「うごぁっ……!!」
腹に掌が打ち込まれ、蹲る。
「ゲホッ、ゴホッ!あ"ぁ"ー…クソ!もう一本お願いします!!」
「ええ、喜んで」
「いざ……ごはぁっ!?」
二人の元に預けられてから、早1ヶ月。
来る日も来る日も鬼の様に強い二人に絞られる毎日だ。
でも、未だに俺の手は一度たりとも母さんに届かない。
「うっぇ……」
少し吐き気がした。
頭も揺らしまくったし腹に良いもの貰ったからちょっと拙いかも。
「今日はここまでにしましょう」
「押忍……ありがとうございました」
まだやれる、とごねた所で一発で気絶させられるので諦めた。
母さんがそう判断したのなら止めるべきだ。
「兄さん、大丈夫ですか……?」
ベネリが水とタオルを持って駆け寄ってきた。
「サンキュ……あれ、お前店番は?」
「サイガさんと代わりました」
「ああ……居ないと思ったら」
最近、二人は店の手伝いを始めた。
最近と言うかスプリングフィールドって人形からそもそも手ほどきを受けていたらしい。
その話をしたらすぐに歓迎された。
……そのスプリングフィールドって人形、どうもまた兄貴……オッサンの誓約人形らしくてまた知らない姉が現れた。
俺の姉何人居るんだよ……。
「どうしました?」
「いや……俺の家族を名乗る奴等が短期間に大量発生してるなって……」
「……?はぁ……??」
……ふと、
本当になんとなく……マイクとアリサの事が脳裏を過ぎった。
あの二人も……父さんと母さんは受け入れてくれるのだろうか。
それに……リリスも。
「パトリック」
「ん……え、ああ……親父……」
いつの間にか、父さんが俺のすぐ側に立っていた。
「すっかり俺の事を父と呼んでくれるようになったな」
「……からかいに来ただけかよ」
「すまんすまん拗ねるな。ちょっと付き合えよ」
「……?はあ。でも今泥だらけなんですけど俺」
「気にすんな。どうせ汗かく」
「???」
――――――――――
連れられて来た場所は、郊外の森の中だった。
「ここは?」
「んー?プライベートな訓練場かな。ほら」
投げ渡された物を慌てて受け取る。
拳銃……?
いや、軍の備品で見た事がある。
「B3ウィングマン?なんでこんな古い銃を」
「古い銃、か。俺が現役の時はハモンド2000が現役だったんだぜ?」
「今は2020だぞ」
「えっ……嘘だろもうそんな型番進んだのかよ……」
「序に言うと歩兵の主力はR301カービンだ」
「R301カービン?R101じゃなくてか……かーっ!歳とったなぁ俺も……たはは……」
何だかちょっと落ち込んでしまった様子。
「で、これで何を?」
話題を変えたほうが良いかなと思い、手元の拳銃を見せる。
「そろそろ、お前も撃ち方忘れてる頃だろ」
「まぁ……そりゃ」
「ジョージの銃の腕前は俺仕込みだ。興味ないか」
「俺は……銃より剣のほうが」
「まぁまぁ。たまにゃ俺にも構ってくれよ」
「……分かったよ」
「おし!じゃあやるぜ?」
銃の腕前、か……ジェリコも呆れるくらいの実力だけど、上がるんかね俺……。