ガールズ&パンツァー ドイツ極秘戦闘隊と親善試合です! 作:ロングキャスター
改めて今までの話に編集したり新しく追加したりしていますのでまだご覧になってない方はぜひご覧になってください。
では簡単におさらいです。
西の発案で更に戦力差を広げることにした大洗連合。
サンダースの凄腕、ナオミとエンジェルスの凄腕、フレディとの一騎打ちの運命はいかに!
シャーマンファイアフライとスーパーパーシング。
その相互の砲弾が両者の車体に直撃する。
黒煙を吹く両者…
その様子は観客席前の巨大モニターに映し出されていた。
パシュッ
という白旗が揚がる音がした。
「大洗連合、ファイアフライ…ブラッドハウンド連合、スーパーパーシング…走行不能!」
アナウンスが響き渡った。
フレディは大きく息を吐いた。そして笑みを浮かべる。
「ショットトラップか…多分向こうの方が一枚上手だぜ」
ナオミは1キロを有に超える距離でショットトラップを使いスーパーパーシングを撃破した。もちろん、みなが偶然だと言うだろうが彼には確実に狙われていたと断言出来た。そう彼の直感が囁くからだ。
フレディが撃破された事はケイラー達にも知れ渡った。
「ウィットナー!フレディがやられた!どうやらファイアフライと撃ち合ったらしいけど…」
ケイラーは驚いた様子で伝えたがウィットナーは特段驚くことはなかった。
「向こうのファイアフライって事はナオミという娘が砲手らしいな。なら彼がやられても説明はつくし、何より相討ちに持ち込んでくれたおかげでこっちも脅威が一つ減った」
ウィットナーは一呼吸置いて再び話し始めた。
「だいぶいい感じのムードになってきたな。ケイラー、予定を変更する。大洗を先回りしてC47地点に誘き出せるか?」
「ちょっと待って」
ケイラーはそう言うと別の部隊に無線を入れた。
「こちらケイラー。偵察車、大洗の状況は?」
「こちら偵察車。大洗はK55地点を一直線に市街地へ向けて進行中。到着まで凡そ10分ほどです」
ケイラーは地図を確認し自分たちと市街地までの距離を計算した。
「ごめん、無理ね。ここからだと最短距離を突っ切っても10分は掛かりそう。どんなに急いでも同時くらいにしかならなそうね」
「分かった。なら最短距離で進行し、大洗が防御体勢に入る前にC47地点に誘導してくれ」
「オッケー。それなら行けるわ…全車、北西に進路を変更!最短距離で市街地まで突っ切るよ!」
「ケイラー曹長。この進路だと大橋を渡ることになりますが渡るんですか?」
チャレンジャー車長が問う。
「そうね。向こうも守備体制を整えたいだろうから待ち伏せは考えにくい。そのまま渡っても大丈夫よ」
ケイラーは答える。
「よし、俺達もC47地点に急ぐぞ。アルブレヒト、アンナ、C47地点に集合」
ブラッドハウンド全車が再び攻勢に動いた。
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一方、ブラッドハウンド連合が最短距離で市街地を目指しているとはつゆ知らず、大洗連合は市街地でも防衛戦に向けて作戦を練っていた。
「さて、西さんの発案で更に戦力差を広げられたけのだけど市街地の守りはどうします?」
ダージリンが問う。
「このエリアはかなり広大ね。住宅地、都市部、工場エリア…守るところが多い」
中須賀エミが言う。
「ですが進入してくる所は限られています。」
今度は優花里が言う。
「はい。進入してくると思われる高速道路、工業地帯を周辺に防衛しましょう。幸い、高速道路は市街地の主要部に直通しているのでここを警戒すれば必ず現れると思います。」
みほは一旦一呼吸置いて再び話し出す。
「ですが、未だ未確認の戦車がいます。注意してください。」
「T29とJS-3なんて持ってるのよ?もう何か新しいのが来ても驚かないわね」
エリカが言う。
「今までの流れだと、こっちの出方は筒抜けになってる気がするわ。恐らく未確認なのは偵察車だと思うけど」
「本当に偵察車だけならいいけどねぇ」
