不良少女   作:鞠猫

7 / 9
7

宮地side

 

 

1、2限目は未來のクラスと合同の体育で種目は…

 

「ドッジボール…」

 

明らか高校生が授業でやるもんじゃねーだろ!!

そう言うと大坪と木村も頷いた

何考えてんだ体育教師!と体育教師を見ると両クラスの担任に挟まれてた

 

「私のクラスの方が優秀です!」

 

「私のクラスだって負けませんよ!」

 

そうか、原因は担任ね

 

「「轢くぞアイツ等……」」

 

何故かハモった声に隣を見れば未來が同じように俺を見ていた

体育だから髪を高く結い上げてる未來を見るのは初めてで何だか新鮮だ

 

「お!月島!」

 

「珍しくやる気だな?」

 

「当たり前だろ。ドッジボールだぜ?こいつの顔面にたたき込めるんだから参加すんだろ」

 

そう言って羽織っていたジャージを腰に巻き指さすのは俺

ははーこいつ轢いていい?

 

「未來、残念だが顔面はセーフだ」

 

「マジか、何回もたたき込めるな」

 

「いや、そこは諦めろよ!!」

 

真顔で喜ぶ未來に木村の突っ込みが入った

つか体育館にいるとバスケしてー

そう思って天井すれすれまで上げられているゴールを眺めた

 

 

 

「ゲーム開始!!」

 

体育教師の声と共にボールが投げられた

ちなみにボールは3つだ

俺と未來は外野スタート

未來は座り、俺は壁に寄りかかって2人して雑談をしながら試合を傍観している

 

着々と人数が減っていき俺は中へ入るよう言われ軽くストレッチ

未來のクラスもチラチラと未來を見ている

 

「…お前クラスに友達いねーの?」

 

「いるかよ」

 

そう言って立ち上がり俺を指さしてきた

 

「その顔面叩き込む」

 

「はっ!やってみろ」

 

俺らが中に入り3対5で俺ら優位

未來が外野からのボールを受け取り投げた

それなりにスピードのあったボール

俺の隣にいたやつが鈍い音をして当てられた腹抱えながら外野に向かう

ボールで手の上で遊ぶ未來をチラリと見れば目が合いニヤリと笑われた

 

「やるじゃねぇの!!」

 

そして俺と未來の戦いが始まった

 

 

「いい加減にしろ殺すぞ!!」

 

「やってみろ!その前に轢く!!」

 

「テメェなんかに轢かれるかよ!!チビ!!」

 

「ぜってーその女みてぇな顔面に当てる!!」

 

「ぶっ殺すぞテメェ!!」

 

互いに罵声を飛ばしながらボールを投げる

まわり?互いに巻き込まれて2人しか残ってねぇよ

外野も応援でそれなりに盛り上がってる

 

「月島さん!!宮地君に色仕掛けでもしてみたら!!」

 

「「「「うおー!!」」」」

 

向こうのクラスの女子がそう叫ぶと男子が盛り上がった

まぁこいつは黙ってりゃ綺麗だし良いアイデアかもしれないが

 

「誰がやるって分かってる色仕掛けなんかにかかるかよ!!」

 

視界の端で大坪と木村が呆れたような顔をしてるのが見えた

 

 

 

木村side

 

 

「宮地馬鹿だな」

 

「あぁ馬鹿だ」

 

宮地の投げたボールは月島が腹に抱え込んで受け止め、後ろによろけた

これで脇に2つあるから月島がボールを全部持っていることになった

先程月島の口が弧を描いたから色仕掛け、やるんだろうな

 

「酷いわ清志…あんなところ見たくせに、あんなことしたのに、そうなこと言うのね」

 

「っ!?」

 

おっと名前呼び来た

というより……おい誰だあれ

ボールをギュッと胸元で抱え涙目で見上げているその顔は少し赤みが増し

うん…なんかエロい

案の定宮地は静止した

寧ろ体育館全体の音がなくなり誰かがゴクリと喉を鳴らした音が聞こえた気がした

 

月島はボールを抱えながらセンターラインへゆっくりと近づく

それに比例して宮地も一歩ずつ後退する

いつの間にか解けていた髪を耳にかけ頬に手を当てながら見たことのない顔で宮地を見つめ

月島が笑った

 

「ハッ宮地のバァーカ!!」

 

「ぶっ!!」

 

投げられた豪速球は宮地の顔面に当たり大きく跳ね上がった…って顔面!?

