悪食グルメハンター   作:輝く羊モドキ

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鋼裡(はがねうち)ちゃんは刀を打つのに邪魔なのでおっきいおっぱいをさらしでぎゅうぎゅうに抑えてます。
なんでそんなオリキャラ出したかというとおっきいおっぱいをさらしでぎゅうぎゅうに抑えてるキャラが好きだからです。




ルート確定待った無しですわコレ(白目)

「金槌振るって百数十年!貴方様を一目見たその時から恋い焦がれ続けておりました!」

 

「何言ってんだお前」

 

 俺はグリード。海賊王になる男だ!ドン(大嘘)

 

 俺はマーさんに連れられて、ハンター協会支部の上層階の一室に訪れた。

 ハンター協会支部にはわりかし色々揃っていて、宿泊施設や食事処、図書館に医療施設までが一つの建物に詰め込まれている。無論ハンター証があればどれも無料で利用できるわけだ。

 

 お、俺は一ツ星だから顔パスに決まってるだろ(震え声)

 

 ともかくその宿泊施設の一角で、俺の右手を抱き締めるように両手で掴んで離さない女は、名を鋼裡(はがねうち)梅雨(つゆ)と名乗った。

 

「んで鋼裡、お前俺とどっかで「梅雨とお呼び下さい貴方様」

 

「……鋼裡「梅雨とお呼び下さい」顔に似合わず強引だなお前。まあいいがよぉ……で、俺とどっかで会った事あるか?」

 

「今の貴方様には会った事はありません。ですが私達は前世でとても深く愛し合っておりました」

 

「助けてくれマーさんこいつヤベー奴だ!」

 

「あなたの方がまだヤベー奴ですので大丈夫です」

 

 なんとか腕を振り払おうとしても、鍋に焦げ着いたカレーのごとく離れない。終いには鋼裡の体ごと振り回してもビッタリくっついたままだ。

 

「あぁ……こうして触れあえるのも54年と10カ月ぶりです。貴方様の魂の輝きは未だに陰る事もないようですね」

 

「俺まだ生まれてねえよ54年前。俺の両親も出会ってすらいねえよ」

 

「えっ、グリードさん両親がいたんですか?」

 

「マーさん俺が木の股から産まれたとでも思ってたんか……?」

 

「違うんですか?」

 

 俺はこの豆を芽吹くまで埋めよう。そう決心した。

 

「というか俺の目にはお前さんが54年も生きてるようにぁ見えねえんですがねぇ」

 

「はい。私は今年で23になります。子を産むに適した年齢ですね」

 

「色んな意味で何言ってんのお前」

 

 23歳が30代の俺を54年前から知っている……んんんん?????????????????

 

「ふふ、それも全ては『転生の秘術』の賜物。そう、()()の全ては貴方様に仕える為に幾度も死と生を繰り返し技術を磨いてはその全てを貴方様に捧げてきました。貴方様が求めるなら、国を奪う術も。世界を切り取る術も。死者を蘇らせる術も。果てにたどり着く術も。貴方様の為なら、不可能を可能と致しましょう。さあ、どうぞワタクシと()()致しましょう?」

 

「うん、なんか色々まくし立ててるところ悪いが()()に関しては痛い目を見たことがあるのでNGで」

 

 目つきが病的に黒ずんできた鋼裡の目を見据えて頭突き。額を打ち抜いた衝撃(インパクト)に握りしめていた両手を離して崩れ落ちる鋼裡。

 

「ちょ、ちょっとグリードさん!アナタなにしてるんですか!」

 

「うるせえマーさんお前は後で埋めるからな」

 

 埋めることが確定している豆の事を他所に、鋼裡の足を引っ掴んでハンター協会支部を後にする。

 

「グリードさん!何処に行くんですか!?」

 

「帰るんだよククル―マウンテンに」

 

「なんで鋼裡さんを引きずっていくんですか!?」

 

