星廻る杖と魔法科高校の劣等生   作:カイナベル

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ゼロワンはいいぞ。

 早いでしょ?あんなこと言った後だからできるだけはよ終わらせたいんや。というわけで九校戦編最終話はどうぞ。


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第十一話

 モノリス・コードで優勝したことによって、一校が新人戦優勝を手にし、総合優勝もほぼ確実と言っていいほどに手中に収めていた。これから行われるミラージ・バットとモノリス・コード本戦には深雪と克人が出場する。深雪の魔法力が卓越しているし、克人に至っては言わずもがなである。もはや一校優勝は目前であった。

 

 しかし、ここでそこで胡坐をかき、わざわざ自分から足元をすくわれようとするものは一校内にはおらず、自分たちの競技を精一杯こなしていた。

 

 しかし、その一方で自分たちの行く末を案じ、夜も眠れない者たちがいた。九校戦の勝負内容をネタに賭博を行っていた者たちは一校が優勝することが非常に都合が悪かった。彼らは世間一般的に言う悪人たちである。追いつめられた時の彼らの行動はネズミも驚きのそれである。追いつめられた彼らの魔の手が再び迫ろうとしていた。

 

 進が天幕に、散歩から戻りしばらくすると天幕の中がざわつき始める。また事故が起こったのかと思ったが、そうではないようだ。その原因を真由美に問いかける。

 

「七草先輩。どうされたのですか?」

 

 いきなり珍しい人物から問いかけられた真由美は一瞬戸惑ったような表情を見せた後、すぐにいつものような表情に戻り、説明を始める。

 

「ええ、達也君が大会本部でいきなり暴れたみたいで。理由は、いつものことみたいなんだけど……」

 

「…………ああ、深雪さんのことですか。深雪さんのCADに細工でもされたのでしょうか」

 

 一瞬考えこんだ進はすぐに思い当たる節を見つけ、納得する。あの兄弟愛の強い男であれば、怒り狂うのもおかしくない話である。

 

「彼は意外と感情的な人物なんでしょうか?」

 

「極度のシスコンなんでしょう」

 

 進の素朴な疑問に真由美はくすくすと笑いながら、自身の見解を述べる。

 

 真由美と話していると渦中の人物か天幕内に現れたようで、ざわめきが一層強くなる。

 

 甘い雰囲気を醸し出す達也と深雪の二人はその甘美さを天幕内に広げていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 モノリス・コードが終わってしまった影響で進は暇を持て余していた。散歩もこの一週間でほとんど回りつくしてしまい、やることのなくなっていた進は珍しく自分からミラージ・バットの会場に足を運んでいた。

 

 とはいっても見えるわけでもないので、面白いかは別である。しかし、雰囲気だけでも暇つぶしにはなるといえた。そこで意表を突いた人物と出会う。

 

「あら、お隣よろしいですか?」

 

「ただ立っているだけです。どうぞお好きに」

 

 制服姿の愛梨は進の隣に立ち、フィールド脇をじっと見つめる。

 

「まずはクラウド・ボール、モノリス・コード新人戦優勝おめでとうございます。クラウド・ボールはともかく、まさかモノリス・コードも優勝するとは思っていませんでした」

 

「それはそうでしょう。相手は一条の跡取りでしたから。私たちが勝つと思っていた方々のほうが珍しいでしょう」

 

「それにしてはずいぶん余裕そうに勝利しましたが?」

 

「余裕ではありませんでしたよ。紙一重でした。さすがあの攻撃にはひやりとさせられましたよ。それより偵察でしたら集中したほうがいいのではないですか?」

 

 まさにその瞬間ブザーが鳴り響き、試合が開始される。それを聞いた愛梨は慌てたようにフィールドのほうを向き、真剣そのものの表情で深雪の動きを観察し始める。それは深雪が決勝の相手であることを確信しているかのようだった。その後、深雪が飛行魔法を使うなどで観客の度肝を抜くなどあったが、達也の一暴れによって、平和的に第二試合が終了した。

 

 試合終了後、隣に立っていた愛梨は不思議そうに進を見つめた。そして、満を持してといった表情で進に問いかけた。

 

「あなたといい、司波深雪といい……。どうなっているのかしら?数字付きでもないものがあそこまでの力を見せるなんて」

 