 

「あいつマジで顔面行きやがった!!」

 

「おい顔面セーフだぞ!!」

 

外野が騒がしくなり顔面を押さえよろよろしていた宮地は降ってくるボールを受け止め大きく振りかぶった

その顔は耳まで真っ赤だった

 

「未來テメェ!!!…っ」

 

隙だらけの宮地の腹に軽くボールが当たり地面を跳ねた

投げたのは勿論月島

 

「私達の勝ち」

 

宮地は膝から崩れ落ち頭を抱えてうずくまった

そしてチャイムが鳴り昼休みへと突入した

担任達はにらみ合いながら、体育教師はそれに巻き込まれながら体育館を去り自由にする俺達

月島はからかいに行こうとしたのだろうがあっと言う間にクラスメイトに囲まれていた

 

「凄いね!月島さん!」

 

「あの宮地をあんなにするなんてな!」

 

「ソフト部来ない!?」

 

「ねー何かやってたの!?」

 

「ぇ…、ぅ……木村!!」

 

今までこんな風にされたこと無かったのかとても戸惑い、助けを求められた

 

「せっかくだから仲良くなっとけよ。クラスメイトと」

 

「っ…」

 

すると月島のクラスメイト達がハッとした

そして

 

「「「ごめんなさい!!」」」

 

一斉に頭を下げた

その様子に俺らのクラスの奴らも頭を下げた

 

「噂信じちゃったけど、全然冷酷じゃないし、目があったら喧嘩するとかポ〇モンかって感じよね…」

 

「まぁ口悪いけど宮地とどっこいどっこいって感じだし」

 

「今まで避けててごめんなさい!今から…友達になってくれますか?」

 

皆の視線を一気に受け月島は戸惑いながらも頷いた

 

「でも、あまり学校外は…変なのに絡まれるし」

 

「オッケー!!学校内だけベッタベタに構うからな!」

 

わいわいと楽しそう話す皆を見て大坪と顔を合わせて笑うと、今だうずくまる宮地へと近づきしゃがみこむ

 

「おーい、大丈夫かー」

 

「宮地?」

 

「………」

 

チラリと見えた耳は未だに赤かった

 

「「馬鹿だろお前」」

 

「うるせ」

 

 

 

大坪side

 

「おい宮地」

 

「何?」

 

「いや何じゃなくて、箸逆だから」

 

「……」

 

昼休み、いつもの様に屋上での食事

いつもと違うのはそこに月島の姿がない事

それに宮地がぼーっとしている

 

「どうしたんだ宮地」

 

「いや別に」

 

箸を持ち直し、食事を続ける宮地

もしかして月島がいないから気が抜けてるのか?

それか月島の事を考えているか…

 

「月島は…」

 

名前を出した瞬間、ビクゥゥッと大きく肩を揺らした宮地に木村と顔を合わせ苦笑した

 

「お前なぁ…少しは我慢しろよ。いつまでも俺らの中だけにいるわけにはいかないんだからさ」

 

「わーってるよ」

 

「……もしかしてさっきの時間のこと気にしてるのか?」

 

「っ!!」

 

顔を赤くし背を向けた宮地、木村がニヤニヤとそれを眺めていてため息をつくと屋上の扉が開いた

 

「あり?未來先輩いないんすか?…って宮地さんどうし…ぶふぅ!!また顔赤いっすよ!!未來先輩いないのにどうしたんすか!」

 

顔を出したのは高尾で1人背を向ける宮地の前に回り込むと噴き出した

木村がちょいちょいと手招きをし高尾は走り寄る

 

「実はな」

 

「木村ぁぁぁ!!テメェ刺すぞ!!」

 

「大坪!抑えといてくれ!」

 

「わかった」

 

「大坪ぉぉぉ!?」

 

箸を握りしめ暴れる宮地を抑える

手足が動けないのが分かると暴言を吐きまくる

 

そしてあらかた話終わったのか木村はすっきりとした顔でぷるぷると震え、地面に転がる高尾を見ていた

 

「む、むり…ひっ、し、ぬ…ふひっ」

 

呼吸困難に陥ったようだ

宮地も何故かぐったりしてる

 

 

「…何この状況」

 

「月島!?」

 

いつの間にか屋上に来ていた月島は変な物を見るような目で俺達を見ていた

宮地の体がピクリと動いた

 

「ど、どうしたんだ月島、クラスで食うんじゃなかったのか」

 

「いや、食い終わって遊びに出るっつうからだるいしこっち来た…つか高尾と宮地どうした?」

 

「……だろ…」

 

宮地が何かを呟くが小さくて聞こえないので腕を緩めると、一瞬にして飛び出し、月島に跳び蹴りをする

 

「お前のせいだよ!!死ね!!」

 

「うぉ!?いきなり何なわけ?うっざ」

 

華麗に避けた月島は体勢を整える宮地を睨みつけ、2人同時に胸倉をつかみ合った

 

「うるせぇ!!殴んぞ!!」

 

「なら一発目から当てて見ろよ!!ヘボ!!」

 

「こんの、がさつ女!!」

 

「ヘタレ!!」

 

「男女!!」

 

「女顔!!」

 

「ブス!」

 

「ハゲ!!」

 

「ハゲてねぇ!!刺すぞ!!」

 

「その箸でか?バカじゃねぇの!?」

 

いつものように口喧嘩を始めた2人

よろよろと木村に支えられて来た高尾に水を渡す

 

「あ、ざっす」

 

「つか、言い合ってるとあんだけ近くても良いんだな」

 

そう、2人は互いに胸ぐらをつかみ合い鼻がつきそうなぐらい接近している

それに高尾が水を噴き出した

お、虹だ

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。