水没から始まる前線生活   作:塊ロック

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三人という少人数チームで出撃。
気心が知れたメンバーなら良かったのだけれど……。


第31話『おっかない同行者』

……出撃から三時間。

飛行場を出て暫くした時。

 

今回の俺の装備はトムボーイ、Five-seveN……パニッシャー、そしてピースキーパー。

 

剣やピースキーパーを背負うため、バックパックの類は邪魔になるので基本的に腰回りに荷物が集中する。

唐突な説明な気がしないでもない。

 

……何でこんな逃避気味な思考になってるかって?

 

目の前でおっかないメイドさんが俺を睨んでるからだよ。

 

「………………」

「………………」

「………………」

 

無言。

睨むG36、気にしないように振る舞う俺、オロオロするG36c。

 

ぶっちゃけ終始こんな状態である。

 

正直居心地の悪さMAXIMUM。

 

何でこのメイドさん俺にこんな敵意抱いてるの?

と言うか先週あたりのアレが初対面だったよね?

 

えっ、俺なにかした?

 

G36cの方を見ても困り顔で笑うだけだった。

うーんかわいい。

 

いやそうじゃなくて。

 

「なぁ……」

「少し先行します。二人は一時休息を」

 

G36がそれだけ残して去ってしまった。

取り残される俺とG36c。

 

「……えっと、G36c、さん?ちょっと聞きたいことがあるんだけど」

「呼び捨てで構いませんわ。……お姉さんの事ですね」

「うぐ、まぁ……わかるか」

 

G36cが困ったように微笑む。

 

「理由は……詳しく分かりません。ただ……」

「ただ?」

「私達は、指揮官が笑っている所を見たことが無いんですよね」

「何だそれ」

 

確かにアイツが人形に向かって笑ってる所は見たことが無いけど。

それはそんなに気にする事なのだろうか。

 

……円滑なコミュニケーション、と言う点ではリリスの性格上得意ではなさそうだが。

 

「……二人で内緒話ですか。いつの間にか仲良くなったみたいですね」

「お姉さん……おかえりなさい」

「この先の森林地帯に何かが通った痕跡が残っていました」

「痕跡……?」

 

野生動物が通った痕だったり、稀に木に刻まれていたりする時がある。

そういった類のものだろうか。

 

「樹木に何か鋭利なもので傷付けたような痕が無数にありました」

「……鋭利なもの」

 

イヤに漠然としている。

 

「それは、剣か?」

「……そうですね。切り傷も荒く、中には歯が立っていない痕跡もありましたが」

「剣を使う敵、か……」

 

……脳裏に、アルケミストの影が映る。

少し、身震いした。

 

また、アイツと戦えるのだろうか。

また、アレと命の削り合いが出来るのだろうか。

 

「……リックさん?少し、怖い顔してますわよ……?」

「……顔が怖いって言われるのは慣れっこだ」

 

G36cに顔を覗き込まれたので、誤魔化す。

 

……その時、木々の間から……甲高い悲鳴が木霊した。

 

「……行くぞ!」

 

 




響く悲鳴。
森林地帯に刻まれた痕跡は、誰のものか。
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