ラブライブ!SNOW CRYSTAL   作:la55

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Moon Cradle 第7部後編 第10話

 そして、早朝・・・。

「うぅ、徹夜したよ~、眠い・・・」

と、月は嘆いていた。どうやら昨夜していた作業に熱中してしまったためか徹夜になったみたいだった。なので、月、眠い目をこすりながらある場所に立っていた。で、その横には・・・、

「本来ならこの時間帯は屋上を開けることがなのです。ですが、月様のご要望で開けさせてもらいました」

と、無表情の「ラグーン」の屋上管理責任者、それから、なぜか・・・、

「ほほほほほ・・・」

と、なんと、この「ラグーン」の運営会社の会長もいた。ちなみに、この「ラグーン」の運営会社、ここ以外に関東にいくつかここと同じようなエンタメビルを持っており、ほかにもパチンコ屋や劇場などエンタメ関連のお店・施設を持っていたりする。で、その采井会社の本社だが、2つあって、1つは東京に、そして、もう1つは静岡にある。って、静岡・・・?誰かと関係ある?

 と、いうわけで、東の空が少しずつなかで、月たち3人は「ラグーン」の屋上に来ていた。もうすぐ明るくなるとはいえ屋上は外灯以外暗かった。そんななか、月、

「さてと、この人形たちにこれを着せて・・・」

と、言っては事前に持ってきた人形(それも9体!!)にあるものを着せる。それは・・・、月が徹夜して作っていたもの、白いワンピースと青い上着の衣装が6体分、青色の紳士服みたいな衣装3体分、それを、月、9体それぞれに着せると、

「それで、この人形たちをここに置いて・・・」

と、その人形たちを東側のフェンスのところに横一列に置く。で、人形たちを設置した月、

「さて、あとは日が昇るのを待つだけ!!」

と言ってはお日さまが昇るのを待つだけとなった。

 そんな月のとても奇妙な行動を近くで見ていた屋上責任者は、

「(「ラグーン」運営会社の)会長、月様、本当に大丈夫でしょうか?」

と、月のことを心配してしまう。たしかにそうである。昨日の夕方、突然、早朝に屋上を開けてほしいと月からお願いされ仕方なく今日の早朝に屋上を開けたものの、その屋上でまさかの人形遊びを月は始めたのだ。そんな月の行動を近くで見ていた屋上責任者、月がおかしくなったのではと心配してしまったのだ。が、その屋上責任者の隣にいる運営会社会長はというと・・・、

「ほほほほ」

と、ただほほ笑んでいるだけだった。

 そんな屋上責任者に心配されている月だったが、その人形たちの前に自分のスマホを設置すると、

「もし、僕の思っている通りだったら、絶対にインパクトある演出ができる!!」

と、かなり自信を持っている、そんな感じがしていた。が、このとき、月、あることを考えていた。

(僕はあのステージを超えるものを作りたい!!あの、ラブライブ!決勝でAqoursが見せた「WBNW」のステージを・・・)

そう、月はあのステージ、ラブライブ!決勝でAqoursが見せた「WBNW」のステージを超えるものを目指していた。その「WBNW」についてだが・・・、

(僕は直接そのステージを見たわけじゃない。でも、あとで映像で見てはっとした、あんな幻想的なステージがあるなんて!!まるで、雲の上で踊る9人、いや、そこから9人が飛び立とうとしている、そんな感じがしていた・・・)

と、月、初めてそのステージ映像を見た時のことを思い出していた。以前、ラブライブ!夏季大会で8位入賞を果たしたSaint Snowの聖良が言っていた、「決勝のステージに立った時、こう思いました、「雲の上のようだった」」、その言葉を体験したようなステージだ、と、月はこのときそう感じてしまった。スモークがたかれた、いや、まるで雲の上にいるようなステージで千歌たちAqoursは今まで自分たちを応援してくれた人たち、その人たちへの感謝、そして、その人たちの想い、自分たちの想い、みんなとのキズナ、みんなの夢を叶えるための覚悟、それを指し示すかのようなパフォーマンスを行ったAqours、それはこれまでの自分たちの集大成をみせるかのようなものだった。そして、その覚悟のもと、Aqoursは、先に進もう、飛び立とうとしていた、そう月はこのときついそう思ってしまう。 

 そして、月はその「WBNW」のステージのなかでも特にあのシーンを意識していた。

(そして、あのシーンを見て僕はショックを受けた。サビに入る直前、鞠莉ちゃん、花丸ちゃん、そして、梨子ちゃんのロングスカートのすそがパージされるシーン。あのとき、パージされたスカートのすそが青い羽に変わったんだよね。鞠莉ちゃん、花丸ちゃん、梨子ちゃんは、ジレンマ、つらい過去を持っていた。しかし、Aqoursの活動を通じてそれらを克服、新しい自分を手に入れた。つらい過去を乗り越えて新しい自分を手に入れた、それをあのパージシーンは指し示したのかもしれない・・・)