メグミの言葉にナカジマが言う。
市街地も目と鼻の先となりもう少しで進入できる所まで来たその時だ。そどさっちで周辺を警戒していたそど子が連合の左手より進行してくる車列を発見した。
「敵よ!私達から見て7時14分の方向!」
各車長が双眼鏡で確認する。
「なにっもう来たのか?!」
「あいつら、最短距離で待ち伏せを阻止しに来たな!」
押田、安藤が言う。
「皆さん、戦闘準備!」
みほが慌てて指示を出す。
大洗連合は少々距離があるものの時間を稼ぐ為に攻撃を始めた。
「撃って来た!慌ててるわね…全車攻撃用意!」
攻撃を受けたケイラー達も反撃の準備を始める。
「全車、もう一度確認する。今回は撃破が目的じゃない、C47地点に誘導することが目的よ!…グレッグ!発射出来る回数は?」
「37発可能です!」
「オッケー。ここが大詰めになるから全部撃っちゃって!」
ケイラーは隠し玉として温存していた残りのカリオペを前線に付かせた。
カリオペを潰すためにどんぐり中隊は戦い、辛うじて撃破出来たと思われたが実はもう1両が森で静かに待機していたのだ。彼等は1両のカリオペを必死に守るような戦いをしていたが、あくまでもう1両の存在を隠すための演技だったのだ。
ジリジリと距離を詰めていくケイラー達ブラッドハウンド連合。
そして反撃を始めた。攻撃開始の合図のようにカリオペが残りのロケット弾を斉射。それに続くように全車両が砲撃する。
「嘘だろ!まだカリオペいたのか!」
「回避!」
アンチョビ、みほが続けて叫ぶ。
ロケットの直撃を避けるため右側に進路を変える事になった。
「よし、向こうに追いやった…そのまま攻撃を維持してもっと追い込むよ!」
ケイラー達は更に追い討ちをかける。
「偵察隊!守備は?」
「こちらはC32地点のハイウェイから進入しました。これより合流します。」
「よし!グレッグを先頭に私達はこのまま大洗を追う!エマっちはこのまま市街地に突入して逃げ出さないように道を固めて!」
「エマっち了解です」
エマはその微妙なネーミングセンスに呆れた表情をしつつ指示に従いケイラー達とは別れた。
「クソッ追ってくる!」
ルクリリが言う。
「皆さん!このまま進路を変えてC50地点から突入します!」
大洗連合が逃げるように進路を変えて前進する。想定外の攻撃で彼女達が話していた作戦はほぼ実行不可となった。予定より遅れて市街地に入ることになったが市街地は道が入り組んでいるため比較的逃げやすいだろう。
しかし、それと同時にまとまって動くには制約のある地形でもある。最悪孤立する戦車も出てしまうだろう。戦力差では大洗に部がある現状では、それを生かした1対多数の戦闘に持ち込んだほうが無難だ。
「皆さん。敵は分散させて各個撃破を狙ってくるはずです。はぐれないよう、まとまって行きましょう!」
『はい!』
みほの指示に全員が返答するが行く先々で敵の攻撃を受ける。先回りしたエマ達やクロムウェルⅢ号などの偵察隊からの執拗な攻撃で思うように進めないのだ。
「こっちにも敵が回り込んで来てる!」
「あたいの方も無理だよ!」
ケイ、お銀が言う。
全体からの無線を聞きつつ、みほは地図を確認して最適な方法を模索する。
「ダージリン様…」
「この動き…妙ね」
オレンジペコの代弁をするようにダージリンが言う。彼女達は何か引っかかっている様子だった。
「皆さん!このまま大通りを通ってC47地点を突っ切ってC29地点に向かいます!どうやら敵は分散しているようなので集合して追いつくには時間が掛かるはずです!その間にもう一度体制立て直しましょう!」
みほの指示で隊が大通り方向へ進路を変えた。
「敵連合はバイパス方向へ進路を変更しました」
「オッケ〜。…ウィットナー、そっちに上手いこと誘ったよ」
C47地点にウィットナー達が待ち受けているとは知らず、彼女達はその手中へと入っていく…
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ケイラー達からの追撃を逃れC29地点へと向かうためC47地点という住宅地エリアへと駒を進めた大洗連合。住宅地エリアは道が少し狭い事もありまとまって動けない。そこで隊を一旦別けて前進していた。
