っ張りながら階段を上っていく。なので、月、夢のことを気にかけるも、
(う~、曜ちゃん、はやいよ・・・)
と、考える暇すらなかった・・・。
そして・・・、
「着いた~!!」
と、階段を上り切り屋上に続く踊り場に着いた曜、開口一番こう言うと、続けて、
「曜ちゃん、飛ばし過ぎだよ!!」
と、月、元気ありすぎる曜に注意する・・・もそんなのどこ吹く風、
「ほら、あともう少しだよ!!」
と、待つことすらなく先に進もうとする曜。さらには、
「ほら、あともう少しだよ!!」
と、月を元気づける始末。
とはいえ、曜、月の忠告すら聞かずに飛ばし過ぎたこともあり、すぐに、
「曜ちゃん、本当にちょっと待って~!!」
と、力強く曜に注意する。これには、曜、ようやく我に返ったのか、
「あっ、月ちゃん、ごめん!!」
と、ようやく立ち止まってくれた。
しかし、このやりとりをして、月、またあることに気づく。
(あっ、これって、一語一句、あの夢と同じだ・・・)
そう、月が、最近、というか、今朝も見た夢と同じやり取りを、今、していたのだ。これに関して、月、
(ま、まさか・・・、デジャヴ!!)
と、一瞬考えてしまった。
が、いったんは止まった曜であるが、とてもアクティブな持ち主である曜は今にでも動きそうである。そんな曜、月に対し、突然、こんなことを言いだした。
「でも、あともう少しで美しいもの、見れるよ!!」
この曜のことには、月、
「美しいもの?曜ちゃん、なんなの?」
と、首をかしげては曜に尋ねる。
すると、曜、屋上と踊り場をつなぐ扉の方を指さしこう言った。
「この扉の向こう側にあるんだよ、美しいもの!!」
この曜の言葉を聞いた月、あることを思い出す。
(あっ、これもあの夢と同じ!!やっぱり夢と同じ展開なんだ!!)
そう、月はようやく気付いた。「ラグーン」に入る前からこの扉の前までの展開は月が最近よくみる夢と同じ展開だったのだ。で、それに気づいた、月、
(こ、これって、もしかして、(夢に出てきた幼い)曜ちゃんがまた僕になにかを伝えたいのかな?)
とも思えるようになってくる。これまで夢を通じて幼い曜は月に対して何度もなにかを伝えようとしていた。静真高校と浦の星女学院の統合問題が起きた時から月の夢の中に幼い曜が出てくるようになった。そんな幼い曜に月は1度救われたことがある。そう、静真の部活動報告会でのライブ失敗で不安・心配の海・沼の奥底に沈み込んでしまった千歌たち新生Aqours1・2年、それを救うヒントを幼い曜は月に夢を通じて与えてくれたのである。その幼い曜が夢を通じて言いたかったこと、「これまで築いてきた想い出、想い、キズナ、それは宝物となって自分の心の中に残り、それを通じてずっとつながっている」、そのことに気づいた月はルビィを介して千歌たち新生Aqours1・2年に伝えたことにより新生Aqours1・2年は復活を果たしたのである。そして、今回も今度の延長戦について、いや、静真本校と浦の星分校の統合問題について悩んでいる月を幼い曜は導いてくれるのでは、と、月は淡い期待をしていたのである。
で、最近よく見る夢の次の展開をうろ覚えながら月は思い出していく。
(たしか・・・、このあと、曜ちゃんが扉を開けて・・・)
そう月が思った瞬間、曜、その展開通り、
バーーーン
と、屋上に続く扉を開けた。
で、その次の展開は・・・、
(そして、その扉の先には屋上とたくさんの人だかりが・・・)
そう月は思い出しつつその扉の先に見える光景を確認する、が・・・、
(って、あれっ?なんか違う気がする・・・)
と、月、夢とは違う光景に少し戸惑う。たしかに夢の通り月と曜のまわりには屋上の光景が広がっていた。が、屋上にはそんなに人がいなかった。いたとしても外の光景を見に来ていた人たちが数人だけ・・・。これには、月、
(あれ・・・?これは夢とは違った展開だよ・・・)
と、ちょっとがっかり。夢なら屋上とたくさんの人だかりが目の前に広がっており、曜はその人だかりの中に向かって月の手を強引に引っ張りながら突入、月は曜に強引に引っ張られているため、人にぶつかっていたい思いをする・・・はずが、今現在、月の目の前にはただっびろい屋上、それにほんの数人だけしかいない・・・、これでは夢の中で見た人だまりに曜がつっこんで月は痛い思いをする、そんな展開は望めない。そんなわけで、月、
(ああ、デジャブじゃなくて単なる思い過ごしか・・・)
と、ちょっとがっかりしてしまった。
が、そんな月の思いとは裏腹に曜は月に対してこんなことを言いだした。
「さぁ、月ちゃん、私と一緒に見ようよ、沼津で2番目に美しい光景を!!)
