ガールズ&パンツァー ドイツ極秘戦闘隊と親善試合です! 作:ロングキャスター
こちらも編集を加えました。
それではどうぞ
「敵はどうくるかな?」
ケイラーはウィットナーに尋ねた。
ブラッド・ハウンド連合は一度全部隊を集合させ、次の作戦を練ることにした。
「恐らくは森林を抜け、奥の農村地帯にいるだろう」
「そこで防衛ラインを引いてるか」
ファインツが言う
「恐らくはな。だが、それよりもこの森林地帯が厄介だ。ここでアンブッシュを仕掛けてくるだろう」
「どうします?」
エマが聞く
「部隊を二つに分ける。ケイラー、松平、エマの隊で森林を。俺とファインツ、エンドラー、シャラシャーシカで森林地帯を避け、迂回して農村に入る。」
「OK」
「わかった」
ケイラー、松平が答え、エマは頷く。
「特にアンブッシュには気を付けろよ」
「大丈夫。分かってるよ」
「...それにしても、この農村が厄介だな...」
「生垣が広がってる...」
ファインツの言葉に松平が続けて言う。
農村地帯はボカージュと呼ばれる生垣がある。射線を通しにくいどころか、視界不良も誘発する。
「そのためのお前らだ。頼むぞ」
ウィットナーはケイラーの顔を見据えた。その言葉にケイラーは黙って頷く。
「それと、
「オッケー」
「直掩隊を編成する。直掩隊はB53地点に展開しろ…全車、パンツァー・フォー」
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ケイラー達は予定通り森林地帯を走っていた。そこまで広い訳ではないが、中腹には川が流れている。
視界の悪い森林を敵の待ち伏せを警戒しながら走る。この一帯は先ほどあさがお、コスモス中隊と戦った地帯よりも木々と草などの植物が生い茂っている。
ケイラー達はそれぞれ三方向に別れて進軍する。
「ったく、全部焼き払ってやりてぇな」
ケイラー車の操縦手が毒づいた。
「確かにねぇ...航空支援もないのも辛いね」
ケイラー達は先ほど以上の緊張感でいっぱいだった。どこに待ち伏せているのかが分からないこの状況なら無理は無いが...
「こちらケイラー。そっちの状況はどう?」
「こちら偵察部隊。今のところ動きはありません」
「りょーかい。気をつけて」
ケイラーは通信を終え双眼鏡で周囲をくまなく見渡した
一方、大洗連合は彼等の読み通り待ち伏せをしていた...
「西隊長、敵部隊来ました! 」
「3個中隊が縦隊で進行中!如何なさいますか」
玉田、細見が言う。
「先頭の中隊攻撃。攻撃の後、残りの部隊の注意をそらせ!」
「かしこまりました!」
「いいか、引き付けるんだ。まだだ、まだだぞ...」
西が待ち伏せする各車に指示する。
緊張が全車輌を包んだ...
「よし、撃て!」
西の合図で砲撃。砲弾が先頭を走るケイラー中隊目掛けて飛来するが弾かれるか外れるだけだった。
「なんだ!」
「3時方向から敵襲あり!」
攻撃を受けたケイラー中隊のM4シャーマン車長が全体に報告。
全車が砲塔を知波単のいる方へ指向する。しかし彼女等はそれを待っていた。
「撃てぇ!」
河嶋が号令を出し、『38(t)駆逐戦車 ヘッツァー』、『Ⅲ号突撃砲F型』、『シャーマンファイアフライ』が足止めされたケイラー中隊に砲撃、2両のシャーマンが撃破された。
「くそ!囮か!」
「全車輌警戒!17ポンドの音よ!」
松平、エマが言う。
攻撃を受けなかった後続の松平隊の先頭のT-34/85が砲塔を旋回し、攻撃のあった方を向こうとした直後、かばさんチームのⅢ突に撃ち抜かれた。
「くそ!アンブッシュか!」
「知波単は見えるが残りはどこだ?!」
「発砲音はドイツ砲と17ポンド!全車!曳光弾!」
ケイラーは全車に強い口調で言った。指示を受け全車が周囲に機銃を掃射する。
だが、その間にも次々に撃破されていく。
クロムウェル、一式チヘが白旗を揚げる。
「くっ!どうすれば…」
ケイラーは考える。しかし彼女の一瞬の沈黙をエマは見逃さなかった。
「少々強引ですが、ブラックプリンス、パーシングを先頭に2列横隊に変更!砲声から察するに敵はそう離れてはいないはず…重装甲を盾に時間を稼ぎますよ!」
エマの指示で中隊が2列横隊に変更し前進を開始。
一方松平は周辺の地図を睨みつけていた。
(アンブッシュならこちらも得意だ。ならば逆の立場になって考えろ!我々なら何処に伏兵を潜ませる?!)
