細かい時系列決めてないけど!
「すみません坊ちゃま。今なんておっしゃいました?」
「聞こえなかったの?オレの依頼に同行しろって言ったんだけど」
「すみません坊ちゃま。ワタクシ休日に外出すると発作の喘息が」
「返事はハイかイエス以外聞かないけど」
「くっそこのナチュラルブラックめ。兄弟が全然仕事しないから結果的に殆どの仕事を請け負ってる面倒見の良いお兄ちゃんが」
「同行しないって言うのなら全力で殺してやるけど」
「やめていただけませんかねぇ!?」
おーっす未来のプロハンター。俺はしがない雇われハンター(プロ)だ。プロのハンター世界、気を抜くと30連勤なんて当たり前。酷い時は365連勤とかありえる。だから自分の休日は自分で管理するんだぞ!お兄さん(年齢不詳)との約束だ!
そして今、俺の貴重な休日(毎週二日休み)を潰そうとしているのが俺が仕えるゾルディック家の長男坊、表情筋の死んだイルミ坊っちゃんだ。俺の知ってる中で一番執事を殺してるヤベー奴。俺もいつか殺されるゾ♡
ただでは絶対死なんがな。
とにかく今は俺の貴重な休日(月に8回以上、有休完備)を削られる訳にはイカンのだぁ!!
「イルミ坊っちゃん、料理長の俺が不在の間ゾルディック家の食事はどうするんですか!」
「え?料理長?まあ、居なくても献立は変わらないし……」
「レシピ通り作れば問題ないですし……」
「と言うか一年後までの献立とレシピ揃ってるんで料理長居なくてもいいというか」
「加工済みの食材も揃えて保存されてますし」
「我々もレシピ通り完璧に作れるように鍛えられてるんで」
「正直料理長居なくても問題無いですね」
「オメェ等ァ!!」
「まあ楽して一年後まで何もしないってのも問題だと思うんで。イルミ様、どうぞ遠慮なく連れ出してくださいませ」
「だそうだけど?」
「チクショオオオオオオ!!真面目に献立作った先週の俺馬鹿野郎!!!」
「面倒だからって一年分の献立を纏めて作った料理長の失態では?」
「グリード、キミ給金貰っておきながら仕事放棄する気なの?」
「イルミ坊っちゃん、それはちゃいますねん。ちゃんと俺は給金分の一年の仕事を先駆けて終わらせる、言うなれば夏休みの宿題を初日で終わらせる真面目ちゃんですねん」
「ふーん。じゃあ親父に報告しても問題無いね?」
「殺されるんでやめてくださいませ」
そうして俺はイルミ坊ちゃまのオシゴトに付いて行く事になった……。ドウシテコンナコトニ……。
* * * * *
気球に揺られてエーニャコラ。目の前を横切った怪鳥をさっくり捌いて今日のランチにする。
オーラで米を焚きながら『周』で強化した包丁を使って骨ごと真っ二つに断つ。同時にオーラで凍らして辺りが血で汚れるのを防ぎ、その後内臓を瞬時に取り分け鉄串を打つ。凍った血は味付きのオーラを混ぜ込んでクリーミーシェイクに。イルミ坊っちゃんにシェイクをお出ししつつ肉を特製のタレで煮込む。骨は隠し包丁で食べやすくなるようにバラバラ刻む。
そうこうしているうちにオーラで熱していた調理用溶岩プレートが赤熱してきた。真っ赤に燃え上がる溶岩に鉄串を打った
ご飯が炊けたので丼によそい、その上に灼熱で焼いた
「俺謹製、『怪鳥クックの全身仕込み丼』!灼熱マグマ、熱々のまま召し上がれ!」
「いただきます」
「イルミ坊っちゃん?俺がまたあーんしてやろうか?」
「死ね」
針がハヤブサの如き速度で飛んでくるが何事もなく俺の胃の中に入っていった。昔はもっと可愛げがあったんだけどなー!