月がショックを受けたシーン、それは、鞠莉、花丸、梨子のロングスカートをパージするシーン、だった。鞠莉、花丸、梨子はそれぞれつらい過去を持っていた。鞠莉は1年のときにあるスクールアイドルのイベントでけがをかけたまま強行出場、それがきっかけでこれまで仲がよかった果南と仲たがいをすることとなった。花丸は小さいときからあまり目立つことが好きではなく(典型的な)インドア派として図書館の主となることが多かった。梨子は高1のときにピアノコンクールでスランプに陥ってしまい、それ以降ピアノを弾くことができなくなった。が、千歌たちAqoursメンバーとの交流のなかで3人はそれぞれのつらい過去を克服することができた。鞠莉は「未熟Dreemer」の一件で果南との歴史的和解を果たし、花丸は同じ1年のルビィ、ヨハネと一緒に行動することでμ'sの凛みたいな?活発とはいかないまでも1人で行動できるくらいの少女へと成長、梨子は同じ2年の千歌、曜との交流でそのスランプを克服、ピアノコンクールで優勝を果たした。3人とも昔の自分を卒業、新しい自分に生まれ変わる、そんな想いがあのロングスカートのパージにより青い羽に生まれ変わる、そのシーンには込められていたのかもしれない。

 なお、そのシーン、実際は、パージされたロングスカートのすそが青い羽に生まれ変わった・・・わけではなかった。あのパージされたスカートはステージの前に投げ捨てると同時に青い羽がステージ前に設置された装置によって噴出される、そんなギミックが発動していたのだが、あまりに幻想的なステージだったため、見ている方からすれば、パージされたスカートが青い羽に生まれ変わった、そんな風に見えていたのだ。

 とはいえ、月からすればあのシーンはとても衝撃的だったものらしく、この延長戦のステージにおいても、月、

(僕はあのシーンを超えるものを作りたい、絶対に作りたい!!)

と、眠い目をこすりながらあのシーンを超えるものを作りたい、そんな熱意を持っていた。さらに、

(そのためにも、僕が考えたこのアイデア、本当にすごいのか、ここで確かめてやる!!)

と、自分の考えたアイデア、それがそのシーンに負けないくらい、いや、超えるものなのかここで確かめようとしていた。が、そのアイデアを試すための時間はまだきていなかった。なぜなら・・・、

(でも、自分のアイデアはあるものの助けが必要だったりする。そのアイデアはそのもののあることが起きなければ実現しない。だからこそ、お願い、はやく起きて!!あともう少しでそれが起きる!!だから、はやく、はやく・・・)

そう、月はそれが起きるのを、ある自然現象が起きるのを待っているのだ。その自然現象が起きないと月のアイデアは完成できない。だからこそ、月はその自然現象が起きるのをいまかいまかと待っていたのだ、自分のアイデアが「WBNW」のスカートパージシーンを超えるものなのかを確認するために。

 そんなわけで、月、その自然現象が起きるのを熱き思いをたぎらせたまま時間が過ぎるのを待っていた。

 

 そして、ついにそのときがきた!!東の空がどんどん明るくなっていく。と、同時にそれまで薄暗かった沼津の街並みも明るくなっていく。で、これを見ていた、月、

(ついにこのときがきた!!僕のアイデアが試されるときがきた!!)

と、ついに自分のアイデアが試される、その瞬間がきたことを自覚する。さらには、

(このアイデアには弱点がある。1日に1回しかできないんだ!!だからこそ、失敗は許されない!!絶対に成功してみせる!!)

と、絶対に成功してみせる、その意気込みをみせていた。いや、月からしたら絶対に失敗は許されない、そんな覚悟を持っていた。なぜなら、月のアイデアを実現させるためにはあるもののある現象が必要だから、その現象は1日に1回しか起きないから、失敗は許されない、そう月は思っていたからだった。

そして、そのあるものがついに東の空から現れた。それにより、眼下に広がる沼津の街並みが光り輝き始めようとしていた。その瞬間、

(えいっ!!)

と、心の中で掛け声をかけると人形たちを撮っていたスマホをそのあるものの方に向ける。さらには、

(えいっ!!)

と、月は手に持っていたひもを引っ張った。

 すると、人形にある変化が訪れた。なんと、人形6体が着ていた青い上着はパージされ中に着ていた白いワンピースがあらわになったじゃないか。と、同時に、

(えいっ!!)

