水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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105話

 

仮眠室に放り込まれ、両サイドをサイガとベネリにガッチリホールドされてしまい身動きが取れなくなった……が、疲労は確かにあったようですぐに眠りに落ちてしまった。

 

気が付けば翌朝の早朝であった。

 

「……朝か」

 

両サイドの重みはなくなっていた。

簡易ベッドから起き上がり……少し身体がダルい事に気づく。

義手を外さないで寝るとこうもなるか。

 

「今、どうなって……」

「おはよう、パトリック。早起きね」

「は……?え……?」

 

聞き覚えのある声。

見覚えのある姿。

 

「な、ん、えっ……?お前、AK-12……!?」

「ハァイ」

「どうしてここに……!どの面下げて!!」

 

傍にあるトムボーイを握り振り抜こうとして……動きが止まった。

 

「ぐっ……!クソ、相変わらずだな……!」

「起き抜けに物騒ね。でも安心して……私、貴方の味方よ」

「信じ……られるか……!」

「あらそうなの?じゃあ……私は貴方の知ってるAK-12の前の個体よ」

「あ"ぁ!?だからなんだってんだ!」

「私の方が、おっぱいが2cm大きいの」

「冗談言うならもうちょっとマシなの選べ!」

 

そう叫ぶと、困った様に目を閉じて眉を下げた。

その瞬間、身体のコントロールが戻った。

 

……違和感を感じる。

このタイミング、何故俺にコントロールを返す?

 

「あら?どうしたの?今は自由よ」

「……お前、誰だ」

「だから、言ったじゃない。先代AK-12よ」

「……?」

「よう、挨拶は済んだか?」

「ええ、とびきり熱烈な歓迎をされたわ」

「そいつは何より。パトリック、顔洗って来い。お嬢さん達がまってるぞ」

 

開けっ放しのドアにもたれていたのは……兄貴だった。

 

「……説明しろ」

「正直これ全部なんだよ」

「ハァ?」

「親父が引き抜いた正規軍所属人形。で、抜けた穴に入れられたのがこいつの2号機」

「……親父、何やってんだよ」

「ま、母さん絡みで色々な。今回のヤツもその……恐らく最後の懸念点だ」

「……そうかよ」

 

トムボーイを乱暴に片付けて、部屋から出る。

 

「フフフ、正規軍時代の貴方にそっくりね」

「俺、あんな捻くれてたか?」

「ええ、それはもう」

「マジか……」

 

そんな話が肩越しに聞こえたのだった。

 

 

 

 

―――――――――――

 

 

 

「あ、おはようパトリック」

「おはようございます兄さん」

「おう……?何やってんだ?」

「パンを焼いています」

「……この量を?」

 

軽く10人分のロールパンが並んでいた。

 

「はい!兄さんはたくさん食べるので!賞味期限危ないのを貰いました」

「そ……そうなのか……」

 

 

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