仮眠室に放り込まれ、両サイドをサイガとベネリにガッチリホールドされてしまい身動きが取れなくなった……が、疲労は確かにあったようですぐに眠りに落ちてしまった。
気が付けば翌朝の早朝であった。
「……朝か」
両サイドの重みはなくなっていた。
簡易ベッドから起き上がり……少し身体がダルい事に気づく。
義手を外さないで寝るとこうもなるか。
「今、どうなって……」
「おはよう、パトリック。早起きね」
「は……?え……?」
聞き覚えのある声。
見覚えのある姿。
「な、ん、えっ……?お前、AK-12……!?」
「ハァイ」
「どうしてここに……!どの面下げて!!」
傍にあるトムボーイを握り振り抜こうとして……動きが止まった。
「ぐっ……!クソ、相変わらずだな……!」
「起き抜けに物騒ね。でも安心して……私、貴方の味方よ」
「信じ……られるか……!」
「あらそうなの?じゃあ……私は貴方の知ってるAK-12の前の個体よ」
「あ"ぁ!?だからなんだってんだ!」
「私の方が、おっぱいが2cm大きいの」
「冗談言うならもうちょっとマシなの選べ!」
そう叫ぶと、困った様に目を閉じて眉を下げた。
その瞬間、身体のコントロールが戻った。
……違和感を感じる。
このタイミング、何故俺にコントロールを返す?
「あら?どうしたの?今は自由よ」
「……お前、誰だ」
「だから、言ったじゃない。先代AK-12よ」
「……?」
「よう、挨拶は済んだか?」
「ええ、とびきり熱烈な歓迎をされたわ」
「そいつは何より。パトリック、顔洗って来い。お嬢さん達がまってるぞ」
開けっ放しのドアにもたれていたのは……兄貴だった。
「……説明しろ」
「正直これ全部なんだよ」
「ハァ?」
「親父が引き抜いた正規軍所属人形。で、抜けた穴に入れられたのがこいつの2号機」
「……親父、何やってんだよ」
「ま、母さん絡みで色々な。今回のヤツもその……恐らく最後の懸念点だ」
「……そうかよ」
トムボーイを乱暴に片付けて、部屋から出る。
「フフフ、正規軍時代の貴方にそっくりね」
「俺、あんな捻くれてたか?」
「ええ、それはもう」
「マジか……」
そんな話が肩越しに聞こえたのだった。
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「あ、おはようパトリック」
「おはようございます兄さん」
「おう……?何やってんだ?」
「パンを焼いています」
「……この量を?」
軽く10人分のロールパンが並んでいた。
「はい!兄さんはたくさん食べるので!賞味期限危ないのを貰いました」
「そ……そうなのか……」