と、月はそのあるものに向けていたスマホを再び人形の方に向ける。

 そして、ついに月のチャレンジは終わった。月はすぐにスマホの画面を見る。すると、

(うん、まずはちゃんと映っているね!!)

と、録画できたことを確認する。どうやら、月、スマホであるものを撮っていたみたいだった。で、一通り録画した動画を見た。さらに、月、もう一度録画した動画を確認する。その動画とは・・・、青一色の衣装3体と青い上着を着た人形6体、それがすぐにフェードアウトすると新しい輝きなるもの、お日さま、が山から顔をみせる。すると、沼津の街並みがダイヤモンドみたいに光り輝き始めたではないか!!その瞬間、人形たちにフェードイン!!そこに映っていたのは青い衣装を着た人形3体と・・・白いワンピースの人形6体。で、その人形たちはそのお日さまの輝き+沼津の街並みの輝きに照らされてまるで自分たちも輝いているかのようにみえた・・・。月が今まで撮っていた動画はそのようなものだった。

 しかし、この動画を確認した瞬間、月、

「よしっ!!これならあの「WBNW」のスカートパージシーン以上のものができるはず!!ついに成功した~!!」

と、喜びにあふれていた。この動画はただそれだけの動画であったが、月からすれば延長戦成功への第一歩ともとれる、そう思えるくらいの動画、ともいえた。

 いや、このとき、月はこう思っていた。

(たしかに、これは単なる動画かもしれない。でも、僕からしたら「WBNW」のスカートパージシーン以上のインパクトを与えるものになった。僕のアイデアに間違いはなかった!!いや、今は単なる人形を使って行ったに過ぎない。でも、本番なら、延長戦なら、曜ちゃんたちAqoursがこれをすることでつか今以上にインパクトを与えるものになる、いや、歴史に残るライブになるはずだ!!)

と、自分が思っていた以上のインパクトを与えるものになった、いや、本番、延長戦のときに千歌たちAqoursが行ったらきっと歴史に残るぐらいのライブになる、それくらいのインパクトがある、と、確信していたのだった、月は・・・。

 そして、月は「ラグーン」の屋上責任者と運営会社の会長に向かって、

「今日は早朝にもかかわらず僕のために屋上を開けてもらってありがとうございました。僕が思っているもの以上のものを得ることができました。本当にありがとうございました!!」

と、お礼を言ったが、とうの屋上責任者はというと、

「あっ、そうですか・・・」

と、ただ茫然としていた。なぜなら、屋上責任者から見たら月がスマホを構えて人形遊びに興じている、と、思ってしまったからだった。で、その横にいた運営会社の会長はというと・・・、

「ホホホホ、青春だね~」

と、ただただほほ笑んでいるだけだった。

 で、月、これに続けとばかりに屋上責任者と運営会社の会長に対しあるお願いをした。

「で、お願いがあるのですが、数日後の早朝、ここ(「ラグーン」の屋上)を使わせてもらえませんでしょうか?」

が、これには、屋上責任者、

「えっ、また早朝からここを開けないといけないのですか!!あのねぇ、この私も早朝からここに来るのはきついのですよ!!」

と、最初にみせた無表情・・・という化けの皮が剥がれたのか、月に対し相当ご立腹になる。それでも、月、

「お願いです!!今は単なる人形遊びにみえたかもしれません。しかし、今日のは数日後に行われるものに対する試験的なものです!!これをもとに、数日後、きっとここで素晴らしものを、素晴らしいライブを、見せることができると思います!!だからこそ、数日後の早朝、ここを使わせてください!!」

と、熱意をもって屋上責任者にお願いする・・・も、屋上責任者、

「でもね・・・」

と、言葉を濁そうとする。どうやら、月の熱意をもってしても屋上責任者の冷徹な心は折れそうにもなかった。

 が、そんなときだった。屋上責任者が、

「でもね・・・、でもね・・・、ここを・・・」

と、言った瞬間、その横から、

「おい、屋上責任者、お前の事情、いや、「ただ早朝からここに来ないといけない。ああ、やだやだ」というたんなるわがままのためだけにこの少女(月)のお願いを聞かないといいうのか!!」

という怒りの声が聞こえてきた。これには、屋上責任者、

「ひぃ!!」

と、怯える声をだすと、その怒りの声がする方を向く。

 すると、そこには怒りの形相となった「ラグーン」運営会社の会長が立っていた。その運営会社の会長は屋上責任者に対し、

「屋上責任者、その少女(月)は早朝にあるものを、いや、ライブというものをしたいと言っているのだ!!それはきっととある利中があるからだろう。その理由を聞いてみてから判断したらどうかな?」

