水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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少しずつ、人形達と接しつつ過ごしてもらいます。


第17話『射撃訓練』

「……どうしてここまで射撃の精度がお粗末なんです、貴方は」

 

射撃訓練場。

様々な人形達がここで各々の調整をする……らしい。

 

その一角で、俺はジェリコに射撃の訓練をさせられていた。

 

「俺だってわかんねぇよ。俺の腕が銃を使うのに向いていないってだけた」

「ふむ……なるほど?頑強さと馬力をこの見た目に収めるために全て詰め込み……他は全て犠牲にしているのね」

「戦闘も、一応日常も使えてるし。それで良いと思ってる」

「参ったわ……」

「あれ、ジェリコにリックじゃん。はろはろ〜」

 

ジェリコが仏頂面で考え込んでしまったあと、射撃訓練場へうさ耳女……Five-seveNがやってきた。

 

どうにも俺はこいつが苦手である……距離の詰め方が良くわからない。

 

「Five-seveN……」

「どうしたの?ジェリコ」

「パトリックの射撃をみていました」

 

……実は、この二人Five-seveNの方が先にこの基地に配属されている。

そして、Five-seveNの方が実力が抜きん出ている。

その為、ジェリコはFive-seveNにあまり強く言えない……まぁ本人は性格以外尊敬してるフシもあるけど。

 

「ふーん、リック。撃ってみてよ」

「えぇ」

「いーじゃんいじゃん。減るもんじゃないのよ?」

「……」

 

渋々とパニッシャーを構える。

最近知ったのだが、AK-12にパニッシャーと言われて渡されたこの銃は本当はFive-seveNという名前らしい。

 

何となくこいつの前で使うの嫌なんだよな……。

 

トリガーを引く。

乾いた音が数発。

マズルフラッシュと共に吐き出された弾丸は……的の両サイドの砂山を少し吹き飛ばしただけだった。

 

「なるほどね……ねぇ、リック」

「あ?……ちょっ、なんだよ!」

「騒がないの。……はい、これで撃ってみて」

 

Five-seveNが俺の腕やら手に取り後ろから密着してくる。

背中にめっちゃ柔らかい物が押し当てられて気が気じゃない。

 

言われた通りにトリガーを引く。

 

……弾丸は、急所じゃないにしろ、的に命中した。

 

「え……」「なっ……」

 

俺とジェリコが驚く。

Five-seveNが俺から離れる。

 

「やっぱりね。リックは反動を腕で押さえ込み過ぎなのよ。パワーがあるから変なふうに飛んじゃうのね」

「流石……Five-seveNですね」

「ふふっ、褒められちゃった。でも、その銃もアタシみたいなものなのよリック」

 

Five-seveNが、俺のパニッシャーを指さして笑う。

 

「出来たら、大事に使ってあげてね?」

「……判ってる。武器は命を預ける相手なんだ……雑には扱わない」

「ふふっ、よろしい♪じゃあリック、今週末暇?」

「えっ、何だよ急に」

 

Five-seveNが腕を組んでくる。

俺は抜け出し……あっ、また腕で組んできた。

 

「リック、初任給でしょ?あの殺風景な部屋に色々置こうよ。服とかも選んであげる」

「え、何でお前と」

「当たるようにしてあげたのよ?お礼とかなーい?」

「お前勝手にやったろ」

「えー?アタシの胸、楽しんでたでしょ?」

「ばっ……!!た、たたたた楽しんでねーし!!」

「へー?ふーん?そういう事言っちゃうんだ?」

 

Five-seveNが目を細める。

口の端に小さく舌がチロリと覗く。

 

「……もっとサービスが欲しいって事なのかな」

「なっ、なんでそうなる!?」

 

Five-seveNが段々詰め寄ってくるので後退る。

……すぐ壁際に追い詰められた。

 

「どうする?」

「どうって……?!!?!」

 

Five-seveNの手が俺の腹を沿って胸まで撫でてくる。

くすぐったい。

 

「アタシね、指揮官の為に命張ってアルケミストと殴り合ってる姿見て……あなたの事気に入っちゃった」

「えっ、えぇ……!?」

「ねっ……リックさえ良けれぶぁっ!?!?」

 

Five-seveNの頭にジェリコの杖が落ちた。

痛そう。

 

「いったっ!!何すんのジェリコ!!」

「Five-seveN。ここは公共の場所ですよ。淫行は謹んでください」

「違うわよ!コミュニケーションよ!!」

「昼間からどうかと思います」

「関係ないわ!」

「貴方もですパトリック。男ならしっかり断りなさい」

「とばっちりだ!」

 

結局俺とFive-seveNが正座させられてジェリコにしこたま説教されるのだった。

 

 




Five-seveNとジェリコと言う謎の組み合わせ。
今後もちょくちょく人形達を増やすかも。
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