……傭兵なのに謹慎って何なんだろうか。
まぁ、今はグリフィンの保護下で働かせてもらってるという事でひとつ。
朝起きたら、とても鮮やかな、真紅の瞳が目の前にあった。
「おはよう、りっくん」
「う、わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!??!!!?!」
朝から、盛大に悲鳴を上げたのだった。
―――――――
「はい、りっくん。挨拶は?」
「お、オハヨウゴザイマス……」
「よろしい。それじゃ、朝ごはん行こうか」
「お、おぉう……」
改めて現状を整理しよう。
朝起きたら同じベッドにリリスが寝ていた。
俺の格好はいつものパンツにタンクトップ……義肢は、着いていた。
リリスの格好は、どこから出したのかワイシャツ一枚だけ。
というかそのサイズ確実に俺のである。
一度も袖を通してないけど。
「あのー、リリス、さん?何で俺の部屋に?」
「……?」
可愛らしく小首を傾げてらっしゃる。
いや君俺より年上だよね。
「一応その、義手とか取り上げなかったのは助かる……生活すら、出来ないから」
「私がお世話するって言ったのに最後までゴネたよね」
「そりゃ……みっともないから」
「……かわいいね、りっくん」
「はぁ!?」
何でそんな言葉が出てくるんだ。
面倒なので普段着に袖を通す。
……ぶっちゃけ謹慎なので監視無しで外には出られないし仕方ないと言えば仕方ないのだけれど。
……リリスが俺の腕に絡みついてきた。
肉付きが薄く、胸も悲しいほど真っ平らな彼女だが……女性特有の甘い香りと柔らかさは欠片も損なわれていない。
「ちょっ……」
「かわいいね、本当に……無理しちゃって」
「それは……」
「大変だったよね、だから、ここに居る間は……私に甘えても良いんだよ」
「………………」
俺は、黙って……なるべく、優しくリリスを押した。
「……帰らないといけない」
「どうして?」
「どうしてって……俺は正規軍で、リリスはグリフィンの指揮官だ」
「どうして帰らないとって思っちゃったの?……ねぇ、りっくんは、私の家族でしょう?」
「そう、だけどさ」
押した腕を、リリスが両手で抱きしめる。
「家族なら、良いんだよ」
「……俺は」
「おはようございます!パトリックさん!朝食のお時間です……よ……?」
ノックもそこそこに、部屋の扉が開かれた。
思わず二人で固まった。
「す、ステア……」
「あ、あっ、あの、指揮官さんと、パトリックさ、ん?えっ、これは、えーっと、あのあのあのあの」
傍から見たらまぁそう言うことをおっ始めようとしてる様にも見えなくもない。
「ステア、今日は行かなくても良いと伝えた筈ですが」
リリスからゾットするほど冷たい声が聞こえた。
えぇ……そんな状態見られて仮面被るのか君は。
「え、えと、あの……パトリックさんは、手足が無くなって不便かなと思いまして……うぅ……」
「リリス、そこまでにしといてやれって……」
流石に可愛そうなので止めた。
「あー、ステア?別にこう……お前が思ってるような事なんて無いから」
「思ってるような事って?」
リリス?そろそろマジでやめてあげて?
「あう、あうあうあうあう……きゅう」
ステアが、顔を真っ赤にしてぶっ倒れた。
「あっ、ステア!?」
「何事ですか!?……パトリック、と、指揮官……何故、それに、その格好は」
「ゲッ、ジェリコ……!?」
「……まさか!」
「待て、誤解だ」
「問答無用ッ!!」
「ギャーっ!!!!」
だんだんジェリコがオチ要因になってきた気がする(