魔法少女リリカルなのは 紺碧の姫   作:mom

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二人

~第1管理世界クラナガン~

 

古代遺物管理部 機動六課

 

疲れを感じさせるが、どこか満足そうな彼女は居た。

 

「とりあえず、地盤はできたわけや!これから頑張るで~!!なぁリィン」

 

「はいです!はやてちゃん」

 

八神はやて、そしてユニゾンデバイスであるリインフォースⅡ。二人とも笑みを浮かべている。

 

「騎士カリムの予言を地上本部が信用してへんからな。私達でなんとか自由に動ける部隊を作りたかったんや。それに、なのはちゃんとフェイトちゃんとの約束もあるしな!」

 

「はやてちゃん…最後の眼つきがいやらしいですぅ」

 

「そんなことないよ~リイン。心配しすぎや」

 

はやての手の動きに心配が隠せないリィンだった。

 

 

 

「さて、部隊もできたことやし、あとはFWを何とかせなあかんのやけど…」

 

手元にある資料を再度見直す。大々的に人材を集めるわけにはいかん。優秀な人材が周りに居てくれて感謝してる。でもFWが足りていない。

 

時間は少ないけど、育てるしかない。

 

「リイン。この4人の資料を、隊長達に渡しておいてくれるか?」

 

「了解ですよ。はやてちゃん」

 

そう言ってリインは飛び出していった。まだまだ幼いが私の大切な相棒だ。資料を片づけ、席を立とうとした時だった。

 

 

 

EMERGENCY EMERGENCY

 

 

 

緊急事態を告げる警報が鳴り響く。

 

「グリフィス君!!一体何が?」

 

八神はやての副官を勤めるグリフィス・ロウランに緊急通信で呼び掛ける。

 

「部隊長、首都南西の無人島に強力な魔力反応を確認しました。解析では転移魔法の一種までとしか解ってはいません。どうやら魔法のタイプが異なるみたいです」

 

異なる?疑問を浮かべるも問題解決の為に指示を飛ばす。

 

「ヴァイス陸曹にヘリの準備を。あとシグナムに現場に向かってもらう。すぐにそっちに上がるから、グリフィス君、よろしく」

 

「こっちも準備できてますよ。隊長」

 

「了解した。主はやて」

 

「了解です」

 

本当に優秀で助かるわ。思わず笑みがこぼれるが、すぐに気を引き締める。

 

「機動六課の慣らし運転や!頼むで!みんな」

 

「「「了解!!!」」」

 

 

 

 

 

 

‐‐‐殺せ‐‐‐

 

「えっ!?何???」

 

‐‐‐殺せ‐‐‐

 

「一体…何?」

 

アセルスは恐怖と混乱に支配されていた。心と意識に殺意が語りかけてくる。なんで?そういえば魔物と戦った時も…

 

「私は殺すことに、喜びを感じた事なんかない!!私は人間だ!!!」

 

叫ぶと同時に私は意識を回復した。周りは暗い。どうやら気絶していたようだ。

 

「アセルス様…大丈夫ですか? ひどくうなされてましたが」

 

「白薔薇…うん、大丈夫」

 

額の汗を拭い返事を返す。同時に違和感にも気付いてしまった。

 

「あれっ?血が…付いてない」

 

「お前はもう人間ではないので。人と妖魔の血を持つ者。つまり半妖だ」

 

「違う!!私は人間だ!!」

 

認めたくない。半妖だなんて。信じたくない。私は訳のわからない恐怖から逃げ出したかった。なのにその恐怖を半分持っているなんて…

 

「いい加減にせぬか。この小娘が!!」

 

私の胸に熱いモノが込み上げてくる……何か刺さっているのだと気付くのには時間は必要なかった。

 

 

心臓へのアンティークの様に刺さるナイフがアセルスの終わりを意味するならばどれ程楽なことだろうか。

 

「イルドゥン!!」

 

分かってはいるが、それでもやりすぎではないのかと言いたげな白薔薇の呼びかけをかき消すように、倒れ込むアセルスに声をかけた。

 

「これくらいで死ぬような身体ではもうない。いつまで寝ているつもりだ」

 

 

死んではいない。それに流れ出す血の色…

 

 

「紫の血なんて…おかしいよ…」

 

現実から目を背けたくても、事実は変わらない。アセルスは死んではいない。そして血の色は赤ではない、紫だ。

 

「私、これからどうなるのかな…白薔薇。どうなっちゃうんだろ?」

 

弱弱しく語るアセルス様に悲しみを覚えました。ですが、あの方の血を受け継いでしまったからには、この宿命からは逃れることはできません。それならば、アセルス様を、強く、気高い、慈愛に満ちた姫へと導かなくては。

 

「アセルス様、白薔薇は一緒です。今は我慢せず泣いてくださいませ」

 

白薔薇に身体を預け、泣いた。ただ悲しくて、理解できなくて。望んだわけもないのに、無理やり巻き込まれて。そして今は見ず知らずの世界で命掛けの戦いをしたばかり。理不尽な想いにただ泣くだけだった。

 

「自分の立場に気付いてもらいたいものだな」

 

イルドゥンはそう呟くと、どこかに行ってしまった。ただ、その場の雰囲気を嫌ったのではなく、明確の目的を見出していたからだ。

 

≪白薔薇姫様、どうやら何かこちらに向かってきています。私は確認に向かうので、そこの泣き虫な姫をよろしく頼む≫

 

≪わかりました。アセルス様は任せてください。イルドゥンも気をつけて≫

 

≪私とて油断はしない。剣の腕は錆びてはおらん≫

 

≪あの3人の中でも、剣はイルドゥンが一番でしたからね。頼りにしています≫

 

思考を飛ばし、軽いやり取りを終えるとその足取りは大地を蹴りあげるそうして「宵闇の覇者」は闇に消えていった。

 

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