水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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さぁ、反撃開始だ。


第23話『反撃開始』

白髪の人形に手当てしてもらったため、血はとにかく止められた。

 

「リック!」

「パトリック!」

「ん……?」

 

声がしたので首だけそっちに向ける。

FALと57がこちらに向かって走って来ている。

……俺のライオットガンとトムボーイを担いで。

 

これで、戦える。

 

「おお、俺の武kグヴァッ!?!!?」

 

ぶん投げられて二人から殴られた。

何故。

 

「何しやがる!!」

「「うっさい馬鹿!!」」

 

二人してハモる。

うるさい。

 

「喧しいわ!」

「何よ!カッコつけて怪我してるじゃない!」

「ホントセンス無いわね!!」

「何だと……!」

「ヘイ、お嬢さん達!ちょっと良いかな」

 

ジョージと名乗ったおっさんがこっちに戻ってくる。

 

「君達がリリス指揮官の言ってた増援か?」

「……そうよ」

「なるほど、それは心強い」

 

おっさんがFALの手を取ろうとして横から来たWA2000にはたかれた。

 

「ははは、冗談だ……さて、状況を整理しようその為に後退だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――

 

 

少しして、リリスの寄越した部隊と合流した。

 

「パトリックさん!?怪我を……」

「大丈夫だ、すぐ止まる」

「でも……」

「良いって、触るなステア」

 

やってきた部隊……案の定ステアが居た。

彼女に見られたらそりゃまあうるさい。

 

「感情に突き動かされて独断専行、挙げ句に負傷とは兵士失格ですね、パトリック」

「……」

「何とか言ったらどうです」

「うるせぇよ説教魔」

「パトリック!!」

「まぁまぁ、落ち着け」

 

キレるジェリコ。

それをおっさんが仲裁してくるのが余計に腹が立つ。

 

「リリス指揮官、聞こえてるな?」

『……はい』

 

戦術データリンクにより、俺にもアイツの声は聞こえる。

 

「戦力の集結が完了した。これから残存部隊の撃滅を行う」

『了解しました。こちらからも随時指示を行います。パトリック、貴方はジョージ指揮官の指揮下へ』

「……イエスマム」

「よろしく頼むぜ坊主。リリス指揮官からは聞いてる」

「そうかい……」

 

何を聞いてるのか知らないが、アホな事はしないだろう。

何だかんだやる事はやってそうな奴だし。

 

「それじゃあ聞いてくれ。数度の遭遇戦で奴らの残存数は頭とその周辺の量産型のみ」

 

周辺の量産型の防御が厚く、通常の打撃では打ち破るのは難しい。

リリスからそんな補足が飛んできた。

 

「そのとおり、()()()打撃では難しい」

「……策があるんですね?」

 

ジェリコから期待の籠もった目線が飛ぶ。

おっさんは自信満々に頷いて、続けた。

 

「俺と坊主が敵中枢の頭上から急襲、撹乱し人形部隊が漸減。そのスキに頭を叩く」

 

……嘘だろオイ。

 

 

 

 




人間二人で敵中枢に急襲って頭おかしいんじゃねーのこいつ。

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