いや、言う程可愛げなんて無かったわ。
イルミ坊っちゃんは無言で怪鳥丼を食べ進める。美味いであろう?そうであろう?……さて、俺も昼飯にしますかね。真っ二つにした怪鳥は、半分はイルミ坊っちゃんの分だが残り半分は当然俺の分だ。俺も丼にご飯をよそい、内臓、骨、肉をぶっかけて食べる。
「うむぅあい!一口食べるだけでガツンと殴りこんでくる肉の暴力的な味わい!肉を噛めば中からジューシーな旨味汁が!骨天を噛めば楽しい食感が!内臓を噛めばコク深い味わいが!そして煮汁のかかった白米は幾らでも食べられるっ!俺は今、空を飛び続ける怪鳥のスタミナを余す事無く食っている!」
さすが俺。自画自賛。
だって俺が褒めねば誰も褒めてくれねんだもん……。イルミ坊っちゃんは食べる時は無口だし……。
美味すぎてあっと言う間に完食。手早く作れて(超技術)腹にたまって(怪鳥のサイズはゴリラ並み)熱々で言う事無し!まあ、この丼の唯一の欠点は灼熱の熱さを冷ます間も無く食いきってしまうから口の中がとんでもない事になる点だな。溶岩を食った時並みに口のなか火傷しそう。
ほら、イルミ坊っちゃんも無言で口の中を火傷して
火傷してない……だと……!?
そうこうして約半日ほどかけて目的地に到着する。イルミ坊っちゃんのオシゴト……すなわち、暗殺。誰かが殺したい人間を、えげつない金銭と引き換えに代わりに殺す仕事。広い世界、一家で暗殺家業をしているところなんてそれこそゾルディックだけ……だと思いきや、ぼちぼち他にもあるらしい。まあ一番有名で、実績もあるのはゾルディック家だろうが。
「今日はとあるマフィアの頭と次期頭を殺す仕事だよ」
「はー、さいですか。……それで、なんで俺がイルミ坊っちゃんのオシゴトに付いていく必要があるんでぃすかね」
「今から潜入する場合で開催されるパーティにそいつらが参加するんだ。そのタイミングを逃すと雲隠れして面倒になる。だからパーティのスタッフとして紛れ込んで殺そうって魂胆だ」
「それで実際に調理スタッフとして料理の腕がある俺をカムフラージュに、そのマフィア共に近づいて殺すってことかいな、はぁーメンド。パーティー参加者全員爆殺したら良いんじゃないかな」
「不必要に被害を拡大させないのがオレ達ゾルディックの流儀だよ。それに標的の護衛に腕のたつハンターがいるらしい。確実にこの機会を逃さないように尽力してもらうよ」
「へーへー、了解しましたー」
「じゃあ変装するからコレ、刺して」
「……この針を、誰に?」
「グリード自身に」
「……何処に?」
「顔に」
「……冗談だろ?」
「ああ、冗談だ」
「わお、クールな顔してなかなか洒落の効いたギャグぶっこんできやがったなこのやろー」
「それは『針人間』用の針、変装用はこっち」
「冗談キツいぜまったく!」
針人間ってあれだろ……?人を操り人形に変えるアレだろ?そんなん顔に刺させるなっつねーん!
うーらー!刺せばええんやろ刺せば!!
刺して、鏡を見ればあらいやだ。なんと可憐な美少女が。
「えっ、イルミ坊っちゃんこういうTS趣味……?」
「似合ってないね」
「うるせーやい」
いや、やりたいことは分かる。こう見えて俺の顔はかなり広いからな。伊達に一ツ星ハンターではないから、素顔のままこういった潜入は難しい。だからまさかこんな美少女の正体がグルメハンター(プロ)だと思いもしないやろーなー。ハハハハ。
「変わってるのは顔だけだから体に変化はないよ。だから下手に動いてバレないように」
「了解でーおまんがな」
まあ別に元の顔にこだわりなんて無いから女顔になっても気にしないんだけど。や、声が変わってるのはちょっと気になるな。
イルミ坊っちゃんと別れ、パーティ会場とやらに堂々侵入。調理場に入ると料理の仕込み中だったスタッフ数十名がこっちを見る。
「あんた誰だ?ウチのスタッフじゃねえな。ここは関係者以外立ち入り禁止だぜお嬢さん」
「俺は急きょ追加で雇われた料理人だ。責任者は誰だ?」
「ああ?俺が調理責任者だが、んな話聞いてねえぞ」
「アンタが聞いてないっつーのは知らん。だが俺が帰ると困るのはアンタじゃねえのか?」
「っち、口の悪いオンナだ。今ボスに確認してくる」