「とりあえず、撒いたようだな」
「だがまた現れるかもしれない」
「全車両警戒」
エルビン、カエサルが言いそれを聞いていたダージリンが付け加える。
「来たぞ。チャーチルは狙えるか?」
「いや、先頭のソミュアが邪魔で撃てない」
「しょうがない。防御の厚いチャーチルをやりたいところだが、ソミュアを狙え」
ブラッドハウンドのⅣ号ラングがエクレールのソミュアに狙いを付ける。
「フォイア!」
号令共に放たれた砲弾がソミュアに命中し白旗が揚がる。
「こちらエクレール…撃破されました…」
「警戒!どこから!」
ダージリンが周囲を見渡す。
「敵部隊、後退開始」
「退かれちゃあ手出しが出来ん。そっちはどうだ?」
「ああ、上手くテリトリーに入ってくれたよ…やれ」
ラングの車長とⅣ突の車長のやり取りのあとⅣ突が砲撃。最後尾の細見がやられた。
「こちらもやられました!面目次第もございません!」
「どこから撃ってるぜよ!」
パニックに陥る彼女達。しかしブラッドハウンドはさも当然のように冷静に対処する。
「2両撃破、陣地転換!」
ラングとⅣ突が静かに場所を変える。一方、他の大洗連合にも待ち伏せの一報が入っていた。
「アリサ!待ち伏せされてるから気をつけて!」
「イエスマム!」
「エミ、アリサの前に出て」
ケイは中須賀エミに前衛を代わってもらおうとした。エミもそれを受けて前に出ようとしたその時、アリサのシャーマンが攻撃を受けて白旗を揚げた。
「気をつけて!待ち伏せよ!」
「どこから…」
エミが言い終える前に脇を独特の飛来音を響かせながら砲弾がかすめる。
「っ!エイティーエイト!」
その砲撃音で察したメグミが叫ぶ。
「次は頼むぞ」
「ヤヴォール…同族を撃つのは気が引けるな」
ファインツのティーガー砲手がじっくりと狙いを付けて引き金を引いた。
「えいっ!」
咄嗟にエミのティーガー操縦手の鷹見優が回避行動を取り直撃を避けた。
「なっ!避けられた!」
「もう限界だな。一旦後退する!」
ファインツのティーガーもその場を後にする。
「撃て!」
エミやケイメグミ等がおおよそ撃って来たであろう所を攻撃する。アンツィオやカバチームのマカロニ作戦のようなものかと思われたがハリボテはなくしっかりと建物が壊された。
しかし…
「おわっ…しまった!見つかった!」
壊された建物には瓦礫に埋もれたヤークトパンターの姿があった。
「わ~お!」
「奴ら建物の中に無理矢理入ってたのか!」
ルミが言う。
「クソ!全速後退!」
ヤークトパンターが瓦礫を被ったまま後退し建物の陰に隠れた。
ブラッドハウンドは様々な所に身を潜めていた。建物の中や建物越し等だ。そしてⅣ号も同じように身を潜めていた。
「もう少しだ…待てよ」
Ⅳ号車長がタイミングを測っていた。
「3…2…1…フォイア!」
車長の指示で砲手が引き金を引く。攻撃と共に吹き飛ばされたシャッターの先にはノンナのIS-2がいた。側面にもろに受けたIS-2が撃破された。
「よっしゃ!JS-2撃破!大戦果だ!」
「ビューティフォ-」
喜ぶ車長と戦果を称える通信手が某大尉のようなイントネーションで言う。
「よ~し、ずらかるぞ!」
Ⅳ号が潜んでた車庫の壁を壊して撤収する。
「クソ!至る所に敵が!」
アズミが毒づく。
「俺らドイツ軍は電撃戦だけが取り柄だと思ったか?」
「残念ながら、撤退戦も防衛戦も得意分野なのよね」
パンターG型の車長とファインツが言う。
第二次大戦開戦初期では全く新しい電撃戦でヨーロッパを広く制圧出来たドイツ軍であったが、末期にもなると押し寄せる連合軍に対抗すべくありとあらゆる場所で待ち伏せを行った。実際に建物や小屋に隠れたり、中には藁の中等に戦車や高射砲、対戦車砲を潜ませたり森に潜んで連合を徹底的に押し返そうとした。連合軍に対して痛手を与える事は出来たが、連合軍の圧倒的な物量の前に次々と突破されていった。