この発言のあと、またしても月の手を強引に引っ張り、その美しい光景が見える場所へと走り出す曜。これには、月、
(えっ、曜ちゃん、夢と同じように強引だよ・・・)
と、夢とは少し違った展開になりつつもその夢の幼い曜と同じような強引さに、月、ちょっとびっくりする。そんな曜の強引さもあってか、夢みたいに人ごみのなかに突っ込んだためにした痛い思いをしないものの、すぐにその美しい光景が見える場所へと着いた。
そして、曜、月に対し、一言!!
「さぁ、月ちゃん、これこそ私が沼津で2番目に美しいと思う光景だよ!!」
その曜の言葉のあと、月は曜とその美しい光景が見える場所、屋上のフェンス越しから外を見る。すると、
「うわ~、きれい・・・。街がとても輝いているよ・・・。まるでフィレンツェのドゥーモの天蓋から見た光景とそっくり~!!」
と、月、感嘆の声をあげる。月が今見ている美しい光景、それは、あのイタリア・フィレンツェのドゥーモの天蓋から見た光景にそっくりな、夕日の光があたり光り輝いている沼津の街並み、だった。それには、月も、
(ともてきれい!!本当に光り輝いているよ!!まるで宝石箱みたいだよ!!)
と、光り輝く沼津の街並みに感動していた。いや、それ以上に、
(こんな美しい光景、僕、見たことがない!!フィレンツェと同じくらい、いや、それ以上だよ!!)
と、まさか自分の住む街にこんな美しい光景があるなんて、と、びっくりしていた。
が、このとき、曜は意外なことを言ってしまう。
「どう、月ちゃん、これが私が、2番目、に美しいと思う光景なんだよ!!」
その曜の発言に、月、あることにびっくりする。
(えっ、これが2番目なの!!これが2番目なら1番はなんなの!?)
そう、曜、この夕日の光によって光り輝いている沼津の街並みを、2番目の美しさ、と言っているのだ。では、これ以上の美しさをもつものとはなんなのか、ふと疑問に思ってしまった、月が。そんなわけで、月、2番目に美しいものを月に見せて満足している曜にあることを尋ねた。
「ねぇ、曜ちゃん、この夕日の街並みが2番目なら、1番目はなんなの?」
すると、曜からまたもや意外な答えが返ってきた。
「えっ、月ちゃん、覚えていないの!?昔、私と一緒に見てきたじゃない!!眠い目をこすりながら毎年見に来てたじゃない!!」
このちょっと怒り口調の曜の言葉に、月、
(えっ、昔から曜ちゃんと一緒に見に来ていた?それも毎年・・・、眠い目をこすりながら・・・)
と、なんのことだかわからず、ポカーンとしてしまう。
こんな月の姿に、曜、あることを言いだす、とても重要なことを・・・。
「月ちゃん、思い出して!!昔、お正月の元日の日に、私と月ちゃん、2人一緒に、この「ラグーン」にのぼって、初日の出、見ていたじゃない!!」
この曜の言葉に、月、
「えっ、初日の出・・・」
と、曜の言葉を反芻する。
すると、これがトリガーになったのか、月の脳のなかである変化が生まれてきた。
(えっ、初日の出・・・、たしか、そんな記憶、あったはず・・・。たしか・・・、たしか・・・)
そう、月のなかで忘れていたある記憶の存在、それに月は気づいたのだ。その想い出を必死になって思い出そうとする月。しかし・・・、
「う~ん、う~ん」
と、うなるだけ。あともう少しで思い出すことができるのにそれができない。そんな苦しみを受けていた月・・・、であったが、苦しんでいる月の姿を見て溜らず言ってしまった曜のある一言がそれを一変させる。
「ねぇ、月ちゃん、思い出して!!たしか、初日の出のとき、いつも、私、月ちゃんに言っていたよね。
「月ちゃん、あけましておめでとうございます!!」」
この曜の言葉を聞いた瞬間、
(あっ、思い・・・出した!!)