「そんな暇があんのか?もう料理を作り始めないと間に合わねえんだろ?」
「……けっ。おいお前、余計なマネしたら即座にブッ殺して皿に盛ってやる」
「あぁ?お前こそ生ごみ作りやがったら俺が捌いてやるよ」
「ハッ!威勢は結構じゃねえか。今からオレ等が何作るのか知って言ってんのか?」
「馬鹿にしてんのか?そんなモンいまソコの奴等が下ごしらえしてるモンみりゃ予想はつく。『カニバルパーティ』ってか?俺の故郷じゃ人食いなんて珍しくもねえや」
「フン、分かってその態度なら及第点だ。いいか?このパーティに参加する奴一人でも『不味い』なんて口にしようもんならその瞬間ボスのメンツは丸つぶれだ。そうなったらオレ等料理人は全員銃殺だ。勿論臨時で雇われたテメェも例外じゃねえ、気合い入れて料理しろ」
「あぁ?お前気合い入れなきゃ料理一つ出来ねえのか?」
「……んだと?」
「客に『不味い』と思われたなら、それは俺等『料理人の死』だ。そん時は持ってる包丁で自分の首を掻っ捌く。気合いなんて態々入れなくてもソレが平常。んなら
「……く、くくく。コイツは中々イカレた奴が来たもんだ!気に入った!お前名前は?」
「グr……『ダイモ』だ。よろしくね」
「ダイモか!この仕事が終わったら正式にウチに来い!」
「悪いな、ムサい男しか居ない職場なんて真っ平ゴメンだ」
「ハッキリ言う奴だ!胸さえありゃ文句無しの美女なんだがな!」
「余計なお世話だ」
(一応)男だからな、胸なんて要らねえよボケ。
ともかく調理スタッフとして潜入は出来た。後は『美味すぎて死ぬパーティ料理』を作って俺の仕事は完了、イルミ坊っちゃんの出番は無くなるかもだが結果的に対象が死ねばいいだろ。
◇
ほんのつい先ほどまで非常に騒がしかったパーティ会場は静かになっていた。それもこれもまず間違いなくグリードの所為であろう。
給仕スタッフとして潜入したオレはその一部始終を全て目撃していた。最初は中小規模のマフィアの小競り合いから始まっり、大規模マフィアの頭は表面上同じ規模同士の組の頭と仲良さげに歓談していた。そうしてこのパーティの主催が簡単な挨拶をし、スタッフに合図を送ることで一斉に料理が並べられる。このパーティは普通のビュッフェ形式だ。ビュッフェ形式の場合、誰もが料理に手を伸ばせる事から、誰でも簡単に毒を盛る事が出来る。故にこういったパーティでは誰かに恨まれている自覚のある者は料理を取るだけ取って口にしない事が多い。常識だ。
……だが、それは『普通』であった場合。そんな常識をブッ壊す存在をオレは知っている。
大きなドームカバーが外された瞬間、騒がしかったパーティ会場は一瞬静まり返った。
その『香り』は余りにも強力で、奥ゆかしい。強烈な存在感をアピールし、自身を喰らう事を望んでいる『料理』がそこに存在した。
ソレを料理と呼ぶには余りにも異形であった。芸術品の様だ、と口を漏らす男が居た。
しみ一つない、一糸纏わぬ純白の少女。瞳は閉じられ、永遠に開くことは無い。その両手は天井に向けてのばされ、まるで誰かを迎える様に開いていた。
テーブルの上に横たわる少女は間違いなく死んでいる。だが『生きていた』。今にも動き出しそうな血色であるが、胸部から生えている飴細工の薔薇と、薔薇の花に加工された心臓が少女が死んでいる事を証明している。だが『死は眠りである』と言わんばかりのその血色は、寝息が聞こえるのではないかと錯覚した。
仕事柄『死』と『生』によく触れる自身ですら『生きている』と一瞬錯覚した程である。参加者が『本当に生きて、眠っている』と勘違いするのも理解できる。
そして再度騒がしくなる会場。唯一違う点は、口に出す内容が全て目の前の料理の事のみな点。
一人の男がその『料理』にフラリフラリと近づいていく。その男は今回の仕事のターゲットの一人だった。
男に釣られるように、より正確に言うのなら『料理』の放つ魔香に釣られるようにふらふらと複数人が『料理』に近づく。そしてターゲットの男が『料理』に手を伸ばし……
そのまま噛みついた。
少女が目を見開き、悲鳴をあげる……幻覚が見えた。だが実際には少女は既に死んでいるから悲鳴をあげようも無い。男が噛みついた所から強烈な血の匂いが立ち込め、その瞬間他の参加者は我先にと