「コイツにゃ聞きたい事が幾つかあるからな。まあ……ついでだ」

 

 階段を下りる時にゴッ、ゴッ、と音がしていたが気にしない。

 え?女の子の扱い方じゃない?知るか死ね。

 

 ハンター協会アマダレ地方支部からククル―マウンテンのあるパドキア共和国までは飛行船で約二日。まあのんびり戻るか……あ、ゴトーさんにハンター試験終わって戻る旨を伝えねば。ホウレンソウを欠かさない社会人の極みねアタクシ(なお遅刻

 

とぅるるるるる

 がちゃ

 

『おう、オレだ』

 

「お久しゴトーさん。今試験終わって帰るわ、ま二日後ってとこかね。じゃ」

 

『あぁ?おいグリーd』ブツッ

 

 さて飛行船の手配は近くにいるハンター協会事務員に任せて、と。

 飛行船が来るまでここいらの食材でも適度に買いあさってみようかね。

 

 

 

* * * * *

 

 

 

 

 アマダレ地方イーストリバー町。アマダレ地方の広大な土地に比べて比較的人口密度が高めの此処は様々な娯楽が集まっている。一年中分厚い雲に覆われているこの土地は人にとって生き辛い土地であるにもかかわらず、多くの人々がその地に根付いて生活していた。

 

「よぉってらっしゃい見てらっしゃい!霊峰ビトイ山で採れた新鮮な『雨舞茸』!香りも味も一級品だよ!」

「さあさあ『曇牛』が今なら何と一万ジェニー!一万ジェニー!超お買い得だぞ!」

「『雨鶏の卵』はいらんかねー!『雨鶏の卵』はいらんかねー!」

「『曇天魚』今なら一キロ4千ジェニー!買った買ったぁ!」

「おいしー『雷飴雨』いかがですかー」

「チョットソコノオニーサンヨッテケヨーイマナラトクベツサービススルヨー」

 

 空には分厚い雲が覆っているにもかかわらず、まるで地面に太陽が落ちたかのように煌々と光る街並みに、それに負けない程に活気のある商店街。

 『雷飴雨(らいアメう)』を舐めながら色々な食材を買いこんでいく。『雲牛』や『雨鶏の卵』とかは此処でしか買えない様なブランド食材だが、別に各段に美味い訳でも無い。まあ良くも悪くも地方特産品ってところだ。でも買っちゃうびくんびくん。

 買った食材を『ポケット』に放り込んでいると、いつの間にか気絶から戻った鋼裡がきゃあきゃあ騒いでいた。

 

「あ、あ、あの貴方様!?この状況はいったい……!?」

 

「ああ、お前にはいろいろ聞きたい事があったからな」

 

「で、ですがこのような羞恥プレイ……いや、ですがこれも貴方様の愛だというなら……」

 

 さて、ここで俺と鋼裡は一体どういう状態かおさらいしておこう。

 まず俺。至って普通、特筆する所の無い青年と中年の微妙な歳としか言えない服装。その左手には妙齢の女性の足。

 そして鋼裡。服装はジャポン風洋服とでもいうか、なんとなく郷愁的(ノスタルジック)な柄物のワンピース。そして下着は褌。

 そう、ずっと足を持って引きずってきたから必然、鋼裡はずっと褌を見せつけていたのだ。

 

「ああああやはり恥ずかしいです!!」

 

 そう叫んで鋼裡は俺に持たれていた足に『硬』をして蹴り抜く。無論俺はすぐに手を離し跳躍して蹴りを回避した。

 そういうのはせめて閨で……とよくわからない言葉を呟きながら立ち上がる鋼裡。

 

「ま、起きたのなら引き摺る必要も無くなったし良いか。ほれ、とっとといくぞ」

 

「ああ、貴方様のその変わらず強引な所が好き……!」

 

 背中泥だらけで何か呟いてますね(泥だらけにした張本人)