と、月の頭のなかで記憶をため込んでいたダムが一瞬のうちに崩壊、月はついに曜との大事な想い出を思い出した、小3~小4、曜と初めて行った、あの日の出来事を・・・。
人ごみのなかを痛い思いをしながらかき分けながら進んだ曜と月、外のフェンスのところに到着したものの、そのフェンス越しに見える光景はたしかに美しいもののまだ薄暗かった沼津の街並みだった。これには月もがっかりしてしまうも、曜は、
「でも、あともう少ししたらこの美しい街並みがさらに美しくなるよ!!」
と言っては月を激励するも、その曜の言葉に月は不信感を持つ。
が、そんな月に対し曜はこんなことを言い放つ。
「あっ、もうすぐ始まるよ、沼津で一番美しい光景がね!!」
その曜の言葉とともに東の空から太陽が昇ってきた。すると、それにつられて月の眼下に見える沼津の街並みにも変化が生まれる。
「えっ、あっ、あっ、建物が輝き始めている・・・」
そう、昇ってくる太陽の光に照らされて沼津の街並みが光輝いてきたのだ。これには、月、
(うわ~、ダイヤモンドみたいにどんどん輝き始めているよ!!美しい!!)
と、目をキラキラしながら感動していた。
そんな月の姿に、曜、
「どう、これこそ沼津のなかで一番美しいものだよ!!」
と、月に対して言うと、月も、
「うん、そうだね!!」
と、曜の言葉に同意していた。
そんな月と曜のまわりにいる大人たちは沼津の街並み・・・というか太陽に向かってお辞儀をしたり手を合わせて拝んだりしていた。それは、日本人は昔から、太陽、いや、お日さま、に、この美しいものを作り出してくれるものに対して敬っていた、ということを再確認できる、そんな光景であったが、そんなこと、幼い曜と月が知る由もなく、ただたんに月と曜はお日さまと沼津の市街地が織りなす美しい光景をただただ感心しているだけだった。
そして、この美しい光景を見たあと、曜は月に向かってこう言った。
「私、この美しい光景を月ちゃんに見せたかったの!!だって、月ちゃんと新しい想い出、たくさん作りたいから!!月ちゃんと楽しいこと、もっと、もっと、やっていきたいから!!」
この曜の言葉に月も、
「僕もそう思うよ!!曜ちゃんと楽しいこと、いっぱい、いっぱい、やっていきたい!!」
と、激しく同意していた。
そんな月の言葉に曜はあの言葉を送った。
「月ちゃん、あけましておめでとうございます!!」
(そうだった。僕、すっかり忘れていた・・・。一番美しい光景、それを初めて月ちゃんと見たときのこと、小3~小4の、この「ラグーン」から見た、初日の出の光景を・・・)
そう、月はようやく思い出した、曜にとって(沼津で)1番美しい光景を、「ラグーン」から見た初日の出の光景を・・・。そんな月を見てか、
「月ちゃん、ようやく思い出すことができたね!!」
と、いう声が聞こえてきた。これには、月、
「えっ、誰なの?」
と言っては目の前を見る。
すると、そこには月がよく知る、小3~小4くらいの少女がいた。その少女を見た、月、思わず叫ぶ。
「えっ、(夢の中に出てきた)幼い曜ちゃん!!」
そう、月の目の前にいたのはいつも月の夢の中に出てくる、幼い曜、だった。その幼い曜は月に対しこう言った。
「月ちゃん、ようやくとても大切な想い出を思い出してくれたよ!!これでようやく月ちゃんも先に進めることができるね!!」
これには、月、
