鬼道騎兵ガンダムPS ザ・サイコ・ソルジャー   作:RED ZIN

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  バナージVSガンダム
 突撃隊の大半を葬った化け物に、果たしてバナージは生き延びれるだろうか⁉



第二話 「紅い亀裂」

 

 

バナージ「ガ!ガンダム!」

 

白いガンダムはビームサーベルを振り上げ、スラスターを全開にして迫ってきた!

バナージ「ヌァ!!」

 

振り上げられたサーベルが、コックピットを髪の毛一本の差でかわした。

バナージは腰にマウントしてある閃光手榴弾を全部投げた。

ガンダムの目の前で閃光手榴弾が爆発した。

眩ゆい閃光を尻目に、俺はビームで開いた大穴に向かい、穴の横にすぐ隠れた。

 

不意打ちだ!それしかない!!!

 

ガンダムは、バナージを追って要塞内から出てきた

バナージは、腰に装備されていた。大口径のシュルツム・ファウストの誘導装置作動させ、ガンダムの背中に狙いを定めた。

 

息を殺し、誘導弾を発射した!!

誘導弾が奴に向けて迷わずに飛んで行く

 

直撃直前、ガンダムは気づき弾頭をサーベルで切断し弾丸が爆発し、爆炎が奴を包んだ。

バナージ「や、やったのか!」

だが!爆炎の中から奴が出てきたのだ、それどころか無傷同然だった!!

 

バナージ「ク!!」

 バナージはビームマシンガンを撃ち、奴に当てようとするが、見たこともないよう身軽さで避けられ続け、そして気づいた時には、マシンガンが切断されてしまった!

 

バナージ「ナ!・・・」

 バナージの前にきたガンダムは、ギラズールの頭部動力パイプを掴み、思い切りパイプを引きちぎり、その衝撃で要塞の外壁に叩きつけられた!

その衝撃で、コックピット内のモニターが全て見えなくなってしまった!!

 

急いで、補助モニターを作動させた時、奴は背中に装備してあるビームライフルを構えているのが見え、スラスターペダルを思い切り踏み込んだ。

バナージ「ク!くそ!」

 

ライフルから放たれたビームは、俺の右側を通りすぎ、残骸となった機体が当たってもいないのに機体が爆発したのを目撃した!

 

バナージ「かすめただけでかよ!!」

 

奴の持っているビームライフルは通常の3倍!いや4倍はあるのじゃないかと思うほどの威力だ!!

 

死に物狂いで逃げ回っているバナージとガンダムが戦っているさまを、ラムは遠目で見ていた。

ラム「フン 運のない奴だ」

ザボア「大尉、ネットガンの用意ができました」

ラム「よし!もう間も無くあの化け物状態が切れる頃だ。それまではアイツに頑張てもらうか」

 

 

 

知らぬ間に、小惑星の反対側の燃料ブロックにバナージは来ていた。

武器は格闘用のビームホークのみ、奴の姿がない、逃げきれたの・・か?

安堵した、しかし戦場で気を抜けば死ぬのは自分だ!

そう思い出した時だ! ガンダムのビームがバナージの後方に当たり、爆発した衝撃で隠れていた場所から弾き出されてしまった‼

 

反撃できないものかと考えた時、残骸となったシルヴァ・バレトのビームライフルが見えそれを取り、奴に撃った。

 撃ち続けたその内の一発が、ガンダムの右肩に当たった。

しかしライフルのエネルギー残量が残りわずかとなっていた

 

何かないか、何か!! と周りを見渡すと

燃料タンクの文字をよくみた。

 

G3タンク!!

 

加熱性が高く、引火すれば核爆並みなるし、使い用によっては毒ガスにもなるとんでもない代物だ!

 

奴のライフルは弾切れになり、右手に再びサーベルを握りスラスターを全開にして迫ってくる‼

 

サーベルでじっくり殺すきか!ならば!!