 買い物も終わって協会支部に戻ると、丁度そこに飛行船が降り立っていた所だった。

 

「お帰りなさいませグリード様。もう御行きなされますか?」

 

 一切の感情を感じられない表情と声色のロボ娘が出迎える。コイツはこの支部で働く事務員であり、昔から知った仲である。あと事務員にしてはクッソ強い。まあそんな事はどうでも宜しい。

 

「すぐ行く、と言いたい所だが……マーさんは居るか?」

 

「間もなく玄関に到着します」

 

 そうか丁度いい……と言おうとしたその時、支部の玄関が開きマーさんが現れた。

 

「ああ、グリードさん戻ってきたんですね!ちょっとグリードさんに手伝ってもらいたい事が」

 

 俺は一足でマーさんの下に跳び、マーさんの頭を引っ掴んで空高く跳ねる。そして落下の勢いそのままにマーさんを地中深くに(うず)める。(有言実行)

 なおマーさんに『周』を施していたのでマーさんには怪我一つ無い。(非常に無駄な技術の塊)

 

「~~~!!」

 

「何か聞こえたか?」

 

「私のログには何もないですね」

 

「貴方様のその暴力的な所も好き……」

 

 豆を植えた所で俺がアマダレ地方でやる事は終了。さっさと飛行船に乗り込む事にした。

 さて、これで二日後にはゾルディック家に到着してる。のんびりと過ごすだけなので鋼裡から色々聞いておく事にした。

 

「さて、これでゆっくり話を聞けるな」

 

「はい、それで結納の義は何時になさいますか?」

 

「そんな話一ミリたりともしてねえよなぁ?お前は俺の過去を知ってる様な口ぶりだったが……そもそもお前は『ダイモーン』を知っているのか?」

 

「……はい」

 

「なら話せ」

 

 『ダイモーン』。グリード=ダイモーン()が属する一族であり、俺自身知らないことが多い謎多き存在である。そもそも俺を産んだ両親の事すらよく分かっていないことだらけだ。ただ唯一分かっている事は、俺は1()0()0()%()()()()()()()って事だけ。

 

「『ダイモーン』の一族について話す前に私の『異能』についてお話しましょう。私の『異能』、それは()()()()()()。死しても記憶や技術を受け継ぎ、新たなる生を受けます。私はこの永き魂の牢獄に囚われる代償に愛を受けたのです」

 

「転生ねぇ……まあ、『念能力』ならありえない事じゃねえな。どういう誓約組めば記憶も技術も継げるのか分からんが。……それで?」

 

「私の()()の『異能』……この異能は私が創造した物ではありません。私の()()()()が創造し、私に授けたのです。()()()()即ち、始まりの悪魔。その名は『プライド=ダイモーン(傲慢の悪魔)』。以降、()()悪魔(プライド=ダイモーン)の血を継ぐ者に仕え続けてきたのです」

 

「悪魔……か。随分メルヘンチックな話だ」

 

「信じられませんか?」

 

「……まさか、逆に納得いったわ」

 

 満たされることの無い渇望。埋まることの無い心の闇。餓えに餓えていた唯の餓鬼が亡者蔓延る過酷な流星街で、たった一人だけで生き残れたのはその()()の力のお陰って訳だ。

 

 

 流星街に捨てられたのもその悪魔の力のお陰な訳だがぁ!?(全ギレ)

 

 

「『プライド=ダイモーン』は多くの子を残しました。しかしその中で悪魔の力を引き継いだ者は誰も居ませんでした。そして子が子を遺し、そして孫を遺し、そして、そして、時にして約150年。悪魔は再びこの世に生まれ落ちました。その悪魔の名は『グラトニー=ダイモーン(暴食の悪魔)』。彼はあらゆる物を食らい、散らかし、そして暴虐の限りを尽くしました」

 

「『傲慢』に『暴食』?は、七つの大罪って奴かいな。それでその後は『色欲』に『怠惰』に『嫉妬』に『憤怒』に、『強欲()』ってか?」

 

