不良少女   作:鞠猫

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本編
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宮地side

 

昼休み

俺の前に座る未來の弁当から玉子焼きをパッと取り口に放ると眉間に皺を寄せ睨みつけてくる

 

「宮地っ返せ!」

 

「はっ!残念だったな!もうねぇよ!」

 

「ならそれ寄越せ!」

 

「取れるもんなら取ってみろ!」

 

俺の弁当に伸びる箸をヒョイと避け立ち上がるとそれを追い弁当を置き未來も立ち上がるが持ち上げてしまえば身長差で届かない

すると更に俺を睨みつけた

 

「この女顔」

 

「!!、テメッ轢くぞ!男女!」

 

「!!、上等だ轢き返す」

 

「「木村!軽トラ!!…真似すんな!」」

 

「「……」」

 

屋上で繰り広げられる罵声に大坪と木村は傍観を決め込み弁当を食べ続ける

しばらく続いたそれは大坪の一言で簡単に幕を引いた

 

「昼休み終わるぞ」

 

「「!!」」

 

俺は急いで弁当をかき込み終わると同時に予鈴が鳴った

未來を振り返るとマイペースに弁当を食べていた

 

「授業始まんぞ」

 

「いやサボる。古典はめんどい」

 

「…そーかよ」

 

「ん」

 

投げて寄越された飴をキャッチし、軽く礼を言って大坪達を追って屋上を後にする

2人に追いつくと大坪がため息をついた

 

「お前らすぐ喧嘩するのどうにかならないのか?」

 

「初めて話した時から喧嘩腰だったからな…今更って感じだな」

 

「そういやお前等の会ったときの話は聞いたこと無いな」

 

「そうだっけ?」

 

「宮地がいきなり連れてきたんだろ。しかも無理矢理…」

 

「覚えてねぇ」

 

「1年の時だからな…色々衝撃だった」

 

教室につきそれぞれの席につく

授業が始まり、俺は未來との出会いを思い返していた

 

 

 

 

あの日、俺は部活を終え一度家に帰ってからストバスで1人練習をした

ある程度時間が過ぎ、休憩をしていると脇道から数人ボロボロになった男が走り去って行く

その後秀徳の制服を着た女子が出てきた

よく見ると至る所に傷を作っている

 

「おい!」

 

「…」

 

「おい!止まれって!」

 

無理矢理腕を掴み歩みを止めると痛かったのか顔をゆがめ腕を振り払った

 

「悪ぃ、つかその怪我どうしたんだよ」

 

「他人のアンタには関係ない」

 

「さっき走ってった男達か…来い」

 

「だから関係ねぇっつってんだろ!」

 

「いいから来い!!轢くぞ!」

 

「は?あんた免許って離せ!」

 

無理矢理腕を引き鞄を置いてあるベンチに座らせる

鞄から一応持ってきていた救急セットを取り出し脚、腕の傷を消毒し始める

 

「構うなって!蹴るぞ!」

 

「うるせぇ!轢くぞ!」

 

「だからテメェ免許、いっ~!!」

 

「ザマァ…つか女が顔に傷つくんなよ」

 

染みたのか一気に大人しくなったので消毒を続け、最後の頬に絆創膏を貼り道具を片付ける

その時ふと思い出したことを口にする

 

「アンタ月島未來だろ。周りは敵だらけ、誰も寄せ付けない一匹狼」

 

「…知ってるなら話が早い。今日のことは礼を言うけどもう構うな」

 

立ち去ろうとするその隣に並び一緒に歩くとギッと睨みつけられた

 

「何」

 

「宮地清志」

 

「は?」

 

「俺の名前。これで他人じゃないだろ」

 

「…うっざ」

 

「なんとでも」

 

「…女顔」

 

「テメ!!気にしてんだよ!!」

 

「はっいい気味だ」

 

 

そしてその次の日

昼休みに月島を捕まえ大坪達のもとへ向かっていた

周りの目が驚きに満ちていたのは滑稽だった

 

「離せよ、つか弁当返せ」

 

「一緒に昼食うぞ」

 

「は?ふざけんな。んでお前なんかと」

 

「俺だけじゃないけどな」

 

「は!?」

 

空き教室

俺達は何時もそこで3人で昼を食ってる

扉を勢いよく開け中へ入ると2人は目を見開いて固まった

 

「今日からコイツも一緒だから」

 

「ふざけんな。了承した覚えはない!」

 

「1人より良いだろ。つかいい加減諦めろよ焼くぞ!」

 

「慣れてるから良いんだよ、焼いてみろ女顔」

 

「テッメェ…この男女が!木村!軽トラ貸せ!」

 

「だから無免だろお前は!」

 

ギャーギャー騒ぐ俺達に唖然としていた2人は俺達を止めにかかった

 

「とりあえず落ち着け2人とも!」

 

「そーだ落ち着け!」

 

俺は大坪、月島は木村におさえられ、2人はどーどーと落ち着かせようとする…馬か!!

月島はふーと猫のように威嚇しで睨みつけてくるが、息を一つ吐くと力を抜いた

 

「離せ」

 

一言、はっきりそう言うと木村はパッと手を離した

そして月島は俺の前に立った

 

「昨日も今日も何故関わろうとする。噂知ってるんだろ。見ただろここまで来る間見てる奴らの顔」

 

弁当をひっつかみ去ろうとするその背に声をかける

 

「寂しくないわけ?」

 

「慣れてるっつたろ」

 

足を止め振り返らずそう言うと大坪が口を開いた

 

「飯食うときくらい1人でいるより良いと思うぞ」

 

「そうそう、人と食べた方が美味いぜ」

 

「大坪、木村…」

 

「…なんで」

 

振り返った月島は迷子の子供が見つけてもらったみたいな顔をしていて戸惑った

 

「なんでそんなに構うのさ、お前等も知ってるだろ。私は…」

 

「喧嘩が絶えず、目があったら即喧嘩、最近じゃ薬や援交してるなんて言われてる、誰も寄せ付けようとしない一匹狼…だろ」

 

「っそうだよ。良いことなんてない」

 

「でもそれは噂だろう?」

 

「え…」

 

大坪は月島に近寄り頭を撫で、こっちに向かって背を押した

 

「それは本当の事なのかどうかは置いといて、俺たちがこれから月島を知っていけばいい」

 

「っなにそれ…」

 

大坪の言葉に瞳が揺れ、俯き震えた声でそう言う

俺は口が弧を描くのを感じながら月島の前に立ちポンポンと頭を撫でてやる

 

「そうそう。所詮それは噂で本当は優しくされたら泣いちゃう強がりな可愛い可愛い未來ちゃん?」

 

「っうる、さい女顔」

 

俺の肩に頭をコツンと預け声を漏らさないように泣く月島を抱きしめ背を撫でる

 

「はいはい、次それ言ったらパイナップル投げんからな」

 

「パイナップルって…あはっなにそれ」

 

そう言って肩を揺らす月島の顔を覗き込むと笑っていた

 

「笑えるじゃん…あ、俺は木村信介」

 

「俺は大坪泰介だよろしくな」

 

「…ん」

 

よろしくと言って笑った月島はとても綺麗な笑顔だった

 

あれから月島は俺達と行動することが多くなった

それは今でも続いてる

 

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