「えっ、この想い出で、僕、先に進めることができるの?」
と、幼い曜に尋ねると、幼い曜から意外な答えが返ってきた。
「月ちゃん、この大切な想い出によって、月ちゃんが抱えている問題、そのすべてが解決できるはずだよ!!」
この幼い曜の言葉に、月、
「えっ、それってどういうこと?」
と、再び幼い曜に尋ねる。
すると、幼い曜はさらにあるヒントを月に与えた。
「月ちゃん、この想い出のことを今(高2)の私に話して!!そうしたら、きっと月ちゃんの役に立つものを与えてくれるはずだよ!!」
その言葉のあと、幼い曜は月に対してあることを言ってしまう。
「月ちゃん、私の役目はここで終わり!!きっと、月ちゃんはこれから先、私なしでも道を切り開くことができるはずだよ!!それじゃね、さようなら!!」
そう、幼い曜との突然の別れ。これには、月、
「えっ、曜ちゃん、ちょっと待ってよ・・・」
と、薄くなっていく幼い曜のことを呼ぼうとするもその姿はじょじょに消えていった。
「月ちゃん、月ちゃん、起きて!!」
(現実において)曜は必死に月のことを呼び続ける。そんな曜の頑張りもあったのか、
「はっ!!」
と、月、ついに目を覚ます。これには、曜、
「月ちゃん、ようやく起きたよ~!!私、とても心配したんだよ!!」
と、月のことを心配する。でも、月からしたら、
「えっ、曜ちゃん、なんで僕のことを心配してくれたの?」
と、逆に聞き返してしまう。これには、曜、ある事実を月に述べる。
「月ちゃん、いきなり倒れこんだんだよ!!私、とても心配したんだよ!!私がしゃべった途端に倒れこんじゃって、そのまま失神したんじゃないかと思って、店員さん、呼んじゃったんだよ!!」
で、その曜の言葉通り、曜の隣にはAEDを持った「ラグーン」のスタッフがいた。これには、月、
「曜ちゃん、心配をかけてしまってごめんなさい。僕、もう大丈夫だから!!」
と、体を動かしてはピンピンしていることを証明する。すると、曜も、
「もう心配をかけないでよ、月ちゃん!!」
と、月のことを本当に心配そうに言った。
そんなこともあったもののピンピンしている月は曜に対し、
「それでね、曜ちゃん、僕、曜ちゃんとの大切な想い出、思い出したんだよ、あの、曜ちゃんと初めて見た初日の出のことを!!」
と、夢の中に出てきた幼い曜の言う通り、初日の出の想い出を思い出したことを曜に言うと、その曜も、
「月ちゃん、ようやく思い出したんだね、あの初日の出の想い出を!!よかった、よかった!!」
と、感慨深く言うと、続けて、
「私にとって1番美しいと思える光景、それって、初日の出・・・」
と言うと、その曜の言葉を遮るかのようい月があのときの想い出のことを言った。
「たしかに美しかったよね・・・。東の空から昇ってきたお日さまが沼津の街並みを照れしてくれて、それがダイヤモンドみたいにキラキラ見えていたんだよね・・・」
が、これには、曜、
「あの~、月ちゃん、私、まだ話の続き・・・」
と、月に注意!!そのため、月、
「あっ、ごめんなさい・・・」
と、曜に謝ってしまった。
と、いうわけで、話の続きをする曜。なんと、その途中に意外な言葉が出てくる。
「でね、それって、初日の出・・・みたいに朝日が昇るシーン、なんだよね!!」
この曜のカミングアウトにを聞いたのか、月、
(えっ、初日の出・・・限定じゃないの!!朝日が昇るところ、なの!!)