彼は必死に地図と実際の地形を照らし合わせながら居場所を逆算していく。
そして彼は閃く。
「上田、10時10分の方角に曳光弾」
松平は自車機銃手に機銃を発砲させ、曳光弾の軌道上に目を凝らす。
「後方、ファイアフライへ。10時10分の方角に曳光弾をお願いします」
さらに後続のファイアフライにも頼んだ。照らされる2本の射線上に目を凝らす松平。そして一瞬だけ亀の紋章が照らされるのが見えた!
「見つけた!10時15分の方向!ヘッツァーだ!」
「了解!全車砲撃!」
松平の報告を受けケイラーが砲撃の指示を出す。複数の砲弾がかめさんチームを襲う。
「うわぁ!やられたぁ〜!」
「ももちゃん、やられてないって…」
「うっへぇ、見つかっちゃったぁ。こちらかめチーム、離脱するよ〜」
杏が言うとかめチームがその場を撤退する。
「逃がすな!撃て撃て!」
追い打ちをかけるように更に撃ちまくるブラッドハウンド連合。
その時、Ⅲ突の攻撃が松平車後方のファイアフライに命中。運良く跳弾し撃ち貫く事はなかった。
「おい!まだいるぞ!」
「松平さん!他がどこか予想できる?」
ケイラーが松平に問う。
「待って下さい。今…」
残りの隠れていそうなポイントを確認していた松平はもう一つ予想を立てた。
「ケイラー曹長!そちらから見て9時40分の方向、距離およそ250ヤードはどうでしょう!」
「OK、全車その座標にファイ…」
ケイラーが言い終える前に彼が指した方向から砲撃があり、ケイラーのパーシングの足元に着弾した。
「あそこだ!ファイア!」
ケイラーの号令のもと、全車輌が先ほど見えた発火炎に砲撃を始める。
かばさんチームのⅢ突は大量の土や吹き飛ばされた草に覆われてしまう。
「くっ...こちらも居場所がバレたのか?」
「さすがぜよ...」
左衛門佐の言葉に続いておりょうが言う。
「我々も撤退する」
エルヴィンが言う。かばチームの撤退を支援するために残ったナオミが攻撃を続ける。エマのブラックプリンスに狙いを合わせるが、強固な防御力に防がれ貫通することはなかった。
「あのマズルフラッシュ…そして衝撃…17ポンドのAPDSね。本車より11時方向。距離300ヤード...攻撃」
エマは発火炎を視認し反撃を始めた。余談であるが17ポンド砲は貫通力を確保するために大量の火薬を充填した砲弾を使用していた。その為発砲時のマズルフラッシュが強烈で目立ちやすい弱点がある。隊のほとんどを17ポンド砲で固めていたエマにとっては判別が容易い。
「くそ...」
ナオミは的確な射撃に毒づいた。
「砲撃が弱まった!恐らくスナイパーは3両だけ。速度を上げて追撃」
ケイラーは砲撃が弱まった様子を見て先程発見された3両だけと判断した。
「敵、増速を確認!」
「玉田、細見!やるぞ!撤退の時間を稼ぐ!」
福田の言葉に西はすぐさま指示を出す。無限軌道杯で大洗相手に使った機動戦術に出た。
「細見は久保田、福田と共に左手に回り隊列の後尾を狙え!私と玉田、名倉は敵の右手から先頭を狙うぞ!」
知波単の各車が全速力で敵の左右から突撃。
「てぇ!」
知波単の各車が攻撃を開始。西たちの砲撃はブラックプリンスに弾かれたが、細見の攻撃は最後尾の新砲塔チハに命中し白旗が上がった。
「あのやろう!お得意のバンザイ突撃か?」
ケイラー車の装填手が呟く。
「もう一度来る!」
四式の砥用が叫ぶ。
ブラッドハウンド連合は横切った知波単各車が再び向きを変えてサイド両サイドから突撃してきた。
「させない!ファイア!」
ケイラーの号令で左右の知波単組に砲撃。
無数の弾が彼女等の戦車をかすめていく。だが速度を落とすことなく再び攻撃を仕掛ける。弾は命中しなかったが彼等の進行を遅らせることは出来た。
「ちょこまかと!」
エマは毒づく。
すると今度はナオミの反撃が始まる。撤退しつつも砲塔を後ろに向けてパーシングを狙う。強烈な発火炎の後APDSがパーシングの車体目掛けて飛来する。
