不良少女   作:鞠猫

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【注】少し胸糞表現あり


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未來side

 

宮地達バスケ部は誠凛とかいう新設校に負けた

次の日必ずリベンジすると言って体育館に向かう彼らの背を見送ってあの空き教室に来た

 

外で部活する声が小さく聞こえ、それをBGMに机に伏せた

 

 

しばらくすると何か怒鳴り声が聞こえ伏せていた顔を上げ耳を澄ませた

 

「緑間はキセキの世代だからしょうがないけどさ~別にお前は違うだろ」

 

「そっすよ。ただのバスケ好きの青年っすよ」

 

「なのになんでレギュラーになっているんだよ!」

 

「実力じゃないっすか?」

 

「っどうせ緑間や主将達に媚売ってるんだろ」

 

窓からちらりと下を見る

ちなみにここは2階

そこには5人の…あれは、2年に囲まれた…1年

 

「なんだっけ…緑間は…190越えだから高尾か?」

 

今年は1年が2人レギュラー入りしたと苛立ちながらどこか嬉しそうに宮地が言っていたのを思い出し名前をひねり出すと鈍い音がして再び視線を戻した

そこには尻餅をつく高尾の姿

 

「ゲホッ」

 

「ただ鷹の眼とか目が良いだけで他は何も無いじゃん」

 

「誠凛にも負けたしな」

 

「マジムカつくんだよお前!ヘラヘラしやがって」

 

笑って受け流そうとしているのだろうが、ああいう輩にはそれは逆効果だろう

 

「あぁそうだ、バスケ、出来ない身体にしちゃえばよくね」

 

1人が言った瞬間、高尾の表情が凍りついた

ヘラヘラしていた顔は引きつり眼には恐怖が浮かんでいる

後ろで携帯を取り出した奴が一枚写真を撮った

 

「俺らも問題起こすのは避けたいわけで、まぁ弱み握っとくか」

 

「なぁ、こいつ顔良いし肌白いじゃん…ヤっちゃう?」

 

「お、いいんじゃね」

 

「な!?やめっ!」

 

暴れ出す高尾の両腕を2人で押さえると蹴りを入れ大人しくさせ制服を引き裂いた

 

「ゲスどもめ」

 

私は携帯を取り出し窓枠に足をかけた

 

 

 

 

高尾side

 

ヤバいヤバい

バスケ部の2年生に呼び出され校舎脇に来たまでは良い

いつもなら罵声を浴びせられちょっとした暴力だけだけど今回はヤバい

両腕を俺よりもがたいの良い先輩2人にとられ動きが取れない

 

先輩達は笑いながら近づいてくる

顔や髪を触ったり俺のビクつく反応を見て楽しんでんだろ…本当性格悪

携帯でそんな俺の様子を写しているのもいて…本格的にヤバい

犯された挙げ句に弱みまで握られんの?

バスケやめさせられるとか?

嫌だ…そんなの、やだ

誠凛に、黒子にリベンジしたいし、先輩や緑間とバスケしたい!

必死で抵抗して、叫ぼうとするも腹を蹴られて失敗に終わる

いつの間にかシャツは引き裂かれて肩から落ち、頭に先輩の笑い声が響いて、もう頭の中が恐怖で真っ白になって何もを考えられなかった

喉からはヒューヒューと息しか出なくて首をイヤイヤと横に振るも先輩の手が肌に触れ、舐められ、弄られ、気持ち悪くてギュッと目をつぶると

 

ピロリ~ン

 

という音がし、ハッと目を開けると目の前にいた先輩は横っ面を蹴り飛ばされ地面に転がり、両脇にいた先輩達も吹っ飛ばされた

携帯を開いていた2人も地面に転がっている

支えを失った俺はペタリと地面に座り、滲む視界でふわりと靡く金髪に目を奪われていた

 

「後輩を無理矢理襲う先輩ね…学校に提出してみっか、面白そうだ」

 

「お、まえは!」

 

「あ゙ぁ゙?」

 

地面に転がる携帯、先輩達の携帯を全部チェックし躊躇なく簡単に逆パカし地面に落とした

 

「失せろ。つか先輩にお前って捻り潰すぞテメェ等」

 