わずかばかりの後、テーブルの上には骨すら残されず、少女がそこに居た痕跡はテーブルクロスに残された血痕のみだった。
『料理』を食べた参加者の内、半分は『生きた人間を食べてしまった』事により発狂し、残りの参加者のほとんどは『料理』の余韻に恍惚と浸り、僅か数名は心臓が止まっていた。
「うああああああああ!!!」
発狂した参加者の中には念能力者も混ざっており、自身の念能力が暴走している者、無意味に『練』をする者、他者を念で攻撃する者が数人いる中で、それ以外の念能力者は『自身の能力に食われた』。
ターゲットの内の一人は発狂し、自身の手首や首を執拗に掻き毟っている。だがもう一人はその狂乱の外にいた。この混乱に乗じて始末しようと残りのターゲットに近づく、と。
「止まれ。それ以上近づいたら『撃つ』」
右手に短刀、左手に小さな丸盾を装備した女が割って入ってきた。やっぱり警戒されてるか。
「お前がこの騒ぎの犯人か、もしくは関係者か」
「そうだと言ったら?」
「……ボスを狂わせた代償を払って貰う」
「レイラ、気を付けろ。ソイツはずっとこのホールに居た。『アレ』を作ったヤツが別に居る」
「了解です若」
面倒な事になったな、オーラをみる限りこの女が腕の立つ護衛らしい。ただターゲットの一人が発狂しながらも生きているから、若と呼ばれたもう一人のターゲットは逃げる気配がない。逃走用の念がない限り逃げられる事はなさそうだ。
針を女とターゲットの頭に投げる。しかし女が右手に持ってる短刀を振るい、投げた針全てが叩き落とされた。成程、本当に腕は立つようだ。ならこれならどうかな。
「っ、若。気を付けてください」
「なんだ……!?あれは針……?」
自身の能力に食われていない念能力者に針を撃ち込み操作する。『近くにいる女の念能力者を殺せ。』
「動いたっ!?操作系能力者か!」
「若、下がって」
強化系能力者が自身を砲弾に変え突進する。女はそれを短刀ではじき反らす。
放出系能力者が念弾で女を撃つ。女は盾を突き出し、正確に念弾を叩き返し殺した。
具現化系能力者が槍を作り出し、投擲する。女は短刀で撃ち落とした。
女の念能力がなんとなく分かってきた。針を恍惚として動かなくなっていた男の頭部に刺し、女を銃撃させる。女は短刀を使って正確に銃弾を叩き落とす。
次は特別製の針を近くの男の頭部に刺す。『近くの女を殴り殺せ。』
針人間は素早い動きで女に肉薄し、拳を振り下ろす。そのタイミングで強化系念能力者が再度自身を砲弾に変え突進する。
女は短刀で針人間をいなし、盾で能力者を撃ち殺した。
大方、短刀は防御専門、盾は攻撃専門って所か。
「(肢曲)」
攪乱しつつ針を直接ターゲットに向けて放つ。
「若っ!?」
女は短刀で針を叩き落とすが、直後投槍が女に刺さる。具現化系能力者が二本目の槍を作り出して投げていた。槍の勢いそのままに女が壁に突き刺さる。
「レイラ!!」
ターゲットが護衛に目を向けた瞬間、その頭部に針を撃ち込む。任務完了。
「おー、イルミ坊っちゃんオシゴト終わりました?」
「グリードの所為で余計に時間掛かった気がするよ」
「ひでえな。じゃあ次から俺を暗殺家業に巻き込まんでくだせぇな……ん?」
壁に突き刺さっていた女から膨大なオーラが顕現する。これは……ターゲットの方の念か?
「ありゃぁ……坊っちゃんあれヘマしたな。死者の念だぞアレ」
「げ」
次の瞬間、女は刺さっていた槍を握りつぶし、真っすぐオレに向かって動き出した。
盾を突き出しオレに体当たりをする。両腕でガードし、咄嗟に後ろに跳んだが勢いを殺し切れず、更に両腕の骨、あばらがもってかれた。
「大丈夫か坊っちゃん!」
「両腕が使えなくなっちゃった」
「余裕そう!」
実際は余裕でもないが。具現化系能力者の三本目の投槍が放たれる。今度は盾ではじき返し、倍以上の速度をもって具現化系能力者の頭部に突き刺さり爆散した。
盾の反射攻撃やシールドチャージの威力が倍増している。短刀の防御も相応に高くなっていると考えた方がよさそうだ。
しかしターゲット……雇い主が死んだ今、何故まだ戦闘を継続するんだ?