「クソ!」
パーシングの操縦手は咄嗟に舵を左に取って回避する。
「フレディ!ファイアフライを狙って!」
「yes ma'am!」
フレディのスーパーパーシングがケイラーと替わる形で前に出る。現代の主力戦車のように優秀な砲安定装置もなく激しく揺れる照準を上手く手懐け、ナオミに的確に砲弾を飛ばす。さすがに直撃はないがそれでも至近距離に着弾させていた。
「くっ!あのパーシング…なかなかやる!」
ナオミは彼の技量に驚愕する。この時初めてあのスーパーパーシングに自分に匹敵する砲手が乗っている事を察した。
「西さ〜ん。こっちは十分撤退出来たよ〜」
西へ杏は言う
「了解です!全車撤退!」
杏の報告を受け、西達も撤退を開始。
「了解。こっちも敵を撒いて合流する」
ナオミはそう言うと車体後部のスモークディスチャージャーを作動させ煙幕を張った。
「!煙幕?!このまま撒くつもりね!」
ケイラーは言った。
「誘き出す動きじゃないわね…分が悪くなって撤退するのかしら」
エマが言う。誘き出すつもりならわざわざ視界を奪う必要はない。
「全車、追撃中止。このまま警戒しつつ森林を抜けてウィットナーと合流」
ケイラーは言い、攻撃の手を緩めていった。
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「雲行きが怪しくなってきたな...」
ウィットナーは徐々に雲に隠れ行く太陽を見上げた。その雲はまるで大戦初期頃のドイツ戦車に塗られたジャーマングレーのような色をしている。
「こりゃ一雨来るな...」
ウィットナーの後の言葉を察するようにファインツが言う。
「雨が降る前に川を渡れればいいんだが...」
ウィットナーの望みも虚しく、川よりも手前で雨が降り始めた。雨脚は激しさを増していき、まるでゲリラ豪雨のような雨脚になった。
「マーズ、見えるか?」
ウィットナーは自車輌の操縦手に尋ねた。
「なんとかな」
マーズはバイザー越しに外を見ている。バイザーにはげしく打ち付ける雨が視界をよけい悪くし、辛うじて見えるレベルの視界だった。
ウィットナーはそんな雨のなかキューポラから身を乗り出したままだった。ポンチョを着込み、首に掛けた双眼鏡から手を放すことなく、視界不良のなかしっかりと目を凝らす。
このティーガーの車長として、見にくい操縦手の代わりに前方を確認し、周囲に自車輌の脅威がいないか確認し、そして大隊長として常に周りを警戒し、咄嗟の指揮に対応すべく車外に身をさらし続けた。
流石にポンチョを着ているとはいえ、1943年頃から酷使し続けたポンチョは防水性も低くなり、徐々に水が染み込んでくる。軍服が濡れていくのを感じつつ、何か怪しいものが見えたら濡れた双眼鏡を覗きこみ、ただトラブルが起きないことを強く願った。
しかしそううまくはいかなかった
「くそ...ぬかるんでる...」
ウィットナーは目の前に広がる泥濘を見て溜め息を漏らした。
「全車輌、警戒しながら前進」
ファインツのティーガーⅠを先頭に、ウィットナーのティーガーⅠが続く。
なんとかファインツのティーガーⅠは走り終えることができた。ファインツは渡り終えたが、後続のウィットナーは苦戦していた。ぬかるんだ泥を履帯が巻き上げ、履帯の隙間に泥が溜まり、それによりグリップ力を失った状態に追い討ちをかけるように57tという重量によって地面に埋まっていく。
「はぁ...操縦手、砲手を残して全員下車。ファインツ、引っ張ってくれ」
ウィットナーはそう言うとキューポラから降り、牽引ワイヤーに手を伸ばした。
ファインツの車輌からも人が降りてくると、車体後部に回り込みシャックルを分解してワイヤーを連結する準備に取り掛かった。
やがて牽引ワイヤーに繋がれた2輌の虎が掛け声と共に救出作業に入った。