後ろ姿だから表情は分からないが逃げていった先輩等の様子からすげー怖かったんだろうなとぼんやりと考えた

振り返った先輩は…メイクバッチリ不良みたいだけど綺麗

 

「大丈夫か」

 

「え…あー平気っすよ」

 

「…立てるか?」

 

試しに立とうとするも力が入らず笑いながら先輩を見上げる

 

「殴られたりしたところが痛いんで、しばらく休んだら大丈夫っす、ありがとうございます」

 

「……はぁ」

 

ため息を吐き、膝をつくとシャツを肩にかけてくれて更に着ていたブカブカのカーディガンもかけて前を閉めてくれた

再びお礼を言おうと口を開く前に俺の頬に手を添え、親指で目の下をなぞると肩を掴み勢いよく引き寄せられた

ペタンと地面に座り込んでた俺は先輩の柔らかい胸にダイブした

ラッキーと思いつつも戸惑う俺は顔を上げる

 

「えっと…先輩?」

 

「アイツらから聞いてたが本当に不器用だな…昔の私みたいだ」

 

「アイツら?てか俺器用っすよ?」

 

「いや、笑えてねーし、声震えてんぞお前。怖かったんだろ」

 

「んなっ!別に俺は!」

 

「はいはい別に強がらなくてもいいっつーの。あんま強がってっと無理矢理泣かすぞ」

 

「うわこっわー、うぶっ」

 

再び頭を胸に押し付けられポンポンと撫でられ、優しく背中を上下する手が優しすぎて、硬直し冷えた体が中から暖かくなって、さっきの恐怖が嘘みたいに安心して

 

「はーい、いい子いい子」

 

「棒、読みじゃないっすかっ…」

 

見知らぬ先輩に泣きついてしまった

 

 

 

 

宮地side

 

「緑間!!高尾はどうした!」

 

「ようがあると先に行くよう言われたので」

 

「サボりかぁ?…緑間1on1付き合え!」

 

「俺はシュート練がしたいのだよ」

 

「テメェ…木村軽トラ!!」

 

「そこ五月蠅いぞ外周行ってこい!!」

 

部活が始まってもなかなか姿が現れない高尾に苛立ちながら緑間にあたり、大坪に怒られた

くそ…何で俺まで

休憩時間に部室までタオルを取りに行くと携帯が光っていた

汗を拭きながら開くとメールが一件

 

―――――――

FM:月島未來

件:無題

 

高尾寝たからメール見たら校舎裏に迎えに来い

 

―――――――

 

「は?」

 

思わず汗を拭く手が止まった

何、高尾?つかあいつ何してんの

…30分前か

返信することなく携帯をしまい部室を飛び出ると木村とすれ違った

 

「おい!宮地!?」

 

「木村…ちょっと用が出来た。大坪に言っとけ」

 

「は?あ、おい!宮地!」

 

木村の止める声を背に受けながら校舎裏へ向かう

校舎裏につくとそこには

 

「何この状況」

 

脚を伸ばし木に寄りかかって眠る未來の上に横向きで座り、未來に寄りかかって眠る高尾の姿

周りには使い物にならなくなっている携帯であったであろうものが5つ

近寄って見ると高尾には泣いたようなあとがある

そして高尾が着ているのは未來のカーディガン、その中のシャツはボタンがすべてなくなり地面に転がっていた

 

以上の事から辿り着いた事に頭を乱暴にかいて深く息を吐いた

すると未來の目が俺を捉え眉間にしわが寄った

 

「遅ぇ」

 

「うるせぇ、部活やってんだから仕方ねぇだろ」

 

そう言いながら未來の隣、高尾の足が伸びてない方へ座る

片膝を立ててそこへ肘を置き高尾の背もたれを作り空を見上げる

ちらちらと葉の間から太陽の光が射し目を細めると、額に手を置いた

 

「全然気づかなかった」

 

「ひた隠ししてたみたいだからな」

 

「チッ生意気、後で轢く…で?」

 

「だから無免だろ。んーと確か2年…コイツ等」

 

ポチポチと携帯をいじり見せてきたのはなんともまぁ腹の立つ写真

 

「あーコイツ等ね…監督に言っとく。つか2階から飛び降りたろ、死ぬ気か」

 

「そーしろ。2階から落ちたくらいじゃ死なねーって」

 