しかし戦車道では違う。数が減ったから増援を呼ばれる実戦とは違いすでに双方共に数が決められている。ならば勝機はあるだろう。
そしてその牙がエリカ達を襲う。
「押田、こっちにもいるかもしれない。注意して」
エリカが言う。
「ええ分かっている」
押田は前方の建物に目を凝らし、機銃の曳光弾も使って敵を見つけ出そうとした。そしてある建物の中から閃光があがったと思った時には右の履帯が破損し動けなくなった。
「くっ!敵襲!前方11時40分の方向!緑の建物!」
押田からの報告を受けてエリカ達黒森峰の戦車達がその緑の建物へ集中攻撃する。
「ええい!肝心な所で!後退するぞ!」
建物の中にはヤークトティーガーが潜んでいた。車長はすぐに後退させようとしたが…
「あららら…どうした!」
ヤークトティーガーは後退するどころか少し下がっただけで車体後部が持ち上げるように傾いて停止する。しかもその時に底部から何かを引きずる嫌な音までしていた。
「しまった!瓦礫に乗り上げた!」
「何やってんだ!早く…」
車長が言い終える前に露わになった車体上面に押田の攻撃が直撃して白旗が揚がる。
「無理に入るからそうなるのよ」
エリカが言う
「押田。すぐに修理できる?」
「問題ありません。よし、修理するぞ」
押田が言った直後だった。
「はっ!押田さ…!」
ARLの操縦手が押田を呼ぼうとしたがその前に車体に攻撃が直撃して撃破された。
「まだいるわ!さっきの建物から2個右隣!」
エリカが再び指示を出して建物を吹き飛ばす。
「対応力が素晴らしいな…では敬意を表して自己紹介といこう。操縦手、前進」
煙舞う瓦礫の中から戦車がゆっくりと前進してきた。
「ティーガーⅡ接近!」
ティーガーⅡのアンナから無線が入る。しかしエリカと小梅はその戦車に違和感を覚えた。
徐々に露わになる敵にエリカは言葉を失った。
「ちょっと…嘘でしょ…あれはティーガーⅡじゃない…!」
「E75!」
エリカに代わるように小梅が叫ぶ。
敵のE75が射撃体勢を取りアンナのティーガーⅡに攻撃する。辛うじて跳弾したがけたたましい音がこだまする。
「E75ってどれ?データにないよぉ」
沙織が戦車でーたをパラパラとめくって該当戦車を探すが一向に見つからない。
「データを取り忘れたのでしょうか?」
五十鈴が言うが、
「E75のデータはあるはずがありません…」
優花里が真剣な表情でスマホで画像を検索する。そして出て来た画像を沙織に見せると
「E75はペーパープランだけでサスペンションしか完成していないはずです!…西住殿!」
「一旦どうなってるの…」
みほは絶句した。
「くっ!E75だと太刀打ち出来ない!後退する!」
エリカが指示を出した直後、付近に砲弾が着弾した。
「この火力…12.8cm搭載型と見たほうが良さそうです!」
小梅が言う。
「T29にJS-3、今度はE75ってどういうことよ!」
エリカが毒づく。
「第一、枢軸と連合軍が仲良しって時点でおかしいわ」
ルミが続けて言う。
「え〜っとこちらレオポン。こっちもトラブル発生!」
「レオポンさん!?」
「うちのレオポンのお兄ちゃんみたいなやつが出てきたよ!」
「どっちかって言うと弟だろ」
ナカジマの言葉を訂正するようにホシノが言う。
「ポルシェティーガーの弟と言うなら…」
優花里が再びスマホで画像を探す。
「もっと詳しく言いなさいよ!」
カチューシャが言う
「砲塔が後ろに付いてるやつだね。かっちゃん」
「砲塔が後ろのポルシェティーガーの弟ならこれです!…VK4502P!B型!」
みほは再び言葉を失った。
「ペーパープランばっかりね」
マリーが言う。
「私達が知らないだけで実は実在してたのかな…」
みほは呟いた。
「さて、どうする?大洗連合諸姉…西住みほ!うちの切り札は出したぞ?そっちの切り札はいつ出すんだい?」
ウィットナーが不敵な笑みを浮かべた。
みほは無線に手を回しスイッチを入れた。
「愛里寿ちゃん。お願いします!」
次回「緊迫する戦況です!」