 愛梨の言葉に進は自分の考えを答える。

 

「数字は確かにこの世の中では大切でしょう。数字付きでは魔法力を高めるための様々な取り組みがされているでしょう。でもたまたま出てきた数字のない人間が目立っているだけでしょう。表に出ないだけで数字がなくても強い人物はごろごろいるでしょう。それが今年だったというだけの話でしょう」

 

 進の言葉は愛梨の脳髄に響いた。上には上がいる。それを知ってしまった愛梨は今まで自分のことをエリートだと思い、自分で見ていた世界を狭めていたことを恥じた。

 

「まあ……」

 

「数字がついていないかはわかりませんがね」

 

 進のつぶやきを愛梨は捉えていたが、それがどのような意味を持つのかをその場で考えることはなかった。

 

 観客席の興奮が落ち着いてきたところで進はその場を立ち去ろうとする。

 

「では私はこれで」

 

「あ、もう少しいいかしら。クラウド・ボールのことでもう少し聞きたいことがあるのよ」

 

 了承を取ることなく、愛梨は歩きだした進の横につく。興味があるといったのは紛れもなく本当である。視覚に頼らずに的確に行動し、なおかつ人間離れした反射神経。見える前に行動できる愛梨の稲妻が、見えなくても行動できる領域にまで踏み込めるかもしれない。それを交流できる間に掴んでおきたいというのが愛梨の気持であった。

 

 最も、踏み込まないほうが怖い思いをしなくて済んだかもしれないが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ」

 

 愛梨が異常事態に気付いて声を発した時には猛獣の爪は首元に迫っていた。あと一瞬あれば一色の首は刈り取られ、頭が宙に舞っただろう。気づけただけでも一線を画している。いくら稲妻の異名を持つとはいえ、帯電していない状態ではそれは使えない。このままではなすすべなくやられてしまうだろう。近くに騎士様がいなければ。

 

 巨体で愛梨を殺そうとした大男は愛梨の首を跳ね飛ばすより早く宙に浮きあがり、そのまま競技場の外まで吹き飛んでいく。

 

 しかしその男は慣性中和の魔法を使って怪我一つ無く着地する。吹き飛ばされたことを知覚し、その人物を確認しようと視線を上を向けた瞬間、彼の限りなく薄まった本能が爆音で警鐘を鳴らした。

 

 何が来るかもわからない状況であったが、迫りくるそれが断頭台になることはわかっていた。その男はとっさに横に回避した。次の瞬間、男の腕が吹き飛ばされた。

 

 傷口からあふれ出る血を無視し、目の前に降り立った男に襲い掛かろうとするが、失われたはずの恐怖が行動を拒否する。命を奪い取る死神を殺すことなどできない。そう考えた彼は、できないはずの命令にそむくという行為を行い、その場から逃げようとする。

 

 が、その前に彼の身体に針が刺さり、痺れたように体をけいれんさせながら、意識を飛ばした。

 

「もう、少し派手じゃないかしら?」

 

「だが、競技場から出す際には静かに行っていた。ここは人目につかないし、それなりにはいいんじゃないか?」

 

「それに一瞬だけだけど、実戦でのそれの動きも見れた。それでいいんじゃないかな?」

 

「後処理をするのは真田大尉ではないんですから。勝手に納得しないでください」

 

 姿を見せた柳、真田、藤林の三人はそれぞれの反応を見せながら、痙攣している男の後処理をしていく。

 

 そんな中、遅れて降りてきた愛梨は顔が引きつっている。

 

「あ、あなた。さっきのは……」

 

 愛梨も一瞬ではあるが見てしまった、断頭台となるそれを。最近見たことのあるそれが男の腕を吹き飛ばしたところを。それを見た瞬間、総毛立ち、冷や汗が体中から噴き出た。今なら沓子が言ったことも理解できる。これはかかわってはいけないタイプのものである。

 

 顔をひきつらせた愛梨の言葉を聞いた進は、いつもの温和な雰囲気とは違う、殺気すら感じられるほどの凶悪な雰囲気で愛梨に注意を向ける。

 

「一色さん」

 

 進の言葉に愛梨は全神経を集中する。愛梨には聞き逃してはいけないような感じがしていた。

 

