返さなくては男が廃ると言うもの。
「で!?アイツは!?」
「アイツって誰よ!Five-seveN!?」
「ちげーよ!リリスだよ!!」
「指揮官!?指揮官なら司令室よ!Five-seveNと一緒よ!」
「司令室だな……!」
トムボーイを背に担ぎ直して走り出そうとする。
そこで襟をFALに引っ張られた。
「ちょっとどこに行く気!?」
「ぐえっ!お前!何しやがる!」
「まだこっちに鉄血が居るのよ!手伝いなさい!」
「バカヤロウ!拠点攻撃なら狙いは頭…指揮官だろ!!」
FALがはっとした表情になる。
通信をつなげようとして……。
「クソッ!ジャミングか!」
「……俺が行く!」
「……部外者の貴方に指揮官を任せなきゃいけないのね」
「俺とあいつは家族だ!悪いようにはしない!」
ここで言い争っていても時間の無駄だ。
行くしかない。
「……信じるわよ!指揮官に怪我させたら男で産まれたこと後悔させてやるわ!!」
「ハッ!任せな!一宿一飯の恩義は果たす!」
弾幕が止む。
その瞬間走り出す。
とにかく、この基地の司令室に向かわなくては。
基地内のあちこちに火の手が上がっている。
迫撃砲を撃ち込まれたらしく、損壊もそこそこ受けている。
「司令室、どっちだ…!?」
案内されていた筈なのに、道に迷う。
何故……!?
「くっそ、道に迷っただと……誰かに聞くか」
ちょうど曲がり角の先に誰かがいるっぽい。
「おーい!そこのあんた!」
「……?」
振り返る。
……長い白髪に、白い肌。
オマケに眼帯までしている。
戦術人形も個性的な見た目している奴がいるんだな。
……しかし、コイツもアレだな……デカい。
「……あからさまだな」
「うへぇあ!?べ、べべべべ別に見てねーし!」
「……それで?要件は?一応聞いてやろうじゃないか」
「あ、あー……司令室の場所が分からなくてな。案内して欲しいんだわ」
「私にか……?」
「え?ああ……生憎とアンタにしか会えなくてな。頼めないだろうか」
「フッ……ハハハ!面白い奴!私もちょうど司令室に用があったんだ!良かったら一緒に来い」
「本当か!?助かる!」
ラッキー、これであいつの所に行ける。
急ごうと思い走り出そうとして……。
「おいおい、案内しろと言ったのに私を置いていくのか?」
「イヤなんで歩いてんだよ!急いでるんじゃないのか!?」
「大丈夫よ……まだ襲われてないから。少し話そうじゃないか」
「え、えぇ……」
頼む相手を間違えたのだろうか。
「お前、人間だな?」
「あ、ああ……一応な。義手だけど」
「ほう……ふむ、良い手だ。記念に片方貰っても良いか?」
「何のだよ!てか駄目だ!これは換えが無い」
「それは残念」
なんだこの掴み所の無さは。
何となく居心地画悪い……いや、まぁこんなとびきりの美人を前にして何だって感じだけどさ。
女嫌いだが別に性欲まで無いわけじゃない。
と言うかこうして見るなら普通に好きだし。
だが……コイツからは何だか底の知れないものを感じる。
「お、着いたぞ」
「マジか、サンキューな!アンタ名前は?」
「名前?そうだな……」
白い女がドアを開く。
中では……ぎょっとしたリリスと、Five-seveNが銃を向けて立っていた。
「お、二人共無事……って、物騒だな」
「り、りっくん!退いて!そいつ殺せない!」
「は……?」
「パトリック!そいつは……鉄血の
「……はぁ!?」
振り返った瞬間、眼前に刃が閃いていた。
「うぉ……!?」
……鈍い金属音が響いた。
鉄血ハイエンド、アルケミスト参戦。
はい、こっちも相当久しぶりの更新です。
借金の方もカタがついてきましたのでね。
ぼちぼち更新していきます。