星廻る杖と魔法科高校の劣等生   作:カイナベル

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 どうも皆様、好きなワートリキャラは影浦雅人。私です。

 特にいうことはなし。以上!


第四話

 勧誘週間が終わり、校内は落ち着きを取り戻していた。もっともそうはいかない人物が何人か入るが……。

 

「進君、やっぱり風紀委員会に入らないか?達也君が過去との顛末は聞いている。他人のいさかいに割って入れるほどのお人好しであったら、活躍できると思うんだが」

 

 摩利はまたまた達也経由で進を呼び出し、何とかして風紀委員に入れようと説得していた。が進は摩利の言葉にため息をつく。

 

「申し訳ありません。何度も申し上げていますが、風紀委員に入る気はないのです」

 

 進の言葉に摩利はがっくりと肩を下げる。傍らでやり取りを見ていた達也も進のスパッとした切れ味の言葉に肩を落とした摩利に少し同情してしまう。

 

「それに皆様私を勘違いしていらっしゃる」

 

「ほう?」

 

「私はお人好しなのではなく、自分が戦うことのできない争いごとが嫌いなだけです。ただそれだけです」

 

「ふむ?それならば風紀委員に入ったほうがいいだろう。有事の際は合法的に暴れられるぞ?」

 

 新たな切り口を見つけたと判断した摩利は口元を吊り上げながら進に問いかける。が、進はその程度では言葉に詰まることはない。

 

「風紀委員に入ればあちら側の方々はあまり反撃してこないでしょう。賢明であれば、反撃すれば罪が重くなることぐらいはわかるでしょうから。私は反撃が返ってくるような戦いがしたいんです」

 

「つまり、喧嘩ではなく、模擬戦のようなものがいいということか?」 

 

「楽しむことができるような戦いであれば何でも」

 

 達也は一連の問答で進の本質を見た気がした。戦闘狂(バトルジャンキー)。進は口調こそ柔らかいが、奥底では戦いが好きなやつなのだということに気付いた達也は誰にも気づかれないほどの小さく口角をひきつらせた。

 

「では、そろそろ失礼しますね」

 

 進は杖を突きながら、風紀委員会本部を後にしようとする。その姿を引き留めることができない摩利は見送ることしかできない。が、達也は伝えておくべきことを思い出し、進を引き留めた。

 

「そうだ進。桐原先輩から伝言だ。『止めてくれてありがとう。ぜひ今度空いている時間でいいから話がしたい』とのことだ」

 

「わかりました。失礼します」

 

 進は本部から出て、廊下を歩き始める。すると、進の耳に新しい声が響いた。

 

「おう、やっと会えたな。チャンピオン」

 

「その声は……、確か桐原さんでしたか?」

 

「おう、桐原武明だ。……悪いが放課後少し時間をとってもらえないか。少しばかり話したいことがあるんだ」

 

「ええ、かまいませんよ。どちらに向かえばよろしいでしょうか?」

 

「そうだな。じゃあカフェテリアで頼む」

 

 桐原がそう告げると、昼休み終了のチャイムが鳴り、話を区切らざるを得なくなる。

 

「それじゃ、また放課後にな」

 

 桐原は進に背を向け、教室へと駆け出していく。その背中を見送った進も教室に向かって歩き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 放課後、カフェテリアについた進は桐原と向かい合いながらお茶を飲み、端から見たら何とも言い難い状態になっていた。

 

「しかし、顔を合わせるのは二年ぶりくらいか。あの時は派手にコテンパンにされたよ」

 

 桐原の謙遜か、本心かわからないあいまいな言葉に進は何も突っ込まない。

 

 二年前の剣術大会決勝戦では進がきれいな一本を取り、審判の完全一致で優勝を収めた。コテンパンという言葉も間違いではない。だが、それ以上に進が謙遜も何もしなかったのは、その時の勝利に何の疑念も抱いていなかったからだろう。

 

 進の目の前の紅茶が半分ほど減ったあたりで桐原がさっそく切り出す。

 

「まずはあの時の礼をさせてくれ。本当に感謝している。あのまま手を出していたら、壬生にけがをさせてしまっていたかもしれなかった」

 

 桐原は座ったまま、頭を下げる。

 

「あげてください。あれは自分の意思に従って動いただけですので」

 

 進は頭を上げるように言う。その言葉に従って桐原は頭を上げる。ちなみにだが、自分の意思はやさしさなんかではなく、先に述べたそれである。

 