「忘れなさい。忘れたほうがいい。もし、それでも知りたいのであれば覚悟を決めたほうがいい。覚えておきなさい」

 

 その言葉を言った直後、鋭い雰囲気は虚空に消え、いつものような柔らかい雰囲気に戻る。進は三人とともにその場から離れた。それから少しあと、愛梨は崩れるように地面に座り込んだ。荒い呼吸で今起こったことを整理し始めた。そして、整理が終わったところでゆっくりと立ち上がり、三校の天幕ではなく、自室へと戻っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その日の夜、進の父親である玄信は十師族の長である九島烈と相対していた。二人の間で司波達也の話題が上がり、その話題は魔法戦力という達也とは切っても切り離せない部分に入っていた。その中で一つの知的好奇心として烈は一つ問い掛けた。

 

「では君の息子はどうかね?風間進、素晴らしい腕だった」

 

「愚息が閣下の目に留まるとは光栄です。ですが、愚息は魔法力は高いですが、攻撃魔法があまり使えませんので、戦力には……」

 

「そうではない。本人ももちろんそうだが、私が興味があるのは杖のほうだ」

 

 烈の言葉に玄信はびくりと体を震わせ、無意識のうちに剣呑な空気を発してしまう。

 

「安心せい。取って食ったりはしないよ。君を敵に回してしまえば、どの家だってただでは済まないだろう」

 

 烈の言葉に若干ではあるが、剣呑な空気がほぐれる。しかし、ましになった程度で、決して元に戻ったというわけではない。

 

「死神と鎌。我が息子でありながら、そう例えるしかない、息子とあれの組み合わせは」

 

「死神と?司波達也を差し置いてか?」

 

 玄信は目をつぶったまま、応える。

 

「達也が戦術核に匹敵する人材であるとは先ほどおっしゃいましたが、愚息もそれに到達しうる人材であると私は認識しております。魔法力も高い、そしてなによりあの杖が恐ろしい。達也以上に身びいきに聞こえるかもしれませんが、わが息子はそれだけで私の隊と同等レベルの戦力を持っています。破壊力こそ劣りますが、単騎性能であれば達也すら凌ぐ戦闘力です」

 

「絶賛だ。実の息子がそこまでの力を持って独立魔法大隊のトップとしてさぞうれしかろう?」

 

 烈の皮肉じみたを無視し、玄信は言葉を続ける。

 

「だからこそ私は心配なのです。強大ゆえにその力を狙われる。十師族ならば確実に狙ってくるでしょう。もし奪われてしまえば、兵器となることは確実でしょう」

 

 珍しく弱音を吐いた玄信に何も言うことができず黙り込む烈。自分にも孫がいるため、気持ちがわからないわけではないためである。この場で言えなかった玄信の一番の心配事は本人が好戦的であることだったが、それを言えば餌を与えることと同義であるため、口に出すことはなかった。

 

「親としては心配でたまらないのです」

 

 玄信のため息にも似た言葉は二人以外の耳に届くことなく空気に溶けて消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 九校戦最終日。圧倒的な力を見せつけた一校がモノリス・コード本線で優勝し、総合優勝も勝ち取った。その後のパーティでは各校和やかに交流していた。

 

 その中で進は他校の生徒や、大会関係者、基地の高官などに囲まれていた。

 

 大会初期では目が見えないということなどから不気味と思われていた進であるが、目覚ましい活躍により不気味という印象はミステリアスという印象に変わっていた(言い方を変えるだけで印象もだいぶ変わるのであるから不思議である)。

 

 それに加えて、印象と違うさわやかフェイスはギャップという女子の大好物となり、温和な性格も相まって進の人気を確固たるものへと変えていた。

 

 一人ひとり対応していた進だが、さすがに辟易し、できる限り早く終わってほしいと願い始める。それから少し経ち、お偉方が退場し、いよいよダンスの時間になる。

 

 来賓との会話でさすがに疲労を感じていた進は人垣をすり抜け、外に出て夜風を浴びながら歩き始める。

 

 しばらくすると、進は前方に人の気配を感じ取る。最近は珍しくなくなったそれに驚くこともなく、前方の人物に声をかける。

 

「どなたでしょうか?女性だと思いますが」

 

