あくまで優先順位の参考の為、全部やります。
それでは、新しいパトリックの生活が始まります。
あれから1ヶ月が経った。
散発的に発生する鉄血との小競り合いに何度か参加し、基地での雑用を手伝い暮らしていた。
部屋に備え付けの洗面台で顔を洗う。
鏡に映るのは、目付きの悪いいつもの自分の顔。
「………………」
肌着のタンクトップから伸びる、両肩に繋がっている機械の両腕。
毎朝これを見るのも参るが、俺の腕はこうなってしまっているのだ。
……部屋のドアがノックされる。
顔を拭いて、上着に手を通す。
私室のドアを開いた。
「おはようございます、パトリックさん!」
「……よくもまぁ、毎朝飽きずに来るな」
立っていたのは、この基地の主力ライフル……IWS2000だ。
「はい。貴方のお世話は、私の任務の一つですから!」
「そうかい。もう1ヶ月経つし良いんじゃないか」
「……でも、パトリックさん迷ってましたよね」
「………………」
まぁ、別にコイツだけなら良いんだ。
慣れたから。
ただ……。
「パトリック。いつまでそうしているつもりですか。時間は有限なのですよ」
ステアと同じ白い服……だが、長い黒髪を一つにまとめ、青いメッシュの走る人形がやってきた。
「ジェリコ……」
「露骨に嫌そうな顔をして……朝食の時間が終わる」
「わかってる」
「背筋を伸ばせ!胸を張れ!男がそんな姿勢でどうする!」
「うるせぇ!!」
耳元で叫ぶな!
「
「……何だってあいつはお前なんて付けたんだ」
先週から俺の指導員として加わった。
最初は仏頂面の固そうな女だなと思って(しかし乳でけーなこいつ)いたが、蓋を開ければ世話好きの教え好きときた物だ。
そして思ってた通りの硬いやつ。
決まった時間に起きないと部屋に押しかけてくる。
休日も、だ。
「指揮官は貴方を信頼しています。が、私は活躍を見ていませんしあのハイエンドを仕留めるのに一歩届かなかったと聞いています。それに、私にできることは貴方にここでの戦い方を教えることです」
「………………」
あの時、アルケミストにとどめを刺せなかったことは……後悔になっている。
あの時の戦いは少なからず俺を高揚させた。
だから、俺の手で終わらせたかった。
つまるところ、消化不良。
「……聞いているのですか、パトリック」
「いや。ほら、ステア行こうぜ。食堂がしまっちまう」
「えっ、あっ、はい」
「待ちなさいパトリック!」
「走るぞステア!」
「パトリックさん!?」
「パトリック!廊下を走るな!!」
騒がしくも、何となく居心地の良い日々が続いていた。
パトリックの新しい日々が始まる。