「いいえ、『グラトニー=ダイモーン』は言葉通り、あらゆる物を喰らい尽くしました。そうして残ったのは小さな湖と食べ残しだけ。それは今で言う『メビウス湖』と『世界地図』に載る島々です」

 

「……ちょっとまて、いきなりスケールでけー話に切り替わって頭が混乱してる。お前の話ってここ数百年の話かそれ」

 

「ふふ、まさかですよ。数百年と言わず、数万年は前の話です」

 

「バァァァッカじゃねえの?なんで俺の源流(ルーツ)の話聞いてんのに万年昔のお伽噺聞かされなきゃなんねえんだよ」

 

 自分の名前の意味を両親に聞いたら『ズッコンバッ婚した時のホテルの名前から取ったんだよ』と言われた子供の気持ちだよ俺は今。ナニイッテンダコイツ。

 そして目の前のこの女は、こいつの話が確かならン万歳と言う訳である。年齢詐欺具合ならビスケ超えたぞ、良かったな。

 

「話を戻しましょう。『グラトニー=ダイモーン』は当時の『私』を食べ、暗黒大陸の何処かへ消えていきました。そうして再び『私』の意識が戻ってきた時には人類はこの巨大湖メビウスの中に閉じ込められていました。まるで何者かが災厄から人類を遠ざけるように……。『グラトニー=ダイモーン』のその後は分かりません。まだ生きているのか、それとも自らをも食らい死んでしまったのか。ただ一つ言えることは、()()()()()()()()()()()()()()と言う事です。貴方もその事を分かっているのでは?」

 

 そう言われて俺は『暴食バクテリア』の存在を思い出す。『暴食バクテリア』は植物、鉱物、生物、無機物、果てや空気やオーラでさえ食らってエネルギーに変える、スペックだけなら厄災を超えるバケモノだった。だが俺はそれを自らの糧としている。つまりは、そういう事なのだろう。

 

「人類と一緒にメビウス湖に閉じ込められた『私』ですが、私の役目は変わりません。『悪魔』の血を引く者に仕え続けるだけです。しかし……」

 

「残った人類の中に『プライド=ダイモーン』の血を受け継ぐ者は居なかった……とか?」

 

「その通りです。『グラトニー=ダイモーン(暴食の悪魔)』は『プライド=ダイモーン(傲慢の悪魔)』の子孫全てを食らってしまいました。『私』が永き生を続けるのも、彼の『悪魔』との契約が為。契約を履行できなくなり『私』は朽ちていく……かに思われましたが、『悪魔の契約』はその程度では破られませんでした。当時の『私』の胎に死んだ『ダイモーンの子孫の念』が集まり、一人の子となりました。なお当時の『私』は処女でしたので……所謂処女懐胎ですね」

 

「マリアが悪魔の子を産むとか各所から石投げられそうな事を」

 

「そうして生まれたのが『ラスト=ダイモーン』。貴方の直系の先祖に当たります」

 

 あー……つまり、だ。

 俺は『マジモンの悪魔の子孫の念、或いは霊で生まれた存在の子孫』と言う事か。

 

 属性多すぎィ!?

 

 そして目の前のコイツは『自分が産んだ人外子孫に求婚する女』と言う事か。

 

 こじらせすぎィ!?

 

「あ、私は別に『ダイモーン一家(悪魔の母)』とは血で繋がっている訳ではありません。私の意識知識が全く他人の子から生まれるだけですので」

 

「ちょぉっともう俺には理解の外かなぁ」

 

 またの名を凄くどうでも良いと言う。

 

「……ん?待てよ……今の話の中で、結局俺に『一目見たその時から恋い焦がれ続けておりました』って言う理由なくない?」

 