すると未來は大きな欠伸をした

その目はトロンとしていていつもの鋭さはなかった

 

「ねみぃ…肩貸せ」

 

「は?おい!」

 

「うるせぇ、寝かせろ」

 

数秒で眠りに落ちた未來

キラキラと太陽の光が当たり風に靡く金髪が光る

顔にかかった髪をのけてやりスヤスヤ眠る2人を見ていると眠気が襲ってきた

 

「ふぁ…」

 

未來の頭を枕にし目を瞑ればすぐに意識は飛んだ

 

 

部活が終わり俺らを探しに来た大坪と木村に写真を撮られた挙げ句練習を増やされたのは言うまでもない

 

 

高尾side

 

大坪さんの大声で目を覚ました俺はその状況に狼狽えた

 

「うるせぇ大坪」

 

「大坪さ、え、先輩…えと、え?」

 

俺は助けてくれた先輩の脚の上に座り眠っていたらしい

それよりも驚いたのは俺の後ろにいた

 

「やべ…がっつり寝てた」

 

宮地さんだ

 

「まったく、探しに来てみればこれか」

 

「珍しいな宮地。そんなに寝心地良かったのか?」

 

「っ木村ぁぁ!!」

 

ニヤニヤと宮地さんにちょっかいを出す木村さん

宮地さんは木村さんにかかって行こうと立ち上がると俺は後ろに倒れかかる

 

「うおっ!」

 

「やべっ」

 

寝起きで全く体の反応しなかったので咄嗟に目をつぶった俺の背には2本の手

そっと目を開くと俺の視界は金色に輝いていた

 

「「大丈夫か?」」

 

「…う、あ、はい」

 

金色に輝いてたのは太陽の光を反射する2人の髪

俺が返事をすると、のぞき込んでた2人の目が優しく細まった

 

「よかった」

 

「だな…というより高尾、いつまでそこにいる気だ?ん?」

 

宮地さんの言葉に俺は自分の大勢を見直し慌てて立ち上がる

 

「うわ、先輩すいません!重かったっすよね…」

 

立ちくらみでふらふらしながらも謝ると先輩も立ち上がり俺の頭を撫でた

 

「いいさ、高尾も元気になったようだしな」

 

「ちょっ先輩!それは!」

 

「あー大坪、監督と話がある」

 

「高尾の今の状態の関係だな」

 

宮地さんが頷くと大坪さんは俺を見て眉をひそめ、そう言うと木村さんも同じ様な表情をした

俺の今の状態って、あ…

 

「高尾」

 

「はい…」

 

俯いた俺の視界に大坪さんの足が写ると頭に温もり

 

「少しは相談しろ」

 

「っすんません」

 

「高尾」

 

先輩の声に後ろを振り返ると優しく微笑まれた

 

「カーディガン、今度でいいから返してね」

 

「あ、はい!!えっと…」

 

「月島未來、好きに呼びな。じゃな宮地、大坪、木村」

 

「おぉ今日はありがとな」

 

「また明日な」

 

「帰りに喧嘩すんなよ男女!」

 

ちょ!宮地さんそれは酷いと言う前に未來先輩は宮地さんにドロップキックをかます

 

「黙れ!この女顔!」

 

「いてぇなチビ!轢くぞ!」

 

「こちとら平均以上だよ!テメェがでけぇんだバァカ!轢き返すぞ!」

 

「はん!出来るもんならやってみろ!」

 

「よし、今度バイクで轢く。つかお前2年で伸びすぎだろ!」

 

「成長期だ!!」

 

「うぜぇ!!」

 

さっきの優しい表情とは一転、綺麗な顔を歪ませ宮地さんに掴みかかる未來先輩

宮地さんも顔を笑っているものの青筋がたっている

さっきとのギャップが強すぎてついていけねぇ

 

「あの、木村さん…」

 

「アイツ等はあれがコミュニケーションみたいなもんだ」

 

「内容は1年の時から成長しないな」

 

「なんか似たもの同士って感じじゃないっすか?」

 

「「だろ?」」

 

「「似てねぇ!!…真似すんな!!」」

 

同意した大坪さんと木村さんに同時に振り返りハモると威嚇しあう宮地さんと未來先輩に思わず吹き出した

 

 

 

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