「3、2、1!行け!」
マーズはアクセルを踏み込んだ。前方のティーガーも同様にアクセルを踏む。エンジンが唸りをあげるが抜け出せる気配はない。
「押すぞ!」
ウィットナーはそう言うと後ろに張り付き掛け声と共に力一杯3人で押した。
「この...動け!」
マーズはさらに踏み込んだ。だがびくともしない。
「はぁ、はぁ...エンドラー、シャルクス、お前らはここを迂回しろ。ティーガーⅡまでスタックされたらどうしようもない。」
「ヤヴォール」
ウィットナーはより重いティーガーⅡたちを迂回させらことにし、再びスタックした自車輌の脱出の為に再び押した。
しかし、それでも大きな虎は抜けません。そこでウィットナーはIS-2を呼びました。泥濘地帯が多く点在するソビエト生まれのIS-2は難なく抜けるとファインツのティーガーの前に行きました。そして屈強な男たちが予備燃料タンクにくくり着けた丸太をウィットナーのもとへと運んできました。ウィットナーたちはそれを履帯に巻き付けると再び押しました。
するとティーガーはやっと泥から抜け出す事が出来たのでした。めでたしめでたし...
という昔話はさておき、なんとかウィットナーのティーガーは脱出出来たものの、まだ車輌は残っている。パンターはなんとかなったものの、今度はⅣ号がスタックし始める。
結局、ブラッド・ハウンド隊はその場で小一時間ほど足留めを食らってしまった。まだ川を越えるという課題も残っているのに、体力をかなり消耗してしまった。
比較的川までの距離は近く、すぐに到着出来たのだか雨で水かさが増し濁流となった川を渡るには川に掛かる橋を通るしか無さそうだ。
正直、一方道しかない橋はあまり通りたくはない。相手からしてもこの道を警戒していれば自ずと敵の方からノコノコと現れる。守る方から見れば楽に相手を押されられる状況なのだ。
ウィットナーは仕方なく橋を渡り始める。
「全車、周辺の警戒を厳に!」
パンターG後期型を先頭にファインツ、Ⅳ号、ウィットナーと一列で橋を渡る。
しかし橋の中央まで来た時だった。一発の砲声が響き、先頭のパンターが白旗を揚げた。
「アンブッシュだ!ファインツ、通れるか!」
「なんとかギリギリかもしれん!」
ウィットナーの問にファインツは答えた。辛うじてこういう事態を想定して左側に車両を寄せ、道がつかえる事が無いよう進行していた。
ファインツが走行不能のパンターを避けて前進する。
そして再び砲声が轟く。ファインツのティーガーに直撃するがそう簡単にやられるほどティーガーはヤワではない。
「12時30分の方角!Ⅲ突!」
ファインツが双眼鏡越しにこちらを狙う戦車を発見した。
「報告ではⅢ突はケイラーの方に居たはずだ。見間違いじゃないか?」
「いや、開戦初期から見てきてんだ。見間違うわけない」
「じゃあ撤退してすぐここまで来たってことか?」
ウィットナーは双眼鏡を覗き先程Ⅲ突が居たとされる方向を見た。すでに戦車はいなかったが恐らく射撃ポイントを変えに行ったのだろう。
「隊長。まだⅢ突を使ってる学校があります」
ヤークトパンターの車長が言う。
「ん…?まさか!」
「冬の大会で大洗の隊長をやった『白い魔女』ってやつか!」
ウィットナーの後を継ぐようにファインツが言った。
「それだと厄介だそ…!警戒しろ!」
ウィットナーは言う。
「11時方向!敵!」
前方のⅣ号J型の車長から報告があった。
その後Ⅳ号に着弾。砲塔左側面のシュルツェンが吹き飛んだ。
反撃をするがすでにポイントの変更に動いた為に虚しく地面に着弾するだけだった。
「敵が移動した!ファインツ急げ!」
「待ってろ…よし抜けた!」
「急げ!続け!アーベル、クリストフ、エッボ!Ⅲ突を発見し次第援護しろ!」
「サーシャ、ミーチャも援護!」
ウィットナーの指示の後、シャラシャーシカも援護要員を指名した。