「ええ、『私』が『悪魔』に仕える理由はお話しましたが、『悪魔(貴方様)』にお仕えし続ける理由はまた別です。そう、あの事は今でも鮮明に思い出せます……あれは『私』が産まれ落ち、しかし仕える『悪魔()』がまだ見つかっていない百数十年前の事。『悪魔()』を探して世界中を旅していました。その道中『私』は山賊に襲われ、女に餓えた者共に処女を奪われる……その時、一人の剣士が現れたのです」

 

 

 ◇

 

 

「ぐへへ、いい女だなぁ」ニチャァ

 

「あーれー、誰かお助けー」

 

「そこまでだ!」トゥ

 

「何奴!?」

 

「天知る、地が知る、人が知る。例え満月がその行いを見逃そうとも、この我は見逃さぬ」

 

「誰だ貴様!」

 

「我が名は『刀神ブラックソード』!山賊ども、貴様等の悪行はここまでだ!」

 

「ひぃ、あ、アニキィ~!『刀神ブラックソード』と言えばここらで名の知れた賞金首(ブラックリスト)ハンターですぜ!」

 

「ふん!あんな意味の分からん仮面を付けたヒョロ男がハンターな訳がねえだろ!どうせ名前だけ騙った馬鹿だろうが、野郎共!舐めたマネをした男に俺等『山賊ひょっとこ団』の怖さを思い知らせてやれ!」

 

 突如現れた剣士の男を取り囲むようにひょっとこの面を付けた山賊達が取り囲む。そしてそれぞれの手には自動小銃が握られていた。

 

「ブッ殺しちまえ!」

 

 山賊の頭と思われる大男が合図を送ると、山賊達は手に持った銃で剣士の男を撃つ、撃つ、撃つ。

 

「ヒャハハハ!一瞬でハチの巣だ!」

 

「アニキィ~!アイツ銃が効いてねえ!!」

 

「な、なにぃぃぃぃ!!?」

 

「どうした?そんなオモチャなんて捨ててかかって来い!」

 

「く、糞があああああ!!」

 

 そうして持っていた自動小銃を捨て、腰に差していた手斧を持って剣士に襲い掛かる大男。

 

「死ねえええええ!」

 

「遅すぎる。『瞬光:雷神剣』」

 

 そう剣士が呟いた瞬間、持っていた刀がキラリと光り、一瞬にして大男を切り刻んだ。

 

「は?」

 

 そう言い残し、バラバラに崩れ落ちる大男。

 

「あ、アニキィ~!」

 

「ひぃぃぃ、た、助けてくれぇ~!」

 

「馬鹿が。そう言って貴様等が助けてやった者が一人でも居たのか。『迅剣:疾風』」

 

「ぴゃ」

 

 一陣の風が吹いた。その瞬間には全てが終わっていた。

 

「ご婦人、大丈夫か?」

 

「え、ええ」

 

 そうして私に差し伸べてくれた手を掴んだ。その時、私はこの人こそが私の使えるべき『悪魔()』である事に気が付いた。

 

「あ、あの……貴方様の名前は」

 

「……我が名は『刀神ブラックソード』!それ以外に名乗る名など無い!」

 

 そう、それが『私』の初恋であり、『ラース=ダイモーン』との初めての出会いだった……。

 

 

 ◇

 

 

「名乗る名前あるやんけ!!?いや、ってか突っ込むところ多すぎィ!?三文芝居感ハンパねえな!」

 

「何を言っていますか。いくら貴方様でもラース様と私の出会いに文句を言われる筋合いはありません」

 

「『刀神ブラックソード』にオチる女は言う事が違いますなぁ!?何なのオマエそういうアレ!?アレなの!?」

 

「アレとはどういう事か分かりませんが、貴方様を一目みた瞬間にラース様(悪魔)の生まれ変わりだと分かりました。そう、私は再び貴方様に恋に落ちたのです」

 

「怖い怖い怖い!!なんか最初にお前に会った時とはまた別ベクトルの怖さだよおい!一目みて『刀神ブラックソード』と同じって思われたの俺!?嫌すぎるんですけどぉ!!!?」