「感情的な理由か、死者の念に操作されてるか、まあどっちゃでもえーですがイルミ坊っちゃんが殺されると俺もオマケで殺されそう。逃げても当主様に殺されるだろうしよぉ……」
「そもそもあの速さから逃げられるの?オレでも咄嗟に対応出来ない位速くなってるけど」
「伊達にハンター(プロ)名乗っちゃねえや。生き残る事にかけても優れてるんで俺。……とはいえ流石にこれはちょっちキツイなー」
「何とかならないの?」
「なる」
「なるのかよ」
「流石に死者の念を食らうのは初めてだなぁ、どう調理すれば美味くなるかなぁ」
「そればっかだなグリード」
と言うか念を食うって言ったか?
女が再度盾を構えてオレに向かって突進してくる。
だが、同時にグリードも女とオレの直線状に割入ってきた。そして次の瞬間グリードがトラックに撥ねられた犬の様に吹き飛んで行った。
ちょっと?
勢いそのまま、女が突進を続けるから跳躍して攻撃を回避する。来ると分かってる攻撃を避ける事自体は簡単だ。
通り過ぎていった女が振り返り、また突進の姿勢になった。その時、
女の持っていた短刀と丸盾が消滅した。
女が目を見開く、その隙に折れた腕を無理矢理振って女の頭に針を刺した。
「……グリード、何をした?」
「攻撃を
視線の先には、モグモグと口を動かすグリードが居た。派手に撥ねられていたが怪我らしい怪我は無いようだ。
『
やはりグリードはオレの理解を超える
「あ、ちょい待ちイルミ坊っちゃん。『食材』の確保してくるんで」
「……言っておくけどウチは好き好んで人肉食べないよ」
「俺個人用というか、トレード用というか……まあゾルディック家の食卓には並ばないんでお気になさらず」
「あっそ」
そう言ってグリードの
そうして両腕が折れたオレとホクホク顔の(元の冴えない顔に戻った)グリードは共にククルーマウンテンに戻った。
オレの両腕が折れた事でグリードは母さんから叱られていた。
「俺よりイルミ坊っちゃんの方が強いんだからムチャ言わんでください」
「お黙りなさい!盾でも壁でもどうにでも出来たハズでしょう!!」
「命並に大事な両腕が折れちゃうんで嫌ですキキョウっち」
「今の貴方は使用人である事を忘れないで!!」
……キキョウっち?
蟻編入ったらシレッと王の給仕してそうな主人公であった。
念を食うとか強キャラムーブやなぁ!
個人的考察ですけど『念』って単純に命賭けるより『狂気染みた想い』を賭けたほうが強くなる感じがします。念って書くくらいですからね。
ネテロ会長も感謝の正拳突き1万回っていう狂気の沙汰を日課にしたからこそ百式観音のあの強さですし、ゴンさんも言わずもがな。
つまりウチのグリードが強キャラなのは何一つおかしくないな()。
『グリード=ダイモーン』
特質系能力者
目の前のあらゆる物を美味しく加工する一ツ星の『グルメハンター』。
たとえ毒でも、人間に消化出来ない物質でも、実体を持たないオーラでも、彼には等しく『食材』なのである。故に他人からは『悪食グルメ』と呼ばれている。同様に彼の作る料理のファンも多い。
『死ぬ前に食べたい料理』堂々の一位である『死ぬほど美味い猛毒キノコソテー』は彼の得意料理で、死刑に処される囚人の最後の晩餐に選ばれる人気料理一位でもある。食ったら(大抵の人は)死ぬから。その所為であらゆる国から死刑が廃止されたという説がある。
活動的ではなく、ハンター証が無いと入れないような地域に積極的に向かうような性格ではない。更にハンター専用の情報サイトも使わなければその他ハンター証の特典に魅力を感じなくなったグリードは一ツ星を得た時そのまま売った。親交の無いプロハンター達(星付き含む)からはプロ失格と蔑まれてる。働かなくても死ぬまで遊んで暮らせる程度に金を持っているが、現在ゾルディック家の料理長として働いている。完全週休二日制、有休有。