と、びっくりしてしまう。なんと、曜が言う沼津で1番美しい光景、それは初日の出限定、じゃなかったのだ。毎日のように朝日が昇る、そのときの沼津市街地の光景こそ曜の言う沼津で1番美しい光景、だったのだ。なので、月、
「あの~、曜ちゃん、初日の出限定じゃなかったの・・・、1番美しい光景って・・・」
と、曜にツッコミをいれるも、曜から意外な答えが返ってきた。
「たしかに初日の出は特別なものだよ!!でもね、月ちゃん、たとえ一緒に見えても、日によってはまえとは違った輝きをするもんだよ!!その違いを楽しむのもそのシーンを私が(沼津のなかで)1番美しい光景だと言っている理由なんだよ!!」
この曜の指摘に月も、
「う~ん、納得!!たしかに日によってお日さまが昇ってくる方角も違ってくるもんね!!」
と、納得してしまう。
が、次の瞬間、月はびっくりする。それは曜の答えに納得した月を見て言った曜の一言だった。
「でね、毎日のように朝日は昇るけど、毎日、その朝日を見ているとね、「あっ、またこれで新しい輝きが生まれたんだな!!」って思えてくるんだよね~」
この曜の言葉に、月、ふとあることを考えてしまう。
(うんっ、昇ってくる朝日を見て、曜ちゃん、毎日のように新しい輝きが生まれた、って思っているの!!ふ~ん、新しい輝き・・・)
その瞬間、月の頭の中にある事実が浮かび上がってくる。
(たしか、「ブラメロ」の白い衣装って、白い羽みたいなもの、だったよね。でも、それだと3年生の青い衣装と一緒になると色に統一感がなくなるから、その白い衣装の上に青い上着を着るんだよね・・・)
で、月、つい、この2つのことを並べて考えてしまった。
(白い衣装・・・、白い羽・・・、昇ってくる朝日・・・、新しい輝き・・・。白い羽、新しい輝き・・・)
で、月のなかでいろんなものが混ざり合ってしまう。
(白い羽、飛び立つ、新しい輝き!!)
この瞬間、月にある妙案が生まれた!!
(あっ、そうだよ、そうだよ!!これなら、「ブラメロ」をよりインパクトに見せることができる!!いや、それだけじゃない!!日本一のスクールアイドル、Aqours、と、1番美しい光景である朝日と沼津の街並み、これはすごいコラボになる!!)
月にとって今までのなかで最高の妙案だったのか、月、すぐに曜に対し、こんなことを言った。
「曜ちゃん、ダイヤさんたち(衣装班)に衣装の仕立て直しは明日の朝まで待って、て言って!!」
これには、曜、
「あっ、なにかいいアイデアが生まれたんだね!!なら、わかった!!ダイヤちゃんたちには私から伝えておくね!!」
と、月のお願いを2つ返事で了承した。曜にとって月は千歌たちAqoursと並ぶ最高の友達である。なので、曜の月に対する信頼は最高ランクである。その月がなにかをひらめいた、とすぐにわかった曜はその月のお願いに絶大なるものを感じていた。
そして、月は曜の隣にいた「ラグーン」のスタッフに対してもあるお願いをした。
「あの~、そこの(「ラグーン」の)スタッフさん、お願いがあります。明日の早朝、僕に屋上を使わせてください!!お願いします!!屋上を開けてください!!」
その日の夜・・・。
「え~と、これして、あれして、それを塗って・・・」
と、月は自分の部屋であるものを作っていた。月の目の前には青と白の絵の具が大量に置いてあり、それをなにかに塗っていたのだった・・・が、
「う~、早く塗り終わらないと・・・、うっ、眠い・・・」
と、眠い目をこすりながらも黙々と作業を続けていた。