「残りの者は迅速に橋を渡れ!」
残りの戦車が急いで橋を渡ろうとするが撃破されたパンターが邪魔をして思うように前進出来ない。
「クソ!また来やがった!2時の方向!」
再び戦車を確認した援護組がⅢ突に砲撃。
「さすが対応力が桁違いだ…」
ヨウコは相手の反撃速度に呟く。ここまで早く反撃されては彼女も狙撃が出来ない。
「こんな潜れる場所がない広いところだと…不本意…」
せめて木や岩などあればマシなのだが、起伏があるだけでそれ以外は何もない。顔を出せば見つかってしまう。だがその時だった。
「ヨウコ!待たせた!」
無線が入る。
「ウィットナー!俺から9時方向!KV-1!」
ファインツが新たな戦車を発見した。
「クソ!まだいたか!」
「KV-1はこっちで対処します!」
ヤークトパンター車長、アーベルが言う。
「俺も支援する」
IS-2のサーシャが続ける。
ヤークトパンターの88mm砲弾とIS-2の122mm砲弾がユリのKV-1の近くに着弾する。
Ⅲ突、KV-1からの攻撃で彼等は思うように前進出来ない。それでもなんとか反撃しつつしっかり前進する。
だが彼女等もブラッドハウンドからの反撃で思うように攻撃が出来なかった。ゆっくりとそして着実に橋を渡り終えていく。
「ヨウコ、そろそろ頃合いだろう。先に撤退しろ」
「分かった」
ユリの言葉を承諾し撤退を始めるヨウコ。
「Ⅲ突が後退。また移動するのか?」
渡り終えたⅣ号車長がⅢ突が退くのを見て言う。アーベルは未だに残るKV-1に砲撃。砲塔右正面に直撃する。
「よし!直撃だ!」
アーベルはガッツポーズする。しかし、白旗は揚がらず反撃に出る。
「なぜ抜けない!」
「やつは増加装甲型だ。生半可な弾は弾かれるぞ」
サーシャが言う。
「クソ!こっちは71口径だぞ!」
「後退するぞ」
十分ヨウコが下がったところでユリも後を追うように撤退を始めた。
「KV-1が下がった。今のうちに残った連中も前進しろ」
ブラッドハウンドは残り部隊も移動させケイラーとの合流地点へと急いだ。
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合流地点には既にケイラーたちが待ったいた
「大丈夫だった?」
ケイラーは遅れてやって来たウィットナーに聞いた。だが、すぐに状況を察した。彼らの戦車はとてつもなく泥でよごれていた。何があったかは容易に想像がつく
「攻撃隊の準備は?」
「配置完了だよ」
「あいつらは?」
「そこ。さっき合流した」
「そうか...損害は?」
「5両無くしちゃった...」
「そうか...うちはパンター1両。皆死んだ訳じゃないんだ、そう気を落とすな」
ウィットナーは言った。
「もうそのままいくの?」
シャラシャーシカが尋ねてくる。
「最終的な配置に着いたらな。...雨も止みそうにないな...」
ウィットナーは空を見上げた。
「いえ、もうすぐ止むと思いますよ」
ウィットナー車の無線手 ウォーラーが言った。
「なんでそう思う?」
ウィットナーはそう言いながら車内に入った。
「これです」
ウォーラーは膝の上から未来の秘密道具をウィットナーに見せた。それには気象データが印されており、それによると10分ほどで止みそうだ。
「未来は便利だな...よし、全車輌当初の持ち場に着きしだい雨が止むまで小休止」
ウィットナーはそういうとケイラーと打ち合わせを始めた。
次はボカージュ...
生垣エリアだ。一歩間違えれば大損害を被るだろう。そうならないためにも話し合いは重要だ。それに、疲労も堪っているうえに大洗は強敵だ。このボカージュでどんな作戦をしてくるのか...慎重に行かなければならない...
次回、「ノルマンディ」
とりあえず4話まで進みましたが、題名と内容を考えるのが難しい...特に題名は難儀ですね...w
それでは次回をお楽しみに