  バナージはライフルをタンクに当て、タンクは大爆発を起こし、爆炎と衝撃波がバナージとガンダムを包み込んだ。

その爆発があってか、連鎖反応で、ルナ6全域で爆発が始まった!

 

ガエル「いかん!! ユニコーンを速やかに回収、この場合を離脱する」

生き残ったクラップ級戦艦からでたモビルスーツが発艦し、ユニコーンの回収に向かった。

しかしそれを妨害するかの様に!ゼノビアから出ていた別働隊のギラズールがマシンガンを撃ちながら回収部隊を攻撃した!

通信兵「無理です回収出来ません!」

艦長「ガエル様あれを」

ネットに絡み取られたユニコーンが、ギラズールにつれていかれてゆくのが見えた。

ガエル「ヌゥゥゥ」

ブリッジの目の前にザボアのギラズールが現れた。

ザボア「悪く思うなよ!」

ギラズールのビームマシンガンがクラップ級戦艦の艦橋を破壊した。

ガエルは爆発の炎にのまれていった。

 

ミダ「よくやった!ラム大尉、我々の任務は完了したぞ」

ラム「エエ、まさかコイツが動いているなんて想定外でしだがね」

ミダ「ところで・・・・バナージは?」

ラム「コイツと戦闘しているのを見ました。マ、あんな爆破ですし、生きているわけがありませんよ」

ミダ「わかった。よし撤退する」

その直後ルナ6 が大爆破を起こし、宇宙の散りと消えた・・・・

 

 

 

 

静寂なデブリの中を、バナージ・リンクスはただ流れに身をまかしていた。

機体の損傷は激しいが、誘爆は起きない。推進剤を使い切ってしまいスラスターも役に立たない。いっそのこと、爆発してしまえば楽になると考えていたが、どうやらそれはないらしい・・・

ルナ6 に連れてきた戦艦や突撃隊の姿はもう無かった。

 

バナージ「俺は・・・見捨てられた・・・・のか」

 

俺をしつこく追いかけてきた、あのガンダムはどうなったのだろうか?

 

あの“部屋”にいたあいつ(女)は何者だったんだ?

 

バナージはポケットの中から、一枚の紙きれを出した。

“除隊許可証”火星から戻ってきたら、兵隊を辞める気だった。

 

もう俺は、火星で十分に戦った・・・それでも!なぜ俺はこんな所でまで・・・

 

 逃げ出せばよかった、断れば良かった・・・・と後悔を考えては消えていった・・・・

 

バナージは紙を破り、細切れになった紙がコックピット内を舞う。

 

(もう除隊する必要はなくなった。・・・なぜなら、俺はもう死ぬのだから・・・)

 

もう何も考えるのを辞め、操縦桿の下に付けられていた小物入れから注射器を出した。

睡眠薬が入った注射器だ。本来は救難信号を出し、救助されるまでの酸素の消費を抑えるものだが、バナージは救われる事など考えてなどいなかった。

 

火星で散った戦友たちのところへ行ければいい・・・ただそれだけを思った・・・

 

注射器を自分の首に打ち、急激に眠気がバナージを襲い目を閉じた。

彼を乗せたギラズールは、宇宙の闇の中に消えていった・・・

 

 

 

 

 

 

(ねぇ・・・・バナージおにぃちゃん・・・何処にいるの?・・・・返事して)

 

 

 

「紅い亀裂」完  ルナ6 編 完結

 

THE next Stage industrial7

 

予告

 

眠りは質量の無い砂糖菓子、もろくも崩れて再びの地獄、

自分の運命を。冷たい宇宙の雷鳴が呼び覚まし!新たなる戦いの幕が上がる!

次回「サンダーボルトでの目覚め」

 

死神は雷(いかづち)を食らって蘇る・・・

 




 
 最後まで読んでくださりありがとうございます。

ちなみに、(ギラズールの頭部動力パイプを掴み、思い切りパイプを引きちぎり)のところは、機動戦士ガンダムの第一話でガンダムがザクの動力パイプを引きちぎった場面のオマージュです。

 

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