「回りくどいのはあまり得意じゃないからな。早速本題に入らせてもらう。進、お前剣術部に入らないか?」

 

 進は桐原の言葉に既視感を覚える。

 

「そうですね。申し訳ありませんが、私はクラブ活動に入るつもりはないんです」

 

 進の解答に桐原は残念そうに肩をすくませる。

 

「そうか。でもぜひ剣術部に遊びに来てくれよ」

 

 桐原と進はそのまま和やかな会話を続ける。

 

「しかし、二年前いきなり大会に出場して優勝した伝説の男がまさか視力失ってるとは思わなかったぜ。いったいどうしたんだ?」

 

「ちょっとした事故ですよ」

 

「残念だ。もういちどやりたかったんだが」

 

 しかし、和やかだった雰囲気がピリッとする出来事が訪れる。

 

「進?」「桐原君?」

 

 進はその声で自分の背後に達也が立っていることに気付き、桐原は珍しい組み合わせにぎょっとした。

 

「達也さんですか……。デートですか?」

 

 進の発言に達也は少し慌てたような表情を見せ、壬生は顔を赤く染める。このまま誤解を解かずに進を返すことになれば、いつか氷漬けにされるかもしれないと判断した達也は弁明を始める。

 

「違うぞ進。これは壬生先輩の誘いだ」

 

「つまり告白ですか」

 

「違う。ただの話だ」

 

「冗談ですよ」

 

 進は焦って更なる弁明をしようとした達也の雰囲気を察して話を切り上げる。話がいったん区切られたところで壬生が前に出る。

 

「風間進君よね?私は壬生紗耶香。この前はありがとう。おかげでだれも傷つかないですんだわ」

 

 そういうと壬生は軽く進に頭を下げる。が、顔を上げるとき、達也は桐原のことを一瞬睨みつけたのを見逃さなかった。

 

「それじゃあ行きましょうか」

 

 壬生は達也と一緒にその場を離れ、自分たちの席を確保する。

 

「では、我々もお暇しましょう。お話も終わったことですし」

 

「お、おう」

 

 進は席を離れ、帰宅のために駅へと足を運んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日、進はカウンセリング室にむかっていた。目的としては単純に盲目である進が学校生活で不自由していないかを確かめておきたいのだろう。

 

 カウンセリング室にたどり着いた進は確認を取ってから中に入り、席に着く。

 

「呼び出しに応じてくれてありがとうね。風間進君、学校生活には慣れたかしら?」

 

 進には聞き覚えのない声がカウンセリング室にこだまする。声のトーンからして女性の質問に進は答える。

 

「ええ、教材等で不便なことはしばしばありますが、慣れたらたいしたことはありません」

 

「大変そうね。音声教材等の充実を学校に進言したほうがいいかもしれないわね。っと、この話はいったん置いておいて。これからお呼び出しをした理由を説明させてもらうわね」

 

「カウンセリングの協力でしょうか?」

 

「話が早くて助かるわ。あなたにはカウンセリング部の業務協力をしてもらいます」

 

 カウンセラーの小野遥から業務の詳しい内容の説明がされる。業務内容に納得した進は首を縦に振る。

 

「それでは、いくつか質問させてもらうわね」

 

 遥は進に用意していた質問を呈示した。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ご協力ありがとうございました。それにしてもほかの生徒以上に大変そうね。この学校があまりそういう方面に発達していないからかしら?」

 

「どんなことであっても慣れです。慣れてしまえさえすれば、特に難しいことはありません」

 

「達観してるわねえ」

 

「単純な心の持ちようだと私は思いますよ。それでは」

 

 遥の言葉に答えた進はそのまま部屋を後にする。

 

「困ったことがあったらいつでも相談しに来てね」

 

 遥の言葉を背中で聞き、進は教室へ戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 授業が終わり、帰宅していた。買い物をしながら、自宅に向かっていたところで進の耳は妙な音をとらえる。バイクのアクセルが噴かされる音。それもそれが大通りではない路地に入り込んでいる。

 

 それを不審に思った進はその方向に近づいていく。近づいていくにつれてバイクのアイドリング音にかき消されていた言い争いの声が聞こえてくる。

 

 が、言い争いがはっきりと聞こえるほど大きくなったところで甲高い音が耳を貫く。脳を震わせるような音が進に不快感を与える。 

 

