水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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101話

 

暫く歩き回る事30分。

 

「……ここか」

 

俺とサイガはとうとうグリフィンの駐屯地へ辿り着いた。

 

「戻って来たわね」

「ああ……」

 

ここまで鉄血の人形に遭遇することは無かった。

静かだ。

本当に。

 

集中砲火を受けて司令部は半壊。

衛門も見事に吹っ飛んでいる。

 

「……誰も居ないわね」

「皆……避難したんだろうか」

「ここまで住民の一人も居なかった……そう言う事かもね」

「戦場はいくらか見て来たつもりだった。でもやっぱ……キツイな」

「ええ……」

 

目の前を塞ぐ瓦礫を蹴飛ばして道を作る。

まず第一撃……奇襲を高火力兵器によって行われたのだろう。

慣れ親しんだ光景が瓦礫へと変貌している……。

 

「……パトリック。大丈夫?」

「……ああ」

 

それっきり、二人は黙る。

 

そして、

 

「……着いたな」

「ええ」

 

リリスの執務室。

衝撃でドアは吹っ飛び、中は書類が散乱している。

綺麗好きの彼女からは考えられない光景だ。

 

「「………………」」

 

勿論室内はもぬけの殻だ。

黙々と手がかりを探す。

 

「……うん?」

 

ふと、机の下に何か見えたような気がする。

 

「どうしたの?」

「いや……」

 

取り合えずリリスの机をどかし、床のホコリを払う。

 

「……これは」

「隠し扉……」

 

僅かに見えた隙間。

恐らくこの床は外せる……のだが。

 

「……取っ手も無いしあるのは鍵穴だけ」

「めんどくせぇ……!」

「ちょっと、何する気……!?」

「ぶっ壊す」

「馬鹿!!!!!!!」

 

床に向かって貫手。

固い素材をものともせず手は刺さる。

そのまま引っこ抜いた。

 

「……隠し通路か」

「ここを通って避難したのかしら」

「いや……方角的に未管理地区に向けて伸びている……その線は無さそうだ」

「……どうするの?」

「……行こう」

 

腰に下げたライトを手にし、薄暗い通路を進むことにした。

 

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 

「アイツ一人行かせて大丈夫なのか?」

 

臨時指揮所にて。

S-13地区跡地の前に建てられた簡易テント内で、ローニンが口を開いた。

 

「パトリックもガキじゃないし、アイツのこと気にかけてる女が隣に居る。大丈夫さ」

「しかし、無人か……」

「ああ……」

「しかしジョージ。どうにもおかしくないか……?戦闘の痕跡が……何て言うか()()()()()

「ああ。鉄血人形の襲撃じゃないな」

「そう思うか?」

「鉄血ハイエンドがいくら優れていても所詮は人形。戦闘指揮が取れる訳じゃない」

「なら、これは誰の仕業と見る」

「……十中八九、正規軍だ」

「流石、古巣のやる事はお見通しか」

「既に目標は達成して撤退した後ってところか」

「目標?」

「恐らく……リリスの回収、か」

 

 

 




お久しぶりです。
実はドルフロ2一瞬やってました。
マキアート入手してそれからやってませんでしたが……。

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