リリスの部隊も到着し、残党処理に当たっているらしい。
……と、本日の副官であるらしいDSRから聞いた。
「……なぁ、何でリリスが直接指示くれないんだ」
『自分で考えたらどうかしら。あと、私も怒ってるわよ……帰ってきたら覚悟しなさい』
割とドスの効いた声音でそんな事言われた。
怖っ……。
「リサ、そっちは?OK、そのまま頼む」
オッサンも指示を飛ばしている。
部下に全幅の信頼を置いているのか、全体的に雑な気がする。
後方に構えて逐次状況を確認しながら細かい指揮をするリリスとは対象的だった。
まさに臨機応変タイプ。
「さて、坊主。ほぼ掃討は終わりだ。よく頑張ったな」
「……ガキ扱いすんな。成人済だぞ俺は」
「無鉄砲は若さの特権さ。……ま、あとでちゃんと謝りなよ」
「何で俺が……」
「そういうところが、まだまだ子供なのさ。女の子は大事にしな」
「あ、オッサンお前っ……」
「俺の名前はジョージだ。またな、
オッサンは合流した自分の部隊と一緒に帰っていった。
……途中露出の凄まじい人形に飛び付かれたりしていたが。
「……調子狂うな畜生」
ふと、WA2000がこちらに振り返り……。
控え目に手を振ってきた。
「……」
何となく負けた気になりそっぽを向いた。
その場に座り込む。
「なんか、疲れた……腹減ったし」
「リック!」
呼ばれたので振り返る。
57と、FAL、ジェリコに……見慣れない人形が二人。
手持ちの武器はそれぞれARとSMGだろうか。
「大丈夫ですか?」
グレーの髪のベレーを被った方のSMGが手を差し伸べてくれる。
俺はそれを軽く払ってそのまま立つ。
「ちょっと休憩してただけだ」
「そう、ですか……」
「失礼いたします」
「う、お、!?」
ARの方……待て待て何でメイド服なんて着てんだコイツ……に腕を引っ張られる。
その拍子に脇腹が痛んだ。
アドレナリンが切れてきたのか、だんだん痛覚が戻ってくる。
「被弾されていますね……応急処置はされてますが」
「い、いてぇ!離せ!」
「ご主人様から、貴方を回収する様にとご命令されておりますので。大人しく着いてきて頂けますか」
「分かったから離せ!」
と言うか誰だお前ら。
「申し遅れました。私はご主人様のメイド、GrG36と申します」
「初めまして、G36式コンパクトです」
「……コンパクト?」
G36cと名乗った人形の明らかにコンパクトじゃない所を思わず凝視する。
でけぇ。
……背中を蹴られた。
「何しやがる!」
「サイテー」
「男として恥ずかしくないの?」
「帰ったらお説教です」
それぞれ57、FAL、ジェリコだ。
「男なら正常な反応だろこれは」
「パトリック様」
「あ……ヒェゥ」
「妹に手を出されるのでしたら……タダではおきませんよ」
メイドさんにめちゃくちゃ怖い目で睨まれた。
「お姉さん……」
「……ハッ!?さ、さぁ皆様、帰投しますよ!」
正直、帰りたくない。
これにて一件落着……?
G36姉妹が加入しました。