水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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パトリック(両腕パージ)とステアーは指揮官のもとへ。


第13話『猫の手も借りたい』

腕が無い、と言う状態は慣れたものだと個人的には思っているのだが……やはりと言うか、周りが慣れていない。

 

しきりにステアが俺の方を心配そうに見ている。

それを無視して俺は歩く。

 

途中で出会う職員も人形も俺を見るとギョッとして去っていく。

もう、見慣れた光景だ。

 

だが、それでも寄ってくるやつは居るらしい。

 

「おはよう、パトリック」

 

視界に飛び込んでくる豊満な胸部装甲(おっぱい)

視線を無意識に下げていたらしいので上げる。

 

「あぁ……えっと、TAC-50」

「50は合ってるけど……DSR-50よ」

 

また名前を間違えたらしい。

DSRの方も苦笑している。

 

「元気そうね」

「先程起きられたばかりですけど」

「あら、そうなのステア?」

「はい」

「そう……何にせよ、指揮官の為に命を懸けてくれてありがとう」

「………………れ、礼なんて、要らない」

 

真摯に見つめられて、面と向かって礼を言われ……俺は、目を逸らした。

ダメなんだ、そう言うの。

 

「あ、照れてますね」

「違う」

「DSRさんみたいな美人に言われたらそれは照れますもんね」

「もう、ステアったら。……今夜、部屋の鍵は外しておくわね?」

「あ、遠慮しておきます」

 

ステアとDSRのやり取りに苦笑する。

この女、メンタル基本設計を嫌がってる割にノリノリでそういう事を言うのもどうなんだろうか。

 

「あ、そうそう。あの時の武器を砕いたの、私よ?」

「え、そうなのか?」

 

てっきりステアがやったのかと思っていたが。

 

「私は能力的にお硬い相手の方が燃える質なの」

「言い方」

「作ってあげたチャンスをしっかり活かしてくれて嬉しかったわ」

「……無様に転がっちまったけどな」

 

あと一太刀浴びせれば、と言うところでオーバーヒート。

本当に、ステアが間に合っていなかったらと思うと。

 

「……ね、パトリック。何か言う事、あるでしょう?」

「……言う事?」

「ええ。私とステアに言、う、こ、と」

 

やめろ耳元で囁くなこの乳魔人。

揉むぞ……あ、腕が無い。

 

クソッ!お前はいつだってそうだ!肝心な時に着いてない!

誰もお前を愛さない。

 

「……パトリックさん?大丈夫ですか?」

「大丈夫だ」

 

さて、言う事。

 

「……何か、あったか?」

「「えっ」」

 

二人して可哀相な物を見る目をされた。

解せない。

 

「私達、命の恩人だけど」

「……ああ……」

 

そうか、それも確かに。

 

「……ありがとう

 

自分でもびっくりするくらい小さな声が出た。

コミュ障かよ。

 

ただ、二人には聞こえていたらしく、ステアはぱぁっと表情が明るく輝いた。

DSRの方は怪しく微笑み、

 

「声が小さいわね。……それとも、言わされる方がお好みかしら」

「ちげーよ!アッ、こら寄ってくるんじゃねぇ!揉むぞその乳!!」

「構わないわよ?……一緒に寝るまでがセットだけれど。ただ、その腕で出来るかしら」

「チィッ!!」

 

本気で舌打ちした。

 

「なんてね。あんまり遅くなると指揮官が待ちくたびれるわよ」

「!そ、そうでした!行きましょうパトリックさん!」

「わっ、やめっ、服引っ張るな!」

「行ってらっしゃい」

 

にこやかに手を振るDSRに見送られながら、俺達は走り出した。

 

 




純情DSRはネタ被りしてしまった為、本当は嫌だけど気に入った相手が見つかったので受け入れてDSRムーブさせる事にしました。

つまり、パトリックは彼女の射程圏内に居ます。

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