俺の課題。
重い体で行動を早くするにはどうすれば良いのか。
母さんには体が勝手に回避や攻撃を行う様になれば良いとは言われたが……。
そんな事が可能なのだろうか。
「入るわよ……考え込んでるわね」
「あー、サイガか……ってノックくらいしろよ」
「わー……何も置いてないわねこの部屋。ノックなら散々したわ」
「え?あー……気が付かなかった」
あの後、スコーチは母さん達と少し話こんで帰った。
サイガとベネリは残留したいと申し出ていたので残っている。
「あらあら、家族が増えたみたいで嬉しいわ」
なんて呑気な事を……聞けば、昔兄……オッサンも帰省の際に二人連れてきてたらしい。
親父にそっくりだなんて笑いながら言われた。
「夕飯よ」
「わざわざ呼びに来てくれたのか」
「声が通らないもの」
「お前らは……何で残ったんだ?」
「……呆れた。聞くの?それ」
「?ああ……いって!」
至近距離まで近づいたサイガに鼻っ面を指ではたかれた。
「何すんだよ」
「にぶちん!」
「にぶ……なんだと!確かに体が重い分反応が遅れてる自覚はあるけど……」
「そうじゃないわよ!」
「はぁ?」
「アンタ、鍛えてる内に脳まで筋肉になったんじゃないのかしら……」
「言いたい放題言ってくれるじゃねぇか……」
「だって前の方が察しが良かったし」
「前って……」
「……まぁ良いわ。ご飯、冷めるわよ」
「あー……そうだな」
――――――――――
夜。
何となく外に出る。
ここに来てから結構経った。
街の人たちは皆気さくで良い人だ。
のどかで、この世界が終わってる事なんて嘘みたいだ。
「………………」
スコーチたちが持って来た装備の中に木刀が入っていた。
流石に武器の類は入ってなかったけど。
久しぶりにこういったものをを握る気がする。
深呼吸、一閃。
「……鈍っちゃったな」
剣先がブレブレ。
ちっとも真っすぐ振れていない。
「カン取り戻すの、結構時間掛かるかもな……」
星空を見上げて、ふと思う。
これから、どうなるんだろうか。
S-13はどうなっているんだろう。
そして、AN-94はどうしてるんだろう。
「………………」
考えていても仕方ない。
木刀を構えなおして、素振りを始める。
剣を振っている間、何も考えなくていい。
(……でも、本当にそれでいいのか?)
何も考えなくて、良いのだろうか。
「あっ」
木刀がすっぽ抜けた。
今までそんな事無かったのに……。
いや、握ってる間隔が無かったから分からなかった?
義手に付いてた疑似神経がカットされ、何だか変な気分がぬぐえない。
「……痛覚、か」
俺は、痛みを求めている?
「……かもな」
戦いで感じる高揚感。
痛みは生きている証。
命の削り合いの中で高まる快感。
俺は戦場でしか生きられないんじゃないか。
「へっくし」
ちょっと冷えて来た。
部屋に戻ろう……。
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