「一色です。少し座りませんか」

 

 一色は進をベンチのほうに案内する。断る理由のない進は誘導に従い、案内されるがままベンチに腰掛ける。

 

 差し出されたグラスを受け取った進は適当な質問を問い掛ける。

 

「なぜここだと?」

 

「司波深雪さんのお兄さんに教えていただいたんです」

 

「外に出てきてもよろしいのですか?一色のご令嬢が」

 

「それを言うならば大活躍を見せたあなたも同じようなものでしょう?それに私は程度の低い男と踊る気はないんです」

 

 変わらない一色節に進は心の内でクスリと笑い、グラスの中の飲み物でのどを潤す。隣に座る愛梨はうつむいたまま、隣で黙り込んでいる。しばらく黙り込んだまま、思考して、そしてグラスの飲み物を一口飲んだ後、意を決して口を開いた。

 

「あの……、昨日のことなんですが……」

 

「やめたほうがいい」

 

「いいえ、一応私も当事者になってしまった以上、知る権利がある、それ以上に私が知りたいのです。どうか、教えていただけませんか」

 

 ぴしゃりと言い放った進にひるむことなく続けた愛梨に進はどうしようか考えこむ。進が話さないのが自由であるのと同様に、愛梨が知りたいのも自由である。知りたいと思ってしまえばその思いを止めることはできないのだから。だからこそ覚悟を決めたこの少女に行っていいのかもわからなかった。

 

 進は一気に飲み干し、大きく息を吐いた。

 

「この杖は確かに呪われていますけどね。そこまで恐ろしいものではありませんよ」

 

 進は結局話すことに決めた。そもそもそこまで恐ろしいものでもないからだ。本人にとっては。

 

「何かを支払って、この杖を使えるというだけの話ですから。私が支払ったのが視力というだけの話ですから」

 

 進は軽く話したが、やはり愛梨は恐ろしかった。

 

「風間。こんなところにいたのか?……邪魔だったか?」

 

 二人の空間に割って入ってきた克人。本人には悪気はない。

 

「いいえ、大丈夫ですよ。何か御用ですか」

 

「少し話がある。一色殿、進を借りていきます」

 

 いきなり現れた克人にあっけにとられた愛梨が答える前に克人は歩き始め、進もその重厚な足音についていく。少し歩いたところで克人は止まり、進のほうに振りかえる。

 

「早速本題に入ろう。師族会議において十文字家代表補佐を務める魔法師として助言する。風間、お前は十師族になるべきだ」

 

「そういうお話であれば、父を通してもらいますか?ご存じでしょう?」

 

「陸軍の風間少佐のことか。あの方が十師族を好いていないことは重々承知だ。だが、十師族の次期当主に真正面から勝つというのはお前が考えているよりずっと重い。それを忘れないようにな」

 

 克人が去ったあと、立ち直った愛梨が進のもとに駆け寄ってくる。背後で流れている音楽は曲が変わっている。時間的にそろそろ終盤であるというのは容易に想像がついた。一色はそれを聞いて思いついたように進に問いかけた。

 

「パーティも終わるというのに誰とも踊っていないのは殿方としてあまりよろしくありません。よろしければ私と踊っていただけませんか?」

 

「私はそういったことには疎いのですが……」

 

「思いつくままにステップを踏んでいただければ、あとは私が合わせます。女性から手を差し出すのは男性として失格ですよ」

 

「でしたら、喜んで踊らせていただきましょう」

 

 進は愛梨に手を差し出して、愛梨はそれを手に取った。二人は小さく聞こえる音楽に合わせ、夜の帳のなか、静かにダンスを踊った。初めての経験に戸惑いながらも進はそれを噛みしめながら楽しんだ。

 

 

 

 ちなみに進のダンスは初めてとは覚えないほどうまかった。

 

 





 愛梨がヒロインみたいになってしまった……。まあ、かわいいし、同じ剣士だからオッケーってことにしておいてください。

 ほんとはもっとオルガノンとか進の身体にについてほのめかすつもりだったんですが、それをやると風呂敷をたためなくなるのでやめたのは内緒の話。さすがにとっ散らかるのは嫌。

 次から問題の横浜ですよ。やっと私の書きたいところがかける……。

一色愛梨はヒロインか

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