 その音の影響で顔をゆがめているほのか達三人は暴漢達の凶刃にさらされようとしていた。

 

 ナイフが振り下ろされ、ほのかにその刃が突き立てられようとした瞬間、暴漢達はいきなり白目をむいて倒れていく。突然のことにほのかたちが戸惑っていると、路地に進が入ってくる。

 

「し、進君!?」

 

「ご無事ですか?何やらトラブルに巻き込まれていたようなので制圧させていただきましたが」

 

 進は左手のCADを撫でながらほのかに問い掛ける。突然のことに戸惑いながらもほのかたちは答える。

 

「う、うん。ありがとうございました」

 

 ほのかたちはいまだにアンティナイトの影響が残っているらしくふらふらと立ち上がる。

 

「でも、なんでこんなところに?」

 

「たまたまですよ。買い物の途中だっただけです」

 

 進は左手の紙袋を見せる。納得したように三人が首を縦に振っていると背後から深雪が顔をのぞかせる。

 

「進さん!?みんな、大丈夫!?」

 

 深雪の心配する声はほのかたちを安心させる。その傍ら、安全を確認した進は男たちの処分をどうするかを考える。このまま放置するのは論外。そのことを相談しようとすると、先に深雪が口を開く。

 

「この男たちの処遇は私に任せておいていただけませんか?」

 

「深雪さんがそうおっしゃるのであれば、どうすることもできない私はお任せいたします。ほのかさんたちは?」

 

「わ、私たちも深雪にお任せする。どうしようもないし」

 

「同じく」

 

「私も」

 

 三人の同意をとった進はそのまま深雪に任せ、自分はその場を立ち去る。が、倒れていた男に気付かなかった進はその男に躓き、転んでしまう。

 

 進は立ち上がろうとする。ほのかたちはそれに手を貸し、路地から出るまで手を引いて誘導する。路地から出たところで進に、

 

「そういえば自己紹介がまだだったね。私はアメリア=英美=明智=ゴールディ。長いからエイミィって呼んで」

 

「わかりました、エイミィさん。私は風間進。進とお呼びください

 

「もう。エイミィでいいって」

 

「進君はずっとさん付けだからあまり気にする必要ないよ」

 

 ほのかと雫はエイミィの肩に手を置き、諭すように声をかける。

 

「ではこれで失礼いたします」

 

「待って。駅まで送っていく。助けてもらったからこれくらいはさせて」

 

「では、お願いします」

 

 雫に手を引かれ、四人は駅に向かい始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰宅した進の端末に着信が入る。この端末の連絡先を知っているものは少ない。連絡をしてきた者のあたりをつけ、進は端末の応答のボタンを押す。

 

「進、調子はどうだ」

 

「問題ありませんよ。そもそもそこまでやわに鍛えられていません」

 

「そうか。それより少し伝えておきたいことがある。モニターのほうに切り替えてくれ」

 

「わかりました」

 

 進は端末の通話を切り、モニターにかかってきた着信に応答する。

 

「久しぶりに息子の顔を見たな。いつもは真田君たちのところに行ってしまうからな」

 

「それ以上に親父殿が忙しいからでしょう。そんなことよりも」

 

「ああ、本題に入ろう。現在、反魔法活動を行っている政治結社を知っているか?」

 

「ええ、確か……、ブランシュでしたか?」

 

「そうだ、その下部組織にエガリテという組織があるのだが、現在その構成員が第一高校に潜入している。近々、ブランシュが第一高校で行動を起こそうとしているとのことだ。一応耳に入れておく。もし何かしらが起こったら、また連絡する。力を貸してもらうぞ」

 

「わかりました。力をふるうだけであればいくらでもやらせていただきましょう」

 

「それではな」

 

 そういうと、通話は切れ、モニターが黒く染まる。音の消えた室内で進は考え込み始めた。

 

 

 




 今回はこれで終わり。次回は討論会でのテロリストとの闘いと、ブランシュ本部へのカチコミで行きたいと考えています。

 では次回までバイビー。

 ※どうでもいい小話
 ワールドトリガーの最新話見ました。まさかとは思いますが、草壁隊全員誰かしらの信者だったりしないよね?今出てる二人どっちも信者だからありえない話じゃないかもね。体調が沢村さんの信者で、恋を応援してるとかだったら面白いのにな……。



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