彼の偉業は、特殊な『念能力』を必要としない『グルメレシピ』の開発。無論特殊な調理器具は必要とするが、『一般販売している道具』で本来食べられないモノを使用した料理を誰でも作成できるように書いた『レシピ』は食糧難に陥っている国で爆売れ。
更に表には出してないが、野に放たれたら厄災クラスの被害が予測される『暴食バクテリア』の無害化に成功している。『暴食バクテリア』は金属やガラス等の物質だけでなくオーラや具現化された物も分解してエネルギーに変換してしまう。当然土や木、水も全てエネルギーにしてしまうので放置されていればいずれ大陸一つと言わず人間界全てがエネルギーに変換されていた……かもしれない。
偉業である『グルメレシピ』だが、自分で作ったレシピを彼は使わない。何故なら美味しく加工する為に『念』を使うから。
彼の能力は『何時でも何処でも何でも美味しく食べる』事に特化している。執着しているとも言える。オーラを使って超高速で食材を調理・味付けをすることが出来る。グリード曰く『水見式各系統の応用』だからメモリを使った『念能力』ではない、らしい。食材自体の水分量を増やし、水分子を高速で動かしたり止めたりして火を通したり冷ましたり、増やした水分の味を自在に変化させて甘味や塩味等を調整、水分内に不純物を生成する事で食材の細胞を破壊したり逆に歯ごたえを増したりと自在に瞬時に操る。故にオーラの届く範囲内は彼にとって厨房内に等しい。
戦闘は苦手と言うが、戦いながら相手を料理して『念』ごと相手を食う異常者。彼にとって『戦闘』と『料理』は完全に別物。『隠』『円』は非常に苦手として、『周』は非常に得意。
性格は自分第一主義。目の前の見知らぬ他人が死んでも何とも思わないが、遠くの顔も知らぬ他人の事を慮ることが出来る歪な精神構造をしている。ある意味流星街的。
料理の事には一切の妥協を許さず、常にその場で出せる最高以上の料理を作る事を信条にしている。だがこれは『自分が最高に美味いと思う料理を作りたい』というのが第一。人に料理を振る舞うのは趣味の一環だが『料理人』である事にプライドがあり、食材は選ばないが『客』を選ぶ。
『
食材、調味料を異空間に保存、取り出す能力。調理道具は無理。
基本的な味付けは変化系オーラの発で味を変えるのだが、基本の味付けだけで出すのが難しい味や香り(胡椒のスパイシーさ等)の調節の為に数多もの調味料が入っている。
食材、調味料等『食べられる物』を大量に入れる事が出来、『食べられない物』『食べない物』は入れられない。内部は時間の進みが遅い。
『
色々なモノを『食材』として加工する能力。通常の人間には食べられない、消化出来ない木や岩、土、布、人間等を『食材』に加工する。
『食材』として加工された物は人体にとって有益、或いは無害なモノとして判断される。故にその物自体の味を味わうことが出来る。
人体にとって有害なモノは脳の信号によって半強制的に『不味いモノ』として扱われるため、素材本来の味を楽しむ為に作成された能力。
鍛えに鍛えた為、加工の工程を瞬時に終えられる。ただし流石にネテロ会長の百式観音を捕らえるのはムリポげ。
副次的効果としてオーラ及び『念能力』『念獣』『具現化された物質』も食べられるようになった。
『
コック服に着替え、自身の身だしなみを整え、清潔、衛生的に問題ない状態に変化する能力。
直前まで肥溜めに浸かってようが衛生的に一切の問題無い姿に変化する。コック服はきちんと洗う事。
これも副次効果があり、自身が出血を伴う大怪我をしていたり、『念能力』による攻撃を受けて自身に異常が発生してる時に使用すると怪我や異常が回復する。ただし清潔、衛生的に問題ない状態だった場合には使えないし、出血による体力低下は回復しない。
『
『食材』として加工したオーラ及び『念能力』による攻撃を受けた際に発動する。そのオーラ及び『念能力』を口腔内に瞬間移動させる。
カウンタータイプの能力。前述の
なんか矛盾とかあったら気にしない方向で!教えてくれたらコッショリ修正しておきます。
つ づ く !!!