味方らしいけど怪しさ満点である。
「何だ貴様は。私の狩りを邪魔するか」
ハンターが油断なくハンドガンを構える。
スコーチと呼ばれたサムライは手にした剣を構える。
こいつ、よく見たら背中にテルミットランチャー背負ってるじゃねぇか。
こんな場所でぶっ放したら木々に燃え移ってここら一帯が火の海になるぞ。
「我が名はスコーチ!悪を断つ刃也ッ!」
「何言ってんだテメェ!」
「ほざけ」
ハンターがハンドガンのトリガーを引く。
「危ねえ……えぇ?」
鉄血の基本装備は光学兵器だ。
実弾ではない為なかなか被弾が怖い……のだが、
このオッサン弾を全部斬り捨てたぞ。
「めちゃくちゃだ……」
「何なんだこいつは……」
「チェェェェェストォォォォォォォ!!!」
出鱈目に剣を振っている訳ではない。
一閃一閃が、確実に相手を刈り取る太刀筋。
「リックさん!!」
「G36c!?」
唐突に、G36cが茂みから飛び出してきた。
その後ろにG36も居る。
「今の内に離脱します、付いてきてください」
「その前に腕を回収したい」
「……!リックさん、左腕が」
「ふん……相応の報いです」
相変わらず辛辣だ。
「まだ仲間が居たのか!」
エクスキューショナーが吠える。
6対2、形勢は完全にこちらに傾いた。
残った右手でトムボーイを握り直す。
スコーチと名乗った男の隣に立つ。
「加勢するぜ、サムライ」
「若き剣士よ。剣を取るのなら覚悟はあるのだな?」
「覚悟?んなモン最初から完了だ」
「ふっ、隻腕でもなお威勢は衰えぬか。良いだろう!」
背後でG36とG36cが構える。
さぁ、どう動く。
「……エクスキューショナー、退くぞ」
「……判ってる」
「逃げるのか?」
「命拾いしたな、義手ヤロー!」
ハンターが、何か落とした。
「フラッシュ――――――!?」
G36が叫ぶ。
その瞬間、閃光が視界いっぱいに広がった。
「ぬわっ―――」
慌てて顔を手で覆……あっ、左手が無い。
まぶしっ……!?
目が慣れた所に……もう影も形も無かった。
「逃げたか……深追いは禁物だな」
スコーチがサムライソードを鞘にしまい、放置されていた剣を拾った。
「ふむ……若き剣士よ、貴様が持っていけ」
「は?」
スコーチが、俺に剣を投げて寄越した。
左手が無いから拾えなかった。
「何で」
「貴様に剣士としての可能性を見出した、と言っておこう」
「……別に、こんなん我流だ」
「一○○式を定期的に寄越そう」
「えっ!?スコーチさん!?」
唐突に話題振られたちっこいのが叫んでた。
「リックさん」
「ん?」
「……あの子、どうしますか?」
G36cが、ちっこいのの後ろで震えるウサミミ人形を指さした。
「あー……どうしよ」
何とかハイエンド戦を乗り切った……が、左腕が取れてしまった。