ユノのアルバム欲しい……金がない……。
三話目です。一気に進む気がしなくもないですが、
色々考えた結果こうなりました。
「あ、あのさ、アスカちゃん。
ルヴァンの事教えてくれないかな……。」
ナナは結局、再度アスカに直接聞くことにした。
しかし、違うのは今回はロミオと一緒にいるという点だった。
「……聞いてどうするの?」
アスカはあまりにも変化しない表情のまま言った。
感情は相変わらず乏しく、瞬き一つすらしない。
「あのさ、話聞いたんだけどさ、
やっぱり気になんだよ。よければでいいからさ。な?」
ロミオはアスカに説得するように少し近づいて話しかけた。
しかし、その少女は表情を一ミリも変えず、
一度ため息をついて、背を向けて歩き出そうとした。
……その時。
「……すみません。大丈夫ですか?」
後ろにいた女性と軽くぶつかり、その反動でよろめいた彼女を
アスカはそっと支えた。しかしその表情は一ミリも変わっていない。
「あ、ありがとうございます……。」
その女性はそう呟いて再び立ち上がった。しかしその後が大変だった。
「き……貴様ッ!!今何したかわかっているのか!?」
その無表情を貫き通す少女の襟を掴む50代から60代の軍服を着た男がいた。
その胸元には数々の勲章が無駄に彩られている。
「貴様の命なんざ、賠償金の一部にすらなりはしないのだぞ!?」
ロミオとナナの二人は少し心配そうな目で見ていたが、
その次の少女の一言で驚愕した。
「……手を離せ。」
「あぁ!?」
「手を離せって言ってんのが解んないのかっつってんだよッ!!」
その少女は今まで一ミリも変えなかったアスカの表情が急変した。
その場にいた全ての者が息を飲み、黙った。
しかしその少女は掴んだ手を逆手にとり、思いっきり突き放した。
「き……貴様ァッ!!こんなことしてただで済むと思うなよッ!!」
「も……もうやめてくださいッ!!相手は私より年下の少女ですよ!?
大人気ないとは思わないんですか!?」
さっきアスカが助けた「ユノ」と言われている女性が、
アスカのことをかばうように前にでた。
「くぅ……分かりました。すみませんねぇ。
こいつらは戦うしか能のない奴等ですから……。」
そうアスカを睨みつけながら呟いた。
「ハンッ。戦うことすらできねぇ中年のブタには言われたかねぇよ。」
アスカはハンと鼻で笑い、背を向けた。
その一言に関して、その男は何かを言いたそうだったが、
ユノに一回睨まれると、渋々エスカレーターを使って高層エリアに移動した。
その一部始終を見ていたロミオとナナは冷や汗をかいていた。
こんな彼女は見たことがなかった。いくら精神状態が不安定だからとはいえ……こんな。
「……すみません。ついカッとしてしまって……。」
次の一言でアスカはいつもどおりの無表情に戻っていた。
ロミオとナナは一度顔を見合わせ、ハハ……と苦笑いをしていた。
もうナナの頭の中にはルヴァンの事をすっかり忘れていた。
その様子を遠くから見ていたジュリウスとスメラギは無言のまま、
高層エリアにいるラケル博士の元へと向かった。
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「……アスカがですか?」
ラケル博士は一つも表情を変えずに、さっきロビーで起きた事柄の一件の話を聞いた。
「はい。少し様子が変だったもので……まさかこんな事になろうとは。」
ジュリウスはあの時の表情を思い出しながら、ゆっくりと告げた。
「別に気にする程ではありませんね……。
精神状態が不安定になりやすいのは貴方達も知っているでしょう?」
ラケル博士は深刻そうな顔をしているジュリウスやスメラギとは
真逆の表情をし、ゆっくり笑った。
「ですが……このままでは……。」
スメラギは少しアスカの事……雇い主の事を心配し、
切り出したが、ラケル博士はニッコリ笑い
「大丈夫です。私の方からあの二人に話しておきましょう。
貴方達は次のミッションに備えてゆっくりしていてください。」
とだけいい二人を部屋から退室させた。
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「先ほどはすみません……。私の不注意で……。」
ユノはあのあと、直接アスカを屋上の庭園へ呼び出し、謝礼の言葉を述べた。
するとアスカは少し表情を和らげ、
「こちらこそ……つい……色々申し訳ございません。」
アスカがそう謝罪すると、ユノは両手をブンブン振って
「そんなことないですって……。大丈夫ですよ。」
そういうとユノは少し下を向いて、小さく歌を口ずさみ始めた。
アスカは最初は少し驚いたものの、彼女の歌声を聴き続ける内に、
心が落ち着いてきた。少し興奮状態だったのだ。
歌が終わると、アスカは小さく拍手をした。
「歌……上手ですね。ずっと見蕩れてました。
なぜだが……心が落ち着くんですね。」
そうアスカに言われると、ユノは少し恥ずかしそうに
「あ、有難う。そう言ってもらえると嬉しいな……。
私にはこれぐらいしかできないから……。」
ユノはそう言うと、ひと呼吸おいてから、さっきの事について聞いた。
なぜさっきの男……グレム局長にあそこまで嫌悪感を丸出しにしたのか。
「……一言で言えば……復讐ですかね。」
アスカはまたもや表情を一つも変えずに呟いた。
その少し和んでいる表情とは違い、言っている内容は
人間の黒いところそのものだった。
「その……復讐って……?」
ユノは少し表情を少し曇りながら続きを聞き出そうとした。
「……少し長くなりますよ?それでもいいですか?」
アスカはゆっくりユノの方に向き直り、呟いた。
ユノはこの先を聞くことへの恐怖心よりも、
彼女の事をもっと知りたいという探究心の方に吸い寄せられ、ゆっくりと頷いた。
「そうですね……どこから話しましょうか……。」
アスカは少し空を見て考えたのち、ゆっくりと目を閉じ話し始めた。
……どれだけグレム局長の事が嫌いだか、すぐにわかりますね(笑)
次回はアスカの過去を書こうと思います。が、
結構話の展開が急ですよね。気をつけたいと思います。