と言うと、屋上責任者も、

「会長がそんな風に言うなら理由を聞きましょう。月さん、数日後の早朝、ここを借りる、その理由を答えてください」

と、ちょっと折れたのか、月に対し、数日後に屋上を借りる、その理由を尋ねた。

 すると、月は真剣な目つきをして熱き心でもってこう答えた。

「ここを借りたい理由、それは、道に迷ってしまったある少女を救い出すための、そして、ある偉大なるスクールアイドルグループの1つの歴史に終止符を打つ、集大成となる、そのためのライブ、それを行いたいからです!!」

この熱意がこもった月の答えに、運営会社の会長、あることを尋ねる。

「ほほう。ある偉大なるスクールアイドルグループとは、何かな?」

 これにも、月、熱意をもって答えた。

「それは、今は亡き沼津を代表する女子高、由緒ある女子高、沼津内浦にあった女子高、

 

浦の星女学院スクールアイドル部、Aqours

 

です!!」

 Aqours・・・、この月の言葉を聞いて、運営会社の会長、

「う~ん」

と、少し考えると、月に対し、

「Aqoursか・・・。そこの少女よ、あなたの言うことはわかった!!」

と、威厳のありそうな声で言うと、続けて、

「そこの少女(月)よ、まずはこの申請書に必要事項を記入してくれ!!」

と、1枚の紙を月の目の前にだした。で、月、その紙を見てみる。すると、そこには、「屋上使用申請書」と書かれていた。で、運営会社の会長はその申請書を見てはこう断言した。

「この申請書に書いてもらえたら数日後の早朝の屋上使用を認めてやろう!!」

 この会長の言葉に、月、

「えっ、屋上を使わせてくれるのですか!?や、ヤッター!!」

と、数日後の早朝、屋上を使わせてくれる、と思ったのか喜んでいた。

 が、運営会社の会長の話はまだ続いていた。運営会社の会長、

「そこの少女、ちと待てい!!まだ、話は続いておるぞ!!」

と、月に注意すると、月、

「えっ、あっ、はい・・・」

と、急に黙ってしまう。どうやら勇み足だったようだ。

 で、運営会社の会長は話の続きをした。

「ただし、この申請書を提出してから1日は待っておいてくれ。この1日の間にほかのところから反対意見、もしくは、クレームがあった場合、私たち「ラグーン」の運営会社を含めた当事者間の話し合いで申請側に不備があるなどのことが発覚したり反対したものの意見が採用された場合、申請は却下されることになるから、それをお忘れなく」

 この会長の言葉を聞いた月、

「たとえそのことを聞いたとしてもここでAqours最後のライブを行う機会を得る可能性がもらえただけでもうれしいです!!ありがとうございます、(運営会社の)会長!!」

と、会長にお礼を言った。

 で、運営会社の会長はというと・・・、

「ホホホ、青春っていいねぇ・・・」

と、ただほほ笑みながら言った。

 が、このとき、1人だけ顔をゆがませる人物がいた。それは屋上責任者だった。このとき、屋上責任者、

(こ、このままだと、Aqours最後のライブ、が行われてしまう!!こうなると、裏美様、いや、木松悪斗様の野望が潰えてしまう!!なんとかしないと・・・)

と、思っていた。そう、この屋上責任者、実は、木松悪斗、というか、裏美のシンパ、だったのだ。ここでAqours最後のライブを行ってしまうときっと裏美の状況が不利になってしまう、屋上責任者はそう考えてしまったのである。

 そういうことで、この屋上責任者、すぐにあるところに電話した。

「あっ、裏美様ですか。「ラグーン」の屋上責任者です!!それよりも、大変です!!大変なことが起きました!!実は・・・」

 

 で、そんなことも知らず、月は上機嫌で自分の家に帰るとすぐにルビィに電話をした。

「あっ、ルビィちゃん、ちょっとお願いがあるんだけど、ルビィちゃんたち1・2年生が着る青い上着、それを少し加工してもらいたいんだ!!うん、実はね、その上着、すぐに脱げるようにボタンをちょっと加工してもらいたいんだ・・・。うんうん・・・」

 

 こうして、なにかを企んでいてた月であったが、数日後、無事に延長戦を迎える・・・はずもなかった。そう、あの男が残っていた。その男の名は裏美・・・ではなく、木松悪斗、だった。黙って月の思惑通りに進むことんなんて許さない、それが、木松悪斗、である。なにがなんでも勝利にこだわる、それが、木松悪斗、である。木松悪斗には敗北という文字は許されない、のである。そんな、木松悪斗、がここで黙っているはずがない!!

 そんなわけで、木松悪斗のターン、とすぐにはならなかった、残念・・・。

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