 

「ああ、そう言えばラース様はいつの間にか『刀神ブラックソード』と名乗るのを止めていましたね。その事を尋ねても何も言わなかったですし」

 

「襲い掛かる黒歴史(ブラックヒストリー)!やっぱ黒歴史(ブラックヒストリー)だったじゃねえか!」

 

「あの『瞬光:雷神剣』や『迅剣:疾風』といった技もいつだったか何も言わずに行うようになりましたし」

 

「それ以上はやめたげてよぉ!」

 

 やばい。俺が前世の記憶を引き継いでなくて良かった。ただ俺の中の()()が死にたがっている感覚がするが。

 

「ええ、とにかく私はラース様と出会い、彼のお役に立つために様々な事をしました。刀鍛冶の真似事もその延長です。とはいえ『私』の永き叡智を持ってすればそこらの刀匠を超える刀なぞ造作もなく作り上げられました。しかしラース様は()()()()では満足していただけませんでした。ラース様の全力に、刀の方が耐えられなかったのです」

 

 やばい。俺の前世の黒歴史がアレだったが実力はとても高かったらしい。……ん?刀の方が耐えられない程の腕前の剣士?

 

「ラース様が死ぬその時まで、私はラース様の全力を受け止められる刀を作ることが出来ませんでした。故に前世の私は、私が死ぬその時まで延々と鉱石を求め、そして金槌を振るっては『最高の刀』を求めました。……いえ、死んで今生に生まれ落ちてなお『メタルハンター』と呼ばれるまでに鉱石を集め、金槌を振るっていたのです」

 

「まさかとは思うが、ラースって『使い捨て剣聖サネミツ』とか名乗ってなかったか?」

 

「おや、良く御存知で」

 

 まじか、まーじーかー。ノブナガの奴が目指している剣豪ってまさかの俺の前世。世間って、狭いね。

 うっそだろお前。あの意味不ちょんまげとかサネミツリスペクトでやってるって言ってたけど、それつまり俺の前世が意味不ちょんまげでそれが一目見て俺にそっくり……?

 

 

 泣きそう

 

 

 マジで意味のわからないタイミングで心に重傷を負った俺は食事を作る気力もなくなり、ぐったりとしたまま空の旅を楽しんだ。

 

 ちなみに鋼裡に新しい調理道具を打ってもらった。ひゃあまな板まで金属製かよぉ。

 




ものすごく意味不明なタイミングでノブナガの強化フラグが立ちました。何でだろうね。


プライド=ダイモーン
傲慢の悪魔

 ガチの悪魔。出来ない事は何もない。


グラトニー=ダイモーン
暴食の悪魔

 ガチの悪魔。メビウス湖が出来るくらいめっちゃ食った。暴食バクテリアはグラトニーの細胞……?


ラスト=ダイモーン


 死者の念?から生まれた。人に近いが人ではない。


ラース=ダイモーン
剣豪 黒歴史マイスター

 上記の悪魔達に比べたら非常に人に近い。化け物染みた強さ。世代的にネテロに会っていてもおかしくないが……?
 あ、コイツ異名(自分命名)がいっぱいあるらしいっすよ。


鋼裡=梅雨
ジャポン人

 プライド=ダイモーンによって『転生の呪い』を受けた者の現在の姿。酸いも甘いも清も濁も何もかもを味わい続け狂って狂ってSAN値ピンチどころかマイナス。そしてこいつもグリード並の超技術持ち。



暗黒大陸に行くためには「許可」「資格」「手段」「契約」の四つが必要らしいですねぇ(意味深微笑)

グリードの今後の行く末は

  • キルア坊っちゃんと原作沿い旅行
  • イルミ坊っちゃんと世界食べ歩き
  • いや、俺は家から出ねえからな?
  • え、G.Iに行ってもいいんすかぁ!?
  • 暗黒大陸RTA、よーいスタート。

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